下川町議会 平成29年第4回定例会 2017年12月13日
政策の優先順位について(福祉政策を例に)
2017年12月13日、下川町議会の一般質問で、奈須憲一郎議員が「政策の優先順位について(福祉政策を例に)」について質問し、町長 谷一之、保健福祉課長 栗原一清、副町長 武田浩喜が答弁しました。
- 質問者
- 奈須憲一郎 議員
- 答弁者
- 町長 谷一之、保健福祉課長 栗原一清、副町長 武田浩喜
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 4番 奈須憲一郎
それでは、通告しておりました内容で一般質問を行います。一問一答方式により行います。先ほど、副議長の方からもありましたが、今回、議会生中継…初ということで、これは議会の中でも話し合ってきたことですし、そして町民の方からも是非ということで声があったのが今議会においてようやく実現の運びとなりました。これは理事者の皆さんの御理解もあったことですし、今回、議会広報特別委員会委員長をはじめ事務局の皆さんの御尽力によって成し遂げたことだと思いまして、大変うれしく思っているところです。そして今回の手法ですが、他の先行する議会でやっているように大がかりな設備で固定でやっている方式ではなくてですね、大変低予算で、しかも持ち運び可能なシステムでやっておりますので、町長が推進しておられる情報公開…これに資する仕組みだと考えておりますので、今後の更なる展開を期待しているところです。冒頭ちょっと一般質問と別のことでしたが、お話させていただきました。では一般質問を行います。政策の優先順位について、福祉政策を例に伺います。かねてより議論を積み重ねてきた政策の優先順位について、今回は具体的に福祉政策を例に議論を深めたいと思います。次の点について町長の見解を伺います。1 点目、高齢者は等しく支援の対象なのか。そもそも高齢者福祉とは何か。高齢者とは誰か。2 点目、敬老会及び金婚式によって解決しようとしている社会的課題は何か。3 点目、病児保育は一向に施策化されず、その上、待機児童が生じている。子育て支援は後退しているのではないか。4 点目、一方で敬老会及び金婚式は継続している。敬老会及び金婚式は、病児保育や待機児童解消より福祉政策としての優先順位が高いのか。5 点目、人口が減少しているのに、縮小や廃止の施策より継続や拡充、新規の施策が多いのはなぜか。持続可能なのか。以上についてお伺いします。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
御質問の「政策の優先順位」についてお答えさせていただきたいと思います。1 点目でございます。高齢者は等しく支援の対象なのか、高齢者福祉とは何か、高齢者とは誰かについてでありますが、高齢者の定義につきましては、個々の法令によって異なり、現行の公的年金受給資格によれば、65 歳以上の方が高齢者となり、高齢者の医療の確保に関する法律によれば、65 歳から 74 歳は前期高齢者、75 歳以上は後期高齢者となるところであります。高齢者福祉についての原理を示すものは「老人福祉法」にあり、「国及び地方自治体は老人の福祉を増進する責務を有する」と規定されているところであります。法による老人福祉の基本的理念は、第 2 条「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として、かつ、豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものである。」、第 3 条第 1 項では「老人は、老齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して、常に心身の健康を保持し、又は、その知識と経験を活用して、社会的活動に参加するように努めるものとする。」、第 3 条第2 項「老人は、その希望と能力とに応じ、適当な仕事に従事する機会その他社会的活動に参加する機会を与えられるものとする。」とあり、本町もこの法に則って適切に事業を実施しているところであります。高齢者の支援につきましては、制度ごとに、対象者、サービス支給量、負担金額などは変わりますが、制度要件に該当する方は等しくサービスを受けられるところであります。2 点目の、敬老会及び金婚式によって解決しようとしている社会的課題についてでありますが、敬老会は、多年にわたり本町の発展に尽くされ、長寿を保たれた方々を、心から敬い、感謝するとともに、老人に対し自らの生活向上に意欲を促すことを目的として実施しているところであります。また、金婚式については、結婚 50 年を迎える御夫婦が、郷土発展に御尽力されたことに対し、町ぐるみで感謝することを目的に実施しているところであります。