小樽市議会 平成26年第4回定例会 2014年12月9日
防災について
2014年12月9日、小樽市議会の一般質問で、松田優子議員が「防災について」質問し、市長 中松義治、教育長 上林猛が答弁しました。
- 質問者
- 松田優子 議員
- 答弁者
- 市長 中松義治、教育長 上林猛
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 9番 松田優子
2項目め、防災に関連して伺います。先日、都内で行われたセミナーに参加した折、2011年3月11日の東日本大震災の被災地の一つとして、壊滅的な被害を受けながらも今日まで3年8か月余り、復興に向けて突き進んでこられた岩手県釜石市の野田市長による講義がありました。今後の防災教育のあり方にも言及される内容で、当事者の声であり、非常に説得力があるものでした。課題や反省点をあらわにしていくことで、後世に継承していく使命感のようなものを感じ取ることができましたので、今までも防災につきましては、我が党も含め他会派の議員も議論してきましたが、この講義を基にして、小樽市の防災体制について再度伺います。最初に、災害対策本部の設置場所についてです。釜石市では、当初、倒壊を免れた市役所の3階を対策本部としましたが、まちの中心部にあった庁舎は瓦れきに囲まれ、通信手段も寸断されたため、市民は瓦れきを乗り越えて市役所に家族や友人・知人の安否確認に来なければならず、これでは災害対策本部の機能が果たせないと、途中から被災地ではない別のところに災害対策本部を移動させたということでした。このように災害対策本部の場所の設定が課題となったということですが、小樽市では、もし消防庁舎を含む市役所庁舎が災害対策本部として使用不能になった場合、代替施設としてどこを使用することにするのか、お考えを伺います。次に、想定外にどう対応するかについてですが、小樽市では、現在、どの程度の浸水予測を立てられているのか、伺います。岩手県が津波被害に遭うのは、今回が初めてではありません。過去に何度も津波被害に遭ってきましたので、それを踏まえて防災に取り組んできましたが、今回の津波は予想をはるかに超えたものとなりました。震災前の浸水予測は、最大遡上高が10.2メートルでしたが、実際は19.2メートルという予測の倍の津波であったため、防波堤も防潮堤も役に立たなかったそうです。また、ハザードマップは、ここまで津波が来ると想定してつくられていたため、危険地域以外の人は安全だと受け止めてしまいました。このように、ハザードマップは安心マップとして受け止められ、浸水想定区域外で多くの犠牲者を出してしまい、何とそれは全死者の6割にもなったそうです。こういったことからも、ハザードマップのあり方について一考を要するのではないかと思いますが、御見解をお示しください。小樽市では、ハザードマップは全市には配布されておりませんが、今後、全市に配布する予定はありますか、伺います。次に、避難場所の見直しについてですが、釜石市では、この想定外の津波で、津波避難場所76か所中11か所が津波で浸水してしまいました。その後、釜石市では第1次避難場所を見直したそうです。小樽でも、先日の市民と語る会で、避難場所が土砂災害警戒区域の中にあるということが問題になっていましたが、この点についてどう認識していますか。見直すことは考えているのでしょうか、伺います。2次避難所とは、危険が去った後の避難生活をするための拠点避難所との位置づけですが、それが住民に周知されず、釜石市では、2次避難所であった防災センターを1次避難所と思い込み、そこに避難されたため、多くの犠牲者が出たという反省点がありました。小樽市では、1次避難所と2次避難所との区別の周知はされているのでしょうか。次に、防災教育の必要性についてですが、子供たちの避難行動として2校が紹介されておりました。震災が起きたとき、1校は、全員が学校管理下にあり、高台に避難しましたが、危険を察知し、さらに高台へ、またさらに高台へと避難し、全員助かりました。また、もう一校は、その時間帯は全員、下校していましたが、親がまだ大丈夫と言うのを子供が説得し、避難して助かった例もあり、184人の児童全員が助かりました。それを釜石の奇跡と言う人がいますが、釜石市長いわく、それは奇跡でも何でもなく、ふだんからの訓練のたまものであり、常に想定にとらわれず、状況で判断しているからだと言います。また、避難訓練に参加する人が少ないというセミナー参加者からの質問に対し、釜石市長は、災害の悲惨さを住民が認識することが大切であり、小さいときからの防災教育が大事で、時には映像を生かし活用することが大事であり、防災から減災へ、3・11以降はこのように視点が変わったと強調されていました。このように釜石市長は防災教育の重要性を強調しており、それは大人に対しても同じであると述べていましたが、小樽における防災教育について、現在、どのように取り組んでいるのか、お聞かせください。次に、市職員の役割分担についてです。先般の広島の土砂災害を受け、同じ坂のまちであり、道内他都市と比較し、土砂災害警戒区域が非常に多い小樽市ですが、先日、市民の方から、災害が起きたとき、避難所の鍵は誰があけてくれるのですかと質問を受けました。学校ごとに近隣の市職員があけることになっていますと説明しましたが、そのことを知らない市民が多いのではないかと思います。このことに対する市民への周知方法について伺います。また、市職員も所属部ごとに役割分担が決まっているといいますが、市職員への役割分担の徹底はされているのでしょうか、伺います。釜石市の野田市長は、講演の冒頭で、トップの判断が大事であり、それが課題であると言っておりました。それだけ市長の責任が重いということです。小樽市も、野田市長のこの意見を参考にして防災に取り組んでいただきたいと思っています。中松市長の公約の一つに、市民の安心・安全を守るまちづくりがあります。最後に、市長の防災に対する決意をお聞きして、この項の質問を終わります。
