士別市議会 令和2年第1回定例会 2020年3月5日
農業と林業の振興について
2020年3月5日、士別市議会の大綱質疑で、村上緑一議員が「農業と林業の振興について」質問し、経済部長 井出俊博、農業振興課長 藤田昌也、畜産林務課林務管理監 鶴岡明浩が答弁しました。
- 質問者
- 村上緑一 議員
- 答弁者
- 経済部長 井出俊博、農業振興課長 藤田昌也、畜産林務課林務管理監 鶴岡明浩
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 8番 村上緑一
それでは、令和2年第1回定例会に当たり、通告に従いまして大綱質疑を行います。農業と林業の振興について伺います。初めに、農政対策の進め方です。今までにない国際貿易の拡大により、関税撤廃とともに安い農畜産物が入り、農業を基幹産業とする本市にとっても重大な影響について、昨年も質問させていただきました。その答弁では、農業経営にどれだけ悪影響を及ぼすのか、今後も関係機関と連携を図り、情報の収集に努め、本市農業の持続的な発展を図るための取り組み強化について、国に強く求めていきたいとありました。令和2年が始まり、農政対策を進める上でも今以上の農政対策の強化と実行の年であると思います。農業の関係機関と連携でありますが、農業経営にどれだけ悪影響が出ているのか、情報の収集に年2回以上の意見交換を含めた取り組みが必要と考えます。これについての考えを伺います。次に、農畜産物の影響額についてです。昨年は、本市の推定の影響額が算定されましたが、本年度からは実際の影響額を毎年算出してはどうでしょうか。また、国が行う農畜産物の影響緩和に向けての国内対策についてですが、今後の農政、農業支援に的確に行える事業なのか、窓口である本市が国内対策事業を注視し、幅広い農業者に対策が生かされるよう進めていただきたいと思います。今後の農政対策の考えをお聞きします。次に、GAP推進事業です。オリンピック・パラリンピックの開催に合わせ、士別農産物のPR、グローバルGAPの推進をモデルとして実施してきましたが、2年目を迎えた事業ですので、今後の進め方の考えを求めます。また、本年7月から始まるオリパラへの農産物の提供ですが、GAP認証作物、バレイショ、たまねぎ、カボチャ、ブロッコリー、アスパラガスなどを予定しておりますが、現在オリパラ委員会から農産物の依頼はどのような状況でしょうか。伺います。次に、農業労働支援対策推進事業についてです。私も何度か農業の労働力不足に対して、農作業を支援する人材センターの提言をしてきましたが、今後、労働力不足の解消に向け、開催される検討会に期待したいと思います。また、コントラクター事業については、事業の周知を初め、地域性のニーズに合った組織づくりを目指していただき、農業人材バンクの必要性についても全市的な労働支援につながるよう協議していただきたいと思います。今後の農業労働支援の考えを伺います。次に、てん菜作付振興事業についてです。本市では、てん菜作付には特に力を入れ、各種支援を行っており、てん菜作付拡大に貢献をしております。北海道でのみ作付されているてん菜は、畑作経営の安定化と、輪作体系上欠くことができない基幹作物であります。今回の収穫作業の委託金額の上限を10アール当たり8,000円から1万円に増額に至った考えをお聞きします。次に、林業の振興について伺います。本市の人工林は、多くが伐採時期を迎えつつあります。平成30年から始まった森林整備計画の現状と課題では、木材の低迷や造林経費高騰などにより、森林保育や間伐などのおくれ、植栽の未実施などが見られるとありました。理由として、森林所有者の多くが森林経営に関心が薄く、森林計画を策定していないこと、所有者の状況を把握していないことなど、森林価格の低迷により収益が見込めないことが要因とされてきましたが、このような課題は少しずつでも改善されてきたのでしょうか。林業振興の取り組みをお聞かせください。次に、森林環境譲与税についてです。用途として、市町村において、干ばつや人材育成、担い手の確保、木材利用の促進、森林整備の促進に充てるとされています。昨年、本市でも森林環境譲与税基金条例が施行され、譲与税を活用し、森林の整備を進めるとあり、今回、森林所有者の意識調査に手がけるとされていますが、実際に森林整備事業に入るのはいつでしょうか。事業の計画の説明を求めます。また、本市の総面積のうち74%が森林面積とされています。他市町村より面積が多い中にありますが、令和2年度の歳入の森林環境譲与税は2,700万円としては少ないと思います。譲与税の取り決めなどを含め、今後の森林環境譲与税の推移をお聞かせください。以上申し上げ、これらの答弁を求めます。