こうした行事を通じ、高齢者の地域社会への参画機会をつくり、また、町民へ敬老思想と高齢者福祉の意識高揚にも繋げているところであります。3 点目の、病児保育は施策化されず、待機児童が生じており、子育て支援は後退しているのではないかについてでありますが、本町は幼児センターの保育料を国基準の 60%とし、また、低所得者世帯等に対する保育料の無料化、多子世帯の保育料の軽減化、各種医療費助成事業等、子育て支援施策の充実化を図っているところであります。なお、現在幼児センターに入所している児童は 71 人、うち 3 歳未満児が 22 人入所されております。入所定員の 90 人には達しておりませんが、入所児童の年齢により保育士の配置人数が変わることと、障がいのある児童にはマンツーマンで保育を実施することから、現在の保育士数では、更に児童を受け入れることは困難な状況にあります。既に保育士の募集を進めているところであり、待機児童の早期解消に向け、早急な確保に努めるとともに、病児・病後児保育についても引き続き検討を進めてまいりたいと思います。4 点目の、病児保育と待機児童解消の福祉施策に比べ、敬老会及び金婚式の福祉施策の方が優先順位は高いのかについてでありますが、福祉施策は子供から高齢者まで幅が広く、各事業はそれぞれの対象者の福祉向上のために必要なものでございます。敬老会や金婚式は、これまでも事業の検証等を行ってきておりますが、社会情勢の変化を踏まえますと、より深い検証が必要と考えております。しかしながら、過去の経緯や関係団体、対象者等の御意見を十分に踏まえる必要があることから、今後広く町民の皆さんの御意見を伺いながら検証を進めてまいりたいと思います。また同時に、より効果的な新たな福祉施策についても検討を進めてまいる所存でございます。5 点目の、人口が減少しているのに縮小や廃止の施策より継続や拡充、新規の施策が多いのはなぜか、持続可能なのかについてでありますが、事務事業の見直しにつきましては、社会経済情勢の変化に弾力的に対応するため、毎年、総合計画審議会で行政評価及び総合計画のローリングを実施し、その結果を予算編成に反映するよう努めているところでございます。継続や拡充、新規の施策については、町民の安全安心に関わる事業、地域経済の発展や地域課題の解決にとって必要なもの、公区要望によるもの、議会での審議などを通じて求められたもの等のほか、地方創生のように国の施策に連動するものなど、地域の現状を踏まえ、必要であるとの評価や判断によって、現在の状況に至っております。なお、各施策の持続性につきましては、限られた財源の中で最大の事業効果を発揮することが求められていることから、必要性はありつつもその効果やニーズが時代とともに変遷するものや多額の一般財源が必要なものなどにつきましては、各審議会での議論や、関係団体、対象者など、広く町民の皆さんの御意見を伺いながら検証を進めてまいりたいと考えております。以上申し上げまして、答弁といたしますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。以上です。
質問 4番 奈須憲一郎
まず 1 点目の部分についてですが、私、今の議会のメンバーの中で前期から通じて最年少でございます…44 歳。ですが、もう年齢で…何か輪切りで福祉の対象を区切るというようなことが意味を成さない時代になってきているなと痛感しております。正直、気力・体力の点で、今同じ活動をしております議員の皆さん方と私と比べて、私が勝っていると思えない場面が多々あります。情けない話かもしれませんが、やっぱりこの下川で鍛えてきた気力・体力というのはすごいものがありまして、そういった方々を等しく高齢者ということで福祉政策の対象とすることが果たしていいのか。今、日本もどんどん格差が広がっておりまして、現役世代よりもかえって高齢者と呼ばれるような方々の方が裕福である場合が多いと。孫へのプレゼントもお祖父ちゃん、お祖母ちゃんの方が良いものがもらえる…そんなこともございます。こういった今の時代を踏まえて、高齢者福祉を改めて捉えなおさなければならないのではないか。かつては栄養状態ですとか、医療レベルの問題もありまして、高齢というのは…65歳なり超えて長生きするということは、まれな時代がありました。そしてそういった方々は長老だとか古老だとかいうことで、経験…非常に貴重なものとして後世に伝えてほしいということで敬老思想が芽生え、育ってきたのだと思います。そして、私たちの日本においては、戦後、この大変な時期を復興し、高度経済成長を成し遂げたと…非常に日本人が…ジャパン・アズ・ナンバーワンということでアメリカに恐れられた、世界を席巻した時代を担ってきた方々に対して、自然と敬老の思想が芽生えたのは日本的な文脈では当然のことかと思います。