小樽市議会 令和8年第2回定例会 2026年6月16日
市長の政治姿勢と小樽市の諸課題について
2026年6月16日、小樽市議会の一般質問で、髙橋龍議員が「市長の政治姿勢と小樽市の諸課題について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 髙橋龍 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 18番 髙橋龍
立憲・市民連合を代表し、質問いたします。本市は今、人口減少と少子高齢化という極めて深刻な構造的課題の最中にあります。直近の国勢調査速報値では約10万400人であり、これまでと同様の減少が確認されました。これは1920年に初めて国勢調査が行われて以降、最も少ない人口であり、本市が間もなく10万人という大きな節目を割り込もうとしている現実に、我々は確かな危機感を持って向き合わねばなりません。さらに、目を世界に転じれば、新型コロナウイルス感染症の蔓延以降、ロシアによるウクライナ侵攻や中東の不安定な国際情勢が泥沼化し、これらに伴うコストプッシュインフレや円安傾向が市民生活や市内経済を激しく直撃し続けています。混迷を極める社会情勢の中で、直面する諸課題に的確に対応しながら、いかにして小樽市の未来を切り開いていくのか。加えて、この定例会は、迫市長2期目最後の定例会という非常に重要な節目でもあります。それを踏まえて、4年間の総括と持続可能な行財政改革のビジョンについて伺います。まず、この4年間、市長が政策として取り入れた新規事業も多くあると考えますが、その中で、特に得られた効果が高かったと総括される事業について御説明ください。必ずしも定量的データだけでなくとも、市民の反応や現場の変化など、効果があったと考える理由も添えてお話しいただけますでしょうか。また、行政施策は、単年度で目に見える数字として表れるものばかりではありません。中長期的な視点に立ち、あるいは、その先の未来を見据えて戦略的に種まきをしてきた事業こそ、これからの小樽市を支える強固な土台になると考えます。その文脈で、まさに今後の実りを期待する事業について、どのようなものであるか、お答えください。小樽市の行財政を議論する上で、避けて通れない最重要課題が人口減少であり、毎定例会、議会議論のテーマとなっています。出生数と死亡数の差である自然減については、全国的な少子化、高齢化の潮流にあらがうことは難しく、地方自治体単位の努力で即座に解決できるものでないことは理解しております。しかし、転入、転出の差である社会減の抑制や若者の還流、移住定着促進については、市の雇用政策や都市の魅力発信、産業支援によって一定のコントロールが可能な領域でもあると考えます。本市の社会減に歯止めをかけるという点において、ここまでの成果と課題をどのように受け止めているのか、市長の見解を伺います。人口減少は、単に総数が減るという問題にとどまりません。むしろ課題として大きいのは、それに伴って生じる年齢構成の極端なゆがみです。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が示す地域別人口推計は、本市が近い将来に直面する衝撃的な未来を予見しています。中でも、2040年の推計値が多くのメディアで取り上げられました。そこで議論される未来予測は、本市の持続可能性そのものを揺るがす数字となっています。自然減が進むことで人口ピラミッドの形も変容していきますが、社人研推計における2040年の本市の人口推計及びその際の年齢3区分構成比、年少人口、生産年齢人口、老年人口の割合についてデータをお示しいただき、予想される問題についても御説明ください。次に、現在の中東情勢や構造的な円安に伴う物価高騰への対応と、国政における財政方針の転換が本市に与える影響について伺います。国内外の諸問題により実質的な円の価値が目減りしている現在、地方自治体の予算執行においても、同じ1億円、同じ10億円の予算を用意したとしても、資材の高騰や労務単価の上昇によって、実際に執行できる事業量や工事の規模が縮小してしまうというジレンマを抱えています。急激な物価高騰や労務単価、資材価格の上昇を勘案した際、実質的な市民サービスや都市インフラの質を落とさないための予算組みの在り方について、市として、今後どのように対処していくべきとお考えか、伺います。こうした中、国政においては責任ある積極財政をうたう方針が議論されており、これまでのような地方を縛る緊縮財政の在り方から脱却し、地方への大胆な財政出動を期待する声が全国の自治体から上がっています。もしこれが実現し、地方交付税等の国からの財政配分が手厚くなるのであれば、本市にとっても大きな追い風であり、大いに歓迎すべきトレンドです。しかし、その実、国では28年ぶりにプライマリーバランスが黒字化し、予算額の絶対値は大きくなっても、物価の高騰等も勘案すれば、相対的には緊縮の継続であるような印象であります。ここで伺います。国が示す総合経済対策などの動向を踏まえ、どこに力点を置くのか、今後の財政運営に対する基本姿勢を伺います。