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小樽市議会 平成19年第2回定例会 2007年6月25日

(1)生活保護について/(2)就労支援について/(3)多重債務から市民を守る取組について

2007年6月25日、小樽市議会の一般質問で、菊地葉子議員が「生活保護について」「就労支援について」「多重債務から市民を守る取組について」について質問し、市長 山田勝麿、福祉部長 中町悌四郎、市民部長 佃信雄が答弁しました。

質問者
菊地葉子 議員
答弁者
市長 山田勝麿、福祉部長 中町悌四郎、市民部長 佃信雄

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 7番 菊地葉子

一般質問をします。初めに、生活保護についてお尋ねします。政府は生活保護の適正化の名の下に、一貫して保護費削減の政策を強めてきました。老齢加算の撤廃に続き、平成17年度からは母子加算の段階的縮減、撤廃が始まっています。生活保護世帯の多くは高齢者、母子世帯です。ここをねらい打ちにした制度の改革は大いに問題であることを指摘して、以下何点か、お尋ねします。平成19年度から、要保護世帯向け長期生活支援資金制度が導入されました。居住用不動産を持っている生活保護が必要な高齢者には、不動産を担保として長期貸付けを行い、貸付金の利用を生活保護に優先させるというものです。65歳以上の不動産を持つ要保護者が対象で、現保護受給世帯についても順次切り替えていくとのことです。この制度で小樽市の現保護受給世帯で対象となる世帯は何世帯となりますか、お尋ねします。この貸付基本額の月額は、生活扶助基準額の1.5倍から収入充当額を引いた金額です。医療費扶助もなく、社会保障費を差し引いたら、保護基準よりはるかに厳しい生活を強いられることになりませんか、お伺いします。この制度の対象となる不動産の評価額は500万円といいますが、現在、保護開始時における居住用不動産の保有容認は標準3人世帯の最低生活保護基準水準の10年分、おおむね2,400万円を目安額としていますから、この制度の対象者にとってはかなり不利な状態になることが予想されます。500万円を基準とした根拠についてお示しください。要保護者の自立支援の推進を図る取組として、稼働能力判定会議の設置が盛り込まれました。これまでも、健康上の理由から就労従事していない保護受給者には、主治医からの意見聴取などで就労の可否を判断してきているはずです。この稼働能力判定会議の目的はどういうものでしょうか。小樽市では稼働能力判定会議を設置するのでしょうか、お伺いします。仮に稼働能力判定会議が設置された場合、これまでの主治医の診断書や本人への聞き取り調査などはどのように扱われるのでしょうか、お伺いします。母子加算の縮減廃止に対しては、全国で不服審査請求が相次いでいます。小樽市でもひとり親世帯11名が母子加算の縮減廃止は認められないと、北海道に対して不服審査請求を行いました。「4月から母子加算が減額されて、何を節約して生活すればよいか考えます。自分は今パートに出ていますが、正職員として働ける職場はありません。冬にストーブをつけられない日も予想され、精神的にも参ってしまいます。」請求理由では以上のように深刻な生活実態が述べられています。とりわけ健康上の理由で仕事につけない親とその子にとっては過酷な仕打ちです。この不服審査請求に小樽市としてはどのようにかかわるのでしょうか、お伺いします。生活保護制度は国の責任において行われることは当然です。とはいえ、住民の健康と福祉を守る自治体の責務からも、母子加算の削減はやめるよう国に意見を上げるべきと思います。市長の見解をお伺いします。次に、就労支援についてお尋ねします。「労働条件が急激に悪化」、これは平成18年度小樽市労働実態調査を報じた北海道新聞の見出しです。いまだ景気回復の恩恵にはほど遠い北海道、とりわけ小樽市にあって、雇用を取り巻く環境が相変わらず厳しいものになっていることです。労働を取り巻く状況がここまで厳しければ、勤労意欲も損なわれるというものです。小樽市に見る有効求人倍率は、平成19年4月で0.46と依然として低い状況です。なかなか仕事につけなくてとの相談が後を絶ちません。失業の理由は雇用先の倒産だったり、また働き盛りの30代から50代の相談者が目立つことです。ノイローゼになりそうとの訴え、実際にノイローゼになり、入院した方もいます。勤めていた会社が最近倒産し、失業した若い母親は、生活保護を受給せずに自立をしたいとハローワークにも何度も足を運び、せめて住むところの心配だけでも解消できないかと市役所に住宅相談に行くと保護課に回された。「保護を受けたいという相談ではなく、自立して頑張りたいという相談に対応してくれるところはないのですね」と寂しそうに笑いました。ワーキングプアの広がり、非正規労働者の増大など雇用状況が大きく変化しています。こうした中で職を求める市民に対しては、きめ細かな就労支援策が求められると考えますが、いかがでしょうか。市長の見解をお尋ねします。次に、多重債務から市民生活を守る取組についてお伺いします。近年、高齢者をねらい打ちにした悪徳商法、青少年には携帯電話やインターネットサイト架空請求の被害など、消費者被害、多重債務などによる生活苦から事件を起こすニュースなどが後を絶ちません。また、格差や雇用条件の悪化などの社会条件を背景に生み出された貧困は、多重債務を重ねる要因になっています。我が党議員団にはこうした相談も増えているところですが、ここ5年間の消費者センターや無料相談など、小樽市における消費者被害に関する相談件数の推移をお尋ねします。また、小樽市の消費者被害対策の現状についてもお知らせください。自殺、夜逃げ、離婚、犯罪などの原因となる多重債務の実態は殊さら深刻です。金融庁の調べによると、我が国における消費者金融の利用者は少なくとも1,400万人、そのうち多重債務状態に陥っている人は200万人に上ると言われています。新たな多重債務者をつくらない目的で、貸金業制度を抜本的に見直す関連法案が昨年12月、国会で成立しました。既に多重債務者となっている人を救う道として、内閣には多重債務者対策本部を設置して、救済の対策づくりも始まりました。4月20日に公表された多重債務問題改善プログラムでは、自治体の積極的な取組を求めています。多重債務者は税金や国民保険の保険料、公営住宅の家賃、学校の授業料や給食費などの滞納につながり、多重債務が解消されれば、こうした滞納が解消されますから、自治体にとっても直接的なメリットにつながります。小樽市においても積極的な取組が求められるところですが、市長のお考えを伺います。再質問は留保して、質問といたします。(拍手)