しかし、現在、高度経済成長は終わりを告げ、右肩上がりから右肩下がりへと…経済も人口もそういった時代を迎えております。そして人口構成においても、高齢の方のほうが多いと。この高齢化問題といいますが、長寿…長生きの方が増えることがなぜ問題なのか。これは高齢化が問題なのではなくて、それを支える社会の人口構成が歪んでいると。少子化…これこそが我が国、私たちの地域の最重要課題ではないのか。私はそのように思います。現在のこういった状況を踏まえて、高齢者が等しく年齢によって福祉の対象となることについて、町長はどうお考えでしょうか。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
先ほど、答弁の中でいろいろ法令上のことや各種団体での定義等について説明させていただきましたけど、私自身もその高齢化という…65歳の一つのボーダーというのは時代に少しそぐわなくなってきたなと。最近は人生100年という、本当に長寿の人生を歩まれる社会観になってきておりますので、そういう意味では、65という一つのボーダーは時代の中ではもうそぐわなくなってきているなという感じは否めないところであります。それと、やはり高齢者になりましても…そこが70歳なのか75歳なのかということになりますけども、仕事をしていく高齢者が非常に増えているということであります。また、社会活動においても、高齢だからできないという…それは最近では理由にならないと。歴史のある本州の集落地域では、80代あるいはまた85を過ぎた高齢者の方々が地域のリーダーとしてコミュニティ活動を率先して行っているという集落がたくさんございます。そういう意味では、やはり生きがいづくり、仕事づくり、そしてまた地域の人づくりという…こういうところにそういう存在感をこれからつくっていくということが必要ではないか。行政としてそこにどういうような補完や支援をできるのかという、それは制度とか、あるいは行政施策の中で今後考えていく必要があるんではないかと思っております。以上です。
質問 4番 奈須憲一郎
町長の今の答弁、私も同じ認識です。そういった中で感じることは、高齢だからもう後は余暇の人生ということではなくて、働き続けるというのがこれからの人生だというふうに考えます。そういった中で、国の制度上、法律で65歳ですとか、前期・後期の高齢者があって、介護保険制度があって、様々な保険制度があってというところでは、なかなか町が単独で動けることは少ないかと思うんですが、町独自の施策の中で、こういった時代を踏まえて、下川町としてはこうなんだという考え方を示していくのが大切だと思います。そうした点では、五味温泉の入湯料の助成…この制度でも高齢者が対象になっております。そして福祉灯油、若しくは薪…この助成制度でも高齢者という言葉が対象になっております。ところが、これが制度設計としては多少違いがあります。これはどういった考えの違いから出てきているのかお伺いします。
答弁 保健福祉課長 栗原一清(保健福祉課長は2019年6月まで)
五味温泉の入湯料の助成につきましては、元々65歳を基準に…なった方から実は助成していたんですけども、市町村合併等…財政の面からいろいろ考慮して、70歳まで経過措置をおいて引き上げてきております。これは五味温泉で高齢者の方が入ることによって健康に資するということでそういう助成を今まで実施してきております。福祉灯油につきましては、毎年冬になりますと、一人暮らしのお年寄り、または高齢者の世帯の方に対しまして…助成の付きかたにもよるんですけども、それぞれ100ℓ分の灯油の現物支給、そして去年からは薪の…100ℓ相当分の助成をしているところでございまして、基準においては、その年の近隣町村の動向等も見極めまして、要綱においても一応90円の基準は持っているんですけども、近隣市町村の動向も見極めまして、政策としてやっている場合もございます。ただ、毎年やっているわけではなく、灯油の原価が相当下がったときにはやらない年もございますので御理解ください。
質問 4番 奈須憲一郎
私の質問は、その制度に違いがあって、なぜその違いが生まれるかということだったんですが、五味温泉の助成については、結局年齢でスパッと切っていると…確か70歳以上ですよね。それで、要は助成制度…経済的な支援なんですが、70歳以上がイコール経済的に弱い立場にあるという前提にある制度設計かと思います。しかしながら、今70歳の方が皆等しく貧乏かというと、違うと思います。これは年齢で切ることによる弊害がある助成制度だと思います。かたや福祉灯油、薪の部分については、まず町民税非課税ということで、これははっきり経済的に困窮が認められる方々を対象にするということでまず区切っていると。そうした中でも高齢で一人で暮らしている方はより大変だということなんですが、ただこれも経済力があると思います。それで前段できちんと町民税非課税ということで区切っていると。なのでこれは経済政策として、支援策としては合理性があると思いますが、五味温泉については年齢で切っている。これはどういった考え方なんでしょうか。
