白老町議会 平成29年定例会9月会議 2017年9月13日
多文化共生の文化の共生
2017年9月13日、白老町議会の一般質問で、山田和子議員が「多文化共生の文化の共生」について質問し、町長 戸田安彦、アイヌ総合政策課長 三宮賢豊、企画課長 高尾利弘、生涯学習課長 武永真、教育長 安藤尚志が答弁しました。
- 質問者
- 山田和子 議員
- 答弁者
- 町長 戸田安彦、アイヌ総合政策課長 三宮賢豊、企画課長 高尾利弘、生涯学習課長 武永真、教育長 安藤尚志
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 1番 山田和子
1番、会派みらい、山田和子でございます。共生公園の工事も始まり、合同会館の撤去など、活性化プランの基盤整備推進分野では進捗状況が目に見えるようになりました。情報推進分野では、大町商店街のタペストリー設置や巨大パッチワークの制作など、こちらも活動が目に見え、特に巨大パッチワークの制作には多くの方に参加していただき、評判も上々と承知しております。そこで、活性化推進プランの基本方針のサブテーマにありますアイヌ文化の理解と復興による多文化共生社会の実現を図る、この部分について教育学習推進分野が大きくかかわってくると理解しておりますが、具体的にどのような取り組みがされているのか、またしていくべきなのかを質問していきたいと思います。では、1項目め、多文化共生、文化の共生についての1点目、活性化推進プランにおける具体的な取り組みについて。2点目、白老町アイヌ施策基本方針について。3点目、生涯学習における多文化共生について。以上、3点お尋ねします。
答弁 町長 戸田安彦(町長は2022年12月まで)
多文化共生の文化の共生についてのご質問であります。1項目めの活性化推進プランにおける具体的な取り組みについてであります。2020年の民族共生象徴空間の開設を控え、教育学習を推進する分野では、児童生徒にアイヌ文化の学習機会を提供するアイヌ文化を学ぶふるさと学習事業を継続して実施するとともに、開設への機運醸成や訪日外国人の受け入れ態勢を構築する多文化共生人材育成事業、本町の歴史、文化を学ぶ地域学講座開講事業などを官民協働で行ってまいりました。2項目めの白老町アイヌ施策基本方針についてであります。基本方針については、平成19年9月に策定し、アイヌ民族の尊厳を確立するとともに、アイヌ文化を次の世代や未来の子供たちに引き継ぐために、アイヌ民族の誇りを高めること、全町民がアイヌ民族への正しい認識と理解を深めること、互いの文化を尊重し合える社会の実現に努めること、さらには多文化共存による地域の繁栄を推進することを目的とし、アイヌ民族の歴史や文化に関する教育の振興などの取り組みを推進しております。3項目めの生涯学習における多文化共生についてであります。28年度の事業といたしましては、名所旧跡をまとめた郷土マップを2,000部作成し、町内公共施設に設置いたしました。また、地域学の先進地である世界遺産知床に教育学習部会の委員が視察研修を行い、情報の収集を行いました。地域学講座は、まち歩き講座など3事業18講座を開講し、延べ200人が郷土の成り立ちやおもてなしの心構えについて学びました。
質問 1番 山田和子
1番、山田です。この8月10日の北海道新聞の記事で、アイヌ新法に生活、教育支援などを明記するかどうかを判断する際の参考にするため、生活実態調査を本年度中に実施すると載っておりました。その記事の中に、差別を恐れてふだんはアイヌ民族だと明かさず、アイヌ民族のコミュニティーから離れている人の声をどうすくい取るかが課題として挙げられていました。私は、差別を恐れてという部分、ここを一日でも早くなくしていけたらと考えております。白老町アイヌ施策基本方針では、答弁にもありましたが、全町民がアイヌ民族とその苦悩の歴史を正しく認識する社会の創造に努めなければならない。アイヌ民族の尊厳と自律を回復するとともに、アイヌ文化を次の世代、未来の子供たちに引き継ぐために今後の白老町における中長期的な展望に立った総合方針として定めるとあります。そして、白老地域計画レラコラチ、アイヌ語で風のようにというネーミングでありますが、こちらの計画で具体的な事業を示していると理解しています。レラコラチは、平成18年3月にイオル再生の事業計画としてつくられたと思いますが、現在でも色あせていない非常によい計画だと評価しています。そして、冒頭申し上げましたとおり、活性化推進プランのサブテーマ、アイヌ文化の理解と復興による多文化共生社会の実現を図るため、具体的な取り組みについて多文化共生展開プランを今作成中と承知しております。この計画とレラコラチの計画の関連性はあるのか、現在レラコラチという計画はどのようになっているのかお尋ねします。
