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小樽市議会 令和4年第3回定例会 2022年9月13日

ケアラー支援について

2022年9月13日、小樽市議会の一般質問で、松田優子議員が「ケアラー支援について」質問し、市長 迫俊哉、教育長 林秀樹が答弁しました。

質問者
松田優子 議員
答弁者
市長 迫俊哉、教育長 林秀樹

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 2番 松田優子

2項目め、ケアラー支援について伺います。最初は、ヤングケアラーについてです。市長の公約の一つに、ひとり親世帯や医療的ケアが必要な子供の支援を充実させるとともに、家族の世話を担っている子供、いわゆるヤングケアラーを確かな支援につなげる体制を整備するとあります。私も今まで何度かこのヤングケアラーについて質問させていただきましたが、市長が2期目の公約にこのように掲げていただいたことに感謝するとともに、その体制づくりに全力で取り組んでいただけることを念願し、今回も質問させていただきます。昨今、テレビの特集番組や新聞等でもこのヤングケアラーが取り上げられ、大分認知度が上がってきたとはいえ、限定的です。そこで、ヤングケアラーの認知度を深めるため、あちこちで研修が開催されるようになりました。先月、市庁舎内でもケアラー・ヤングケアラー研修が開催されたようですが、最初に参加対象や参加人数、参加者の反応など、その概要をお聞かせください。北海道では、江別市にヤングケアラーの専門窓口を開設しました。どのような経緯で江別市に決定したのか詳細は不明ですが、相談は対面のほか、電話やメール等でも行っているようです。対象が 18 歳未満の子供であることを考えると、なかなか当事者が江別市まで赴くのは困難と思われることから、今後このような窓口が道内各地に開設されるのではないかと推察いたします。こういった窓口が開設されたことの周知も大変重要になってきますが、インターネットで調べると望洋台小学校ではヤングケアラーについての解説とともに、8月 17 日のお知らせに北海道ヤングケアラー対応窓口の案内チラシを資料として掲載したとありました。先ほども申しましたが、ヤングケアラーについては大分認知が進んできているとはいえ、まだ不十分です。その認知度を広げるためにも、これは大変有効的なことと思いますが、望洋台小学校以外でも同様な動きを見せている学校について、教育委員会として押さえていたらお示しください。また、過日の報道によれば、厚生労働省ではヤングケアラーの支援対策強化に向け、学校などで把握された情報を一部門に集約するよう検討する動きがあるとありました。その理由として、現在、ヤングケアラーが必要な行政サービスの対応は縦割りで、それぞれの担当者任せになっている側面があるため、その連携不足を解消する必要があるからとのことです。かつて家族のケアに当たっていた児童・生徒の中には、誰にも相談できず孤立していた実態がありました。これはケアラー研修の資料の中に、働く母が帰宅するまで父の介護をしてきた高校1年生の心情を紹介されたものがありました。要介護の父には関心を持ってくれても、介護をする自分には誰も関心を持ってくれず憤りを感じ、友人にも父のことは話せず、就職という選択も描けなかった。介護を経験してみて、僕は僕の人生を生きていけますかと誰かに聞きたかったとあり、私はこれを目にして、身につまされる思いがしました。そういった意味でも、情報共有化は大切なことと思いますが、このことについての市の認識を伺います。前回紹介しましたが、神戸市では、こういった国の動きの前に、こども・若者ケアラー支援担当課を設置し、その対象も 18 歳未満だけでなく 20 歳代も含めており、令和3年6月からは全国初となるヤングケアラーに特化した相談窓口を開設し、多くの相談が寄せられ、その一部は関係機関と連携し、支援につながった例もあります。今後、このヤングケアラー支援については、国も大きく動き出すとは思いますが、単に国の動きを待つのではなく、市としても自主的に動いていただき、市長の公約にあるように確かな支援体制を構築していただきたいと思いますが、現在、市として考えている支援体制についてお示しください。-62-次に、ケアラー支援条例の制定についてですが、私は昨年の第3回定例会の代表質問の折、ケアラー支援の一環として、埼玉県では令和2年に日本初のケアラー支援条例が成立されたことを紹介し、ヤングケアラーに対する配慮も記載され、栗山町議会では、令和3年3月に全国市町村で初めてのケアラー支援条例が全会一致で可決され、4月1日から施行されたことも紹介いたしました。