小樽市議会 令和7年第4回定例会 2025年12月8日
学校給食の無償化と質の向上について
2025年12月8日、小樽市議会の一般質問で、平戸理史議員が「学校給食の無償化と質の向上について」質問し、教育長 中島正人が答弁しました。
- 質問者
- 平戸理史 議員
- 答弁者
- 教育長 中島正人
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 7番 平戸理史
学校給食の無償化と質の向上について質問していきます。国では、2026年度から小学校の給食費を無償化、さらに将来的には中学校の給食費についても無償化しようという議論がされているものと承知しています。これまで、本市においても、様々な議員から給食費の無償化をしてはどうかという提案もありましたし、子育て世代の方々からも給食費が無料の自治体が羨ましいといった声を聞いてきました。国が給食費の無償化の方針を示したことを喜ばしく思っています。ところが、給食費の無償化については、いまだ制度設計が定まっていないのも事実です。11月13日に全国市長会から学校給食の無償化に関する緊急意見が発せられました。内容としては、給食費の無償化は自治体に負担を求めずに全額国費で実施するように強く求めるというものでした。私も、全額国費によって給食費の無償化は実現されるべきと考えていますが、教育長のお考えを伺います。私は、子育て支援として、給食費の負担が軽減されることには大賛成です。ところが、昨今の国会でのやり取りや報道を聞いていると、給食費の無償化という言葉が大きく取り上げられるものの、そこには実際に給食を食べている子供たちが一番求めている給食の質の向上という観点が考慮されているのか、疑問に思うことがあります。学校給食法に定められた給食の七つの目標のうち1項目めは、適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ることと定められています。給食費は自治体負担の問題は現時点であるものの、国によって無償化されることと思います。その際にセットで私たちが議論しなければならないのは、給食の質を維持する、向上させるという点です。本市では、住民税の非課税世帯など、経済的な理由で給食費を払うことが難しいと判断された世帯に対して就学援助制度を行っており、これまでもそういった世帯の方々は給食費が無料でした。よって、今回の給食費無償化では、就学援助を受けていない子育て世代の負担が軽減されることになります。この就学援助制度の対象人数及び本市負担額についてお示しください。次に、給食の提供体制について。本市で出生数の推移を確認したところ、現在の中学校3年生が生まれた平成22年は721人、小学校1年生が生まれた平成30年は479人です。この間の出生数を足していくと5,470人となります。また、令和6年生まれの世代が小学校1年生になる約6年後の児童・生徒数について、出生数をベースに予想すると、児童・生徒数は3,876人となり、6年間で児童・生徒数は現在の7割ほどとなる計算です。本年5月時点での小・中学校を合わせた児童・生徒数と、給食の提供数をお示しください。また、給食の提供を受けていない児童・生徒の数とその理由についてもお示しください。6年後には提供数が単純計算で3割減になると予想できると思います。一般論として、1食当たりの食材料費など提供数減に伴う課題があればお答えください。また、給食の質の確保という点について、今回の給食費の無償化を進めていく上で、無償化したけれども、質が低下してしまう、具体的には食材料費が現状の水準を下回ってしまうということが一番避けなければならないことと感じますが、給食費無償化と質の維持についてどのような関係性があると考えられるのか、お答えください。また、今回の給食費の無償化が行われた後も、これまでと同等の質の確保、具体的には物価高騰を考慮した食材料費をこれまでと同等の水準以上で確保し続けるというお考えなのか、お答えください。令和5年度の学校給食費の全国平均は4,700円と言われています。本市の保護者が負担している給食費は年齢による差があるものの、小学校高学年では月額4,250円となっています。本市では、実際の給食の食材費用は幾らかかっているのか、小学校高学年を例に金額を月額でお示しください。給食を作るためには、食材料費以外にも人件費はもちろん、光熱費、施設の維持管理とたくさんの費用がかかります。それらは保護者負担ではなく本市が負担しているものと承知しています。食材料費については各自治体による差が大きく、月額4,000円ほどの自治体もあれば、月額6,000円ほどの自治体もあります。国によって基準額が決められた場合、基準額以上の額については保護者に負担していただくか、もしくは、これまでのような物価高騰対応の交付金活用も含め、本市の財源で負担するという選択肢になるかと思います。これを考える上では、学校給食の目標に立ち返る必要があり、それは給食が児童・生徒の体をつくる成長の源であるという質の確保の観点、そして、食の大切さ、ありがたみを理解させるといった食育の観点です。質の確保という点では、本市の財源で基準額以上を負担する場合、もちろん予算の話になってきますので、これまでの給食よりも結果として質が下がってしまうのではないかという懸念があります。現にこれまで財源確保の難しさを理由に給食費の無償化をしてこなかった本市としては、食材料費の確保、質の確保に大きなハードルがあると考えています。次に、食育の観点では、保護者負担をお願いしない、つまり完全な無償化となってしまうと、給食イコール無料で食べられるものという考えが保護者も児童・生徒にも定着してしまい、食のありがたみを感じにくくなるのではないかと思います。やはり、無料で食べられるものに対して感謝の気持ちを持ち続けるというのはなかなか難しいというのが現実なのかと思います。以上のことから、保護者負担を残すべきと考えていますが、本市としてはどのようにお考えでしょうか、現時点での見解を伺います。次に、もう一段階上の給食の質を向上させるという点についても考えたいと思います。