小樽市議会 令和4年第3回定例会 2022年9月13日
組織とDXについて
2022年9月13日、小樽市議会の一般質問で、髙橋龍議員が「組織とDXについて」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 髙橋龍 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 6番 髙橋龍
最後の項目では、組織とDXについて伺います。デジタルを含めた行政全般の変革に関することです。最初に、公務員の副業について伺います。公務員は全面的に副業禁止というイメージも根強いものと思いますが、ここ数年でその規制も形を変えていっています。2017年、兼業・副業を通じた創業・新規事業創出に関する調査事業研究会提言の中で、公務員の兼業、副業に関する肯定的な意見が上がり、翌年、未来投資戦略2018の中で、「国家公務員については、公益的活動等を行うための兼業に関し、円滑な制度運用を図るための環境整備を進める。」と示されました。さらに2019年には、地方公務員においても地方公務員の社会貢献活動に関する兼業についてというガイドラインも示されたところです。同ガイドラインの中では、課題として「兼業許可の基準が明確ではないため、必要以上に制限的な運用がなされているのではないか。」「許可を要する兼業の範囲が明確ではないため、本来許可を要しない行為までもが抑制されているのではないか。」との記載もあり、報酬を伴いながらも公益性の高い活動への参加に対しても二の足を踏んでしまい、職員側にとっても、地域にとってもある種の機会損失が起こっているとも受け止められます。まず、本市の職員で兼業を行いたいとした場合の手続について御説明ください。次に、本市で申請をして兼業を許可している件数もしくは人数などお示しいただける数字があればお答えください。加えて、現状許可しているケースについて業種などの傾向に関してお教えください。先ほどのガイドラインの中の課題で申し上げたように、兼業、副業に関する明確な範囲が示されていない自治体が多いとのことでありますが、本市においてはいかがでしょう。許可基準の明確化及び公表の状況について御説明ください。積極的に副業をさせようということではありませんが、少なくとも業務に対して支障がない範囲で公益性の高いものや自己研さんにつながる副業に対してはストッパーがかからないよう御検討いただきたいとお願いをするところです。次に、市職員が副業を行うのとは逆の発想で、副業としての公務員ということについて伺います。つまり民間企業に従事しながら本市にも従事するというパターンです。ここ数年、全国的な流れとして副業を推奨する企業も増え、そうした人材を受け入れるという自治体も散見されます。専門性の高い分野では特に有効な手だてであるとも感じます。事実、そのような取組は東京都渋谷区や広島県福山市でも既に前例として存在します。目下進めているDXについてのアドバイザーに関しては以前伺いましたが、デジタル推進室や経済分野におけるマーケティング等に関する事業などにそうした副業人財を迎えることも選択肢としてあり得るものだと思っております。そうした副業人材の採用について、これまで庁内の会議で検討されたことはありますか。本日の質問では課題提起という意味合いが強いですが、ぜひ議論の俎上にのせていただきたいと思います。本市の現状と照らしたとき、副業人材を採用するためには何らかの制度変更を要するのか、あるいは現-81-行のままでも制度上は問題ないのかという点もお教えください。次に、若手職員の登用に関する質問です。人口減少対策組織の中に若手職員を登用するということがせんだっての市長記者会見の中でもお話がありました。かねてより若手職員の登用について御提言してまいりましたので、その点、喜ばしく感じております。まず、その会議における若手職員の立ち位置や役割、人数、所属部署のバランスについて、現時点でのお考えを示しください。せっかくそのような形で若手に機会をつくるということですから、リバースメンターという制度についても御提言申し上げます。平たく言うと、若手が先輩職員に助言を与える仕組みのことで、組織の硬直化を打破し、若手職員のスキルや考え方を共有すること、ひいては組織全体の成長を促す効果を生むものであります。このように、若手職員の組織においては、従前の業務とは逆の形でデジタル分野や、いわゆるZ世代の価値観を上席が吸収できるような場となることを期待するのですが、その点に関してお考えをお聞きします。私たち議員もその活動の中で若い世代から学ぶことは非常に多くあります。生まれたときからインターネットで世界中とつながる環境であった、まさにデジタルネイティブ世代が社会に出てくる時代となりました。上の世代と価値観もデジタルへの向き合い方も大きく違い、そうした点では年齢や役職が上の方以上の知見や能力を持っています。