答弁 アイヌ総合政策課長 三宮賢豊(アイヌ総合政策課長は2020年3月まで)
まず、計画の現状についてでございますが、この計画については、議員のおっしゃるとおり白老地域計画レラコラチとして、白老町が国土交通省、文化庁、アイヌ協会、アイヌ文化振興研究推進機構で組織されたアイヌ文化振興等施策推進会議からイオル再生事業の先行地域として選定されまして、他の地域に先駆けて策定したものでございます。現在は、事業の主体であるアイヌ文化振興研究推進機構において、白老だけではなく各地域の地域計画とあわせて毎年度事業の検証などが行われておりまして、地域計画の見直しが行われておりますが、白老イオルの方向性であるアイヌ文化や歴史に関する体験学習などを実施する学習型イオルという目指すべき姿は変わっておりません。また、多文化共生まちづくり展開プランとの関係ですが、イオル再生事業の地域計画はプランに掲げていますアイヌ文化の理解、共有も掲げられていますので、関連しているものと考えているところでございます。
質問 1番 山田和子
1番、山田です。レラコラチの計画というのは、本当にすばらしい計画だなというふうに、今も色あせていなくて、体験重視のすばらしい計画だと思いますので、引き続き大事にしていっていただきたいなと思います。第5次総合計画の個別計画の中にはもちろん入っていないのですけれども、入っていなくても、これはうちの計画として大事にしていくということの認識でよろしいでしょうか。
答弁 アイヌ総合政策課長 三宮賢豊(アイヌ総合政策課長は2020年3月まで)
正確に申し上げますと、レラコラチ自体は平成22年度で完了してございます。ただ、先ほど申し上げましたように、アイヌ文化振興研究推進機構におきましてほかの地域の計画とあわせた形で地域計画としては残っております。それで、目指す方向、体験学習の内容なども引き続き行っておりまして、今後も引き続き継続されるものというふうに認識しております。
質問 1番 山田和子
承知しました。計画の精神というのですか、とても大事だと思うので、うちのまちでも引き続きその精神の継承というのはしていっていただきたいと思います。旭川市のアイヌ文化振興基本方針でも、市民が旭川におけるアイヌ民族の苦難の歴史を学ぶことができる環境を整備することにより、無理解からくる偏見や差別の解消を目指すとあります。過去において、ほかの地域でもアイヌ民族への差別の事実は残念ながらあったと思います。答弁にもありましたように、本町では小中学校での学習は充実していて、アイヌ文化への理解もあり、子供たちには偏見もないと感じています。また、20代、30代の方々にもアイヌ文化は格好いいという意識があると思います。先日飛生で開催された芸術家たちのTOBIU CAMPに参加しましたけれども、その様子がとてもよくわかります。また、7月21日と23日に開催された第1回白老みらい創りプロジェクトの対話会で、白老の夏の楽しみ、遊びは何ですかという問いに、白老の文化と歴史、アイヌ民族の文化、ポロトコタンの夜、ポロトの森などとアイヌ文化にかかわることがたくさん挙げられており、次のテーマで話し合いたいことにアイヌ文化について勉強したいという感想もあったことでも町民がアイヌ文化を知りたい、楽しみたいという意識は高まってきていると感じておりますが、担当課としての見解がありましたら、お尋ねします。
答弁 企画課長 高尾利弘(企画課長は2019年3月まで)
白老みらい創りプロジェクトの関係でございますので、私のほうからお答えしますけれども、みらい創りプロジェクトということで多様な人たちが対話、交流を通して、その地域にあるものを見つけながら、まず地域のつながりを深める中で地域の今後の新たな取り組みというか、施策に生かしていきたいというような取り組みでございますけれども、その中で竹浦、虎杖浜地区、どちらかといいますと象徴空間とは離れた地区であってもそういったことの意見で、白老の地域資源としてアイヌ文化というのは一番大事だという話の中で、アイヌ文化についてももっと学びたいというご意見だったり、ほかの地区でも、例えば札幌から移住されて7年目ぐらいになる方が白老にアイヌ文化、そういうものがあるということで、そのことをもって移住したりだとかということもありますし、それが地域の特色なのだということもお話しされていたりして、そういった部分でもアイヌ文化をしっかり学んでいくということが、例えば外に出たときとか人をお迎えするときにも、しっかりアイヌ文化を理解するということが大事なのかなというふうに認識しております。
