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斜里町議会 令和3年6月会議 2021年6月23日

スマート農業技術導入後の斜里町農業の展開は?

2021年6月23日、斜里町議会の一般質問で、若木雅美議員が「スマート農業技術導入後の斜里町農業の展開は?」について質問し、町長 馬場が答弁しました。

質問者
若木雅美 議員
答弁者
町長 馬場

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

件名は町のサイトの一般質問の一覧の表記です。

質問 若木雅美

私は1項目、スマート農業技術導入後の斜里町農業の展開について質問します。斜里町農業はGPS機能によって走行するトラクターを使用するなどのスマート農業にいち早く取り組んでおり、圃場データを活用し土壌分析に基づく適正な施肥を行ったり、生育状況を衛生データによって確認するなど、さまざまな技術が生かされています。今後も新たな技術が開発されていくと思いますが、担い手を中心に積極的に取り入れていくことに期待しています。スマート農業は、機械の購入などコストが生じます。低価格となってきたといっても、新たな技術を導入するたびにコストが生じることとなりますため、そのコスト以上の収益をどのように確保するのかが課題と考えます。さらに斜里町農業における課題は、家族経営の規模拡大の限界、雇用労働力不足、病害虫防止の観点からの輪作年限の延長など、さまざまあります。第5次斜里町農業農村振興計画は、これらの課題を踏まえた上で作成されたものであり、スマート農業でカバーできる課題もあると考えますが、新型コロナウイルス感染症拡大による情勢変化の農業への影響を早急に分析対応する必要があると考えます。以上の観点から、スマート農業技術が普及した今後、斜里町農業をどのように展開をしていく考えか、町長の考えを伺います。

答弁 町長 馬場

若木議員の、スマート農業技術導入後の斜里町農業の展開は?のご質問にお答えいたします。議員ご承知のとおり、斜里町農業では、町内における農業の担い手不足や高齢化による次世代対策などの課題を打開する手段の一つとして、スマート農業の技術導入と普及に向けて取り組んでおり、平成28年には農業者や農協、町などで構成する、斜里町農業ICT推進協議会を設立し、国の補助事業を活用しながら、これまでに町内175戸の農家に457台の自動操舵トラクターが導入されてきたところです。現在、町内におけるスマート農業は、トラクターの自動走行システムのほか、肥料を自動で調整する、可変施肥システムや、ドローンで麦畑を上空から撮影し生育状況を色分けする生育マップなどが導入されており、作業効率の向上や作業負担の軽減が図られているところです。しかし、担い手不足の解決や労働時間短縮などの観点では、省力化を目的とするスマート農業は導入の動機にはなりますが、本来の目的は、導入による経営面積の拡大や高収益作物への転換、コスト削減など収益性の向上を目指すべきものであり、今後も飛躍的に進むことが予想される自動化や技術革新とともに、ハード、ソフト両面から農作業の効率化、省力化、低コスト化につなげる取り組みの普及が必要であります。いずれにしましても今後の展開については、持続的でかつ発展する斜里町農業を目指して、スマート農業導入における効果や課題について、生産者や農協などと協議をしながら、次期斜里町農業・農村振興計画の策定作業の中で調査研究し、斜里町農業の未来像を描いていく必要があることを申し上げ、若木議員への答弁といたします。

再質問 若木雅美

再質問いたします。私はこのスマート農業の導入で、斜里町の若い世代が中心に意欲的に取り組んでいる姿はとても頼もしく思っています。またドローンについては、今は生育状況の確認ということでしたけれども、私は過去に一般質問でも言いましたが、大雨後の、トラクターが入れない圃場への適正な防除ができるような災害にも対応できるものとしてとても期待しているものです。今回私が質問したのは、こうした技術を導入することが農業者の方が安全な作業ができたり、労働時間が短くなるというような面はとてもあるのですけれども、その一方でコストが掛かっている、このコストを収益性、利益から奪われている状況ですので、それをどのように収益性を上げていくかというのが課題なので、そこにまだ、そこに向かっていくための展望をもう今から示していかなければいけないのではないかなということで質問させていただいています。今回、町長はそのようなことの視点を持っているのですけれども、その方向に向かってどのように考えているのかお聞きしたかったのですが、次の計画に向かってこれから調査研究をして未来を描いていくということで、今の段階では考えを持っていないのかなというふうに受け取ってしまったのですけれども、それであれば、今、斜里町の第5次計画は、斜里町のスマート農業は平成28年に入って5年目です。この計画は3年目ですので、スマート農業が導入されるもとで、この5次計画をつくっていると思いますので、これの段階でそれぞれの課題についてどのように町長が思い、今、どのように進んでいるか、その考えをお聞きしたいと思います。まず一つ目に私は、規模拡大になっていくのだという考えがあるのですが、先ほども言いましたとおり、家族農業という視点だけでは規模拡大に限界がもう既に出てきていまして、山間地域などでは、農地が出ても受け手がいない、なかなか出てこないだとか、てん菜の面積はそれ以上増えないというのでしょうか、面積を増やす意欲が余りないという、労働力がすごく掛かるからだとかがありまして、私、家族農業というのは斜里町農業にはとても必要で、人をその地域に住まわせるというので否定するものではないのですけれども、斜里町の9千ヘクタールの農地をこのまま維持するときに、家族農業だけで本当に守っていけるのかなという考えを私は持っています。それでいったときには、やはり労働力をどう確保するのかということだと思うのです。それでこのスマート農業は自動で動くのでオペレーターという感覚でいけば、人を雇用することで労働力を確保できる。そうすると、農業者は別の農業事業、高収益な作物に新たに取り組んだり、加工するものをつくったりだとか、そういうものに回せると思いますので、この雇用の面について、季節的雇用から通年雇用に、安定した雇用に、農業の労働力を求めていくべきではないかなと思うのですが、この点について町長の考えはどのようにありますか。