答弁 副町長 武田浩喜(副町長は2023年3月まで)
五味温泉の入湯料の助成制度については、高齢者の福祉増進を図るということで、元々65歳から導入した制度です。ですから、経済的な負担がある、ないではなくて、高齢を迎えた方が温泉に入っていただいて健康増進をしていただくという、そういった制度設計の下に始めた事業だというふうに認識をしております。その中で、時代背景、それから財政的な部分もございまして、年齢要件については段階的に引上げをし、今現在は70歳以上ということでございます。福祉灯油については、奈須議員が仰ったとおり、経済的な負担軽減ということで始めた制度でございますので、そういった所得制限を含めながら65歳以上ということで…それ以外の部分もございますけども、そういったところで始めさせていただいているというところだと考えております。以上です。
質問 4番 奈須憲一郎
これ以上追及しようとは思いませんが、健康増進ということに対しての、年齢によって必ずこうということではなくて…かなり個人差があります。若くして病気で亡くなられる方もいれば、長寿で健康でピンピンコロリという方もいらっしゃいます。なので、年齢で区切るということが本当に効果的なのかというところを改めて新年度に向けて考えていただきたいと思います。それでは、2点目の部分ですが、敬老会及び金婚式によって解決しようとしている社会的課題は何かということですが、答弁の中で、多年にわたり本町の発展に尽くされですとか、郷土発展に御尽力という言葉があるんですが、例えば近年…ここ数年で下川町に移住してきた、年齢的には高齢であるという方々は対象にならないということでしょうか。
答弁 保健福祉課長 栗原一清(保健福祉課長は2019年6月まで)
これにつきましては、住民票を基本に、住民基本台帳に登載されている住民の方を9月1日の段階で75歳になられているかどうか、それを確認した上で御案内を差し上げているところでございます。敬老会の件につきましてはそういうかたちです。
質問 4番 奈須憲一郎
ですので、多年にわたり本町の発展に尽くされたですとか、郷土発展に御尽力という部分は関係なく、年齢で輪切りで対象にしているということで、事業の目的と対象者が合致していない政策だと思います。そして、こうした行事を通じ、高齢者の地域社会の参画機会、そして町民へ敬老思想と高齢者福祉の意識高揚とあるんですが、実際、敬老会…私も参加しますと、高齢者の方々がお集まりになっていて、円卓を囲んで和やかに過ごす。それが悪いとは申しませんが、政策の意識付けですよね。それを接待するのは職員であるとか、社会福祉協議会の方々、そして食事は税金の中から捻出している部分も多い。そして、お祝い金を差し上げる。余興に出てこられる方も高齢の方が多いのかなと。こういった行事を通じて、町民…特に敬うべきことだよと伝えたい若い人達だとか、子供や現役世代に、この行事でそういった敬老思想というのが通じるのでしょうか。そして参画機会…受け身の参加の中で、接待されて、お祝いされて…これが町民参画というのか。その点についてはいかがでしょうか。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
社会的課題といいますと、非常に大きなテーマになってくると思うんですけども、私たちやっぱり…地域の中で一緒に生活を共にしてですね、長年にわたっていろいろと御苦労された、あるいはまた移住された方々もこれから下川町にいろいろと御苦労いただくと。そういう意味では、人生の中で一定程度…年を召されて、そして経験され、これからまた人生の中でしっかり生きがいを持っていただく、その一つの節目として、こういう敬老会を開催していくというのは意義があるのではないかと感じております。最近では、公区の方で開催してくれるところもありましたけれども、また最近は少し集約してですね、公区を少し重ね合わせて、そして開催回数が少なくなってきている実態にあります。そういう意味では、町としての役割、あるいはまた社会福祉団体としての役割というのをしっかり担いながら、今後も敬老会については一定程度進めてまいりたいなと思っております。以上です。
質問 4番 奈須憲一郎