答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)

菊地議員の御質問にお答えをいたします。初めに、生活保護行政についての御質問でありますけれども、まず要保護世帯向け長期生活支援資金制度の対象となる世帯は3世帯であります。また、貸付基本額についてでありますけれども、生活扶助基準額の1.5倍としたのは、医療費及び介護費の需要を見込んで設定されたものでありますが、世帯内に複数の要介護者がいる場合など特別な需要が見込まれるときには、特別に必要な額を加算できることとなっております。次に、不動産の評価額についての根拠でありますけれども、大都市近郊では500万円以下の物件は流通がほとんどないという状況であり、また、この制度の利用者は都市部に多くなるものと想定されることから、対象となり得る物件の多くをカバーする評価額として設定されたものと伺っております。次に、稼働能力判定会議の目的でありますけれども、今後、要保護者に対し一層の就労支援を推進していくことに伴い、より客観的で厳密な稼働能力の判定が必要となることから、稼働能力判定会議を設置して、稼働年齢層を対象に稼働能力の有無の判定、適正職種の検討などを行い、自立支援を推進していくものであります。なお、この会議の設置につきましては、今後、道内各市の取組状況などを見ながら検討してまいりたいと思っております。次に、稼働能力判定会議の設置に伴い、主治医の診断書や本人の聞き取り調査などが尊重されるのかとの御質問でありますが、判定会議におきましては、対象者の健康状態、職歴、資格、技能、学歴、希望する職種及び雇用条件等を踏まえ検討を行うこととされていますので、十分配慮されるものと考えております。次に、母子加算の不服審査請求に対する市のかかわりでありますけれども、北海道からは行政不服審査法に基づき関係書類の提出を求められておりますが、あくまでも審査庁は北海道であり、この不服審査請求に対し50日以内に裁決しなければならないとされていることから、その動向を見守りたいと考えております。また、母子加算の削減はやめるよう国に意見を上げるべきとのことでありますが、生活保護制度は国からの法定受託事務であり、その実施機関である市としては、決められた基準に従って行うことが必要であると考えております。次に、就労支援策についてでありますけれども、厳しい雇用情勢が続いている中で、市といたしましては新規高校卒業者の地元就職支援のため、小樽公共職業安定所や小樽商工労働事務所など関係機関と連携を図りながら、ジョブガイダンス事業、就職サポート実践講座や地場企業見学会などを開催してきたところであります。また、小樽公共職業安定所では、一般的な職業紹介業務のほか高齢者雇用相談室やパートプラザおたるを開設するなど、各世代の求職者に対し就労支援を行っており、今後とも国・道など関係機関と連携を強めながら、引き続き雇用情勢の改善に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。次に、消費者被害に関する相談件数でありますけれども、消費者センターにおいては、平成14年度1,513件、15年度2,470件、16年度3,708件、17年度2,487件、18年度2,568件となっております。また、弁護士による無料法律相談においては、平成14年度164件、15年度130件、16年度92件、17年度94件、18年度44件となっております。次に、消費者被害対策でありますけれども、専任相談員によるクーリングオフ等の助言や必要に応じて相手方との交渉のほか、無料法律相談、警察などの専門機関への紹介、誘導を行うとともに、消費者教室を利用した被害防止のための教育・啓発を行っております。さらに平成17年11月には小樽市消費者協会、警察署が幹事となり、被害者となりやすい高齢者や若者の水際での被害防止のために、市労連、ヘルパー等の福祉関係者、金融機関、学校関係者等による小樽市消費者被害防止ネットワークを設立し、振り込め詐欺、架空請求等多様化する消費者被害に対し関係機関・団体が連携するとともに、ニュースの発行やファクスによる迅速な情報提供、共有等の取組を進めているところであります。