小樽市議会 平成24年第1回定例会 2012年2月29日
(1)「子どもの権利条約」の基本理念に沿った取組について/(2)小樽市に残るアスベスト対策について
2012年2月29日、小樽市議会の一般質問で、佐々木秩議員が「「子どもの権利条約」の基本理念に沿った取組について」「小樽市に残るアスベスト対策について」について質問し、市長 中松義治、教育長 上林猛、建設部長 飯田俊哉、総務部長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 佐々木秩 議員
- 答弁者
- 市長 中松義治、教育長 上林猛、建設部長 飯田俊哉、総務部長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 17番 佐々木秩
一般質問をいたします。1点目は、子どもの権利条約の基本理念に沿った取組についてです。昨年の第3回定例会一般質問の中で、私は、小樽市でも子どもの権利条約に基づいた子どもの権利条例の制定を求めました。私としては、今後もこの条例制定の必要性を訴えていきたいと考えていますが、その御答弁の中で、本市は条例の基本理念に沿った取組を実効的に行っているとのことでした。今回は、本市が進めているその実効性のある取組を補強し、結果として子供たちの持っている権利が守られ、さらにそれを生かす場所、機会をつくるために質問、提案をさせていただきます。条例が規定する大きな四つの子どもの権利のうち、まず二つ目の育つ権利から児童交流、リーダー養成研修事業について伺います。ジュニアリーダー、シニアリーダー、養成研修の開催の様子とその活動内容と成果、課題についてお聞かせください。地域、町会の子供会の活動と連動して子供たちの活動の核になる存在を育成する大切な役割を担っているとお聞きしますが、近年、子供たちの放課後、帰宅後の活動が多様化し、なかなか難しいところもあると思いますが、その活動の意義を押さえ、しっかりとサポートしていく必要があると考えます。続いて、三つ目の守られる権利のうち、子ども 110 番支援事業について伺います。今や、小樽市内全域たくさんの家や店、事業所の協力により、子ども 110 番のステッカーを見かけるようになり、その抑止効果も期待されるところですし、子供たちが社会に守られているということが最もわかりやすい形でアピールされていると思います。現在の交付枚数、事業内容、万が一の際の対応など、また、具体的に役立った事例があれば教えてください。実際、不審者による声かけ事犯、つきまとい、抱きつき、液体かけなど、さまざまな事件、事例が毎日のように起きているので、子ども 110 番が果たす役割に期待します。四つ目の参加する権利のうち、青少年課所管の子ども会議についてお伺いします。子どもの権利条約が規定する子供の範囲は、第1条で「18 歳未満すべての者をいう」となっています。結構広い範囲の子供たちが対象となり、その意見表明の機会がさまざまな場所、場面で保障される必要がありますが、年齢的に早い時期からより広い、そして公の場に近いところで意見表明をするチャンスがあるということは、子供たちにとって非常に有効だと思います。その意味で、現在も開かれている子ども会議の内容についてお聞かせください。私は、中学生、高校生の意見をもっと聞き、市政に反映させる機会を設けてほしいと要望します。中学生、高校生は、本当はたくさん言いたいこと、やりたいこと、要望、不満を持っています。現段階ではその場面がないこと、どうせ言っても大人は聞いてくれない、実現は無理とあきらめてしまっています。子供たちから夢を奪っているのは私たち大人です。その意味で、現在進められている小・中学校における市長と語る会の開催は大変意義のある企画だと思います。中松市長が学校を訪問し、子供たちの質問に答え、小樽市のビジョンについて語り合う、子供たちも一生懸命考え、参加することでしょう。これからもどんどん進めてほしいですし、学校側も積極的に参加するようお願いしたいものです。一方、授業としてとらえると、単発の投げ込み式授業になってしまっては教育効果が上がりません。