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小樽市議会 令和8年第2回定例会 2026年6月16日

地域福祉とセーフティネット構築について

2026年6月16日、小樽市議会の一般質問で、髙橋龍議員が「地域福祉とセーフティネット構築について」質問し、市長 迫俊哉、総合政策部長 尾作考則、財政部長 笹田泰生、産業港湾部長 武田隆児が答弁しました。

質問者
髙橋龍 議員
答弁者
市長 迫俊哉、総合政策部長 尾作考則、財政部長 笹田泰生、産業港湾部長 武田隆児

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 18番 髙橋龍

次に、地域を守る医療や介護、社会保障のセーフティーネット構築について伺います。本市が直面する構造的課題は、言うまでもなく全国平均を大きく上回るスピードで進む高齢化と少子化です。市民が長年住み慣れたこの小樽市の地で、最期まで安心して尊厳ある老後を迎えられ、同時に次世代が安心して子供を産み育てられる環境をつくるためには、持続可能で切れ目のない行政施策の展開が不可欠です。まず、高齢者福祉の根幹を支える介護サービスの基盤強化について伺います。現在、本市の介護現場における最大の障壁は、深刻を極める人手不足であり、現場で直接ケアを担う人材がいなければ、サービスそのものが崩壊してしまいます。国の介護報酬改定や処遇改善加算などの措置だけでは十分と言えないことからも、全国各地の地方都市と同様、小樽市においてもドラスチックな人材確保、定着策が求められます。介護現場における深刻な人手不足の解消に向け、介護職員の処遇改善加算を届け出ている事業所と、外国人介護人材の受入れを行う事業者がどのくらいあるのか、市が把握している件数を伺います。人材不足のしわ寄せは、当然のことながら施設の受入れ能力にも直結します。特別養護老人ホームや介護老人保健施設への入所を希望しながらも、待機を余儀なくされている高齢者や、その御家族の精神的、肉体的負担は重いものがあります。本市の状況として、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの近年の入所申込者数の推移の傾向と要因についてお示しください。次に、住み慣れた自宅での生活を維持するための在宅介護サービスの充実について伺います。ヘルパーの高齢化や燃料費高騰等により、在宅を支える事業所の経営体力が奪われつつあります。その上、介護報酬の改定による減収など、体力のない事業所にとっての影響は大きいものと認識しています。本市の訪問介護事業者等から課題の聞き取りなどを行っていれば、お示しください。在宅介護の基盤が揺らぐことは、そのまま家族介護者への負担増へとつながります。介護者の負担軽減、レスパイトケアの拡充や介護離職の防止などの課題解決に目を向けていただきたいと思います。また、施設に入所した高齢者が、リハビリを経て再び住み慣れた自宅や地域での生活に復帰できるような循環型の仕組みを機能させることも、福祉財政の適正化と本人の尊厳保持の観点から重要です。老健や介護施設からの一時退所、自宅復帰を促すための訪問リハビリテーションの充実に向け、国が定める介護報酬の上乗せ以外に市独自の助成制度を設けるなど、インセンティブは設定できないでしょうか。厚生施策が対象とすべきは、高齢者の身体的健康だけにとどまりません。現代社会のゆがみとも言える孤立やひきこもり、各種の依存症といった、見えにくいリスクに対しても、行政のセーフティーネットは漏れなく機能しなければなりません。まず、長期化、高年齢化が指摘されるひきこもり当事者やその御家族への対応です。重層的支援体制整備事業の関連でも、8050問題が例示としてよく用いられますが、その解決がどうなっているかということは、表では語られないことも多いことと思います。