答弁 経済部長 井出俊博(経済部長は2021年3月まで)
私から農政対策の進め方について、御答弁申し上げます。平成30年12月のTPPイレブン、昨年2月の日EU・EPAの発行に続きまして、本年の1月には日米貿易協定が発効され、農業の取り巻く環境については経済のグローバル化、それから農産物の自由化の進展など、大きな転換期を迎えているところです。本市では、これまでTPPイレブンや日米貿易協定等の発行による農業への影響について、国・道の算出方法を用いて、作物ごとの関税撤廃最終年における精算額への影響を試算してきたところです。昨年の輸入量、それから国内産販売価格の動向につきましては、昨年の12月の第4回定例会で西川議員の御答弁をさせていただきましたけれども、そのときは、2019年の1月から9月実績でお話をさせていただきましたが、今回は1年間、2019年1月から12月実績で御報告をさせていただきたいと思いますけれども、輸入量につきましては、過去3年間との平均を比較いたしますと、牛肉が9.6%、それから豚肉が5.8%、バターや脱脂粉乳などの乳製品が11.0%、小豆が51.8%、えんどうが12.1%の輸入量の増加となっております。しかし、それ以外の作物につきましては横ばい、または減少という状況になっています。また、国内産の販売価格についてですけれども、同様に1年間の数値になりますが、過去3年間平均と比較すると、そばで45キログラム当たり2,200円程度、それからブロッコリーについては、10キログラム当たり500円程度の価格減少ということになっておりますけれども、それ以外の作物につきましては横ばい、または販売価格の増加という状況になっておりますので、これらを見ると農産物の輸入化に伴いましての販売価格の低下というのは、まだ、今のところ少し見ていないのかなと感じているところであります。実際の影響額の算出についてですが、国・道で新たな算出の方法が出された場合においては、影響額を算出するということは可能と考えておりますけれども、現状の輸入量や販売価格の変動などが協定発行によるものかどうか、市独自で判断するということは、非常に難しいなと考えております。しかしながら、長期的には、国内産の価格の大幅な下落やそれに伴い農業所得に影響を及ぼすことも懸念されることから、引き続き輸入量等の動向や市内における生産量、それから取引価格を継続的に把握していくとともに、関係機関とともに情報収集に努めてまいりたいと考えております。それから、意見交換等の関係の取り組みについてですけれども、国や道、関係機関などの上部団体が持つ情報の収集に努めるとともに、毎年開催しているJA1市2町地域農業に係る意見交換会や上川管内市町村農政推進協議会、農政会議等で、JA北ひびきや近隣市町村との意見交換、それから情報共有を行う中で、影響について長期的に注視してまいりたいと考えております。昨年12月に総合的なTPP関連の施策大綱の改定に基づきまして、国内対策が発表されておりますけれども、これらにつきましては、農業者の意向を踏まえながら関係機関と連携し、効率的に実施していくとともに、今後も関係機関と連携を図りまして、国・道が発出される情報に注視をしながら、本市農業の持続的な発展を図るための取り組みについて、さまざまな機会を捉えて、国と道等に要望をしていきたいと考えております。私からは以上です。
答弁 農業振興課長 藤田昌也