リバースメンターの仕組みは大企業の中でも取り入れられてきて、上意下達を主とした人材育成の仕組みから抜け出すことで、新しい時代に適応できる組織へと変革する組織のトランスフォーメーションに向けて動いていかなくてはなりません。変革をもたらす手法として、デジタルの活用により従前の業務フローを変えること、つまり、DXをすることが有効であるということもかねてより訴えてきたとおりです。そこで、最後の質問です。2025年の崖という言葉が一部で話題となっております。これは、もしDXが進まなければ、2025年以降最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性があると経済産業省がレポートを出した中に書かれた言葉です。人材不足や時代に合わないシステムなどの課題があり、自治体DX推進もそうした意味で遅れるわけにはまいりません。デジタル推進室も動き出したところと思いますが、室の構成や民間人材の活用に関して、また、今年度進めている事業の内容などについて御説明いただけますか。ここから3年間で、本市においてDX関連の予算は概算でどのくらいになると考えられますか。大まかに、何に幾らくらいという内訳もお示しいただければと思います。また、デジタル化とDXの違いについても以前から質疑などで触れてまいりました。例えばRPA導入については早晩お示しいただいておりましたが、これも導入そのものがDXではなく、どのように変わるのかというところが本質です。RPA導入部署で業務のフローがどうなるか例示してお聞かせいただけますか。自治体業務では分野ごとにそれぞれDX化を図る余地があると認識しています。建設分野においてはアイ・コンストラクション、ICT建機の技術開発も加速度的に進んでいます。また、私もお手伝いさせていただきましたが、東大の研究チームが本市で空き家の判別をドローンで行う実験をしたことがありました。サーモカメラで住宅地を空から観測し、建物の温度を昼夜で計測、暖房等を使っているかどうかで空き家を判別するという実験です。このように省力化を図ることで人的リソースを削減し、課題解決につなげる取組はほかの業務においても活用の可能性はあると考えます。例えば除雪に関してです。除雪DXという言葉があるかどうかは分からないのですが、除雪のオペレーターが不足しているという課題は本市のみならず度々耳にいたします。遠隔での重機操作も実用化され、-82-技術上どこからでも動かすことが可能となっています。傾斜地や狭隘な路線の多い本市の環境で一定の作業ができるとなれば、国内どこでもできると言っても差し支えないと考えます。本市をフィールドにICT建機を使った除雪に関して、実証実験なども検討の余地があると考えます、いかがでしょうか。福祉分野のDXについても伺います。デジタル通信の技術は、社会的課題の解決につなげることもできます。むしろトランスフォーメーションの概念からすれば、不登校支援やひきこもりの方、身体にハンディキャップのある方への支援としてDX推進で新たな可能性が広がることとなります。例えば、アウトリーチの方法の一つとしてなど、福祉総合相談室などでデジタル技術を用いて新たな支援のルートをつくるということを試してみることはできませんか。先ほどの東大の例のように、研究機関や民間企業との連携により、広い分野でモデル事業や実験を行うことで本市の性質にマッチした施策を探っていけると思っております。最後の質問です。その他DXに関連し、本市の独自性を持った取組についてのお考え、あるいはやりたいという意思はありますか。本日の質問に当たっては、中長期にわたって市の姿勢や課題について考えを巡らせてまいりました。社会が混迷を極め、課題が複雑化してきた中、新型コロナウイルス感染症を端緒として日常生活に関わる多くのことが変容を遂げています。現状をプラスに転じさせるために定住人口の減少に立ち向かい、関係人口や交流人口の増加と経済の復興の必要性を強く感じております。新時代への過渡期を迎え、小樽が「北海道の『心臓』」として再び鼓動を取り戻すため、我々立憲・市民連合も力を尽くしてまいります。そのことを最後に申し上げ、再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、組織とDXについて御質問がありました。初めに、公務員の副業についてですが、まず、本市職員が兼業を行う場合の手続につきましては、職員が兼業を行おうとする場合には許可を申請し、任命権者は国家公務員の取扱いに準じ、職務遂行上、能率低下を来すおそれがないこと、副業を行う営利企業等と本市との間に相反する利害関係を生じるおそれや職務の構成を妨げるおそれがないこと、職務の品位を損ねるおそれがないことなどについて問題のないことが確認された場合には許可を行い、これにより職員は副業に従事することが可能となります。