質問 1番 山田和子
1番、山田です。ないものをねだるよりも、あるものを探して、それに磨きをかけていくという、そういうことはとても大切で、今のまちづくりには必要なことだと思います。活性化推進プラン全体スケジュールの多文化共生及びアイヌ文化、歴史などを学ぶ講座を通して文化を学ぶことの楽しさやほかの文化に接するための心構えに気づく、新たな発見や楽しさの獲得を導くための事業として地域学講座開講があります。答弁書にもありましたけれども、平成28年度より我がまちを学ぶ地域学講座はまち歩き講座等3事業18講座にわたって行ってきたと承知しております。答弁では延べ200名の参加があったというふうに書いてありますけれども、もう少しその成果について詳しくお尋ねいたします。
答弁 生涯学習課長 武永真(生涯学習課長は2019年3月まで)
本町教育委員会では、まちの歴史や文化、あと接遇、こういうものについて学ぶという連続講座、18回に及ぶ約1年をかけた連続講座を行うというのは始めてのことでございました。主なものとしましては、館長とまち歩き講座を8講座、しらおいマメ知識講座を4講座、おもてなし講座を6講座開いたところであります。主な成果といたしましては、参加された方々を通じまして郷土への理解や愛着心が醸成され、ふるさとへの興味関心が非常に高まったことというふうに推測しております。また、我々も事務局としまして地域資源について調べまして、それを郷土マップやパンフレットというような形にできたということも大きな成果であります。そして、つくりましたパンフレットなどを持って自分の住んでいる地域を歩いてみようというような方々の話も最近舞い込んでくるようになりました。地域に対する探究心というのですか、そういうのが膨らんでいるということであります。そして、まち歩き講座の中では、それぞれの地域に地域講師という方をお願いしまして、そこで生まれ育った方、そういう方々のお話を聞けたと。地域講師の方々の誇りとプライドを持って自分の地域を紹介するというのを目の当たりにしまして、人的資源の豊かさを改めて確認するとともに、参加した人たちは私だったらこんなふうに話そう、自分たちのまちのことをこんなふうに話そうというような姿勢という、未来への確かな予感というのですか、将来的な態度というようなことを感じたというところでございます。
質問 1番 山田和子
白老町のホームページに地域学講座パンフレットはアップされておりまして、私は特に第3編の大町、高砂地区の内容にとても興味を持ちました。ほかの地域のパンフレットも読ませていただきましたけれども、白老にこんな歴史があったのかと、まさしく白老再発見でした。今さまざまな効果が出てきているようですけれども、今後この地域学講座をどのように活用されていくのかお尋ねします。
答弁 生涯学習課長 武永真(生涯学習課長は2019年3月まで)
まち歩き講座につきましては、今年度も5月から8月まで日曜日の午前中を中心に10回ほど開催いたしましたけれども、町民は36名、延べ179名の参加がありました。昨年が15名で延べ70名ということですので、倍以上の参加をいただいたということになります。また、男女の内訳ですけれども、昨年度は男性が10名に対して女性5名というような比率でありましたけれども、今年度は男性が13名に対して女性が26名ご参加いただいたと。また、参加された方の平均年齢も昨年が70歳だったものがことしは65歳まで下がったということで、20、30、40代の方々も参加いただいているというようなことでございます。また、全10回講座を行いましたけれども、10回とも参加したという方が1名、それと9回以上という者が4名、また7回以上の精勤者が10名ということで、やればやるほど一生懸命出てきてくれるのだなというふうなことを思いました。その中でアンケートもいろいろとってみたのですけれども、議員さんもおっしゃっておりましたけれども、うちのまちにこういうところがあったのかというようなことを改めてわかったと、自分は白老のことを知っているつもりだったけれども、そういうようなところがあったということ。また、この講座に参加しなければ知ることができなかったということもたくさんあったということで、非常に感激したということがありました。今後についてどのように活用していくかということですけれども、年度内においては参加者とともにこの事業成果の掲示による展示会を文化祭にあわせて開催したいというふうに思っていますのと、またその際に作成したご当地クイズというのがあるのですけれども、その答え合わせを兼ねまして、学んだことを復習し、学習の進展を図りたいということ。それと、最後に、昨年同様郷土資料の編集委員会によりまして本町の偉人や伝説をまとめたしらおい再発見2のパンフレットを制作したいというふうに思っております。
