小樽市議会 平成26年第4回定例会 2014年12月8日
地方創生について
2014年12月8日、小樽市議会の一般質問で、新谷とし議員が「地方創生について」質問し、市長 中松義治が答弁しました。
- 質問者
- 新谷とし 議員
- 答弁者
- 市長 中松義治
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 21番 新谷とし
地方創生について伺います。安倍政権は、秋の臨時国会を地方創生国会と位置づけ、「国民が安心して働き、希望どおり結婚し、子育てができ、将来に夢や希望を持つことができる魅力あふれる地方を創生する」としました。地方創生法は、人口減少の歯止め、東京圏の人口集中の是正、地域の住みよい環境の確保などを目的にし、国が基本方向となる総合戦略を閣議決定し、都道府県と市町村にも戦略をつくらせるものです。人口減少による地域衰退や東京一極集中のゆがみを是正することは、多くの国民が切実に求めているものでもあります。11月6日に塩谷地区で行われた小樽市議会「市民と語る会」でも、疲弊した塩谷地区を何とか活性化してほしいという意見が出されました。塩谷地区だけでなく、小樽市全体が急速な人口減少、少子高齢化を招いています。地方創生といっても、なぜ地方の人口減少や衰退を招き、都市部に異常に人口を集中させてしまったのか。その原因を究明しなければ、解決策もありません。第1に、人口減少は、若い人たちが結婚し、出産、子育てをしていくことが難しい状況にあることです。労働法制の規制緩和で、若者と女性の2人に1人が非正規雇用など異常な不安定雇用と低賃金、長時間労働を強いられているからです。小樽市では、どう現れているでしょうか。小樽市労働実態調査による正規雇用と非正規雇用の割合を、2013年度以下5年分についてお聞かせください。安倍政権が臨時国会で提出していた労働者派遣法改正案は、生涯派遣を押しつけ、正社員どころか逆に正規から非正規に置きかえるもので、ますます結婚できない若い人たちを増やすだけです。これでは人口減少克服になりません。法案は世論と運動により今国会では廃案になりましたが、労働法制の規制緩和を改め、正規雇用の拡大と人間らしく働ける雇用のルールが必要です。労働法制の規制緩和について市長の見解をお聞きします。第2に、東京一極集中の是正を挙げていますが、そもそもなぜ東京など都市部に異常に人口を集中させてしまったのか。一つは、地方の産業が壊され、雇用が失われたからです。地方の第1次産業である農業などは輸入自由化で潰され、日米構造協議で米国側からの要求で、1992年、大店法が改正され、大店法廃止後のまちづくり3法は機能せず、郊外への大型店の身勝手な進出と撤退でシャッター通りが拡大しました。大店法改正の流れの中で、小樽市は、小樽経済の起爆剤と位置づけて市民の反対を押し切って築港再開発を行い、税金142億2,000万円の巨費を投じマイカルを誘致し、就業者数3,000人、定住人口5,000人、入込客数年間900万人を目指したものの、わずか2年半で破綻しました。今年度までの築港再開発での市の起債借入額、今年度までの元利償還額と今後の元利償還額をお知らせください。また、マイカル開業時の店舗数と従業員数は現在どう変化していますか。また、倒産は、民間調査会社によると2002年から2013年までだけでも200件、873億8,400万円に達し、雇用の場も失われました。こうした規制緩和路線が小樽市経済の疲弊を招いたのではありませんか。市長の見解を求めます。地方創生の政策の大もとは、6月に決めた改訂成長戦略、骨太方針で、そこには地域の経済構造の思い切った改革を明記し、目標にアベノミクスの効果を全国に波及させた地域経済の好循環をもたらすことを掲げています。しかし、さきに述べたように、アベノミクスによる物価高や消費税増税による暮らしと中小企業経営の打撃は、とりわけ地方には深刻な形で現れており、アベノミクスの経済効果は期待できません。また、人口20万人以上の地方中枢拠点都市に都市の機能と住民サービスを集約しようとしています。北海道は札幌市、旭川市、函館市の3市ですが、これではますます周辺地域の衰退を招くだけではないでしょうか。さらに、石破地方創生担当相は、地方創生関連の交付金は自治体のやる気で差をつけると発言していますが、地方を衰退させた政府の責任を自治体の責任に転嫁させるべきではありません。市長の見解を求めます。地域再生・活性化に今必要なのは、アベノミクスをはじめとする安倍政権の悪政から暮らしと地域を守ることです。安定した雇用と社会保障は、人口減少に対する最大の歯止めです。そして、自治体の創意あふれる知恵を施策に反映することが必要です。この点で市長はどうお考えでしょうか。この項最後にお聞きします。小樽市が人口増対策に取り組もうとするやさき、小樽協会病院での分娩が来年7月に休止されることになり、若い人たちは小樽で子供を産むところがなくなると心配しています。地方創生どころか人口減にますます拍車をかけます。最近は高齢出産が珍しくないですが、リスクもあることから、小樽協会病院の果たす役割は大きいと考えます。小樽市は、周産期医療を協会病院に託し、小樽市立病院では産科を設置しませんでしたが、周産期医療は北海道の指導で実施されていることから、小樽市は小樽協会病院と共同して北海道に対し、産科の医師派遣を強力に行うべきと考えます。市長は、この事態をどう打開するお考えですか。また、市民に責任を持つ立場から、小樽市立病院で産科を開設できないのでしょうか、お答えください。
