小樽市議会 令和7年第1回定例会 2025年3月4日
オーバーツーリズムについて
2025年3月4日、小樽市議会の一般質問で、面野大輔議員が「オーバーツーリズムについて」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 面野大輔 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 17番 面野大輔
続いて、オーバーツーリズムについて伺います。小樽市は運河を代表とする歴史的な町並みで知られ、北海道内でも有数の観光地として発展し、国内外から多くの観光客を集めています。また、市と連携して、小樽観光協会などはコロナ禍をはじめ、常に観光誘致事業を進めてきました。現在では、コロナ禍前の観光入込客数の推移まで復活してきており、日常的にも観光客を目にするタイミングが増え、観光事業者の方からも安堵の声を聞く機会も増えてきた印象を受けています。しかし、1月 23 日、JR朝里駅で大変残念な事故が起きてしまいました。朝里駅では、以前から中国映画「恋する都市 5つの物語」のロケ地として、外国人観光客から人気の撮影スポットとなっており、多くの観光客であふれかえっている状況が続き、警備員を配置するまでに至ったと伺っています。また、船見坂においても、撮影のため慢性的に観光客が殺到し、交通に対する危険行為や近隣住宅への侵入などによる迷惑行為が多発していると聞きます。今ほど例示した地点は、そもそも観光客を受け入れるための整備がなされておらず、また地域住民が日常的に利用する駅や道路であるため、以前から近隣住民の方は頭を悩まされていたこととお察しします。小樽市が1月下旬から、船見坂へ警備員を配置することを決定したとほぼ同時に、朝里駅での死亡事故が重なり、小樽観光のいわゆるオーバーツーリズムが広く知られるようになりました。今後、このような残念なアクシデントが起こらないよう、行政としても徹底した対策が求められている状況だと考えます。そのためには、なぜオーバーツーリズムと呼ばれる現象が起こってしまうのかという原因を分析する必要があると考えます。根本的な原因は、観光の量を重視し過ぎた、住民より観光業を優先した、観光が特定の場所に集中した、観光業に依存し過ぎたことにあり、本市のみならず、他市においても同様のことが起きていると考えられます。具体的には、コロナ禍で従業員を減らした観光産業に、今度は急激に観光客が増えたことで、人材も足りない。特定のスポットに人が集中する。文化や日本のマナーが伝わっていないことで、悪気の有無とは関係なく、地元の住民にとって望ましくない行為が見られるなどです。政府は 2030 年までに、訪日外国人旅行者数の目標を 6,000 万人まで伸ばすと掲げており、本市への入込客数は今後も増えていくと想定することが妥当です。ですが、オーバーツーリズム対策として、現場での対応や規制ばかりを目指しては、魅力的な観光地づくりとはかけ離れてしまうと考えます。現在、取り組まれている看板の設置や警備員の配置はミニマムに抑え、美観を損なうことのないように、観光インフラの整備やSNSを活用した注意喚起を行う。加えて、来られた観光客を追い返すように感じさせてしまう対応は避けていただき、今後の対策を講じていただきたいと願います。国内をはじめ、世界各国でもオーバーツーリズム解消に資する事例が幾つも施されているようです。例えば、観光税です。最近、耳にされた方も多いと思いますが、京都府京都市では、宿泊税の上限を1泊1万円まで引き上げる方針が発表されました。また、近年、ヨーロッパの有名観光地においても、宿泊税の増税や入域税の導入などを通したオーバーツーリズム解消を目的とする観光税の在り方が定着しているようです。そのほかにも、ナッジ理論を活用したオーバーツーリズム解消について、様々な場面で役立っているという先進事例が確認できます。アムステルダムでは、グーグルマップと連携して、観光客に対し、現在地から、より快適に観光できるエリアへ誘導する通知を発信すること、このエリアは混雑しています、ほかの魅力的なスポットを訪れませんかと表示させることで、観光客の流れを分散させ、混雑の軽減を図ったという事例もございます。このように、イニシャルコストをかけずとも、既存の制度を見直しすることや、システム、ツールの機能を拡張することによって、少しずつオーバーツーリズムの解消が進んでいくのだと考えます。そこで、現在、本市では、オーバーツーリズム対策はどのような方針の下、検討が進められていますか。とはいえ、観光から恩恵を直接的に受けられていない近隣住民の方からすると、平穏な生活を送るために、徹底した対策を講じてほしいという思いはそのとおりだと思います。近隣住民の方への理解を深めつつ、観光インフラの整備を進めるという大変難しい取組になることと思いますが、ぜひ小樽観光の振興のため、御尽力いただけたらと思います。次に、小樽市オーバーツーリズム対策連絡協議会について伺います。先日、産業港湾部観光振興室より、協議会の設置について御報告いただきました。設置要綱には、必要に応じ部会を設置できると規定されていますが、現在、部会は設置されたのでしょうか。また、設置されていましたら、その取組についてもお示しください。次に、今後の小樽市オーバーツーリズム対策連絡協議会の開催スケジュールをお示しいただき、オーバーツーリズムに関する具体的な対策について、協議会からはどのような形でお示しいただけるイメージであるか、御説明ください。