次に、兼業を許可している件数につきましては、選挙事務や統計調査事務を除いた過去5年間と今年度8月末までの市長部局における許可件数で申し上げますと、平成29年度が5件、30年度が8件、令和元年度が7件、2年度が6件、3年度が3件、4年度8月末までが4件となっております。業種などの傾向につきましては、看護学校などにおける講師、保健師や栄養士の研修イベントへの従事、消防団活動など公益性が高いものが大半を占めております。次に、本市における副業の許可基準と公表につきましては、本市では国家公務員の取扱いに準じ許可の可否を判断しており、本市として評価基準を明確に定めたものはなく公表も行っておりません。次に、副業人材採用の検討につきましては、民間からの副業人材の採用について庁内で検討したことはありません。次に、副業人材を採用するための制度につきましては、非常勤での任用が想定されますので、非常勤特別職や短時間勤務の会計年度任用職員など現行制度の範囲で対応できるものと考えております。-83-次に、若手登用についてですが、まず、人口減少対策組織における若手職員の立ち位置等につきましては、詳細については検討中でありますが、外部有識者を座長に部局横断的に意欲ある若手職員を募り、少子化対策など社会減の抑制に関する施策について業務として調査や検討を行う組織を立ち上げることとしており、この組織から提案された施策を人口戦略推進本部においてその実効性などを議論してまいりたいと考えております。次に、若手職員による戦略的な組織からの政策提言につきましては、この組織は人口戦略本部に直結する下部組織として設置をいたしますので、この組織からの提言については新たな目線と既成概念にとらわれない考えを期待しておりますし、私としてもしっかりと受け止め、実現につなげていきたいと考えております。次に、DXについてですが、まずデジタル推進室の構成につきましては、ネットワークなどを所管する担当と基幹システムの標準化担当、デジタル化担当の三つに分けております。また、民間人材につきましては、デジタル行政全般への助言をいただくCIO補佐官的な業務を行う行政情報アドバイザーと、デジタル化の支援を行う地域活性化起業人制度を活用したデジタル推進アドバイザーを各1名配置をしております。デジタル推進室が現在行っている主な業務につきましては、自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画に掲げられている基幹システム標準化に向けた準備、行政手続のオンライン化や窓口キャッシュレス決済に向けた取組を行っているほか、オンライン申請ツールやRPAの導入に関し全庁展開を図っているところであります。次に、今後3年間でのDX関連予算につきましては、今後の事業展開について具体的に定めているものはないため、将来の予算規模を予測することはできませんが、例えば、現在取り組んでいる基幹システムの標準化や行政手続オンライン化、RPAなどを引き続き行うものとして仮に積算した場合、令和5年度から7年度の3年間でおよそ1億4,000万円程度の費用が想定されております。次に、RPA導入後の業務フローにつきましては、RPAは職員が行う処理を代行してくれるものであり、申請書のシステム入力業務を例示いたしますと、申請書をAI-OCRによってデータ化をし、そのデータをRPAによってシステムへ入力するといった工程となります。次に、ICTを活用した除雪機械の実証実験につきましては、現段階では一般交通の安全性確保の観点から、無人化による現道での実証実験は困難と考えておりますが、除雪機械オペレーターの担い手不足は本市においても重要な課題であることから、国土交通省などからの情報を収集し、省力化に向けた実証実験の可能性について研究をしてまいりたいと考えております。次に、デジタル技術を用いた支援の取組につきましては、様々な事情により外出することが困難な方への支援として、デジタル技術を活用したオンラインでの相談受付など、新たな取組が可能になると考えられますので、今後、他の自治体などの取組状況を参考にしながら検討してまいりたいと考えております。次に、本市の独自性を持ったDXに関連した取組につきましては、私といたしましては以前、議員から御提言のありましたEBPM、証拠に基づく政策立案をデジタル技術を活用し進めることで、論理的に政策を評価でき、行政の効率化だけではなく見える化にもつながるのではないかと考えており、庁内協議が必要ではありますがEBPMによる観光戦略などは独自性を発揮できる取組になるのではないかと考えております。(「議長、6番」と呼ぶ者あり)
再質問 6番 髙橋龍