とはいえ、地方都市のほとんどは自主財源だけでは運営できず、小樽市にとってもそれは例外ではありません。国からの財政出動は必要としつつ、本市自体の財政の足腰がどうなっているのか、客観的なデータを踏まえて冷静に見極める必要があります。地方自治体の財政は、自前で稼ぐ市税等の自主財源と、国や北海道から配分される依存財源に分かれますが、本市の財政構造がどのようなバランスで成り立っているのかを市民に分かりやすく説明することは、開かれた行政の第一歩です。令和4年から令和6年の間での本市における自主財源の割合の現状に対する認識について、説明を求めます。この財政比率を踏まえた上で、やはり懸念されるのは、間もなく10万人を割り込もうとしている人口減少に伴う将来的な市税収入の減少です。生産年齢人口が減れば、個人市民税も固定資産税も中長期的にはシビアな減収試算をはじき出さざるを得ません。だからこそ、目先の収支状況に一喜一憂するのではなく、構造的な歳出改革のロードマップを明確に描き、着実に進捗させていくことが求められます。人口減少に伴う中長期的な市税収入の減収試算を見据え、本市における予算配分の在り方と行財政改革のロードマップの現在の状況はどうか、伺います。歳出削減のロードマップにおいて、最も大きな議論を呼ぶのが、老朽化が進む公共施設のファシリティーマネジメントです。本市には過去の人口ピーク時に建てられた多くの箱物が存在しますが、これらを全て維持することは実質的に不可能です。一方で、庁舎の建て替えや市民ニーズに応えるための施設整備など、避けては通れない大型プロジェクトも控えています。小樽市新総合体育館の入札不調もあった中、今後の公共施設のファシリティーマネジメントに伴う中長期的な財政負担の平準化及び庁舎や複合施設の整備等の財源確保に向けた小樽市中長期財政収支計画の時点修正について、現在、どのような見通しを持って考えているのか伺います。こうした公共施設やインフラの維持・更新を円滑に進めていくためには、単にお金が足りないから削るという縮小均衡の議論だけでなく、中長期的な財政運営の健全性を示す客観的な指標が必要です。本市の実質公債費比率や将来負担比率といった健全化判断比率の令和4年からの3か年の推移と、これらが今後の大型プロジェクトの足かせにならないのか、見解を伺います。限られた行財政リソースを最大化するための選択と集中においては、昨今、政府や民間においてデジタルやAIを徹底活用して歳出の無駄を省く日本版DOGEの動きが大きな注目を集めています。民間並みのスピード感と客観的データをもって事業を選択するという視点は、地方自治体の行革においても極めて示唆に富むものです。本市が長年継続してきた各種の補助金、助成金事業についても、聖域なく効果検証を行い、時代にそぐわないものは見直し、あるいは統廃合を進めていく判断も必要です。今後の市政運営に向けて選択と集中をより徹底する中で、既存の補助金や助成金事業の見直しについて、現在、市としてどのような方針を持ち、検討を進めているのか、お示しください。また、歳出の見直しをより精緻に進めるためには、行政側の査定だけでなく、行政が保有するあらゆるデータを民間や市民に開放し、外部の知見を借りながら行政の無駄をあぶり出すオープンデータ化の推進も不可欠であると考えます。行政改革の一環として、市の財政データや事業評価シート等について、二次利用しやすい形でのオープンデータ化をさらに推し進め、民間活力や外部の目を入れることで、さらなる業務の効率化、スマート化を図るお考えはあるか伺います。行政が主導するトップダウンの行財政改革の一方で、限られた財源を真に市民が必要とする場所に分配するためには、ボトムアップの市民参画の仕組みをアップデートしていくことも重要です。世界や国内の先進自治体では、市民が直接予算の使い道を提案、議論し、投票等によって決定する参加型予算の導入が進んでいます。これは単に行政の予算決定プロセスを透明化するだけでなく、市民一人一人に自分たちの税金がどう使われるかという当事者意識を育み、行政への関心を高める強力なツールとなり得ます。市民が予算の使い道を提案、決定する、そうした参加型予算の導入等による市政への主体的な関わりなど、これまでよりも一歩進んだ行財政運営に臨むまちも出てくる中で、本市も先進的な取組を行っていただきたいと考えます。以上、第1項目の質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