最後に、多重債務者対策でありますけれども、国の多重債務問題改善プログラムでは、自治体による積極的な対応が求められております。既に小樽市におきましては、消費者センターに改善プログラムに示されている専任の相談員を4名配置しているほか、弁護士や司法書士会等への紹介、誘導などの連携体制もとっております。なお、多重債務者はさまざまな問題を抱えており、生活の立て直しにはいろいろな情報が必要であることから、多角的に相談ができる消費者センターの活用について、改めて庁内関係部局や市民に周知徹底を図るとともに、相談員の研修強化に努めてまいりたいと考えております。(「議長、7番」と呼ぶ者あり)

再質問 7番 菊地葉子

何点か再質問させていただきます。長期生活支援資金制度の具体的なことについてお聞きしたいと思います。現受給者のこの制度の対象者をお答えいただきました。3名ということでしたが、この3名については既に切り替え業務を行っているのでしょうか。また、新規申請者にはこの制度が既に適用されているのでしょうか。そのことについてお伺いいたします。それから、稼働能力判定会議については、他都市の状況を見ながら検討していきたいということですが、この稼働能力判定会議は必置義務があるのか、それとも任意で小樽市独自で判断できるのかどうかについて、改めてお聞きしたいと思います。それから、母子加算の削減で小樽市は意見を求められるというふうに先ほどおっしゃったと思うのですが、市長はどのような意見を道に対してしようとしていらっしゃるのか、そのことについて改めてお伺いしたいと思います。就労支援なのですけれども、私はこの生活保護の問題についていろいろお聞きしたいと思いまして、いろいろな資料を見てみました。そうすると、昨年の10月に、全国知事会とか全国市長会も一緒になって新たなセーフティネットの提案ということで、報告書といいますか、検討会が出した文書がありました。この中に書かれていることを、私はすべてもろ手を挙げて賛成というわけではないのですけれども、現状の認識ということでは一致する部分について、就労支援についてちょっとお尋ねしたいと思ったことがあるのですけれども、この中では日本における低所得者層に占める被保護者の割合は低いから、今この生活保護制度はある程度支えられているというふうに書かれていました。現状のこの小樽市の低所得者の存在、ワーキングプアの広がりやボーダーライン層の増加傾向が今後も続くならば、日本の被保護者は格段に増加するであろうと。国民の多くが公的扶助に頼って生きるという状況は国家として望ましいことではない。今こそ就労自立対策を確立することが大切である。望ましいことではないというところはどうかなとは思うのですけれども、必要ならばきちんと保護を受けさせることが、憲法に保障された生存権の保障では大切だとは思うのですが、就労自立対策を確立するということは一方では大事なことだと私は思います。そういう意味では、労働条件の現状、仕事を探しても実際に仕事がない。ここをきちんと社会的に克服することが今大事ではないかと思うのですが、こういう実態に対して、全国市長会とか全国知事会としては国に対してどういった対策を要求しているのかということと、この雇用対策に、これから先、保護世帯が増えていくだろうという心配よりも、今現実に保護を受けないで自立していこうとしている人たちに対して具体的な手が差し伸べられていないということに対して、どんな対策をそれぞれの自治体なりはとっていこうとしているのかということについて、改めて市長のお考えをお聞きしたいと思います。それから、多重債務者対策についてです。先ほど、庁内関係、それから市民への周知について徹底したいということをおっしゃっていました。ネットワークが小樽市ではできたということで、非常にそれはそれで大変いいことだとは思いますし、このネットワークの取組やどういったことをやっていくのかということを、もっと市民に周知していただきたいとも思うのですが、小樽市の広報などを使って特集を組んで多重債務にならないような予防策、例えば愛知県の岩倉市などで広報を使って出しているこういう特集なども必要ではないかと思うのですが、これらについてお答えをいただきたいと思います。