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
ただいま、防災について御質問がありました。初めに、災害対策本部の設置場所についてですが、災害対策本部は、地域防災計画で市役所本館2階の市長応接室と定めており、市長応接室が使用不能となった場合には、新耐震基準の消防庁舎6階講堂を使用することとしておりますので、本市において想定される災害が発生した場合であっても、災害対策本部を設置することは可能であると考えております。次に、想定外の対応についてですが、まず津波の浸水予測につきましては、北海道が平成22年3月に公表した浸水想定では、津波遡上高の低いところで祝津地区の1.13メートル、最も高いところは港湾地区の3.13メートルとしております。次に、ハザードマップのあり方に対する見解につきましては、ハザードマップは想定される津波の到達時間や浸水範囲を表しているものですが、想定を超える事態が起こり得ることから、市民向けの講座や避難訓練の際に、より高く、より遠くへ避難する必要があることを強調してお知らせしているところであります。次に、ハザードマップの配布につきましては、現在の津波ハザードマップは、平成22年3月に北海道が行った津波浸水想定に基づき作成し、津波の被害が予想される地域に配布しております。本年8月に、国から日本海側における津波の想定が発表され、今後、北海道が、今年度中に日本海側の断層モデルを決定し、平成27年度に津波シミュレーションを行い、その後に各地区における浸水想定を公表することから、小樽市では、この想定に基づくハザードマップを新たに作成し、対象となる全世帯や希望される方などに配布したいと考えております。次に、避難所の見直しについてですが、まず市民と語る会での御意見に対する認識につきましては、全国各地で大規模な災害が発生していることを機に、本年4月に災害対策基本法が改正され、災害の影響が少ない場所を指定するなどの基準に基づくよう義務づけられたものと認識しております。本市におきましても、現在、市内に69か所ある避難所を、「土砂災害」「地震」「津波」及び「洪水」の4種類の災害に応じた避難所として指定するための作業を進めております。次に、避難所の区別の周知につきましては、本市においては避難所の区別は行っておりませんが、避難訓練などを通じて安全を確保するため、避難所の位置にかかわらず、まずはより高く、より遠くへ避難するよう周知しております。次に、市職員の役割分担の明確化についてですが、まず避難所の開設の周知につきましては、小・中学校の避難所については、各校ごとに開設を担当する職員2名をあらかじめ指定しておりますが、年度ごとに人事異動で変更となることから、年度当初に各町会長へ名簿を配付し、周知しているところです。次に、市の職員に対する役割分担につきましては、職員向けの研修の際に、地域防災計画で定められた各部の災害時対応について周知しております。次に、防災に対する私の決意につきましては、東日本大震災以降も、全国で大規模な災害が頻発している状況にあることから、本市においても、いつどのような災害に見舞われるかわかりません。このような現状を踏まえて、本市の災害時の危機管理対応能力の向上のみならず、平時からの備えを十分に行うことによって安全を守るまちづくりを実現してまいりたいと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 上林猛(教育長は2015年12月まで)
松田議員の御質問にお答えいたします。ただいま、防災教育の必要性について御質問がありました。本市における防災教育の取組についてですが、本市の小・中学校においては、全ての学校で危機管理マニュアルを作成しており、年2回以上、火災のほか、地震等を想定した避難訓練を実施しております。小・中学校の授業においては、教科の中で副読本などを活用し、みずからが自分を守る行動や習慣を身につけるなど、防災に関する基礎的知識を習得しているところであります。また、旅行的行事においては、小学校では、札幌への見学旅行で防災センターを訪れ、災害の体験的学習を行っており、中学校では、修学旅行で東日本大震災の被災地を訪れ、被災地の状況を見聞するなど、体験的な防災教育も行っております。今年度は、教職員を対象に、札幌管区気象台から講師を招き、危険予測・危機回避能力、非常時の行動や防災訓練のあり方などの研修も行っており、児童・生徒の安全確保に努めているところであります。