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
ただいま、地方創生について御質問がありました。初めに、小樽市労働実態調査による正規雇用と非正規雇用の割合につきましては、平成21年度、正規雇用61.6パーセント、非正規雇用38.4パーセント、以下同様に22年度、68.8、31.2、23年度、66.5、33.5、24年度、57.4、42.6、25年度、58.2、41.8となっております。次に、労働法制の規制緩和についての見解につきましては、昭和60年にいわゆる労働者派遣法が成立し、その後、適用対象業務の拡大や派遣期間の制限の見直し、製造業への対象業務の拡大、さらには派遣労働者の待遇の改善など、所要の法改正が行われてきたところであります。法の目的は、労働力の需給の適正な調整を図るために必要な措置を講ずるとともに、派遣労働者の保護などを図ることでありますが、現状では雇用の不安定さや低賃金などの課題もあると認識しております。次に、築港駅周辺地区再開発にかかわる起債借入額などにつきましては、土地区画整理事業に小樽港縦貫線等の関係事業を含めた市債の総額は約84億6,700万円、今年度までの元利償還額は約79億2,900万円、今後の元利償還額は最終償還期間の平成40年度までで約24億2,100万円となっております。次に、ウイングベイ小樽の店舗数と従業員数の変化につきましては、平成11年のマイカル小樽開業時が142店舗で約3,000人、本年11月は111店舗で約2,000人と聞いております。次に、大店法改正などの規制緩和による本市経済の影響につきましては、特に商業においては商店数、従業員数、販売額の減少が見られますが、本市の人口減少や少子高齢化の進展に伴う購買力の低下のほか、経営者の高齢化や後継者の不足も要因と考えられており、規制緩和による影響だけではないものと認識しております。次に、地方中枢拠点都市圏構想につきましては、我が国の人口減少、少子高齢社会における地方圏での新たな広域連携の取組で、これまで本市でも取り組んでいる定住自立圏構想とあわせて相当の人口規模と中核性を備える中心都市と近隣の市町村とが連携し、いわば地方が踏みとどまるための拠点を形成することにより、地方において人々が快適で安心して暮らしていくための基盤を確保し、地域全体の活力を引き上げる取組であると認識しております。次に、地方を衰退させた政府の責任を自治体の責任に転嫁するべきではないとのことにつきましては、さきの国会において可決成立したまち・ひと・しごと創生法は、人口減少に歯止めをかけることや、潤いのある豊かな生活を営むことができる地域社会への形成などを目指すことを目的とするもので、具体的な事業はこれからとなるものの、地方公共団体向けの自由度が高い交付金の検討などもなされていると聞いております。これまでも国のまち・ひと・しごと創生本部では、全国知事会や全国市長会との意見交換が行われてきたものと認識しておりますが、いずれにいたしましても、国と地方の役割分担の下、地方の自主性を尊重する適切な方策の検討が進められるよう期待しているところであります。次に、地域再生・活性化のために自治体の創意あふれる知恵を施策に反映することが必要とのことにつきましては、今後も持続可能な活力ある豊かなまちづくりに向けては、国による安定した社会保障などのナショナルミニマムの充実のほか、地域経済の活性化による雇用の場の拡大や安心して暮らせる環境づくりなど、地域での取組が重要と考えております。このため、11月に設置しました小樽市人口対策会議においては、各界の委員の皆さんの御意見をいただきながら、本市の現状に即した効果的な人口対策を検討いただき、今後の施策に反映させてまいりたいと考えております。次に、小樽協会病院に対する本市の対応につきましては、市内で周産期医療体制が維持できなくなる事態は何としても避けなければならないものと考えており、現在、小樽協会病院での分娩継続に向け病院側と協議を行うとともに、北海道など関係機関に働きかけているところでありますが、市としてもできる限りのことをしてまいりたいと考えております。次に、小樽市立病院での産科開設につきましては、現在、小樽協会病院は産婦人科と小児科を有する地域周産期母子医療センターとして北海道から認定を受けております。そのため、最優先しなければならないことは、小樽協会病院での分娩継続であり、それに向けて最大限の努力をしているところでありますので、御理解願います。