みんなの議会

小樽市議会 令和7年第4回定例会 2025年12月10日

(1)「にも包括」について/(2)物価高対策について

2025年12月10日、小樽市議会の一般質問で、髙橋龍議員が「「にも包括」について」「物価高対策について」について質問し、市長 迫俊哉、福祉保険部長 中村哲也、保健所長 田中宏之が答弁しました。

質問者
髙橋龍 議員
答弁者
市長 迫俊哉、福祉保険部長 中村哲也、保健所長 田中宏之

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 18番 髙橋龍

通告に従いまして質問いたします。前定例会において、地域包括ケアシステムについて触れましたが、そこから一歩進めて、本日は、にも包括について伺います。精神障害にも対応した地域包括ケアシステムを通称「にも包括」と呼ぶものです。これは、精神的な健康課題の有無や程度にかかわらず、誰もが安心して自分らしく暮らすことができる地域社会を目指すものです。もう少し言えば、精神障害の有無によって分け隔てることなく、医療、障害福祉・介護、住まい、就労などの社会参加、地域の助け合い、普及啓発という要素を包括的に確保し、地域全体で支え合うという理念及びそれを体現する仕組みであります。厚生労働省においては、平成29年度からその構築を推進しており、特に重要なのは、にもという表現に込められた理念であります。これは、既存の保健・医療・福祉の取組に精神保健医療福祉の視点を加えて、全ての人が対象となる包括的な支援体制を構築するという意味が込められているからです。ただし、逆説的に言えば、にもという言葉で強調する必要があるほど、これまでの地域包括ケアシステムから精神的な課題を有する方がこぼれ落ちているとも読み取れます。小樽市においても、人口減と高齢化率41%超という状況の中、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方が令和4年度では864名暮らしているということです。疾患まで含めると、糖尿病の患者数を超えるという調査も存在します。このように、精神的な健康課題は、手帳の有無にかかわらず、高齢者の鬱病、認知症に伴う行動・心理症状、社会的孤立、8050問題、ひきこもり、依存症、自殺リスクなど様々な形で現れており、これらが複合的に絡み合う事例も増加しているということで、行政には高い支援力が求められます。そうした中で、本市では令和6年度から重層的支援体制整備事業を開始し、地域包括支援センターも含め、断らない相談支援、参加支援、地域づくり支援の三つの支援を提供する体制の構築に向けても取り組んでいると認識をしています。これらの背景を踏まえ、にも包括の理念を本市の地域特性に合わせて効果的に具現化していくという観点で、以下質問いたします。まずは、現状認識と課題把握についてであります。小樽市においても、従来の高齢者支援の枠組みだけでは対応が困難な複合的課題が増加していると考えられます。特に、高齢者の孤立、鬱病、認知症の周辺症状、さらには触法障害者の問題など、精神的健康課題と高齢化が複合した事例への対応が重要になっています。高齢化と精神疾患の複合化という課題について、高齢者に関わる関係機関が直面している具体な事例と課題の傾向についてお示しください。続いて、地域包括支援センターの現状と課題について伺います。地域包括支援センターは、高齢者支援の中核機関として重要な役割を果たしていますが、精神的健康課題を抱える高齢者やその家族への対応においては、専門性や連携体制の面で困難があるのではないかと考えます。地域包括支援センターが精神疾患・心の不調に関する相談に直面した際、現状の連携や対応上の限界はどのようになっているのか、職員配置や専門性についての課題も含めてお答えください。次に、にも包括の理念と小樽市への適用について伺います。にも包括は、冒頭で申し上げたように、従来の高齢者中心の地域包括ケアに、精神保健医療福祉の視点を統合した新たな枠組みであります。この理念を、小樽市の実情にどのように適用できるかが重要な検討課題となります。厚生労働省が進めるにも包括の枠組みを市としてはどのように理解し、どの部分を小樽市の地域課題に適用できると考えていますか、重層的支援体制整備事業との関係性も含めてお答えください。続いて、具体的な連携体制の構築について伺います。にも包括の実現には、地域包括支援センターと障害福祉・精神医療・居住支援などの各分野との実効的な連携体制が不可欠です。単なる情報交換にとどまらず、具体的な支援プロセスを共有できる仕組みづくりが求められます。地域包括支援センターとにも包括のネットワークを接続させ、精神医療・障害福祉・居住支援などとの実効的な連携体制を構築するため、市としてどのような対応をされているか、また、情報共有ルールの整備についてもお聞かせください。次に、人材育成と専門性の向上について伺います。にも包括の推進には、携わる方々が精神的な健康課題についての理解と対応力を身につけることが重要であります。