事前の話合い等も時間がとれず、内容も深まらないということになってしまいます。やるとすれば、学校の総合学習や社会科等で年間指導計画に組み込み、計画的に取り組むことが肝要です。また、文化祭等の全校行事として位置づける方法もあります。実際に一度開催されたようですが、そのときの内容、子供たちの反応や成果・課題、やってみての感想等がありましたらお聞かせください。これは、せっかくの好企画ですから、市長と語る会の企画を拡大発展させて、何度か過去の議会でも取り上げられている「子ども議会」の開催を提案いたします。本会議場を使って、直接、市長はじめ理事者の皆さんと小・中学生の代表が意見、質問をぶつけ合い、そこで話し合われたことが一つでも実際に市政に、そして子供たちの学校生活に反映されるというようなことがあれば、将来の小樽を支える子供たちへの効果は非常に大きいと考えます。その具体的な効果として、意見表明権を行使することによって、社会とのかかわりを実感できる、市政の仕組みを理解する機会となる。その結果、将来、市民が主体となるまちづくりの人材育成、環境づくりにつながるという自治基本条例の理念の先取りとなります。また、現在も進められている議会活性化、オープン化にもつながります。何より子供たちの柔軟な発想から、何かしら小樽市の厳しい現状からの打開策を見いだせるかもしれません。市制 90 周年の記念行事が何点か提案されているようですが、以前の周年行事で取り組まれたと聞く「子ども議会」の開催を、ぜひお願いいたします。この項目の最後に、子どもの権利条約第 42 条には、「締約国は、適当かつ積極的な方法でこの条約の原則及び規定を成人及び児童のいずれにも広く知らせることを約束する」とあります。そこで、前回もお願いしましたが、当事者である子供たちをはじめ市民の皆さん向けに、広報用リーフレットの作成と配布を再度お願いするものです。実効ある取組を進めておられることはわかります。しかし、市側から一方通行の働きかけでは市民との協働の仕組みは動きません。市民の皆さん一人一人が、自分たちがどのような権利を持っていて、何を主体的に行動すべきなのかを知っておくということは、自治の上からも大事なことです。また、肝心の子供たち自身が、自分たちの権利についてよく知らないというのでは困りますし、その行使のしようがありません。子供たち向けのわかりやすい啓蒙用の資料が意外とないのです。子どもの権利条約連絡会議で、ぜひそういうものの作成も御検討できないでしょうか。以上、さまざまな分野で取り組まれている小樽市での子どもの権利条約の基本理念に沿った取組状況から質問をさせていただきました。しかし、これらがきちんと働いていれば、子どもの基本条約小樽版は要らないということにはなりません。本市が子供たちのこと、子供たちの未来について本気で考え、支えているのだということを内外に宣言することが、これからのまちづくりの基本になると考えます。これからも条例制定の取組の継続をお願いいたします。質問の第2点目は、小樽市に残るアスベストについてです。前回の学校適正配置等調査特別委員会において私は、市内の小・中学校に残るアスベストについて質問させていただきました。その後、いろいろと調べていくと、学校だけでなく、市内には公的施設、民間事業所等にまだまだたくさんのアスベスト、それも危険な吹きつけアスベスト等が残っていることがわかってきました。よって今回は、もう少し広い範囲のアスベスト対応を学校も含めて、お願いしたいと思います。そもそもアスベストは、天然の鉱物で火に強く腐らない奇跡の鉱物として、爆発的に世界じゅうで約3,000 種の工業製品、建築用資材として使われてきました。我が国のアスベスト輸入量を見ると、1995年では約 20 万トン、毎年これに近い量を輸入しており、旧ソ連を除くとその量は世界一でした。このことは言いかえると、2011 年までの法令改正で輸入、製造、販売、使用がほぼ全面的に禁止されるまでの間に、それらのアスベストはほとんど建材の形で、私たちのごく身の回りに蓄積されていることになります。