ひきこもり状態にある当事者やその御家族に対し、無理な就労支援を急ぐのではなく、まずは社会との緩やかなつながりを取り戻すための居場所の確保など、必要な措置を少しずつ進めていかなくてはならないと考えます。現状の取組を御説明ください。また、ひきこもりの方に対し、どのような支援を行うかなど、近年の支援の特徴的な点をお示しください。様々な社会課題も、生活スタイルの変化などにより、必要とされることも変わってきています。成人の社会的孤立や生活困窮の背景にあることも多いアルコールやギャンブル等の依存症からの回復支援についても、単なる自己責任で片づけるのではなく、医学的、福祉的なアプローチが必要です。アルコール依存症やギャンブル依存症の回復支援を行う地域の民間自助グループに対する本市の活動支援の現状についてお示しください。また、依存症としての病識がないまま、物質依存と行動依存を強めていき、顕在化したときには日常生活に支障を来しているというケースも多く存在します。特に家族や近所の方との関係が希薄であるなど、一定の傾向のようなものも存在していると認識しています。アルコールなど物質依存だけではなく、ギャンブルや、場合によっては窃盗などの行動に対する依存もあり、そうしたものは外から見えにくいものでもあります。そのような問題も、当事者が自分で専門医療機関へとつながることができればいいですが、病識を受け入れられない方も多く、一筋縄ではいきません。そこで伺います。本人からの相談以外で、例えば地域からの情報提供があった場合など、支援をどのように行っていますか、課題なども含めて御説明ください。ここまで高齢者福祉や現代的な依存症、孤立対策にわたり、個別の課題を伺ってまいりました。これらの施策は全て、市民が安心してこの小樽市で生きるための一つの大きなセーフティーネットとしてつながっていかなければなりません。迫市政2期目の4年間を振り返ったとき、厚生分野においても着実に歩みを進められてきたと思います。その上で、人口減少が加速する本市においては、より持続可能で、かつ柔軟な社会保障の再構築が、ここからの小樽市にとって重要なテーマになると考えております。人口減少、超高齢社会の荒波の中で、市民一人一人の命の尊厳を守り、誰一人取り残さない包括的なセーフティーネットの構築について、この4年間の取組の成果を市長自身はどう総括されているか、伺います。また、ここからの中長期的な未来において、本市における福祉施策をどのように持続させ、発展させていくお考えか、伺います。結びになりますが、人口減少とは単なる数の縮小ではなく、社会構造そのものの変容です。かつて小樽市を支えた産業構造、雇用形態、家族の在り方、生活設計、これら全てが根底から揺さぶられている中で、私たちは何を守り、何を変えるのか。エレファント・イン・ザ・ルームという言葉があります。直訳すると部屋の中の象ですが、社会心理学における多元的無知という概念と近いものです。何かというと、個々が内心おかしいと思っていても、周りの多くの人は受け入れていると思い込むことで、結果的に誰もそれを指摘しないという状況を指します。今、必要なのは、既存の枠組みを問い直し、縦割りの思考を超えて、地域が持つ複数の資源を組み合わせ、新しい価値を生み出すことです。そのためにも、市の組織や地域という部屋の中に象がいた場合には、何か象がいるのだけどと、指摘できるような土壌をつくっていかなくてはなりません。そうした不必要な慣習から脱却することで、市民参画が生まれ、官民連携が生まれ、イノベーションにつながっていくのであろうと考えます。迫市長のここまでの御尽力に敬意を表するとともに、小樽市が再びにぎわいを取り戻すためにも、本市の行政改革と発展に期待しております。以上、再質問を留保して、立憲・市民連合の代表質問を終わります。(拍手)