私のほうから、初めにGAP推進事業の進め方についてお答えをさせていただきます。平成30年度よりグローバルGAP団体認証に係る更新費用の助成、GAP指導者育成を目的といたしました講習会費用の助成により、GAPの普及を目指すとともに、認証者の負担軽減、サポート体制の構築を図ってまいりましたが、昨年11月、市内の農業者を対象にGAP認証の取得意向調査を実施したところであります。その中では、1割の農業者が認証取得を考えているということがわかった一方で、認証取得は考えていないと回答した農業者が4割、全く回答がなかった農業者についても4割と、GAPに対する関心度や認識度が低いということが明らかになったところであります。環境保全農業直接支払交付金制度などの国の事業におきましては、GAPの取り組みが一部交付要件とされていることや国内企業におきましては、既にGAPの取り組みを納品先に求める動きがあること、さらにはJAグループ北海道におきましても、令和元年度から麦や豆類、てん菜、バレイショを対象といたしました畑作物のGAPが導入されるなど、GAPの取り組みがさらに加速されるということが予想されるところであります。本市といたしましても、農業経営の改善や作業の効率化に資するとともに、消費者や実需者の信頼の確保にも期待ができるGAPは、重要と考えているところであります。新年度におきましては、GAPの認知度や理解度を深めることが必要であり、その向上に向けた講習会の開催によりGAPの取り組みを推進していきたいと考えているところであります。次に、オリパラ大会の農産物提供の依頼状況であります。東京オリンピック・パラリンピック大会への地元農産物の提供につきまして、昨年6月選手村で飲食提供を行う企業からグローバルGAP認証を受けたブロッコリーに係る問い合わせがあったところであります。JA北ひびきと連携を図りまして、出荷可能時期や数量、また価格等の情報提供を行ったところでありますが、現時点におきましては、その企業から購入依頼を受けるところまでには至っていない状況となっております。続きまして、今後の農業労働力支援の考え方について御説明させていただきます。農業従事者の高齢化や後継者不足等に対しまして、農業労働力不足の解消に向けた検討会や研究を行うとともに、農業人材バンクの推進やICT農業の導入によります農業労働力調整システムの確立を図ることを目的といたしまして、農業労働力支援対策推進事業は平成25年、JA北ひびき、上川農業改良普及センター、農業委員会、士別市で構成いたします労働力支援対策検討会議を設置したところであります。これまで、ファームコントラクターの組織化や新たな労働力供給システムの確立に向けた検討のほか、JA北ひびき農業人材バンクの設立、ファームコントラクター組織への国の補助事業の活用支援等を行ってきたところであります。今後におきましても、労働力支援対策検討会議におきまして、ファームコントラクターなどの労働力確保に向けた検討を行うとともに、JA1市2町地域農業に係る意見交換会等で新たな労働力確保の手法について検討してまいります。また、作業の省力化や低コスト化などを可能とし、労働力不足の解消の一つの手法と考えられますスマート農業に関しましても推進を図ってまいります。次に、てん菜作付振興事業の収穫作業委託上限額の増額についてであります。委託金額の見直しを行ったてん菜作付作業受委託促進事業は、てん菜作付の基幹作業であります移植、播種、収穫作業にかかります委託金額の2分の1以内を補助する事業となっております。補助金の算定に当たりましては、平成30年4月の農業団体等によります農作業賃金協定会議で決定をされました農業機械作業基準料金表の料金を委託金額の上限として設定をしてまいりました。昨年4月にビートハーベスターによります収穫作業料金が最低賃金の改定等によりまして8,000円から1万円に改定されまして、農家負担が増えたことから農業関係者と協議を行いまして、委託金額の上限の見直しを予算に反映させたところでございます。てん菜につきましては、寒冷地域での輪作体系上欠くことのできない作物であることから、畑作経営の安定化、さらには製糖工場の立地により地域経済の発展において、極めて重要な作物となっております。今後も各種支援を行う中で作付面積の確保、拡大に努めてまいりたいと考えております。
答弁 畜産林務課林務管理監 鶴岡明浩