政策の面から給食費を考えると、これまではその自治体が給食費を無償化しているかどうかというのが大きなポイントでしたが、そのトレンドは国の政策により間もなく終わろうとしています。令和5年の調査では、自治体独自の無償化を実施していたのは全国で722の自治体で、そのうち自己財源で無償化していたのが475の自治体です。そういった給食費の無償化に関する政策的優先度を高く考えていた自治体が、今回の国主導の無償化により、給食費の負担が大きく減ると予想されています。自己財源ではなく、地方創生臨時交付金やふるさと納税を財源に、給食費の無償化を行っていた自治体も同様です。こうした自治体が次に子育て支援としてどういう政策を実行するのか、次なるトレンドの波に本市もさらされるのは致し方のないことです。そこで、次なるトレンドの一つとして考えられるのが、給食の質の向上とオリジナリティーです。本市の給食については、これまでもクリスマスなどのイベントに合わせた献立や世界各国の料理、私も食べたことのないようなメニューを提供されており、本市の栄養士及び栄養教諭の皆さんの創意工夫が感じられる献立になっていると感じます。摂取カロリーの基準を満たしながら、栄養バランスを考え、なおかつ食材料費も抑えなくてはならない、そして地産地消を通じた食育に関することまでと相当な御苦労があるのだろうと思います。一例ですが、給食で使用している食材表を見ても、肉類は鶏肉と豚肉だけです。もし、食材料費をこれまでの水準よりも上げられれば、使用する材料に選択肢が生まれ、栄養士及び栄養教諭の皆さんの創意工夫をより発揮してもらえるのだろうと今の献立表を見て確信しています。今回の給食費の無償化は、そうした給食の食材料費について考え直す絶好の機会と思います。一度、保護者負担や本市の負担等を決めてしまえば、なかなか変えることが難しいことは明らかです。食材料費の設定を高くすることによる給食の質の向上に関して、どのような所感をお持ちなのか伺います。次に、給食費の公会計化についてです。これまでも、給食費の公会計化を進めるべきという指摘は議会でされてきており、私も公会計化を進めるべきと考えています。これまでの議論では、公会計化を進めることで、教職員の負担軽減を図るというのが大きな目的であったように思いますが、今回の給食費の無償化をするに当たり、もはや公会計化は必須になってくるものと考えます。議会議論の中では、公会計化に向けた検討を進めているということでしたが、その後の公会計化に向けた進捗状況をお示しください。給食費が無償化され、さらに給食費が公会計化された場合には、どのような影響が出てくると考えられるのか、お答えください。以上、2項目めの質問を終わります。
答弁 教育長 中島正人
平戸議員の御質問にお答えします。ただいま、学校給食の無償化と質の向上について御質問がありました。初めに、全額国費による給食費の無償化への見解につきましては、今回の給食費無償化は、子育て世帯の経済的負担の軽減を目的として実施されるものと認識しております。無償化の継続的な実施には多額の財源が必要となり、自治体によって財政状況に差があることから、公平性の観点からも、全額国費で実現されるべきものと考えております。次に、就学援助制度における給食費支援につきましては、令和6年度で申し上げますと、対象人数は1,193人であり、市負担額は6,180万円1,350円となっております。次に、小・中学校の児童・生徒数と給食提供数につきましては、令和7年5月時点で、児童・生徒数は5,395人、給食提供数は5,341人となっております。給食の提供を受けていない児童・生徒数は54人であり、主な理由としては、不登校や食物アレルギーなどとなっております。次に、学校給食の提供数減に伴う食材料費等の課題につきましては、一般的には提供数減に伴い、給食での食材の使用量が減少し、食材の購入単価が上がることが予測され、結果として1食当たりの食材料費の上昇が考えられます。次に、給食費無償化と質の維持の関係性につきましては、国の支援により十分な財源が確保されることで質の高い給食を提供することができますが、支援が不十分で、不足分の財源の確保が難しい場合は、給食の質の維持が困難になるおそれもあることから、一定の関係性があると考えております。次に、無償化後もこれまでと同等水準以上の質や食材料費を確保し続けるかにつきましては、学校給食の目的である児童・生徒の心身の健全な発達に資するためには、学校給食の提供内容について、これまでと同等水準の質の維持が必要であり、物価高騰を考慮した十分な食材料費の確保が必要であると考えております。次に、小学校高学年の給食費につきましては、本市は、令和4年度から物価高騰による値上げ分を国の交付金等を活用することで、毎月の保護者負担額を据え置いております。令和7年度の給食提供に必要な実際の1か月の費用は、保護者負担額の4,250円に本市独自の支援1,050円を加え、5,300円となっております。次に、学校給食費の保護者負担に関する現時点での見解につきましては、国による給食費無償化については、現時点では制度設計が具体的に示されておりませんが、給食費無償化に伴う国の支援が十分ではない場合には、その対応について市長部局と協議してまいりたいと考えております。次に、食材料費の設定を高くすることによる給食の質の向上につきましては、食材料費の設定を高くした場合には、現在よりも使用する食材の種類を増やし、地場産品の使用回数を増やすことができるなど、給食のバリエーションを広げることができるようになり、食育が推進され、質の向上が期待できますが、保護者負担増額につながる可能性もあることから、保護者の理解を得る必要があるものと考えております。次に、公会計化に向けた進捗状況につきましては、先行実施自治体への視察による情報収集をはじめ、契約事務や債権の整理等について、庁内関係部署との協議を行うなど、現在、公会計化の実現に向け、取り組んでいるところであります。次に、給食費が無償化され、さらに公会計化となった場合の影響につきましては、公会計化により会計処理の透明化が図られることや、教職員の働き方改革につながるとともに、収納事務を市が行うことにより未納者への対策強化が図られ、不公平の是正につながることや事務処理の効率化等が図られると考えております。