小樽市議会 令和6年第3回定例会 2024年9月10日
生活保護を受けている方の自立に向けて
2024年9月10日、小樽市議会の一般質問で、平戸理史議員が「生活保護を受けている方の自立に向けて」について質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 平戸理史 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 7番 平戸理史
次に、第2項目め、生活保護を受けている方の自立に向けてということで、今回は生活保護を受ける方のパチンコやギャンブル等に関して質問していきます。まず、日本国憲法第25条には、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」、そして、生活保護法第1条には、「この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。」とあります。日本国民であれば生活保護を受ける権利を有しておりますが、生活保護の目的は被保護者の自立にあるということを忘れてはなりません。市民の方から、生活保護を受給している人がパチンコに行っているが問題ないのかという相談を受けたことがあります。制度上、生活保護を受ける方がパチンコやギャンブル等に行くことは禁止されていないものと承知していますが、私としては、生活保護の目的である被保護者の自立を考えれば、パチンコやギャンブル等に生活保護費を費やすことは非常に望ましくない使い方であると考えますが、本市としては、そういった使い道に関してどういった所感をお持ちなのか、お示しください。次に、パチンコやギャンブル等をした場合の被保護者がしなければならないとされている収入の申告についてです。生活保護法第61条、届出の義務には、被保護者は、収入、支出その他生計の状況について変動があったとき、すみやかに、保護の実施機関または福祉事務所長にその旨を届け出なければならないとあります。パチンコやギャンブル等をすれば、当然勝った、負けたはあるにしても、収入を得ていることになると考えられます。ギャンブル等の払戻しは、生活保護法で言う収入に当たると考えていいのか、お示しください。次に、ここで一つ確認しておきたいのが経費の考え方について。パチンコやギャンブル等をする方からは、今日、幾ら勝った、負けたと1日を単位として払戻金と経費を計算している方が多いように思いますが、例えば競馬では、収入の申告をする上では、経費の計算単位は1日なのか、それとも1レースといった単位なのか、お示しください。次に、そういったギャンブル等による収入の申告が何件あったのか、過去5年間の申告状況をお示しください。次に、私なりに本市でどの程度の収入申告があってしかるべきなのか、試算してみました。令和5年版小樽市統計書を見てみますと、令和4年度生活保護を受けている世帯数は月平均で3,237世帯、人数は月平均4,028名となっています。また、公益財団法人日本生産性本部が出したレジャー白書2023においては、1年間に1回以上パチンコに行く人の割合は8.1%、1年間に平均31.9回パチンコに行き、1年間で平均8万8,400円を費やしているというデータが出ています。また、一般的にパチンコの還元率は80%ほどと言われています。これらを基に試算してみました。試算によれば、本市の生活保護を受けている方でパチンコをしている方は262人、パチンコに費やした費用は1年間で合計約2,300万円、それを基に、1年間で合計1,800万円程度の収入申告があってしかるべきとの試算結果となりました。今お示しした試算はパチンコに限っての話となりますので、競馬、競艇などほかのギャンブルで収入を得ている方も一定数いることが想定され、それに伴って収入申告の数、金額も大きくなることが予想されます。続いて、生活保護費の不正受給に関してです。生活保護法第78条には、不実の申請その他不正な手段により保護を受けた者は、その費用の全部または一部を徴収するとあります。この生活保護費の不正受給について、全国的に度々報道されていることは御承知のとおりと思います。不正受給と言いましても理由は様々なようですし、それが意図的に収入を隠した悪質なものもあれば、生活保護制度への理解が足りていないことによる申告漏れといった類いのものもあると推察いたします。そこで、過去5年間の不正受給の件数をお示しください。また、生活保護法には罰則が規定されており、不実の申請その他不正な手段により保護を受け、又は他人をして受けさせた者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。ただし、刑法に正条があるときは、刑法によるとあります。全国的な不正受給に関する報道を見ましても、特に悪質で不正受給の金額が大きい場合以外は罰則を受けていないように思いますが、本市では、不正受給の悪質性に応じた対応について、金額や不正受給の回数など、どこまでの不正であれば対応を変えるという基準等があればお示しください。その上で、パチンコやギャンブル等を行っているにもかかわらず、収入の申告を行っていない場合、特に長年収入申告を行っていない場合に関しては、市民の生活保護行政の信頼を揺るがしかねない悪質な不正受給に当たると考えますが、本市のお考えをお示しください。次に、不正受給をどうやって防止するのかについてです。生活保護を受けるためには、ケースワーカーが面談や家庭の状況、収入の確認などを行うとのことです。生活保護制度についてあまり知識のない方も当然いらっしゃることと思いますが、不正受給を防止するための対策といいますか、例えば、こういった収入の申告を忘れている、していない方が多いですよという説明などは行われているのか。また、そのほかにも不正受給を防止するために取られている対策等があればお示しください。次に、日々、被保護者と面談をしたり、家庭訪問をケースワーカーが行っていることと思います。被保護者世帯80世帯につきケースワーカー1人という配置基準が示されていますが、令和6年7月末現在の被保護者世帯数とケースワーカーの配置数をお示しください。次に、どのようにして被保護者に収入を正しく申告させるのかについてです。