質問 1番 山田和子
この地域学講座を通して、迎えます民族共生象徴空間の開設に伴ってボランティアガイドさんも当時に育成していければいいなというふうには感じておりますけれども、まず歴史を正しく認識するという点で、そのまま子供たちにも総合学習の時間ですとか、あるいは土曜授業のときとかに活用してはいかがかなと思いますが、その辺の見解をお尋ねいたします。
答弁 生涯学習課長 武永真(生涯学習課長は2019年3月まで)
生涯学習の分野からのアプローチなのですけれども、今年度1月に子ども議会を考えております。来月には事前の学習会も行いたいなというふうに思っているのですけれども、その中で、子供たちも自分の地域は歩いたことあるかもしれないのですけれども、ほかの地域はそんなにないだろうということで、まち歩きに似たような試みは一度今年度やってみたいなというふうに思っています。
答弁 教育長 安藤尚志(教育長は2024年10月まで)
今議員のほうから土曜授業の活用という点でご提案ございましたけれども、土曜授業自体の趣旨は子供たちがこの時間を通して地域に学ぶということが一番大きな狙いでございまして、趣旨としては同じだと思うのですが、ただその時間の中で実際に子供たちがまちを探索できるかということについては、各学校でそれぞれカリキュラムがございますので、その中に組み入れることができるならば可能かなというふうに思いますが、今の段階でそこまでは多分学校のほうも考えていないのかなというふうに思います。ただ、先日白老中学校で行われました1回目の土曜授業では、子供たちがアイヌ文化にかかわって学習してきた内容を子供たちや保護者の前で発表するというような、そういう時間の活用をしておりますので、これが今後発展して、もう一度学び直しで地域に一緒に出ていって学んでくるという、そういう機会ができれば、また土曜授業も一層充実するのかなというふうに思っております。
質問 1番 山田和子
1番、山田です。まず、自分たちの住んでいるまちの歴史をアイヌ文化含めて学び直すということは、とても重要な意味を持つことではないかなと思います。多文化共生を周知するイベント的な大きなシンポジウムを開催するよりも、かなり地味に見える取り組みですけれども、少しずつ町民一人一人に白老の歴史を学んでいただくことが大きな変化をもたらしていくことではないかなと考えております。この項目の最後の質問ですけれども、生涯学習での多文化共生についてどのようなビジョンをお持ちなのかお聞きして、1項目めは終わりたいと思います。
答弁 生涯学習課長 武永真(生涯学習課長は2019年3月まで)
私ども昨年度から行っておりますこのような事業、いわゆる地域学講座ですけれども、地域学とは地域に誇りを持てる人間を育てる教育だというふうに思っています。多文化共生への取り組みとは、白老の歴史や文化を学んで、白老にもいろいろな歴史や人や生活や文化があって、考え方があったのだということを理解する。地元が大好きになる。地元大好きな人間を育てるということであると思います。このことから、来年度におきましても町民の生涯学習を後押しするまち歩き講座等を継続したいということと、それが将来的にはまだしっかりしたどのようにつなげていくかは模索中ではございますけれども、ガイド養成に寄与したいというふうに考えております。また、ほかの課においても行われております人材育成に向けた取り組み等の検証を一緒に行うなどして、まちとしての統一した見解と具体的なスケジュールをもちまして2020年に向けた人材育成を推進する必要があるというふうに思います。これらを牽引する中心人物を最終的には民間の中に育てたいと、輩出したいと思っているところです。
質問 1番 山田和子
大変地道な取り組みになると思いますけれども、応援していますので。地域学講座のパンフレットはすごくよくできていると思います。ぜひ長く時間かけてでも取り組んでいっていただきたいと思います。