また、精神保健福祉士等の専門職との効果的な連携も求められます。地域包括支援センターにおける精神的健康課題を含む包括的相談支援を実践するための研修体制や専門職の配置について、どのように取り組まれているのか、御説明願います。また、こうした仕組みをつくる際、必ずと言っていいほど出てくるのが制度のはざまへの対応です。65歳を境とした制度の移行時や認知症と精神障害の識別が困難な事例など、既存の制度では対応が困難なケースも存在します。そこで、にも包括の理念が広まり、医療・福祉をはじめとしたサービスがこれまでよりも目の細かなセーフティーネットとして機能していくことが重要だと考えます。65歳を境とした介護保険制度への移行時における支援の連続性の確保や認知症と精神障害が重複するケースへの対応について、どのような改善を図るお考えか、お聞かせください。次に、多機関協働の具体的な実践について伺います。複合的な課題を抱える事例には、医療機関、福祉事務所、教育機関、就労支援機関、司法機関など多様な関係機関の連携が必要です。にも包括の視点から、これらの機関をどのようにコーディネートしていくのかが重要になります。重層的支援体制整備事業における多機関協働において、精神的保健課題が関わる複合的な問題に対しての支援プロセスや事例があればお示しください。続いて、社会参加と地域づくりの観点です。にも包括では、単に問題を解決するだけでなく、当事者の社会参加や地域とのつながりを促進することも重要な要素であります。地域包括支援センターの参加支援や地域づくり支援の機能をどのように活用していくかが、ここの鍵となります。地域包括支援センターにおいて、精神障害のある方、精神的健康課題を抱える高齢者の社会参加促進について、どのような取組を検討されていますか。次に、医療連携体制の強化について伺います。小樽市における精神科医療の提供体制とかかりつけ医との連携強化は、にも包括の重要な要素です。特に、身体疾患と精神的健康課題を併せ持つ高齢者への対応では、プライマリ・ケアによる早期発見・早期対応が求められます。また、小樽市における精神科医療と一般医療との連携強化や相談支援の専門性向上も重要です。専門職の確保・配置と相談支援専門員の精神障害に関する理解の向上は、にも包括の質を左右する重要な要素とも言えます。本市福祉総合相談室には、障害福祉に関わって複合的な課題事例に対応するための基幹相談支援センターが設置されていますが、この基幹相談支援センターにおける相談支援専門員の精神障害に関する専門性の向上について現在の取組状況と今後の方針をお示しください。次に、住まいと生活支援についても伺います。にも包括における住まいの確保は、地域生活の基盤となる重要な要素です。精神障害のある方、精神的健康課題を抱える高齢者の住まいについて、多様な選択肢の確保が求められます。精神障害のある方の住まいの確保について、グループホームなどの福祉的住まいの整備状況と民間住宅への入居支援の課題についてお聞かせいただき、解決策はどのようなことが考えられるか、お示しください。また、就労支援と社会参加の促進も重要な柱です。精神障害のある方の就労支援については、障害の特性を理解した支援が必要であり、ピアサポートの活用も効果的とされています。小樽後志地域障がい者就業・生活支援センターひろばとの連携と当事者同士の支え合いやピアサポート活動について、どのような取組を行っているか、お答えください。次に、危機対応と予防の取組についてです。にも包括では、危機的状況への対応だけでなく、予防の観点も重要です。特に自殺対策については、包括的なアプローチが求められており、事後対応も含めた継続的な支援体制が必要だと考えます。自殺対策におけるにも包括の視点について、自殺未遂者や御遺族に対するメンタルケアを含めた包括的な自殺対策をどのような連携体制で取り組むべきか、お聞かせください。この項のまとめとして、本市の考え方について伺います。にも包括の推進を図った後、小樽市の地域福祉全体にどのような波及効果が期待できるのか、お答えください。ここまでお聞きしてきた理念は、誰もが安心して自分らしく暮らすことができる地域社会の実現につながるものであります。これは、特定の方だけの特別な制度ではなく、高齢化、人口減少、社会的孤立、複合的な生活課題など今の小樽市が直面するあらゆる地域課題の解決に向けたアプローチそのものであります。そして、重層的支援体制整備事業は、まさにこのにも包括の理念を具現化する重要な基盤であり、地域包括支援センターを中核とした相談支援体制の中に、精神保健医療福祉の視点を組み込むことで、真に実効性のある地域共生社会を実現できるものと考えます。一朝一夕で成果が現れるものではありませんが、継続的な努力により、必ず小樽市の地域福祉の質的向上につながるものと確信しております。次に、物価高への対策について伺います。令和7年11月21日に閣議決定された総合経済対策は、21兆円規模という大型のものとなりました。