小樽市議会 平成28年第1回定例会 2016年3月8日
経済・財政問題について
2016年3月8日、小樽市議会の一般質問で、斉藤陽一良議員が「経済・財政問題について」質問し、市長 森井秀明が答弁しました。
- 質問者
- 斉藤陽一良 議員
- 答弁者
- 市長 森井秀明
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 11番 斉藤陽一良
次に、経済・財政問題について伺います。日本銀行札幌支店が本年1月 22 日に発表した平成 27 年 12 月の道内金融経済概況によれば、道内の景気は緩やかに回復しており、個人消費は雇用・所得環境の改善を背景に回復、観光は好調さを増し、労働需給も着実に改善し、雇用者所得も回復しています。また、小樽商工会議所の経済動向調査によれば、平成 27 年 10 月から 12 月の本市経済は、総体的に、個人消費回復の歩幅は狭まりつつあり、このところの暖冬・少雪は業種、業態によりプラス・マイナス両面がある。原油・燃料価格の低下と暖冬によるエネルギー使用量の減少や原材料価格の上昇が落ちついてきたこと、価格転嫁の浸透などにより採算の回復が見られる。業況については、全業種平均で「好転」したとする企業が 23.1 パーセント、「悪化」したとする企業 12.2 パーセントで、DI値は 10.9で、前年同期のマイナス 14.4 から 25.3 ポイント回復し、2四半期連続のプラスとなりました。さらに、ハローワーク小樽管内の月間有効求人倍率を見ますと、平成 27 年7月に1を超えて以降、9月の 1.17 をピークに、12 月まで連続して1を超えています。これらの動向から、市内経済にも全国的な景気回復の流れがようやく届きつつあるように感じられますが、原油価格の下落に端を発した年初来の株価の不安定な動きなど懸念材料も出てきている中、今後の本市経済の見通しをお示しください。続いて、本市の平成 28 年度予算など、財政問題に関連して伺います。平成 28 年度一般会計の予算規模は 566 億 4,000 万円、前年度比 10 億 3,000 万円、1.8 パーセントの伸びで、総合戦略~OTARU PRIDE~の実現に向けた施策の展開とされています。主な内容としては、JR駅のバリアフリー化や住宅エコリフォーム助成、空家等対策計画の策定や所有者調査を盛り込んだほか、小学生の入院外まで助成を拡大したこども医療費助成、小学校における英語教育の推進やALTの増員、さらに日本遺産認定を目指す小樽市歴史文化基本構想の策定などが挙げられています。まず、公約実現との関係で、28 年度予算について、市長はみずからどのように評価されているのか、見解をお示しください。また、小樽イングリッシュキャンプ関係経費は、森井市長就任以前からある事業であり、歴史文化基本構想策定事業費は、市長公約で具体的にうたわれていたわけではないと考えますが、どうして市長公約の実現とされているのか、お示しください。次に、歳入について、市税や交付金の伸びが見込まれるとされるものの、市税においては 132 億円で、前年度比2億 3,000 万円、1.8 パーセント増のうち、その半分以上に当たる1億 3,000 万円が固定資産税の伸びで、個人市民税は 42 億 4,000 万円で、前年度比 0.2 パーセント、1,000 万円の減、法人市民税は 12 億 5,000 万円で、前年度比 0.8 パーセント、1,000 万円の増と、市民税全体としてほぼ横ばいの予算計上となっています。常識的に判断して、前述のとおり平成 27 年度の本市の経済状況が好転しつつあり、企業業績も上向き、雇用者所得も回復していることを踏まえれば、国の地方財政計画が見込んでいるように、個人市民税の伸びが見込まれると考えるほうが自然だと思われますが、固定資産税が大きく伸びる理由と市民税が横ばいとなる理由とをお示しください。また、一般に、本市において経済動向が税収に与える影響について、より予算編成に的確に反映される推計方法を研究すべきと考えますが、見解を求めます。歳出については、義務的経費のうち公債費が 52 億 8,000 万円と、前年度比1億 1,000 万円の減となっていますが、来年度以降の公債費の推移と一般会計の年度末市債残高の推移についてお示しください。この項の最後に、中期財政収支見通しについて伺います。昨年 10 月に公表された平成 32 年度までの中期財政収支見通しでは、財政健全化を目指して毎年度4億円の収支改善が必要とされています。平成 28 年度予算編成においては、財源対策前の財源不足額4億8,000 万円を2億 6,000 万円の過疎債ソフト分の充当と5定補正後の財政調整基金残高 22 億 3,000 万円からの2億 2,000 万円の取崩しで、収支均衡を図るとしています。しかし、歳出において、除雪費が改選期の骨格予算を除いて通常当初予算に8ないし9億円程度計上されているのに対して、28 年度は除排雪や貸出ダンプの検証をした上で見直す必要があるとして、1億5,450 万円のみの計上としていることは、予算を上回って歳入が大幅に増加するのでなければ、財政調整基金の取崩しなどを含む財源対策を必要とする財源不足はさらに数億円膨らむことが考えられ、これは実質的な財源不足隠しなのではないかと考えますが、説明を求めます。森井市長は、公約として掲げた小学生までの医療費の無料化をはじめ、港湾や道路・橋梁の長寿命化、公共施設の整備・更新など、相当な財源を要する事業に対して、どのように財源を確保するお考えか、お示しください。他会計からの借入れが 32 億円余りに上る中、このような状態では、中期財政収支見通しにうたう「毎年度4億円の収支改善」は絵に描いた餅とならないのか、見解を求めます。