一つとんで4番の部分とも関わるんですが、意義がないとは申しません。私も下川にもう18年~19年経ちますので、そういった方々…お世話になった方々と宴席の中で御挨拶したり、非常によい機会をいただいているとは思います。ただですね、先ほどの近藤議員の一般質問のやり取りの中でもありましたが、限られた財源、そして限られた人員の中で、この敬老会というものを行政の施策として、9月に入って何箇所もそこに職員が張り付いて、専門職の方も付いて、そして予算をかけて、ここに200万円以上のお金が費やされております。こういったことと、今、少子化で大変な時代に子育て支援…過去の一般質問で私は子育て支援の政策が、実は経済的な効果にも繋がる非常に一挙両得でいい政策だと…これはいろんな海外の事例を調べて大きなデータの分析の中から出てきた傾向です。そういったことを指摘している中で、私たちの町で課題になっている病児保育だとか、待機児童解消という政策よりも、敬老会と金婚式…こちらの方が優先順位が高いのか。これについて明確にお答えください。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
なかなか産業振興あるいはまた環境政策、エネルギー政策と、この福祉あるいはまた子育ての関係についてはイコールにならないところがあるかもしれません。ですから優先順位といった場合には非常に順位が難しいのかなと。いずれにしてもバランスよくこういう施策を進めていかなければならないんじゃないかなと思っております。そういう意味では、敬老会というのも当然これからも継続をしていくことを考えておりますけども、効率的な方法はないかというのを今いろいろと議論しているところであります。それと併せて金婚式についても同様でございますので、今後またそういうところで御意見や御提言をいただければ幸いかと思います。よろしくお願いいたします。
質問 4番 奈須憲一郎
これははっきりさせたいんですが、継続の事業は継続でやっている。ところが地域のアンケート調査とか実態からして、非常に必要度が高い政策が実施されていない。これは事実的に明らかに今までやってきた政策の方を優先しているということだと思います。優先度が低くされている病児保育、そして待機児童解消問題、これが進まないのはなぜですか。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
これは最初の答弁でも申し上げましたけども、状況の変化によって…下川町3,300の人口の中では、適応した進め方をしていると思います。これは過去にも行政職員の方がいろいろ御努力されて、積み重ねをして、新たな政策やあるいはまた継続政策をやっているわけでございまして、いずれにいたしましても現状の保育制度や体制づくりについては、下川町としては精一杯努力しているつもりでございますので御理解いただきたいと思います。
質問 4番 奈須憲一郎
少し目先を変えまして、隣の名寄市では、待機児童が10月1日現在で15人、希望する保育所に入れない潜在的待機児童も2人いるということで、保育士新規就労に奨励金ということで、事業費100万円提案ということで政策がなされております。事業費100万円…これは敬老会や金婚式に使っている200万円を使えば十分実現できる政策でありますし、こういった新しい政策提案を行う時間も、そういった今まで費やしているほかの事業を削ることでできる。私は病児保育や待機児童解消がなかなか…待機児童は今年に入ってのことですが、政策化が進まないのは…非常に困難な課題だとは認識しております。こういう小規模自治体でなかなか実現が難しい。ただ、そこは時間を取って、重点施策ということで職員の頭脳と労力をかけてやれば何らかの施策は可能だと思います。現に隣の名寄市は先手を打ちました。こういったところがやっぱり優先順位を明確に付けないということがじわじわと自治を後退させていると。時代の変化でもう既に廃止しなければならない事業が継続されている…そういった中で、限られた人員、予算の中で、本当にやらなきゃいけないことが後回しにされている。こういった現状だと私は認識しております。名寄市のこういった政策を受けて、新年度に向けてどういった考えにいらっしゃるのかお答えください。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