その中核をなすのが、重点支援地方交付金の拡充で2兆円が計上されています。物価高騰が市民生活を直撃し続ける中、国が示した支援策を地方自治体がいかに活用し、真に必要な方々に届けるかが問われています。政府が推奨するメニューの中でも、おこめ券の配布に様々な御意見が見られます。既に東京都台東区や兵庫県尼崎市など実施に踏み切っている自治体もあり、市民からの反響も報告されています。一方で、事務負担の増大や制度設計の複雑さから慎重な姿勢を示す自治体も少なくありません。本市においても、この政策判断に向けて迅速かつ的確な検討が求められているところです。初めに、物価高騰の現状認識について伺います。全国的に見ても物価高騰の影響は大変深刻で、特に食料品や光熱費の上昇は家計を直撃しています。本市においても同様の影響が生じていることと思いますが、市としてはどのような現状認識をお持ちであるのか、お聞きしていきます。まず、本市における物価高騰の現状と、市民生活への影響についてどのように認識しているのか、お示しください。また、生活が厳しいという御意見はもとより、市民の皆さんの家計の実情を表すような定量的データがあれば、交付金を振り分ける際の指標になり得ると考えます。本市でも活用が始まった生成AIを用いるなどして試算することは考えられませんか。次に、重点支援地方交付金の活用に向けた基本的な方針についてもお答えください。これまで本市で実施してきた物価高騰対策を振り返ると、おたるプレミアム付商品券の発行などが挙げられます。一定の評価がある一方で、制度的な課題も浮き彫りになっています。特に、まとまった金額での購入が前提となるため、最も支援が必要な困窮世帯が利用できないという点です。物価高騰対策の本旨を考えると、影響を最も受けるのは、その低所得世帯でありますが、購入が前提となる制度では、その層が取り残される可能性があります。これまでのプレミアム付商品券でも同様の課題が指摘されており、今回は、より効果的な制度設計が求められます。こうしたプレミアム付商品券等、これまでの支援策における課題をどのように認識していますか。また、このような課題を踏まえ、今回の支援策ではどのようにしていくべきだと考えられますか。続いて、おこめ券配布の検討状況について伺います。国が推奨するおこめ券の配布については、全国的に検討状況にばらつきがあると先ほども申し上げましたが、日本テレビの調査によると、92自治体中、検討すると回答したのは僅か2自治体にとどまっています。制度設計の複雑さ、事務負担への懸念ということは先ほども申し上げましたが、多くの自治体も同様の受け止めなのではないかと感じています。本市として、おこめ券を含めた食料品の物価高騰に対する支援策など検討状況についてお答えください。また、財政負担の問題も重要な検討要素です。重点支援地方交付金は10割国費とされていますが、実際の運用では、様々な経費が発生することも想定されます。今年度の事業において、事務費負担が多いと見込まれるものはどのようなものがありますか。また、重点地方交付金を使った推奨事業メニュー分の事業実施に当たり、委託費や配送費等の事務費に交付金を充てることができる制度になっているのか、お答えください。次に、実施スケジュールについて伺います。政府は年内の予算化を求めていますが、相当タイトなスケジュールとなります。現時点でここからのスケジュールはどうなるのでしょうか。また、対象者の設定についても重要な論点であります。対象者の設定は、制度設計の要となる部分です。全市民を対象とするのか、住民税非課税世帯等に限定するのか判断も分かれるところであります。対象を絞り込むことで、支援の効果を高める一方、事務の複雑化や対象外となる世帯への配慮も必要になります。さらに、支援策の選択基準についても伺います。おこめ券、電子クーポン、現金給付、学校給食費支援、水道料金の減免など、選択肢は多岐にわたります。それぞれにメリット、デメリットがあり、市民のニーズや地域の実情を踏まえた適切な選択が求められます。支援の対象者をどのように設定するのか、また、効果的で、市民ニーズに合った支援策をどのように選択するのかという点についてお答えください。継続的な支援体制について伺います。重点支援地方交付金は、補正予算による時限的な措置で、カンフル剤としての対症療法のようなものです。物価高騰の長期化が懸念される中、継続的な支援体制によって、原因療法を施すことが求められます。国に対する継続的な交付金の要望についてなど、市としての考えをお示しください。物価高騰は、市民生活の根幹に関わる重要な課題です。国の支援制度を最大限活用しつつ、本市の実情に即した効果的な対策を講じていただくようお願い申し上げます。以上、小樽市の将来を見据えた持続可能な地域福祉の構築と、市民生活の安定に向けて伺ってまいりました。ぜひ前向きな御答弁をお願いし、再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)