それでは、再質問をさせていただきます。-84-幾つかお聞きするのですが、まず、ひと旗プロジェクトに関してですけれども、今年度ある程度の土台や戦略をつくって次年度以降、本格的に事業を進めていくということになるのか、それとも、今年度は組織やチームを固めて、次年度以降戦略等に関して事業フローを設定していくのかというところが、そのスケジュール感みたいなものについてもう少し御説明をいただきたいと思うのですけれども、こちらがまず1点目です。そして、最後にEBPMの話等もあったのですが、そことも少し重なるところはあるのですが、このひと旗プロジェクトの戦略性について、今まだその戦略が細かく決まっていないということは理解をしているのですけれども、大きな考え方として、何をすれば、または何を取り入れれば戦略性の高い事業計画を立てられるのかという点をお聞きしたいのです。小樽がというよりは行政全般としてですけれども、何となくまずやってみるんだということで事業を進めて、ある意味トライ・アンド・エラーのようなことを繰り返してブラッシュアップしていきますというケースを多く見てきたのですけれども、やはりこの人口減少対策に関しては待ったなしの状況ということで、先ほど挙げたようにデジタルマーケティングですけれども、そういったようなことを基に理論立てた事業というのを展開していくほうが望ましいのではないかと思うのですが、この辺りのお考えをお聞きしたいというのが2点目です。そして、SEO対策の件です。ひと旗プロジェクトに関して、あるいは移住促進に関してのホームページでの告知等SEO対策を今のところは行っていないという答えだったのですけれども、今、一般企業でもホームページを立ち上げる際にSEO対策というのは本当に必須になっているのです。というのも、それを行わないと検索したときに上位に表示されてこない。つまり情報が埋もれてしまうということになるのです。なので、この機会損失となっている今の状況をできるだけ早く改善していくべきではないかと考えるのですが、こちらについてもお聞かせいただきたいと思います。あと、人口減少等に関して、地域の未来予測の件です。可視化の手法については必要性を感じているというお答えでありましたので、ここは情報提供なのですけれども、たしか、千葉大学であったと思うのですが、未来カルテ2050というデータというか資料をホームページ上でダウンロードできるようになっているのです。これは何かというと、各自治体の自治体コードみたいなものを入れて、それによって2050年の地域の資源がどうなっているのかみたいなものを、簡易的ではあるのですけれども御覧いただけるものがありますので、そちらに関してはぜひ御活用といいますか参考にしていただいて、今後、何かしら将来的なものを可視化させていくことに役立てていただければと思っております。
答弁 市長 迫俊哉
髙橋龍議員の再質問にお答えをさせていただきます。大きく質問が三つと御提言が一つということで理解をしておりますけれども、ひと旗プロジェクトにつきましてはまとめて御答弁させていただきたいと思うのですが、今年度から動き始めている事業ではあるのですけれども、人口減少対策というのは相当時間をかけてやっていかなければいけませんので、議員が御指摘のとおり、どちらかというとトライ・アンド・エラーではなくて、しっかりとこれからの方向性を見極めながら理論立てた進め方ということで議員おっしゃっていましたけれども、そのような進め方をさせていただきたいと思っておりますし、まずは今年1年かけて今年度はしっかりとしたその土台をつくっていきながら、どういった施策を進めていくのかということについては次年度以降に委ねたいというふうに思っております。それから、移住対策におけるSEO対策は必須だということでありましたけれども、確かにこの御提言-85-があって答弁を調整していく中でも、このことについても職員といろいろやり取りさせていただきまして、やはり上位に出てこないことには小樽の情報が伝わっていかないし、小樽の考え方、思いが伝わらないだろうし、議員がおっしゃるように情報そのものが埋もれてしまっては意味がないというふうに思っております。ただ、一方では費用負担というのも発生するのだというふうに思いますので、それとの兼ね合いで考えていきたいというふうに思っております。それから、未来カルテ2050についての御提言がありましたけれども、未来の予測を市民の皆さんにも、あるいは職員にも示して可視化をしていくということは、人口対策上はやはり必要になってくるだろうなというふうに思っております。この人口対策に向けて行政としては、できればチャレンジできることはチャレンジをいとわず、いろいろなことに臨んでいくという思いだとか姿勢というのはやはり必要だと思うのです。ですからそういった意味からも御提言にあった未来カルテ2050についても今後の当市の人口対策として参考にまずはさせていただきたいというふうに思ってございます。よろしくお願いしたいというふうに思います。