髙橋議員の御質問にお答えいたします。ただいま、私の政治姿勢と本市の諸課題について御質問がありました。初めに、この4年間における効果的な新規事業につきましては、主なものを申し上げますと、放課後児童クラブにおける利用手数料の無償化により登録児童数が増加したほか、ウイングベイ小樽におやこの集いの場を開設し、利用が好調であることなど、子供の居場所が充実してまいりました。また、厳しさを増す夏の暑さに対応し、速やかに全小・中学校の普通教室に冷房設備を整備したことで、学習環境の改善が図られたものと考えております。さらには、地図上で市の保有する各種情報を可視化した公開型GISシステム、でじ樽なびの運用開始や、御家族が亡くなられた際の手続をワンストップで行えるおくやみ窓口の開設により、市民の利便性が向上したものと考えております。次に、今後の実りを期待する事業につきましては、小樽公園の再整備が完成いたしますと、子供の居場所がさらに充実し、人口対策に寄与するものと考えております。また、祝津・天狗山両地区の市街化調整区域において、観光資源を生かした開発を可能とする小樽市観光開発計画の策定により、新たな民間投資を呼ぶことが期待でき、さらには、社会情勢の変化に対応した用途地域等の見直しにより、土地の有効活用が図られることを期待しております。これらにより、人にも企業にも選ばれるまちづくりをさらに推し進めることができるものと考えております。次に、社会減の抑制につきましては、安心して子育てできる環境づくりや、移住と起業の促進、港や歴史などの本市の強みを生かすまちづくりを進めたことにより、この4年間、毎年、社会減が200人台に抑制されていることは一定の成果と受け止めております。しかしながら、年代別では20歳代の若い世代、地区別では札幌市への転出超過が依然として大きいことから、この抑制が課題であると考えております。次に、2040年の推計人口につきましては、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の地域別将来推計人口 令和5年推計」によりますと、本市の総人口は7万1,968人、構成比は年少人口が6.2%、生産年齢人口が44.2%、老年人口が49.7%となっております。現在と比べて人口が約3割減少するとともに、高齢化率が約42%から約50%へ上昇することにより、地域経済の縮小、労働力の減少、地域コミュニティー機能や公共交通機能の低下、行政サービスに必要な税収の減少など、まちの活力や生活利便性の低下をもたらすことが懸念されます。次に、物価高騰下における予算編成につきましては、新たな国の交付金等の積極的な活用や自主財源の開拓、民間資金の導入など、これまで以上に財源確保に取り組みながら、必要な事業に関わる予算を確保してまいりたいと考えております。次に、今後の財政運営の基本姿勢につきましては、まずは中小企業の経営や市民生活を維持するための支援に力点を置くほか、まちの発展に必要な事業を推進し、地域経済の成長や暮らしの安全の確保を図り、市税収入が増える好循環を生み出すことで、持続可能な財政運営を目指してまいりたいと考えております。次に、令和4年度から6年度の自主財源の割合につきましては、年々自主財源は増加傾向にある中で、現状はおおむね32%前後で推移しておりますが、地方交付税等の依存財源の割合が高い構造となっていることから、自主財源の割合を高めていくことが課題であると認識しております。次に、予算配分の在り方と行財政改革の取組状況につきましては、人口減少に伴う市税収入の減など、厳しい財政状況が見込まれる中にあっても、行政ニーズの課題解決に向けて必要な予算はめり張りをつけて配分する必要があると考えております。また、小樽市中長期財政収支計画においては、持続可能なまちづくりに向けた財政運営を進めるため、歳出における経費の削減はもとより、歳入においても新たな自主財源の確保など、収支改善の取組を継続しているところであります。次に、小樽市中長期財政収支計画における収支の見通しにつきましては、令和7年度の決算見込みを受けて収支は改善するものの、昨年度に行った時点修正では、計画に登載していない施設もあり、改めてシミュレーションを行う必要があるものと考えております。今後、その結果を踏まえ、事業実施時期の平準化を図るなど、過度な財政負担の集中を避けるよう努めてまいりたいと考えております。次に、健全化判断比率の令和4年度から3か年の推移につきましては、実質公債費比率はおおむね4%前後、将来負担比率はおおむね26%前後で推移しております。いずれも国が定める早期健全化基準や財政再生基準を下回っておりますが、大型建設事業により、これらの比率は上昇することが予想されることから、国が定める基準を超えないように、実施時期の平準化や規模等の精査を行ってまいりたいと考えております。次に、補助金や助成金事業の見直しにつきましては、平成27年に策定した補助金等の見直しに関する指針に基づき、毎年度、予算編成時に内容を精査し、その公益性や必要性、妥当性、有効性などの観点から検証を行っているところでありますが、指針自体も策定から一定期間経過していることから、今後は、指針も含め補助金自体の見直しについても検討してまいりたいと考えております。次に、オープンデータ化推進による業務の効率化、スマート化につきましては、オープンデータの種類をより充実させることで、事業者や大学等によるデータ分析の促進が期待され、本市の業務効率化につながるケースもあるものと考えることから、今後も、事業者等が必要とする市政情報を探りながら利活用が促進されるオープンデータ化を進めてまいります。