答弁 市長 迫俊哉

髙橋議員の御質問にお答えいたします。初めに、にも包括について御質問がありました。まず、高齢化と精神疾患の複合化の現状等につきましては、地域包括支援センターからは、認知症あるいは精神疾患があると思われるものの、医療機関での診断がなく、本人や家族にも自覚や理解がないため、適切な支援につなげられないといった事例があり、対応に時間を要するケースが増えている傾向にあると聞いております。次に、地域包括支援センターでの精神疾患等に関する相談につきましては、同センターには、設置基準で定める専門職として、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員を配置しておりますが、精神保健福祉士を配置していないため、支援関係機関へつなぐに当たり、相談者の精神状態などの情報を提供できないという課題があります。次に、にも包括の枠組みにつきましては、これまでの高齢者を中心とした地域包括ケアシステムの保健・医療・福祉の連携に精神福祉医療を加えて、地域で孤立しやすい高齢者と精神障害を抱えた方が安心して暮らせるよう包括的に支援する仕組みであり、本市の地域課題のうちのひきこもりを含めた社会的孤立への対応、制度・分野の横断に寄与するものと考えております。また、さらにこの仕組みでは対応できないような複合的課題を抱える場合には、重層的支援体制整備事業の多機関協働事業で支援を行うことになります。次に、地域包括支援センターと各分野との連携につきましては、同センターが開催する地域ケア会議において、高齢や障害など複合的な課題に対し、精神医療、障害福祉サービス等の関係機関と専門職も交えた多職種連携による一体的な支援について協議、検討を行っており、連携体制を確保しております。なお、情報共有ルールについて個別のガイドライン等は設けておりませんが、関係法令に基づく守秘義務の範囲内で情報を適切に取り扱っております。次に、地域包括支援センターにおける精神的健康問題の研修体制等につきましては、現在、精神医療に関する専門職の配置は考えておりませんが、市内医療機関の精神科認定看護師を講師に迎え、精神疾患等に関する知識の向上に向けた研修会の開催準備を進めるなど、相談体制の充実に向けた取組を行っているところであります。次に、65歳到達時の介護保険制度への移行につきましては、障害と介護分野の支援関係機関が事前の情報共有と支援計画のすり合わせを進め、制度のはざまでサービスが途切れないよう、連携を強化してまいりたいと考えております。また、問題が重複するケースにつきましては、医療・介護・障害福祉の多職種連携をさらに深めるとともに、基幹相談支援センターと地域包括支援センターとのさらなる連携強化を図り、支援の抜け落ち防止に取り組んでまいりたいと考えております。次に、多機関協働における支援プロセス等につきましては、地域共生コーディネーターが支援対象者の状況を把握し、ケース会議において支援関係機関が参集し、情報共有を行い、共通認識の下で支援プラン作成と役割分担の決定を行います。プランに基づき、各機関が専門性を発揮し、精神科受診への同行などの支援を実施いたします。なお、長期のひきこもりに加え、抑鬱傾向、親の高齢化に伴う生活困窮が懸念される方に対し、多機関が連携し、支援した結果、支援開始後6か月で定期的な精神科受診を開始し、不安感の軽減が見られ、段階的かつ継続的な社会復帰への道筋が見えてきたという事例があります。次に、地域包括支援センターにおける社会参加促進につきましては、センターでは精神的健康問題を抱える方に特化した取組は行っておりませんが、居場所づくりとして、コミュニティーカフェなど、どなたでも参加できる交流の場を提供しておりますので、ここに参加を促すことによって、社会との接点ができる機会を設けております。次に、基幹相談支援センターの相談支援専門員につきましては、同センターの職員を本市障害福祉分野の地域生活支援拠点におけるネットワーク運営や機能の充実を図るためのコーディネーターとして配置し、後志圏域地域生活移行支援協議会や国のにも包括担当者ブロック会議に参加させ、様々な取組事例の研究や相談員同士の情報交換を通じて専門性を向上させるよう努めております。