名寄市の事例はちょっと実態分かりませんけれども、民間施設ではないでしょうか…反問で申し訳ないんですけども。なかなか行政でそういう奨励金を簡単に出しているというのは…非常にハードルが高くて、下川町でもこういう保育士の確保、そして保育士ばかりでなく福祉の現業部門でも…福祉医療連携会議を開いて、かなりきめ細かに募集の仕組みをつくっております。それでもなかなかこういう現場に来ていただけるという方…非常に厳しくてですね、日々そういう努力をこれからもしてまいりたいと思っております。いずれにしても、人材がいろんな業種、業態が厳しい中で、一つでも明るさができるような…そういうような方向性を今いろいろと各課で議論してですね、そして共有しながら進めているところでございまして、待機児童問題とか、あるいは病児保育の関係についても、常にそういう議論をしながら施策に反映できるように汗をかいているところであります。また、継続している事業、あるいはまた廃止しなければならないという、これは行政評価にも繋がってくるところでありまして、これについても一つ一つきめ細かな評価をしながら、スクラップアンドビルドあるいはまたサンセット目指して、こういうようなことを進めてまいりたいと考えてございますので御理解いただきたいと思います。
質問 4番 奈須憲一郎
名寄市の事例については、私自身も研究していきたいと思いますが、隣の自治体の動きですら把握され得ない状況なのかなと思いまして、ちょっと愕然としております。新年度予算編成に向かっているところだと思いますが、町長も任期折り返しを過ぎ、そして政策予算としてはこれが今任期の中では最終になるかと思います。次の新年度予算は選挙を控えての骨格予算…こうした中で、編成に向けて、就任直後は前の政権から引き続きの骨格予算があり、様々な紐付きの予算があり、行政の継続性という中でやらなければいけないこともあったかと思います。この間、一般質問の中で、検証だとか検討ということを深めてきた中で、最後となる政策予算に向けて町長の方針…どういったことでお伝えになっているかお聞かせください。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
27年5月1日からかじ取り役に就任させていただいてから、約2年と8か月強というかたちで執行させていただきましたけども、当初、公約120の項目を打ち出しまして、そしてそれに基づき、あるいはまた町の総合計画第5期の事業、それぞれについて整合性を持ちながら進めてきたところであります。前任者の政策もございましたので当然それを継続しながら、新たなもの、あるいはまた改善が必要なものなど、いろいろと取組をしてまいりました。いよいよ最終年度…30年度が任期の4年目ということになりますので、最後の仕上げについてはしっかり取りこぼしのないようにしてまいりたいなと思っております。あるいはまた将来に向けての新規の考え方やビジョンなど、こういうところも30年の中で示すことができたら非常に自分としてはやりがいがあったなということで感じておりますので御理解をいただければと思います。以上です。
質問 4番 奈須憲一郎
大まかな決意のほどはお伺いできたんですが、今回、政策の優先順位ということで、町長が新年度に向けて優先順位が最も高いということで考えておられる、指示されている政策は何か、お聞かせください。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
政策そのものというよりは、政策的なことで…これ第5期から第6期へ移り変わろうとしてます。あるいはまた、都市計のマスタープランなども本年度と来年度と2か年かけてしっかり町並みのいろんな計画づくりというのをしてまいりたいなと思っております。そういう意味では、その入口となる…きっかけとなる30年度に様々な施策が反映できるようにしてまいりたいと思っています。また、総計の中でSDGsの取組について議会にも説明させていただきましたけれども、これについても第6期の中にしっかりバックグラウンドとして、あるいはまたツールとして取り組もうということで考えてございますので、この入口のところを30年度にしっかり取り組めるようにしてまいりたいと思いますので、御支援をいただければと思います。以上です。
質問 4番 奈須憲一郎
もう少し具体的に、これだというものがおありかなと思うんですが、それはまた3月議会ということなのでしょうか。この間、決算認定なども通じまして、ずっと言っているんですが、新しい政策というのは非常に前向きで評価したいと思うんですが、それ以上に今求められているのは、やはり削るものは削る…スクラップの部分だと思います。それは、ずっと担当として張り付いて、町民と直に接している職員から、なかなか切りにくい予算も、政治家という立場で4年に一度の選挙を経ながらやっている。そして今期にありましては4期16年続いた町長から、新しい町長に刷新された。そこには行政の継続性以上に行政の不連続…過去との決別ということの期待があったと私は思っております。そういった点で、最後…総仕上げとなる新年度予算編成に向けて、町長のそういった過去との決別、一回区切って失くすものは失くして、そして重点分野に注力しようと、そういった掛け声、意気込みについてはいかがでしょうか。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