そして、北海道も本年3月31 日にケアラー支援条例が公布され、4月1日から施行されています。今までは介護が必要な高齢者や病気の方、障害のある方などケアが必要な人のための法制度として介護保険法や老人福祉法、障害者総合支援法などがありましたが、ケアラーを支援するための法制度はなく、ケアラーはケアすることだけを求められたと言えることから、自治体のケアラー支援条例はケアラーの孤立を防ぐものとして急速に支援条例の動きが出てきたものと考えます。本年7月1日時点で確認できるものとして、全国 11 の自治体でケアラー支援条例が公布されていますが、そのうち三つが北海道の自治体です。他都市より少子高齢化が進み、高齢者等へのケアが必然であり、子育て支援にも今後一層力を注がなければいけない我が市であるがゆえに、ケアラー支援条例の制定に前向きに検討しなければならないのではないかと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。これに関連して、介護施設、事業所の職員について伺います。介護施設での死亡事故が後を絶たないと聞いています。ある新聞社が実施した自治体アンケートでは、2021 年度に 106 市区で計 1,159 人が介護事故で亡くなっていたといいます。その死亡事故原因の半数以上が誤嚥によるもので、転倒・転落を含めると7割以上にもなります。この新聞社では、事故が起きた背景、要因について自治体に調査したところ、死亡事故が起きた自治体の4分の3に当たる市区で現場は人手不足で、利用者に目が行き届かないことを挙げていたといいます。私も日頃から多くの介護従事者の方とお話をする機会がありますが、先日も介護施設に従事する方が同様なことを語っていました。その方は少し前まで正職員として介護施設に働いていましたが、定年退職し、そのキャリアを買われ、請われて最近、別の介護施設に非正規職員として働き始めました。しかし、退職してから時間がたっていることから、いろいろ聞こうにも、皆、自分の担当することで手が外せず、教えてくれる人がいないため、毎日ヒヤリ・ハットの連続で、このままいったら重大事故が起きるのではないかと懸念していると言います。そこで伺いますが、各介護施設、事業所における事故は指定権者に報告することになっていますが、小樽市内の介護施設、事業所等の事故による過去からの死亡事故の有無や、事故発生状況をお聞かせください。また、市としてどのような認識をお持ちかお聞かせください。その上で、新聞社の調査による死亡事故等が起きる背景には人材不足にあるという他の自治体の認識について、市の見解をお聞かせください。また、同じくアンケート調査によれば、死亡事故が起こる要因について、要介護度の高い施設利用者が増えたと回答した自治体も半数近くあったといいますが、小樽市における施設入所者の要介護度別認定者数と、その推移についてもお聞かせください。なお、厚生労働省の発表によれば、2025 年度には介護職員は約 243 万人必要になると推計し、2019 年度より 32 万人増やさなければ対応できないと言われておりますが、高齢化が他都市よりぬきんでている小樽市では、介護職員の不足は重大な問題となります。今後の小樽市の介護職員の配置状況についてどのような認識をお持ちかお聞かせください。ともあれ、限られた介護人材を有効に活用するには、介護ロボットや見守り機器などICTの導入や介護職員向けの研修を充実させ、ケアの質を高めることも大切と思われますが、この点についての認識も伺います。-63-介護施設の監督責任は、種別によって市や北海道が所管となっていることは承知していますが、小樽市として介護者不足を補うため、事業所内の環境整備についてどのような認識をお持ちか伺います。先ほど紹介しました栗山町の栗山町ケアラー支援条例は、社会福祉協議会との連携によるケアラー支援活動の集大成として、健康や孤立、離職など、ケアラーが抱える多様な問題をカバーし、介護する側も守るために条例制定の機運を高めたといいます。そして、今後、在宅介護は主流になることを見据え、介護職員自体も家族等に介護が必要になったとき、介護離職防止の一環として、この条例には従業員が仕事と介護などが両立できるよう、事業所内の環境整備に努めることを事業者の役割に挙げています。在宅介護者にしても施設介護者にしても、課題はたくさんあります。市長は性別、年代、ハンディキャップの有無にかかわらず、市民の誰もが安心して暮らせるまちづくりを目指すと述べられていますので、今後もしっかり取り組んでいただきたいと思います。