私から林業振興の取り組みについて、お答えします。市町村における森林整備計画は、森林法の定めにより民有林が所在する市町村が5年ごとに10年間を1期とする民有林の森林整備の基本的な考え方を示した計画で、本市は平成30年4月に策定しております。その中で、森林整備の現状と課題につきましては、現在においても木材価格の低迷、造林経費の高騰などによる森林施業のおくれなどにより、議員お話のとおり、経営計画を策定していない多くの森林所有者につきましては、森林経営に関心が薄く、依然として森林整備が進まない状況にあります。このような状況は、本市のみならず、全国的にも見られることから、国では森林経営管理法を制定し、市町村による整備が可能となったことから、本市においても森林所有者に対し、働きかけを行うとともに、市として整備のおくれている森林に対して、独自の森林整備の促進対策も検討してまいります。次に、森林環境譲与税についてです。森林環境譲与税による事業は、森林整備とその整備を促進するための事業とされており、さまざまな事業に活用できると考えておりますが、当面は森林整備に係る意向調査など、現状の把握に努め、森林整備につなげていく考えです。そこで、実際に森林整備を行う時期につきましては、本市において、整備の対象となる森林所有者は約250名ほどおり、その所有森林も市内に広く分散していることから、本市では、整備の対象となる森林の所有者に対し、郵送による整備の意向を確認する調査を実施し、2年目は1回目の調査で回答が得られなかった方に対し、再度の意向調査の実施、3年目、4年目は回答のあった意向調査をもとに委託による森林の現況調査の実施、4年目からは現地調査を完了した区域ごとに森林所有者に対する事業提案を示し、同意が得られれば、森林整備の実施に向け、準備を行うことから、森林整備の実施は早くて令和5年ごろからと考えております。次に、森林環境譲与税の配分額についてですが、森林環境譲与税の財源につきましては、国民一人当たり1,000円を徴収する森林環境税を充てることとしております。また、森林環境譲与税の配分額につきましては、各市町村における森林面積、人口、森林関係就労者数を勘案し配分されており、本市における配分額は、本年度は1,250万円、令和2年度は約2,700万円を見込んでおり、その後段階的に増額され、令和6年度以降は約4,070万円を見込んでおります。以上です。
質問 8番 村上緑一
ちょっと3点ほどお願いしたいと思います。まず初めに、国内対策の支援事業、今、貿易拡大により、その影響額の緩和により事業を進めると、これからは思いますけれども、やはり今の国が行っている事業は、特にそれに参加しづらい、例えば今ポイント制になっているんですけれども、例えば規模拡大をしないとだめだとか、後継者がいないと行えないとか、あと法人化に向けて取り組まないとだめだとか、いろんな形の中でポイント制になって、なかなか一般農業者が取り組めない、こういった事業が多い中ですけれども、やはり、今回のこれだけの大きい貿易の中の影響額というのは、本当に大きい中ですけれども、やはり農家個々に幅広い農業者に行き渡る形の中で、本当はとり行っていただきたいんですけれども、それも国の事業ですので、そういった本市の窓口として、そういった言葉も発していただいて、やはりみんなが取り組める事業を進めていただきたいという、私の趣旨なんですけれども、そういった考えに対して、今の事業を今後、気持ちとして進めていただきたいと思います。ちょっと一言いただきたいと思います。
答弁 経済部長 井出俊博(経済部長は2021年3月まで)
お答えいたします。今、議員のお話のとおり、この対策につきましては、全国的なものの考え方の中での対策という考え方でおりますので、当然、本市のほうでは小さな農家さんもいれば、大きなところもありますが、北海道農業としましては、やはり大きな面積を持っていたり、やはり北海道については特徴のある農業があると考えております。そういった部分でいけば、この今国が出している対策に合わない部分も多々あると思います。今言われたように、ポイント化ですとか、そういったところもありますので、そういう部分では、士別市だけではなくて、やはり上川、それから、北海道全体の中でこれについては、合わないものについては声を上げて国のほうに要請していかなければならないと考えておりますので、他市町村とも連携をしながら進めていきたいと考えているところです。以上です。
質問 8番 村上緑一
その部分に関しましては、本当に絵に描いた餅にならないように、やはり皆さんが取り組める状態をつくっていただくよう国・道なりに要請をいただきたいと思います。