スクラップアンドビルドについては、特に遊休施設の利活用等について、しっかり今後考え方を示していきたいと。今年度も空き家対策の協議会も立ち上げて、公共施設含めた空き家、空き店舗、それから空き公共施設ですね、こういうところの利活用を今後はしっかり政策に反映できるようにしてまいりたいなと思っておりますし、また、財政面におきましても、シーリングをしっかり決めていく必要があると。青天で支援制度をつくっていくということではなくて、シーリングをしっかり決めていくということと、また先ほど申しましたけども、サンセット方式で時限的なものや、あるいはまた周期的なもの、こういうところを明確に打ち出していくことが今後必要だということで考えておりますので御理解をいただければと思います。以上です。
質問 4番 奈須憲一郎
時限を区切ってというところが非常に大事だと思いまして、行政がやる施策というのは一度始めると止まらないということが言われますが、もう今はそういう時代ではなくて、それこそ年度年度で終わらせていく。私、NPО法人を立ち上げて経営をしておりましたが、NPО法人の最大の使命というのは、社会的課題を解決して、NPО法人を解散することが最大の使命であると、そういったことを先輩から教えをいただきまして、事業を拡大していくことが目的ではなく、社会的な課題を解決して、自らの存在がなくても生きられる社会…元々私たちの社会は、行政組織など持たずにお互いの支え合いの中でやっていたものが大きくなり、相互扶助の中でお金を出し合い、それを制度化し、今は行政聴取のようなかたちで行政機構が一人歩きしておりますが、原点に立ち返って、私たちの使命は課題を解決し、消えていくことだということを、今一度、行政組織として認識して、正に今縮小していく社会の中で、一旦今までやってきたことはやめて、新しく仕切り直すという発想が大事かと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
何回も申してるかもしれませんけど、政治の役割というのは、課題を解決するために秩序の形成をしていくという役割があります。もう一つは、地域の安全安心を守るために新しい営みをつくっていくという…この考え方が政治の基本的なものがありますので、これをベースにしながら様々な政策、施策、事務事業、こういうところをきめ細かにつくっていって、社会的な課題を解決していく、そしてより良いまちづくりをしていくということが基本ではないかなと思っております。以上です。
質問 4番 奈須憲一郎
秩序の形成というところの中で、私は今までの秩序を混乱させるような発言が多いかと思いますが、やっぱりそういった揺さぶりの中で、これはやっぱりおかしいかもしれない、いや…それは揺さぶりに堪えて残っていくかもしれない、そういったものがみえてくるかと思いまして、こういったスタンスで発言しているところです。以前、私、子育て支援が経済政策としても繋がるということで、そういったデータも含めて提案しているところですが、新年度に向けて、子育て支援というのをより優先順位を上げていく、そういったお考えはいかかでしょうか。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
今、日本も28年度で出生数が100万人を割ってしまったと。今回、下川町は昨年に比較して6人ぐらい多い状況でございます。それはいろんな意味で支援施策が功を奏しているかどうかというのは明確なところは分からないところでありますけど、いずれにいたしましても、子育て支援というのは未来の下川町にとって非常に大事な役割であり、奈須議員が言うように優先順位でいくと非常に高い方に福祉政策の中でも入ってくるんではないかと思っております。それを行政職として共有しながら、施策に…福祉のみならず、子育て支援が全町でやれるような、そういうような仕組みづくりや制度づくりというのをしてまいりたいなと思いますので御理解いただきたいと思います。以上です。
質問 4番 奈須憲一郎
前向きに捉えていいのかなという答弁でした。昨年の9月の定例会で質問しました、経済成長率を増やすためには保育サービスを中心とする子育て支援を充実させるのが最も効果的であるという中で、子育て支援…例えば保育サービスを充実しますと、女性労働力率が増えて、そして労働生産性成長率も増えて、経済成長率、そして財政余裕も生まれてくると、こういった好循環に繋がるということを指摘しているところです。そういった点から考えると、やっぱりこの待機児童ということが出ますと、女性の労働率が上がらない…下がる、そうすると預けれないので家にいるしかない…働けない、働けなくなるとますます現場が困難になる、そういった社会環境をみて子供を産もうとする意識が低下する、そして経済成長も落ち、財政的な余裕もなくなり、負のスパイラルに入っていくと。なので、この待機児童というのは非常に重要な課題であると私は思っております。そういった課題に対して早急に手を打つ下川町であれば子育てできるということで、今いる方々の産もうという動機付けですとか、今外からの移住を呼び込もうということで盛んに施策を打っておりますが、そういった時も下川町なら子育てできるねということで、移住の増にも繋がってくるかと思います。それで、この待機児童が、下川町でどの時点で生じて…把握して、そしてこの間どういった対策を打ってきたのか、それについてお伺いします。