答弁 市長 迫俊哉

ただいま、ケアラー支援について御質問がありました。初めに、ヤングケアラーについてですが、まず、ケアラー・ヤングケアラー研修につきましては、ケアラー支援の理解促進や職員の意識向上を目的に、北海道社会福祉協議会から講師をお招きし、福祉保険部及びこども未来部職員、その他関係団体職員等を対象として、8月 19 日に開催いたしました。研修にはオンラインを含め 48 名の参加があり、参加した職員からは大変な思いをしているヤングケアラーが将来に希望が持てるような支援の在り方について、改めて考えるきっかけになったと聞いております。次に、ヤングケアラーへの支援における情報共有への認識につきましては、ヤングケアラーを適切な支援につなげていくためには、学校や福祉・介護関係者、地域住民などから得られた情報を共有し、連携して対応することが重要であると考えております。次に、ヤングケアラーの支援体制につきましては、現在、北海道が設置している相談窓口のほか市内の学校や福祉・介護関係者等において把握した情報を、本市のこども未来部こども家庭課に設置しているヤングケアラー支援対応窓口において集約し、適宜、ケース支援会議等において関係機関と情報を共有し、必要な支援について調整することとしております。今後も国や北海道の補助事業の活用等を含め、より効果的な支援体制について検討を重ねてまいりたいと考えております。次に、ケアラー支援条例の制定につきましては、本年3月に北海道ケアラー支援条例が制定され、北海道の条例の基本理念において、ケアラーの支援は北海道、市町村、道民等が相互に連携を図りながらケアラーを地域社会全体で支えるよう行うとされております。本市といたしましても、まずは北海道をはじめ関係機関と連携して、ケアラー支援に取り組むとともに、先行事例も参考にしながら条例制定の要否も含め、どのような支援の在り方がよいか庁内議論を進めてまいりたいと考えております。次に、介護施設、事業所の職員についてですが、まず、市内の介護施設、事業所における事故発生件数と死亡事故件数につきましては、過去3年度分でお答えをいたしますと、令和元年度が 472 件、うち死亡事故2件。2年度が 448 件、うち死亡事故4件。3年度が 491 件、うち死亡事故が4件となっております。また、死亡事故の大半は誤嚥が原因によるもので、御紹介のあった新聞社による自治体アンケートと同様の傾向にあると認識しております。次に、死亡事故等の起きる背景につきましては、本市に事故報告のあった介護施設、事業所では、国の基準に基づく人員配置がされている中で発生したものであり、件数の多い誤嚥についても、高齢による嚥-64-下機能の低下に伴う食事介護中の誤嚥も含まれることから、必ずしも人材不足が背景にあるとは言えないものと考えております。次に、本市における施設入所者の要介護度別認定者数につきましては、令和3年度末で要介護1が 67人、要介護2が 123 人、要介護3が 338 人、要介護4が 322 人、要介護5が 192 人、合計 1,042 人となっております。また、推移につきましては、5年前の平成 29 年度の要介護度別の割合との比較で、要介護2と5が減少し、要介護3と4が増加しております。次に、本市の介護職員の配置状況につきましては、現状では国の基準を満たす人員配置がされている状況と認識しておりますが、今後においては介護職員の高齢化のほか、サービス利用者の増加により職員の不足が生じる可能性はあるものと考えております。次に、ICT導入や介護職員向けの研修充実によるケアの質を高めることへの認識につきましては、今後、現役世代が急減する局面を迎えることが予想される中、国においては介護現場に生産性向上を求める議論が始まっております。本市におきましても、要介護者の増加やニーズの多様化が見込まれることから、介護職員の負担軽減と業務改善によって、限られた人材でも質の高いケアを届けることは重要であると認識をいたしております。次に、介護者不足を補うための事業所内の環境整備につきましては、市内の介護施設、事業所ごとに運営方針は異なり、それぞれの事業の特色を工夫されているものと思いますが、本市といたしましては、国の定める人員、設備、運営に関する指定基準を遵守し、サービスの質を維持しながら適正な運営を行うことで、離職防止をはじめ、安定的な人材確保につながるものと考えております。そのため、本市が指定権限を持つ介護施設、事業所に対して、国の基準に基づく運営の適正化に向けて個別に援助的指導を行う実地指導や、事故発生状況に関する傾向や注意喚起を一律で行う集団指導を行っております。(「議長」と呼ぶ者あり)

答弁 教育長 林秀樹(教育長は2024年3月まで)

松田議員の質問にお答えをいたします。ただいま、ケアラー支援について御質問がございました。ヤングケアラーについてでありますが、ヤングケアラーの認知度を広げるための市内小・中学校の取組につきましては、望洋台小学校と同様に、ホームページで周知している学校が 13 校あるほか、それ以外の学校においても、児童・生徒や保護者へヤングケアラーの事例と相談窓口を掲載したチラシの配布やポスターを掲示するなど、全ての学校においてヤングケアラーについて認知度を広げる取組を行っております。

出典:小樽市議会 令和4年第3回定例会 2022年9月13日 議事録 PDF(78ページ) 間違いを知らせる