答弁 市長 迫俊哉

ただいま、地域福祉とセーフティーネット構築について御質問がありました。初めに、職員の処遇改善等を行う事業所につきましては、市の把握数で申し上げますと、介護職員への処遇改善加算を届け出ている事業所は、本年5月末時点で185件、外国人介護人材を受け入れている事業所は、市が所管する地域密着型介護事業所のみの数ですが、昨年6月時点で10件となっております。次に、介護保険施設の入所申込者数の推移につきましては、平成29年度は928件、令和2年度は527件、令和5年度は367件と減少傾向にあり、有料老人ホームやサービス付高齢者住宅などの介護保険施設以外の住まいの多様化、国の方針による在宅介護への転換、職員の不足などが要因であると考えております。次に、訪問介護事業者等に対する経営上の課題につきましては、市では、3年に1度の介護保険事業計画策定のため、市内の全介護事業所に対し、経営状況や事業展開の展望などを把握する目的でアンケートを実施しており、令和5年度の結果では、人件費や光熱費の高騰、利用者の減少、職員の不足と高齢化などが挙げられております。次に、市独自のインセンティブにつきましては、高齢者の在宅生活を支える介護サービスは複数あり、特定のサービスのみを評価し助成することは適当ではないことから、新たな制度を設けることは考えておりません。次に、ひきこもり当事者等に対する取組につきましては、ひきこもりの支援で、就労などの結論を急ぐのではなく、まずは家庭以外の場所で安心して自分らしく過ごせる場を確保し、社会との緩やかなつながりをつくることが重要であると認識しております。そのため、たるさぽにおいて、当事者には、相談支援員が信頼関係を築いた上で、市内に複数ある地域共生カフェ等へ外出を促し、必要に応じて同行支援を行うほか、御家族には、地域活動支援センターやひきこもり家族相談会に関する情報提供などを行っております。次に、ひきこもり支援の最近の特徴につきましては、当事者本人の社会参加や就労のみを支援のゴールとするのではなく、本人やその家族が、自身を肯定し、自らの意思により、今後の生き方や社会との関わり方などを決めていくことができるようになることを目標とするとともに、支援関係機関は、これらのことを尊重し、本人や家族に寄り添いながら伴走支援するというものであります。次に、依存症の回復支援を行う民間自助グループに対する市の活動支援の状況につきましては、市内には複数の民間自助グループが活動しており、グループに対する特段の支援は行っておりませんが、所属する会員からの個別の相談には応じております。次に、地域から情報提供があった際の支援につきましては、本人の家族や友人、地域包括支援センターなどから相談が寄せられた際には、内容を十分に聞き取り、必要に応じて専門医療機関や道立精神保健福祉センターを紹介するなど、適切な支援先へのつなぎを意識した対応を行っておりますが、課題といたしましては、支援を受ける必要性を本人に理解してもらえず、医療機関などへつなげられない場合があります。次に、包括的なセーフティーネットの構築につきましては、複雑化・複合化する福祉の課題に対して、制度や分野の垣根を越えて包括的に支援できる体制づくりを目指し、重層的支援体制整備事業により、医療、福祉、介護、子育て、就労などの関係機関の連携強化や相談支援体制の充実、地域における支え合いの推進などを図ってまいりました。これらの取組により、支援を必要とする方に対し、多機関が連携して支える仕組みづくりは着実に前進したものと考えております。また、福祉施策の持続と発展につきましては、本市のまちづくりのテーマの一つである「誰もがいきいきと健やかに暮らせるまち」の実現に向けて、少子高齢化や人口減少、厳しい財政状況などといった本市の実情を踏まえながら、国の動向を注視しつつ、各種制度の適切な運用や、市民の福祉向上と健康増進に寄与する事業の推進、関係機関の連携強化などに引き続き取り組むとともに、時代のニーズに柔軟かつ的確に対応しながら、市民の皆さんの暮らしに寄り添った施策を展開していくことが必要であるものと考えております。(「議長、18番」と呼ぶ者あり)

再質問 18番 髙橋龍

幾つか再質問させていただきたいと思います。まず、人口減少の部分で、社会減のお話なのですけれども、近年200人台で推移しているということで御答弁がありました。それを踏まえると、大きくはこれから若年層の流出対策をやっていかなければいけないという中身だったのかと思っているのです。そうした意味で、現状、どういう方向性で、どういったことをやっていくべきとお考えなのかをお聞きしたいと思います。公共施設の関係ですけれども、計画の新たな見直しが必要だとおっしゃっていたかと思うのです。既存の計画と比べてどういった形で進めていくのか、今のものを修正するのか、あるいは、ゼロベースになっていくのか、お考えを伺いたいです。あわせて、議会との関わりに関しても触れていただければと思います。ナフサに関してですけれども、市内の事業所、団体とヒアリングや情報交換をされているということでした。このやり方は、どのような形式で行っているのか。つまり、情報交換としての場を設けるなどしてお話を聞いているのか、それとも、どこかの場で会ったときに、それぞれお話を聞かせてくださいという形であるのか、今行っていることの方向性をお示しいただきたいです。加えて、そうしていただいた御意見やお話から得た情報の集約をしっかりしていくべきかと思いますが、その辺りは現状で行われているのか。あるいは、まだ行われていないとすれば、そうした形で情報を集約して、今後の施策につなげていくお考えがあるのか、お聞かせいただきたいと思います。