答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)

私が答えた以外は、担当の方から答弁させますけれども、まず母子加算の関係の道からの意見がこれまで具体的に来ていませんので、私は見ていませんので、来た段階でよく検討の上お答えしたいと思います。それから、就労支援の関係の現状認識というのですか、低所得者対策というのか、就労支援というのか、よく御質問の趣旨が理解できないのですけれども、要するに雇用情勢が全国的にばらつきが多いわけです。そしてまた、格差と今言われているように、地域によって相当な格差があるのだろうと。ですから、所得においても相当地域間格差があって、それぞれでみんな格差の大きいところは苦労している状況ですし、特に日本経済が回復したとは言いながら、愛知、東京、大阪周辺だけが集中的に回復しておりまして、特に北海道、沖縄等は非常に回復が遅れているという状況の中で、有効求人倍率も本州の方と比較にならないぐらい悪いのです。愛知なんかは1.5倍ぐらいまでいっているという状況ですので、そういった状況を一日も早く克服した中で、それぞれの個人所得が増えるような施策が必要ではないのかという、そういう思いをしております。したがって、市でとり得る施策というのは非常に限られてきますけれども、何とか今の制度の中で、できる限り未就職者に対する支援というものはこれからもやっていかなければならないと思いますし、さらに関係機関との連携を深めながら対応していかなければならない問題ではないかというふうに思っております。(「議長」と呼ぶ者あり)

答弁 福祉部長 中町悌四郎(福祉部長は2008年3月まで)

菊地議員の再質問にお答えいたします。初めに、長期生活支援資金制度の3名についてですけれども、これは現在保護を受けている方の中に対象となる方が3名おりますけれども、これにつきましては平成19年度と20年度、この2か年で長期生活支援資金制度に移行しようというふうに考えていますので、19年度と20年度、それぞれにこの3名を振り分けて対応したいというふうに考えております。それから、新規に保護を受ける方につきましても、この長期生活支援資金制度の対象になるわけですけれども、現在のところ、新規に4月以降でこの制度の対象となる方はまだおりません。それから、稼働能力判定会議でございますけれども、これは今のところ国からは必置というふうに言われていませんので、それぞれ各自治体で取組について検討をするということになっていますので、任意で検討してくださいというふうに言われています。(「議長」と呼ぶ者あり)

答弁 市民部長 佃信雄

菊地議員の再質問にお答えをいたします。多重債務の予防対策についてでございますけれども、我々としましては先ほど市長から答弁申し上げましたとおり、消費者教室であるとか、あるいはネットワークがつくっておりますニュース、そういったものを会員向けには、あるいはまた、要請されたところについては行ってお話をさせていただいたり、あるいはまたニュースを配布させていただいております。しかしながら、広報の中で特集という形で組みますと、その号だけである程度周知をしてしまうということになるものですから、特集がいいのか、ある程度小分けしてそういった情報を流していくのがいいのか、広報広聴課とも十分に協議をしながら、いずれにしましても周知方法等につきましては今後考えてまいりたいと、そういうふうに思ってございます。

出典:小樽市議会 平成19年第2回定例会 2007年6月25日 議事録 PDF(109ページ) 間違いを知らせる