今後も、精神障害の対応も含めた複合的課題に対応できるよう、委託先の北海道済生会と連携をしながら、さらに専門性を高めてまいります。次に、精神障害のある方の入居支援につきましては、市内ではグループホームが81施設、437戸と、福祉ホームが1施設、20戸がありますが、今のところ不足しているという声は聞いておりません。また、民間住宅への入居支援の課題としては、精神障害を抱えていることを家主に話した結果、近隣トラブルへの懸念から入居を拒否される場合があることや、本人の物件へのこだわりが強過ぎるあまり、入居につながらないことがあると聞いております。これらはすぐに解決できるものではありませんが、まずは市民理解の促進が必要であると考えております。次に、就労支援の連携などにつきましては、小樽後志地域障がい者就業・生活支援センターひろばにおいては、保健所、利用者、事業所と情報共有を行い、障害者の病状や特性に応じた就労先につなげております。また、当事者同士の支え合いにつきましては、保健所として、ピアサポーターなどと座談会を通じて情報や課題の把握を行っております。次に、包括的な自殺対策の連携体制につきましては、自殺の背景には、精神的な問題のほか、経済的困難、家庭問題、孤立、職場環境など複合的な要因があるため、警察などの公的機関や医療機関、教育機関、企業、民間団体、地域住民などによる包括的な連携体制で支援に取り組む必要があると考えております。次に、地域福祉への波及効果につきましては、にも包括の推進は、医療・福祉・地域・企業などの多機関連携が高まり、切れ目のない支援や分野縦割りの解消につながるほか、精神障害者に対する理解が進み、偏見の軽減や助け合い意識の醸成が図られるなど、本市が地域福祉計画で掲げる基本理念「『お互いさま』と支え合い、誰もが幸せを実感できるまち おたる」の実現に寄与することが期待されます。次に、物価高対策について御質問がありました。まず、物価高騰の現状への認識につきましては、全国の消費者物価指数は、食料を中心に上昇傾向が続いており、本市の生活必需品小売価格調査におきましても、多くの品目が上昇傾向にあることから、市民生活に物価高騰の影響が広く及んでいるものと認識しております。なお、データに基づく事業構築は必要なものと考えており、その手法については今後、検討してまいりたいと考えております。次に、これまでの支援策における課題につきましては、事業実施に当たり、事務費の負担が大きい事業があることが挙げられますし、また、先ほど御指摘がありましたように、プレミアム付商品券などにつきましては、お困りになっている方が購入しづらいといった課題があることが挙げられると認識いたしております。今後の事業の実施に当たりましては、これらの課題を解消できるような事業選定を検討してまいりたいと考えております。次に、食料品の物価高騰に対する支援策につきましては、具体的な事業選定はこれからとなりますが、生活者支援や事業者支援に資する事業を幅広く検討してまいります。次に、事務費につきましては、今年度実施事業の中では、おたるプレミアム付商品券事業や住民税均等割のみ課税世帯給付金給付事業の事務費が比較的負担が大きいと見込まれております。また、事務費は、国の交付金の対象となります。次に、スケジュールにつきましては、既に国から示された重点支援地方交付金の推奨事業メニューを基に、各部が主体的に検討するよう指示いたしております。今後、できるだけ早い時期に庁内会議において事業の選定を行っていくこととしております。次に、支援策につきましては、交付金の趣旨や関係団体からの要望等を勘案し、検討してまいります。次に、国に対する継続的な交付金の要望などにつきましては、一時的な交付金のほか、ガソリン税の暫定税率の廃止のように、継続的な家計負担の軽減につながるような政策、さらには国民が求めている実質賃金の上昇につながる施策など状況を見ながら、北海道市長会に対し、国への要望を求めていくことになると考えております。(「議長、18番」と呼ぶ者あり)