答弁 町長 馬場

規模、家族経営、これが斜里町農業のいいところで、これを支持するようなお話をかつてお伺いしたような気がするのですが、今のお話ですと、そういうことではなくて限界がある。ここをどうやって乗り越えるかということが大事なことだというふうに今聞いたつもりです。そのためには、いわゆる労働力を確保して、さらなる高収益な仕事をしながらトータルで収入を増やして、コストを吸収していくということに臨むのだというお話かなというふうに思いますので、そういった意味ではまさにそれをしなければ、いくらスマートうんぬんと言っても、せっかくの意味がないですし、当然、機械化をするということはコストが掛かるものですから、そのコストと収入との見合いを常に考えることが経営だというふうに私は思っていますので、そこを考えるのは農業者であり、また、そこを束ねる農協がどのように考えるかというのが一番先だというふうに私は思うから、そことの協議をしながら計画づくりをし、私たちそれぞれ分担しながらできることをやっていきましょうという考えでいるということを、私は先ほどお答えしたつもりでございます。

再質問 若木雅美

コロナ禍で雇用の面でいきましたら、この第5次計画の中で労働力融通、雇用のリレーの仕組みなどが書かれていますが、海外からの人的流入が制約された中では、その労働力の確保が課題であったり、域外からの人流も制限されていた中ではこの雇用という面ではなかなか難しく、この計画では考えられていても、それを補うのはコロナでは難しいという課題にぶつかってきたと思うのです。また去年、町内のほかの事業所が止まっている状態の中で、農業の方での人的、雇用できないかということを、私は質問してきたのですけれども、その中では希望者がいないというところがありました。それでいきましたら、労働作業なのか、賃金なのか、さまざまな課題があるのですが、こういうことも斜里町の人が農業で働いてもらったり、域外から、コロナが収まった後に域外からこれる方でも優秀な方が斜里町で働いてもらうためにはこういった面の底上げということも、やっていかなければいけないと思いますので、そういうことの展望に立った視点を持った斜里町農業を示していくべき、姿を示していくべきではないかなと思います。次なのですが、スマート農業でいきましたら受託作業というのがここにも書かれています。ヨーロッパなどは自分が経営しながら機械を持って、何人かの地域の農業者で受託作業をして仕事をするというような農業形態があります。今後こういう機械が大型化され高額な機械ばかりが導入されていくときには、法人化ではなくても、そういう機械を受託組合などをつくりながら、機械を個人が持つだけではなく、昔の利用組合のような形で進めていかなければ、やはり収益性の観点でも難しくなっていくのではないかなと思います。ヨーロッパ農業でいきますと、そういう農業者の方々は旦那さんが農業をされながら、奥さんは教員だったり、行政の職員だったりだとか、そういう形態で農業されている方もいらっしゃいます。先ほど町長から、家族農業は大切だと言っていたのに、変わったと言われたのですけれども、私、家族農業は大切だと思っているのですけれども、それを守りながらも、この地域、斜里町農業で家族農業ばかりだと耕作放棄地が起きてしまったりだとかがあるので、その課題をカバーできるスタイルを描くべきではないかなということなので、家族農業が大切だということは基本にあります。そこのところは変わっていないのですけれども、そういう受託組合を後押ししていくことで、斜里町で不足する人材が新たに生まれる可能性も出てくるのではないかなということもありますので、この中で協議を進めます、ということが書かれていますので、それについての協議が行われているのか、スマート農業が導入されることで、これはスピード感を持って進めていくべきではないかなと思うのですが、その点はどのようにお考えですか。