次に、小樽市以外にも、SNSや報道で幾つかの地域のオーバーツーリズムとその対策を目にすることがありますが、先ほど申し述べたように、政府は 2030 年までに訪日外国人旅行者数を 6,000 万人まで増加させるという目標を立てています。国としても、オーバーツーリズムに対する補助メニューが準備されているところだと推察いたしますが、本市で抑えている国の補助メニューを御紹介ください。少し視点を変えますが、朝里駅、船見坂以外にも、オーバーツーリズムにつながるような地域があるように感じます。私は、ふだんから市道山の上線、いわゆる三本木急坂、あと市道東通り線、位置的にはJR南小樽駅の入船へ向かう下り坂から職人坂の辺りを通行しますが、今、挙げた二つの路線はJR南小樽駅と観光地の中心部を結ぶ動線であり、多くの観光客がよく通るルートです。住民はもちろんですが、交通量が比較的多いので、市民の方もよく通るルートだと思います。それらの路線について、特に冬場の状況ですが、観光客がスーツケースを引きながら、車道を歩いている光景をよく目にします。その原因は、歩道が雪で埋まり、車道まではみ出している雪山を避けると、自然とそのルートしか歩けない環境になっているからです。当該路線は、除排雪計画上、車道のみを実施する路線ですが、観光客などの歩行者も多く、自動車との接触の可能性もあり危険ですし、加えてオーバーツーリズムとも取られるような行動を誘発しているとも取れますので、大きなアクシデントが発生する前に対策すべきだと考えます。この路線は、観光に配慮した除排雪を行う地点に含まれているものの、慢性的に危険な道路環境であると確認しています。しかし、市内後半で降雪時の除雪や排雪を行っている中で、この路線を最優先して除排雪することは現実的ではないので、別の雪対策を講じる必要があると思いますが、いかがでしょうか。引き続き、観光に配慮した除排雪から伺いますが、今シーズンから堺町本通線の歩行空間を確保するため、歩道の人力除雪班を新設されました。しかし、こちらの通りも、先ほどの状況と同様で、観光客がスーツケースを引いて、車道を歩いている光景を目にします。今シーズンは1月下旬から2月上旬にかけて、大雪を記録しました。そこから一転して、除排雪作業が忙しくなったことと思いますが、2月上旬以降の堺町本通線の歩道の人力除雪班の出動回数や作業内容について、お示しください。以上、この項目の質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、オーバーツーリズムについて御質問がありました。初めに、オーバーツーリズム対策の方針及び検討につきましては、過度の混雑やマナー違反による住民生活への影響や旅行者の満足度の低下が懸念される状況において、観光客の受入れと住民生活の質の確保を両立し、持続可能な観光地域づくりを目指し、関係機関との連携を密に、地域の実情に応じた具体的な対策を講じることとしており、小樽市オーバーツーリズム対策連絡協議会において、協議、検討を進めているところであります。次に、小樽市オーバーツーリズム対策連絡協議会の部会の設置につきましては、本年2月 10 日に第1回協議会を開催し、具体的な対策は部会を設置し、検討を進めることで確認しております。これを受け、2月 20 日に第1回部会を開催し、市内の現状や課題、地域住民や地域事業者へのヒアリング内容を共有した上で、「受入環境の整備・増強」、「需要の適切な管理」、「需要の分散・平準化」、「マナー違反行為の防止・抑制」、「地域住民と協働した観光振興」の五つの柱立てに沿って、政策案の検討を進めているところであります。次に、今後の小樽市オーバーツーリズム対策連絡協議会開催スケジュール等につきましては、オーバーツーリズム対策は協議会における継続的な協議、検討が必要であると考えておりますが、令和7年度の取組は今年度内に取りまとめる予定で作業を進めており、そのため、第2回協議会の開催は、3月中旬から下旬を予定いたしております。また、具体的な対策は、令和7年度当初予算案に盛り込んだ警備員の配置や注意喚起のための街頭放送などのほか、今後、協議会において、五つの柱立てに沿って取りまとめる予定の新たに実施する対策につきましては、必要に応じて補正予算などの措置を講じていきたいと考えております。次に、国の補助メニューにつきましては、例えば手荷物配送スキームを通じた手ぶら観光の推進や観光スポットや周辺エリアの混雑状況を可視化し、リアルタイムで配信する取組、マナー啓発コンテンツの整備、観光が地域にもたらす恩恵を地域住民に対して周知する取組などを総合的に支援する令和6年度観光庁関係補正予算のオーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業が挙げられます。次に、JR南小樽駅周辺の道路の冬期間における対応につきましては、観光に配慮した除排雪路線として位置づけた通称三本木急坂は車道の排雪時に歩道の雪をかき出しすることとし、南小樽駅から入船に下る道路は、通常より幅広く排雪することを基本とし、対応しております。しかしながら、市内全域に短期間で大雪が降った場合や、暖気の影響などにより、対応に遅延が発生していることから、今後どのような対策が可能か検討してまいりたいと考えております。次に、堺町本通線の歩道人力除雪班による作業につきましては、大雪後の2月3日から2月 23 日時点までの出動回数は 12 回であり、主な作業といたしましては、歩道の段差解消や砂散布などを行っております。