アスベストは非常に強い発がん物質で、肺がん、中皮腫あるいは石綿肺など非常に重大な健康障害を起こします。そのほか、喉頭がん、卵巣がんも発症させるとWHOに属する国際がん研究機関が認定しています。大腸がんとの関係も疑われています。吸い込んだアスベスト繊維がどんなに少量でも、がんになる可能性があります。アスベスト製品の製造労働者の家族が、作業着についてきたアスベスト繊維を吸い込んで悪性中皮腫になった例が数多く知られています。また、発症までの潜伏期間が非常に長いのです。吸い込んだアスベストの量によって違いますが、肺がんや悪性中皮腫では 18 年から 40 年くらいの潜伏期間があります。体内に吸い込まれたアスベストがひそかに病巣を広げ、ある日突然、自覚症状が現れます。非常に進行が速く、診断されてから2年以内に亡くなる場合がほとんどです。今のところ治療法は知られていません。このことは、子供への影響が特に心配になります。子供の場合、余命が長いので、働き盛りのときに肺がんや悪性中皮腫で死亡する可能性が大きくなるのです。日常に入り込んだアスベストによって、公共施設や隣近所のごく普通の生活圏で知らぬうちに被害を受けます。極端な例では、空調システムの中に吹きつけアスベストが使われ、各部屋にアスベストを含む空気が送風されていた通称殺人ビルといわれるような建物が小樽にないとは言えません。そしてまた、時期的にそれらの建物はこれから次々と耐用年数を迎え、解体、分解されることとなり、その際に出てくるアスベスト含有粉じんを吸い込むことによって引き起こされる被害が非常に危惧されます。そして、その極端な現れ方が大震災などの災害時です。アスベストへの無警戒から現実問題として、これからの被害増が非常に懸念されています。既に 1995 年、阪神・淡路大震災時の解体作業の従事者に中皮腫による労災認定者が出ています。2004 年、新潟県中越地震の際、魚沼市内の中学校体育館で、それ以前に発見された吹きつけアスベストに囲い込み工事をした部分が壊れ、アスベストがむき出しになってしまい、結局除去工事を行うことになったそうです。言うまでもなく、学校や体育館は、震災時の住民避難場所に指定されています。同様の施設では早急にアスベスト除去を進めるべきです。さらに、今回の東日本大震災でも同じことが繰り返されます。環境省の発表では、茨城県水戸市内の建築物で、震災の影響により囲い込み工事をしていた壁面や天井の一部が損壊し、内部に吹きつけられていたアスベストが露出、一部で劣化が認められ、さらに別の建物ではそれが落下していることを確認したとの報告があります。国土交通省もこの問題を重要視し、2008 年に国土交通政策のこれからの方向性を発表していました。その災害リスク増大に対応した防災・減災対策の強化の中で、耐震改修とアスベスト対策の一体的実施を挙げていました。本来はこれに沿って学校等の耐震化工事の際にはアスベスト除去工事が同時にされるべきなのですが、本市においては、残念ながら、現在、耐震工事中の学校の中に、除去はされず危険な吹きつけアスベストが囲い込みだけで残されてしまったところがあります。その学校では、地震等で破損した場合、子供たちの頭上にアスベストが降り注ぐ可能性があるのです。実際、本市においても、厚生労働省が公表している「石綿ばく露作業による労災認定等事業場一覧表」によると、2009 年発表分に、市内建設業では肺がんが2件、中皮腫が1件、労災等に認定されています。そのうち肺がんの2人は既に亡くなられているそうです。また、北海道労働局では、北海道で労災認定された方に交付された石綿健康管理手帳の交付数は 2006年以来累計 647 件、ここ3年間は年間およそ 150 件から 160 件で、決して減ってきているわけではないそうです。この数を果たして少ないとしてよいものでしょうか。アスベスト問題はもう終わった、解決したものでは決してなく、被害は広まり、過去にまかれたアスベストにより、今も命を奪われつつあると考えるべきです。今きちんと対処しなければ、今後 40 年から 60 年に被害が及ぶ可能性があり、震災等災害時に一気にきばをむくのは原子力災害と同様の構造です。