答弁 保健福祉課長 栗原一清(保健福祉課長は2019年6月まで)
待機児童につきましては2名、正式には申し込みはなかったんですけども、潜在的な待機児童というかたちで私どもは捉えているところでございます。これにつきましては、私の記憶であれば10月か11月に預かってほしいという電話がありまして、今の幼児センターの現状を保護者の方にお伝えして、今一度お待ちいただきたいということで待機してもらっているという状態でございます。今、保育士、幼稚園教諭ともに資格を有する方、今2名募集しているところなんですけども、それも含めまして潜在的に町内にいる保育士の方にもいろいろ当たってはいるんですけども、なかなか人材が確保できないことから…やはり資格を有する人じゃないと保育ができないという制度になっておりますので、人材の確保がちょっと今できないということでお待ちいただいているという状態で、それを解消するべく、早急に保育士の確保を進めているところでございます。以上でございます。
質問 4番 奈須憲一郎
保育士に限らず、医療福祉の関係で人材難が続いておりまして、それで対策協議会を設けて施策を打って、一定の成果をみているところだと認識しておりますが、資格を持っている方が地域にいらっしゃるのに、そういった方々がなかなか働いていただけない、その課題はどこにあるんだと思われますか。
答弁 保健福祉課長 栗原一清(保健福祉課長は2019年6月まで)
潜在的には地域内にそういう資格を持ってる方はいらっしゃいますし、働いていただければ本当に幸いなんですが、人それぞれの事情があって働けないということでお断りされている場合もございますし、私どもからみたら…これから子育てが大変な方もいらっしゃるし、そういう意味では声がかけられないという方もいらっしゃいます。もちろん正職員で入っていただける方がいればいいんですけども、今それもままならないという状態と、やはり働き方も人それぞれの働き方を求められる。また、嘱託職員とか、臨時職員の…特に嘱託職員に関しては処遇改善をしてはいるんですけども、なかなか人の来手がないというような状況でございます。以上です。
質問 4番 奈須憲一郎
そこの部分をいろんな聞き取りですとか対話の中で深めていくことによって、政策がみえてくると思うんですよね。そういった能力ですとか、この小さい地域社会の中で、顔が見える関係…信頼関係の中で、ざっくばらんに話し合えるというのが、この下川町の良さだと思っております。ただ、それができない現状がある。それはやっぱり抱えている事業が多くて、そういった時間がなかなか取れない、ほかの業務に忙殺されているということがあります。なので、必要ないとは申しませんが、優先順位をはっきりさせて、断腸の思いで切る事業は切って、そして職員を身軽にして、そうした中で本当に重要で、だけどなかなか解決策がみつからない、そういうところに注力してですね、ほかの自治体だとか国が動く前に、下川町が独自のそういった地域社会をみつめる中で発案した事業がほかの地域に波及していくというような、そういった事業を立ち上げていただきたい。ですから、繰り返しになりますが、政策の優先順位をしっかりつけて、切るものは切ってやっていただきたい。それが私の主張です。今一度、町長、そのあたり、やはり理事者がトップで姿勢を示すと。政治家は人気商売ですが、同時に嫌われ役でもあると、そういった中で削るものは断腸の思いで削るという決断をですね、是非していただきたいと私は思っております。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
奈須議員の仰るとおりで、常にそういうことは頭に置いて、挙がってくる施策、あるいはまた提案…こういうところを、本当にそれが必要なのかどうか、そしてまた現状の事業を継続していくことが本当に地域のためになるのかと、そういうところは常に念頭に置いております。それが実は政策形成をしていくときの考えようとする力になるわけでありまして、それは問題意識と危機意識、そして情報収集になってくるんではないかと思ってございますので御理解をいただければと思います。以上です。