再質問 18番 髙橋龍

それでは、再質問を幾つかさせていただきたいと思います。まず、にも包括についてです。地域包括支援センターの専門職の配置の件ですが、お答えいただいたとおり、今、制度上、そもそも精神保健福祉士等の必置義務はないことは理解しています。ただ、そのためにやはり精神疾患に関する専門的な知識や対応の経験みたいなものが不足するという課題があるのかと思っています。ここで問題になってくることとしては、その次に精神医療機関へつないでいくなどというときの専門的なアセスメント能力が足りなくなってしまうというか、不足していることを感じるのです。だから、その解決に向けて、例えば専門職を配置するということではなくても、例えば四つのセンターを兼務するみたいな形で巡回するような仕組みだったり、そもそも外部委託でということなど、手法についてもう少し御検討いただきたいと思うのです。ここに関しての御所見をいただきたいと思います。次に、重点支援地方交付金に関してです。これまで実施してきた交付金を活用した物価高騰対策の事業の中で、中身ではなくて種類として予算配分をするときに指標とした定量的なデータだったり、もしくは定性的な論拠みたいなものは、何によってここの配分を決めていったのかをお聞かせいただきたいと思います。次に、同交付金を使った事業で、今、行っているものも含めて、これらは効果を図ることができる立てつけになっているかというところです。もし効果測定ができない場合は、ボトルネックとなる事柄や足りない要素は何かということをお聞きしたいと思います。今、申し上げた交付金の2点に関しては現在までのことで、次に、これからの交付金とスケジュールに関してです。昨日も11億円程度という推計を示していただいていたと思うのですが、はっきりとした金額というか枠が決まるのはいつになるということなのでしょうか。これは、ここからのスケジュールに関係してくるのでお聞きしたいと思います。この交付金の目的としては、物価高の影響を大きく受けている方々に対する支援だと認識しています。より逼迫の度合いが強い方々にしっかり届くような支援をしていくことが求められますけれども、その意味でも、収入や世帯の構成などの属性ごとに物価高騰による負担はどうなっているのか、可視化されることが望ましいと思いますが、いかがでしょうか。

答弁 市長 迫俊哉

髙橋議員の再質問にお答えいたします。重点支援地方交付金に関して何点かお尋ねがありました。交付される金額をどのように配分しているのか、どういった根拠に基づいて配分しているのかにつきましては、基本的には国から推奨事業メニューが示されておりますので、それに基づいて、全市的な、あるいは業種も含めて世帯ごとの、いわゆるバランスを見ながら配分はさせていただいておりますが、特段何か指標を用いて配分しているということではありません。ですから、効果測定についてお尋ねがありましたが、現実的には正確な効果測定は難しいと思っております。ただ、プレミアム付商品券につきましては、おたるプレミアム付商品券を発行したときに通常の買物とプレミアム付商品券を発行したときの、いわゆる購買力の差といったものについては、調査して把握しているところでございます。次に、配分額のスケジュールにつきましては、これから臨時国会の中で補正予算が可決されますので、それが決まった後に正式には決まると思いますけれども、事前に内示があるかについては、今の時点で私は把握いたしておりません。次に、属性による家計負担、いわゆるバックデータをきちんと把握するということだと思っておりますが、今回の御質問の中のAIなどの利用、属性ごとの家計負担に関わってくるとは思うのですが、やはり先ほど申し上げましたような形で、十分な根拠を持って交付金を配分させていただいているわけではありません。ただ、全体的な感覚としてのバランスということを重視してきましたけれども、やはり市政の見える化というものを進めていく上で、合理性や客観性などといったことが判断できるといいますか、そういったことは望ましいだろうとは思っております。今後、生成AIなども普及していくと思っておりますし、何らかの形で合理性や客観性を判断できる方法は考えていかなければいけないだろうと思っているところでございます。(「議長」と呼ぶ者あり)