答弁 市長 森井秀明(市長は2018年7月まで)
ただいま、経済・財政問題について御質問がありました。初めに、経済動向についてですが、今後の本市経済の見通しにつきましては、北海道財務局小樽出張所が発表した、しりべし経済レポートによる平成 27 年度 10 月から 12 月期の総括判断においても、前回比較で市内の新設住宅着工戸数が前年を大きく上回るなど、「管内経済は、持ち直している」との報告があり、他の景気判断と同様、この期間において、総体的には本市経済が回復傾向にあるものと認識をしております。小樽商工会議所による市内の経済動向調査報告によれば、平成 27 年度第3四半期における来期の見通しについては、全業種平均の業況におけるDI値はマイナス 6.5 ポイントであり、前年同期と比較すると、いずれもマイナス幅を縮小、原油・燃料価格の低下を前提に、前年同期並みか、やや上向きの動きが見られております。しかしながら、第2四半期と比較をすると、マイナスに転じているところであります。今後の本市経済の見通しといたしましては、好調なインバウンド消費が追い風になっているものの、製造業を中心に円高傾向や海外経済の不透明感など、さらには消費税の引上げなど、懸念要素が重なり、楽観できない状況にあるものと考えております。次に、財政問題についてですが、まず、公約実現に向けた新年度予算の評価につきましては、公約の実現に向けては担当部局との打合せを行い、私から指示を出しながら議論をしてきておりますが、多くの課題が山積する中、全ての公約が実行段階に移行しているものではない状況にあります。そうした中にあっても、小学生までの医療費無料化に向けた段階的実施のほか、JR銭函駅のバリアフリー化に向けた事業費やふるさと納税の推進などについて予算を提案させていただいており、私の思いや公約を今後の市政に反映させていくための第一歩となる予算編成になったのではないかと考えております。次に、二つの事業を市長公約とした理由につきましては、まず、小樽イングリッシュキャンプ関係経費は、これまでも取り組んできた事業でありますが、予算編成作業の中で、私が公約として掲げた外国語教育の取組に資する事業として判断をし、継続して予算を計上したものであります。また、歴史文化基本構想策定事業費につきましては、私が市長就任後に教育員会と打合せを行いながら、公約に掲げた街の素晴らしさを子どもたちに伝えるや小樽の素晴らしさを発信に資する事業として判断をし、予算を計上したものであることから、それぞれ公約に関連する事業として整理をしたものであります。次に、固定資産税が伸びる理由と市民税が横ばいとなる理由につきましては、固定資産税は、近年、収入率が増加傾向にありますことから、新年度予算案における収入率の増加を見込むとともに、企業立地促進条例に基づく課税免除の終了に伴う増加分を見込んだことから、1億 2,280 万円の増加となりました。市民税は、個人市民税が収入率が増加傾向にあるものの、納税義務者数が減少傾向にあるため、1,310万円の微減となりました。また、法人市民税は、算出基準となる課税標準額は企業業績の回復基調により増加が見込まれますが、平成 26 年 10 月事業年度開始分から適用された新税率による税率引下げの影響もあることから、1,100万円の微増となりました。次に、経済動向を市税予算編成に反映させる推計方法につきましては、経済動向は、市税全体の増減傾向を図る指標としては活用できますが、個々の企業の業務実績を予測することは難しい面があります。したがいまして、今後とも経済動向などを勘案して作成された地方財政計画で示された数値を参考として予算編成作業を進めたいと考えております。次に、来年度以降の公債費と市債残高の推移につきましては、現在の中期財政収支見通しで見込んだ額となりますが、平成 29 年度から平成 32 年度まで、公債費と年度末市債残高の順で言いますと、平成29 年度は 51 億 3,000 万円、486 億 3,000 万円、平成 30 年度は 49 億 6,000 万円、471 億 6,000 万円、平成 31 年度は 48 億 2,000 万円、448 億 3,000 万円、平成 32 年度は 47 億 4,000 万円、423 億 2,000 万円となっております。次に、中期財政収支見通しについてですが、まず、除雪費の一部計上は財源不足隠しなのではないかにつきましては、当初予算の除雪費は降雪期までにかかる必要な経費のみを計上し、本格的な除排雪などの経費については、今年度の調査分析を踏まえ、第2回定例会以降に計上することとしています。これは、よりよい除排雪体制や貸出ダンプ制度構築のための措置と考えていますので、御理解をいただきたいと思います。次に、公約の実現や既存インフラ施設の老朽化対策などに要する財源の確保につきましては、限られた財源の中での市政運営となりますので、事業の実施に当たっては、その有効性や優先度などを見極め、後年度の財政負担なども考慮しながら、厳選をしていかなければならないものと考えております。とりわけ施設の老朽化対策は、大変大きな財政負担を伴いますので、実施年度における一般財源の負担が過重とならないよう常日ごろから国などによる財源の活用に向けて情報収集に努めるほか、起債による負担の平準化を図りながら、中・長期的な収支を見通し、計画的に取り組んでいく必要があると認識をしております。次に、他会計等からの借入れがある状態で、中期財政収支見通しの収支改善は絵に描いた餅とならないのかにつきましては、中期財政収支見通しは、各年度の予算編成や決算の状況を踏まえ毎年度見直しを行うこととしていますが、今後も財源不足が生じることが予想されますので、収支改善に向けて鋭意努力をしてまいりたいと考えております。