答弁 町長 馬場

受託作業という形態で利用組合、機械を活用した、組合の後押しというお話でした。これまでも私が知る限りにおいても現在も共同で機械を導入して、管理の下でいろいろ使い回しをしている事例もありますし、また一方で、なかなかそうはいうものの、何とか集団という中で、十分その共同で持つことがうまくいっていない事例も見ております。そういった中で、それを進める、進めないという部分は、まず機械をうまく活用して、それはやはり当事者がどれだけそういうことに対して本気になるかということではないかなというふうに思います。今もしっかりそれができているということは、しっかり自分もある程度実施しながら、共同歩調でやるという姿勢があるところはうまくいっているのではないかと思いますし、やはり俺が自由にやりたいというところはなかなか思うようにいかない部分があったのかなというふうにも見ていますので、そういう関わる人の意識が一番ではないかなと私は思っているのです。そこを乗り越えれば、やはり家族ではなかなかできていけない、これから大規模化しながら、機械化することでコストが掛かる、それを吸収するためには大規模化によって効率よく作業しながら生産を上げていくという、そういうことにつなげなければいけないですので、そう考えたときには、やはり一人の、家族の中心で回すというのではなくて、やはり複数の人が、農家が一緒になってやるという形態を考えていかなければ、なかなかこの先を乗り越えるのは難しいのではないかと思いますが、そこを一番考えているのは農業者であり、農協ではないかなと私は思うものですから、そこの意思を無視したと言ったらいいのですけども、意思を尊重しながらすることが、私たちが町としてできることを、今度は支援するだとかということになるのではないかなと私は思っております。

再質問 若木雅美

あくまでも、主体である農業者がどう考え、農協がどう進めるかを示されたときに、その後押しを町がしていくという考えだということでしょうか。

答弁 町長 馬場

町が農業をやれだとか、そういう話ではないですよね。違いますよね。やはり自分はせっかくの代々続いた畑を活用して、農業という農業経営で頑張っていくという人がいれば、私のように漁業でやるという人、建設業でやろうとしている人、いろいろな形でそういう自由に仕事を選んで、やっている社会ではないかなというふうに思います。ですから、それを選んだ人の意思というのは、やはり最優先されるべきではないかなというふうに思いますので、それがあってこそ、産業としてしっかり確立されることは大事なことですから、それを町が支援することはあるのですけれども、町が考えてこうしたらいい、ああしたらいいというのは、順序的には違うのではないかなと私は思っています。

再質問 若木雅美

日本には食料・農業・農村基本法というのがあり、それに基づいて食料・農業・農村基本計画というのがあり、それに基づいて北海道も振興条例をつくり、計画があり、斜里町もそのようになります。国が示し、その中で農業者がそういう計画の中で、どのような斜里町農業をつくっていくかというのはあると思うのです。斜里町も、斜里町のこの基本計画をもとに、斜里町がこういう農業を目指していきたい、農業者はどう考えるのだということをすり合わせしながら、やっていくものだと思うので、農業者が考えるのはもちろん大切ですけれども、一緒に考えていく、先に提案することがあっても私はいいのではないかなと思います。今年6月に、みどりの食料システム戦略というものが新たに農水省から示されています。こちらの方は、食糧をベルトコンベアで流れてくる自動車のように考えているのかなと思うような、システム化されるような感じの戦略なのですけれども、その中ではSDGsや地球温暖化なども加えた中での農業戦略というのが語られていまして、電力駆動の機械の導入というのがもうここでうたわれています。そうするとコストがもっともっと掛かっていくものを、機械を導入していかなくてはいけないというようなことが、この先見えてくるものですから、このままこの計画にのっとってコストばかり掛かる個人経営で本当に農業をやっていけるのかなというのが、私としては疑問を感じているのです。それでいったときに、そういう戦略が国の方であるのであれば、大規模な農地を抱えている斜里町ですので、その中でどのようにコストを抑えながら、コストが掛かるのが仕方ないのであれば、6次化を目指すような新たな作物に着手するだとか、加工施設をつくるだとか、あとは雇用、冬場まできちんと安定した雇用を守るためには冬の仕事も確保しなくてはいけないですから、そういったところが、どういうものがこの斜里町でできるのかだとか、そういう議論をスマート農業と一緒に、導入に加えてやっていかなければいけないのではないかなと思いまして、今回、私質問しているのですが、その下には町長はどう考えられますか。