答弁 福祉保険部長 中村哲也

髙橋議員の再質問にお答えいたします。にも包括の関係でございます。地域包括支援センターに精神保健福祉士がいないということで支援関係機関へつなぐのが難しいのではないかというお話でございました。それに当たりまして、精神保健福祉士を巡回させるなどということで御提案をいただいたところでございます。私どもとしましては、つなぐに当たって、相談者の精神状態などの情報をなかなか提供できないという課題はございますが、結局のところは、基幹相談支援センターにつないでいくことで、ある程度の支援が可能かと思っています。また、先ほど市長からも答弁させていただきましたが、地域包括支援センターでも、実際に精神医療障害福祉サービスの関係機関と専門職を交えた多職種連携といったこともやっておりますので、ある程度のスキルアップも図っているところでございます。本当に専門的なところまでいくと、なかなか難しいという部分はあるかもしれませんが、基幹相談支援センターとの連携によって、その辺は解消できるのではないかとは思っているところでございます。(「議長、18番」と呼ぶ者あり)

再々質問 18番 髙橋龍

再々質問させていただきたいと思います。まず、にも包括からお聞きしたいのですけれども、専門性の高いもの、複合化した課題に関しては、基幹相談支援センターにつなぐというお答えをいただきました。現状の基幹相談支援で、そうした精神疾患や障害というのを併発している場合の方の御相談が市内でどれぐらいあるのか、私も今データを持っていないですけれども、それをつないだときに基幹相談支援センターのキャパシティーを超えないかみたいなところも懸念されるところなのです。受入れとしては全く問題ないというのであれば、私の杞憂ですが、御説明いただければと思います。あと、交付金に関してです。推奨メニューを見てバランスを取って配分しているというお話で、実感として、職員の方々の感覚はかなり正確なのではないかと思っているところはあるのです。ただ、そこの裏づけとして、やはり数字があったほうがいいと思いますので、効果測定が難しいという現行の事業であっても、例えばおたるプレミアム付商品券でも発行数や換金率など、また、地域内でどう循環しているのかみたいなことは、それこそ生成AIでも算出できるのかと思っています。それに向けての活用をもう少し検討していただけないかということで、以上、再々質問とさせていただければと思います。

答弁 市長 迫俊哉

髙橋議員の再々質問にお答えいたします。交付金の効果測定ということでのお尋ねだと思いますが、現状のやり方が決していいとは思っておりませんで、やはり税金を使った事業になりますので、当然市民の皆さんに対しても合理性と客観性をしっかり示していき、その上でどの程度の効果があったのかをお示ししていくことは、重要な視点と思っております。ただ、現状でできる部分とそうではない部分はあるわけであります。そうではない部分については、やはり生成AIなども活用させていただきながら検証していくことは必要になってくるだろうと思っております。その辺りは、今回できることがあれば今回から採用させていただきたいと思っておりますし、できないようであれば、今後、できるだけ早い時期にそういった方法をしっかり検討していきたいと思っております。(「議長」と呼ぶ者あり)

答弁 福祉保険部長 中村哲也

髙橋議員の再々質問にお答えいたします。基幹相談支援センターのキャパシティーとして大丈夫なのかという御質問でございますが、ずっと基幹相談支援センターで案件を抱えているというよりは、本当に複雑なものについては重層的支援体制整備事業に引き継いで、そこで協議することになるかと思います。また、全部が基幹相談支援センターに行くかといいますとそうではなくて、ある程度、地域包括支援センターで整理して、場合によっては、そのまま重層的支援体制整備事業に引き継ぐ場合もありますし、本当に複雑な件について基幹相談支援センターに行くという理解でおります。髙橋議員のおっしゃる杞憂ということではありませんが、現段階ではキャパシティー的には大丈夫かとは考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)

答弁 保健所長 田中宏之

髙橋議員の再々質問にお答えいたします。にも包括の件で、市役所の部局内では、保健所に精神保健福祉士は配置されておりまして、精神保健業務を専職で担当する精神保健福祉士と保健師がいて、精神保健全般の相談対応等の業務を行っている状況でございます。基幹相談支援センターにおきましても、保健師また社会福祉士等の専門職が配置されておりますので、精神障害を有する方からの相談も一定程度の対応は行われているとは考えておりますが、特に医療機関につなぐべきケースかというところの判断はなかなか難しいものもあるかと思います。そういった際には、まず、医療機関につなぐ前に、保健所のそういった専門職の知見も使っていただく方法もあるかと思います。福祉保険部と保健所の間でさらに連携を図りながら、その辺りの対応を進めていくことができればと思っております。

出典:小樽市議会 令和7年第4回定例会 2025年12月10日 議事録 PDF(142ページ) 間違いを知らせる