もっと言えば、どのようにして、被保護者のパチンコやギャンブル等の利用状況を把握するかということです。生活保護の制度上、被保護者に対して正しく収入を申告しましょう、してくださいと言うだけでは、収入申告が増えることはないと思います。なぜなら、パチンコやギャンブル等をして、せっかく得たお金であっても、収入申告をしてしまえば、結局は翌月もしくは翌々月の生活保護費からその分が減額されるだけだからです。さらにパチンコに限れば、詳細は割愛しますが、いわゆる三店方式という方式が取られているために、パチンコに使った金額に関係なく、景品交換所で景品を交換した対価として受け取った金額がそのまま収入となるものと言えます。例えば、1万円をパチンコに費やし景品交換所で1万円に交換した場合、財布の中身は変わっていませんが、1万円が収入とみなされるということです。つまり、適切に収入申告を行えば、パチンコやギャンブル等をすればするほど被保護者の使えるお金は減っていってしまうということになります。繰り返しになりますが、これでは収入を適切に申告するとは考えられません。では、実際にどのように利用状況を把握するのかという話になりますが、現時点で、本市としてできる範囲で一番確実性があるのは、他都市で行われている例のある実際の場外券売所や店舗にケースワーカーが出向き、直接、確認をするという方法だと思います。ただ、直接顔を確認しても使用した金額や払い戻された金額の把握が困難という問題点はあります。これまでに、本市でそういった実際の店舗等に出向いて、利用状況の確認したことはあるのか、お聞かせください。また、これまでパチンコやギャンブル等を行っている被保護者の把握のためにしてきたことがあればお示しください。そして、パチンコやギャンブル等をする方の把握ができた後に何をしていくかに関してですが、まずは、これまで市に対して適切に収入申告を行ってこなかった分の申告を行っていただくことを第一歩として、次のステップとして、強制はできませんが、各業界がのめり込み防止のために実際の店舗等への入店、入場を制限する制度を行っていますので、そちらへの登録を求めていくという対応が考えられます。パチンコの場合、自己申告・家族申告プログラムというものを行っています。これは本人や家族がパチンコへの、のめり込みを防止するために、各店舗の協力の下、上限金額、上限回数、上限時間、入店制限といった制限を各店舗にしてもらうことができます。このプログラムでは、本人の同意がなくても家族からの申請があれば入店制限の申込みができる点もポイントです。また、家族からの申請による入店制限を申し込んだ場合には、申込者が入店した場合に、店舗スタッフが実際に退店を促す声がけをするとともに、プログラムを申し込んだ家族へも連絡するということで、家族の協力を得ながらのめり込み防止に取り組んでいけるということになります。私の調べた中では、小樽市内にあるパチンコ店7店舗のうち、この自己申告・家族申告プログラムを導入している店舗は6店舗と、1店舗が未導入なものの大半の店舗で導入されていました。なかなか行政だけでは、このパチンコやギャンブル等の問題に取り組んでいくことは困難です。先ほど述べたプログラムを積極的に活用するなどの対策に取り組んでいただきたいと思いますが、本市のお考えをお示しください。ここまでいろいろと生活保護に関して質問を行ってきましたが、目指しているのは、被保護者がパチンコやギャンブル等をしないようにすることではなく、被保護者の自立を促す、自立への道筋をつけることです。冒頭でも述べましたが、被保護者がパチンコやギャンブル等に行くことは、自立という目的とはかけ離れているように思えてなりません。その意味で、行政として、まずは利用実態を把握し、正しく収入申告をさせること、家族の協力も得ながらパチンコやギャンブル等との付き合い方を考えることが自立に向けた一歩となると思いますので、不正受給防止という観点もありますが、自立を促すというポジティブな観点で取り組んでいただきたいと思います。以上で、第2項目の質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、生活保護を受けている方の自立に向けて御質問がありました。初めに、生活保護費の使い道につきましては、生活保護法第60条において、被保護者は、常に、能力に応じて勤労に励み、支出の節約を図り、その他生活の維持及び向上に努めなければならないとされていることから、生活保護費をパチンコなどで浪費することは好ましいことではないと考えております。次に、ギャンブル等による収入につきましては、収入認定の対象となり、競馬の払戻金を収入申告する場合の経費の計算単位は、他自治体の事例を参考に、レースごとに判断することとしております。なお、過去5年間でギャンブルによる収入の申告はありません。次に、過去5年間の生活保護法第78条適用による不正受給の件数につきましては、令和元年度が64件、2年度が55件、3年度が44件、4年度が30件、5年度が18件となっております。次に、被保護者の不正受給につきましては、平成18年度の国からの通知を基準としており、ギャンブル等による収入申告を行っていない場合は、不正受給に当たると考えます。次に、生活保護費の不正受給対策につきましては、ケースワーカーが定期的に被保護者宅を訪問した際に、収入申告を含めた生活保護制度の説明を行っております。そのほか、年度当初に保護のしおりを配布し、収入申告の必要性について周知を図っております。次に、令和6年7月末現在の被保護世帯数とケースワーカーの配置数につきましては、被保護世帯数が3,083世帯、ケースワーカーは37名が配置されております。次に、被保護者のギャンブル等の状況確認につきましては、生活実態把握のため、ケースワーカーがパチンコ店などへ出向くこともあり、また、定期訪問時に生活状況の聞き取りを行う中で、生活費を過度にギャンブル等に費やしていないかを確認しております。次に、ギャンブル依存症に対する取組につきましては、これまでも被保護者が過度にギャンブル等を行い、生活を圧迫していると疑われる場合は、医療機関受診や適正な家計管理の指導を行っておりますが、民間の様々な取組につきましても情報収集し、被保護者の自立に向けて支援を続けてまいります。