答弁 総合政策部長 尾作考則

髙橋議員の再質問にお答えいたします。社会減が200人台で推移したことに対して、今後の抑制策はどういう方向性で取り組んでいくのかという御質問だったかと思います。20歳代の若い世代、また札幌市への転出が多くなっているという傾向がありまして、現在も、市内企業の魅力発信や認知度向上などによって、地元の定着という視点で事業に取り組んでおります。創業支援やエコリフォームなど、若者加算を設けている取組もありますので、現在、これらで若い世代の定住や移住の促進に取り組んでおります。しかしながら、人口動態上は、若い世代の転出抑制が、結果としてなかなか出てきていない部分も見られますので、仕事や住宅の面から何か別の方策がないかを今後、検討してまいりたいと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)

答弁 財政部長 笹田泰生

髙橋議員の再質問にお答えいたします。公共施設の見直しの方向性として、今の小樽市中長期財政収支計画を修正していくのか、それともゼロベースで考えていくのかと御質問がございました。こちらの部分につきましては、現在のものを修正していく方向で考えております。なお、議会との関わりの部分につきましては、昨年11月末の時点で、時点修正ということで小樽市中長期財政収支計画を議会にもお示ししております。また、現在、各部に今後の財政需要ということで、例えば施設の整備の関係などをこれからいろいろとヒアリングを始めていく形になっております。それまでに数値等がある程度分かってくれば、当然、それを含めて小樽市中長期財政収支計画を時点修正した形で、今年も11月末の時点で再度、議会にお示ししたいと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)

答弁 産業港湾部長 武田隆児

髙橋議員の再質問にお答えいたします。ナフサに関して事業者からのヒアリングのやり方につきましては、商工会議所、金融機関、小樽市それぞれで個別の事業者に対しまして、電話等を活用して聞き取りを行っております。それらを集約しまして、本答弁で申し上げました中東情勢に関する情報交換会に三者が集まりまして、情報共有を図っているということでございます。状況につきましては、日々変化してございますので、引き続き情報につきましては共有を図っていきたいと思っております。(「議長、18番」と呼ぶ者あり)

再々質問 18番 髙橋龍

再々質問させていただきたいのですが、最後のヒアリング、情報交換に関してです。先ほど再質問でも少し触れさせていただいたのが、要は、いただいた御意見、情報を集約して、整理の上で、今後の市の施策に生かしていくことが、私としては必要ではないかと思っているのです。お答えの中でその部分の言及が薄かったと思ったので、改めてお答えいただければと思います。(「議長」と呼ぶ者あり)

答弁 市長 迫俊哉

髙橋議員の再々質問にお答えいたします。情報を集約した後に、今後、どのように施策に結びつけていくのかといったお尋ねだったと思っております。引き続き、市内企業の情報収集には努めていかなければいけないし、また、小樽商工会議所が主催している、商工会議所、金融機関等との意見交換会などでも情報収集をしていきたいと思います。今朝の報道によりますと、19日にアメリカとイランの一定程度の停戦合意が行われると伺っておりますが、そういった中東情勢や国際情勢、あるいは物価高騰の状況といったものを総合的に勘案し、判断しながら、どういった施策につなげていくことが地元の企業にとって有効なのかについて、しっかりと庁内でも議論させていただきたいと思っております。まずは状況を把握したいと思っております。

出典:小樽市議会 令和8年第2回定例会 2026年6月16日 議事録 PDF(86ページ) 間違いを知らせる