答弁 町長 馬場

今、緑のうんぬんという部分については、私勉強不足でわからないのですけれども、いずれにしても農業の、この先を見据えてさまざま工夫をしながらやっていくということかなというふうに思います。今、図らずもおっしゃいましたように、農業者、あるいは農協と町が一緒になって考えながらどうすればいいか、その姿勢は、私は持っているつもりでいるのです。あんた先に考えなさいという、まず考えがあるでしょう当事者として、あると私は思っているのです。ただ、あんたが考えたら私は考えるのではなくて、一緒になって考えましょうということは常に意識しているつもりです。そういう相談をしながら、道を探るのですけれども、主体はどちらかといったら、やはり私は農業者だと思うのです。国の制度でこうやって農業政策があるというお話もされていましたけれども、そういう中で農業をする、しないというのは個人の意思です。そういう中で成り立っているものですから、やはりそういう農業者が、これまで培ってきた力を生かして未来につなげていくというそれがないと、少なくとも人間が生きてくる上で食料というのは大事な要素ですから、そこを供給するという農業としての使命、これを果たす意義というのはすごく大きいと思っています。ただそこに携わる方々が、やはり主体になって考え、そして行政としてそこで支援している部分は何かということをともに考えていくということが大事なことではないかなと思うから、先ほどからずっとお話ししているつもりです。あなただけ考えなさいだとかそういう意味ではなくて、ともに考えましょうという姿勢であるということだけはご理解いただければと思います。

再質問 若木雅美

1点だけ確認させてください。今、町長は農業をやるのは個人の意思だとおっしゃいましたが、個人の意思で農業をやっているのであれば、個人が儲かればそれだけでいいというわけでは私はないと思うのですが、斜里町の経済を支えていますし、人がそこに住み続ける、斜里町の人口の一定程度の割合を持つと思うのです。そういう意味で言ったときに、個人の意思で農業やっている、その農業を、斜里町の中で一定の効果が、農業があると思いますので、個人の意思で農業をやっていますけれども、その全体の斜里町農業に対しては、町としても、もっと主体的に、発展するための主体的な考え方というのを、もっと積極的に示してもいいのではないかと思うのですが、いかがですか。

答弁 町長 馬場

今、農業についていろいろお話していますけれども、私は斜里町で経済活動をしながら社会活動をしながら生きていらっしゃる、そういう方々を皆さん尊重しています。皆さん意義あることをやっていただいていると思いますから、農業だけが特別だとか、商工が特別だとか、そういうことではないというふうに思っているから言っているのです。けして農業は何の意味もない、個人の勝手でしょうと、そういうことを言っているわけではなくて、お一人お一人が大事だということをお話ししているつもりですけれども、ご理解いただけないでしょうか。

再質問 若木雅美

全ての斜里町中の産業だったり、それぞれお仕事を尊重されているということで、農業者だけを特化して何か差別して言っているわけではないということはわかりました。そういうふうな意味ではないということはわかっているのですけれども、斜里町の中の経済の一つを担う斜里町の農業ですので、それの発展について農業者からの発案ばかりではなく、国や道の動きなど、世界の動きなどを見ながら斜里町農業はこうあるべきだという考えを行政側から示すということも必要ではないかと思うのですが、その点は変わりないですか。

答弁 町長 馬場

繰り返しになりますが、やはり専門分野、専門分野という部分をともに生かしながらやっていくことが大事だというふうに思います。例えば、若木議員ならどうしたらいいという部分を、やはり提案をしながらやっていくのも一つでしょうけれども、ともにそういう提案を持ち寄りながら、より良き方向へ探っていく、そして近づけていくということが大事ではないかなと私は思っております。

再質問 若木雅美

斜里町としていろいろ考えていく中に、考えるときには、傍には必ず農業者、関係者の方々がいてその意見を聞きながら計画なりができてくるというお考えで、そういうふうに進めていきたいという町長の考えだと思います。ただ国などは動きが速く、これが実現できるのかなというような話が、今国会では議論されていまして、そういった情報も行政の方から、農業者の方に発信していただいて、今の農作業に追われる農業者の方々にもっと未来、将来のことを考えながらしなければいけないのだというような情報発信をしていくことが、行政の役割にあるのではないかなと思いますので、その点については、国の動きなり道の動きなりを察知しながら出していくという考えはいかがでしょうか。

答弁 町長 馬場

おっしゃるとおり、さまざまなアンテナを立てながら情報収集に努め、またその情報を提供するようなことは大事なことだというふうに思います。

出典:斜里町議会 令和3年6月会議 2021年6月23日 議事録 PDF(42ページ) 間違いを知らせる