同じ後悔をしないためにも、今こそアスベストに対する早急な対応をしていくべきです。そこで、お聞きします。一つ目、小樽市としてのアスベスト問題の認識とその対応の基本はどうお考えでしょうか。公共建築において除去されず、やむを得ず囲い込み工事によって現在アスベストが残っている建物においては、今後、除去工事を進めるべきではありませんか。大勢の市民が使用する場所、特に災害時の緊急避難場所になっているところと子供にかかわる部分である小・中学校等は早急に進めるべきです。二つ目、小樽市内のアスベストの現状はどうなっているのかということです。主に、どこにどれくらい残っているのか、調査内容とその範囲、調査結果、公的施設、民間の建物、現在わかっている以外に残っている可能性が考えられる施設や使用部分、量など、また私が調べた以外で被害を受けられた方の件数、その増減について、御提示ください。三つ目、特に民間事業所や個人のお宅に気づかずに残るアスベストはどうするのか、これがアスベストかどうか疑わしいといった場合にどうすればいいのかなど、中小規模、個人への細やかな対応が必要と考えますがどうでしょうか。四つ目、地震等災害の際のアスベストの残る建物等への対応はどうなっていますか。小樽市地域防災計画第 10 節、廃棄物処理及び環境保全計画のウの項「アスベスト建築物及び貯油施設等の被害状況の把握」というところはありますが、具体的対応についてはこの中にありません。万が一に備え、平時にきちんと対策を立て、実行しておくことが大事なのは言うまでもありません。例えば、小樽市内の建物に存在しているアスベストの調査、把握と記録の保存、それを災害対策本部に常備しておくこと。市の指導による建物の所有者、管理者の災害時に備えたマニュアルの整備、緊急時の備品の配置、防じんマスク、飛散防止用シートなど、そういうものを明記すべきと考えます。五つ目、特に囲い込み工事のところは、防じんマスクの備蓄・配備をお願いします。アスベスト繊維は非常に細かいため、普通のガーゼマスクでは防げません。規定の防じん性能を有している国家検定済みの表示のある防じん用のマスクが必要です。災害発生後では間に合いませんし、入手困難になります。6番目、アスベストは決して過去のものではなく、まだまだ身の回りに存在していること。健康上大変危険なものであること。その外見、特徴等、発見方法と、除去を早く進めること、災害等の万が一の際は取扱いや対応に気をつけることなどを広報、市のホームページ、その他で広く市民の皆さんに知らせることをお願いします。以上のような対応をしっかりと検討、実施し、結果として小樽市全体のアスベストゼロを目指すべきと提言いたします。以上、再質問を留保して、私の質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
佐々木秩議員の御質問にお答えいたします。初めに、子どもの権利条約の基本理念に沿った取組について何点か御質問がありました。まず、ジュニアリーダー養成研修とシニアリーダー養成研修についてでありますが、平成 23 年度ジュニアリーダー養成研修は、19 名の参加で4日間開催しており、勤労青少年ホームやおたる自然の村での宿泊体験研修を通して、リーダーとしての心構えや行動の仕方を研修いたしました。さらに、小樽ライオンズクラブ少年の船事業で新潟県での4泊5日の研修にも参加し、一人一人が自分の役割を理解し、お互いに助け合い、新潟県の子供たちとの交流も成功裏に終えたと聞いております。平成 23 年度シニアリーダー養成研修は 11 名の参加で、勤労青少年ホームでの研修と、2泊3日の体験交流研修として帯広市に行き、地元のシニアリーダーとの交流と雪あかりの路のPRを行いました。また、研修の一環として、新年子ども会の企画・運営を行い、参加した子供たちや保護者から大変好評でした。これらの研修の課題としては、学習塾などの習い事やスポーツ少年団、クラブ活動等との両立の難しさなどが挙げられるところであります。次に、子ども会議についてでありますが、ここ数年は、ジュニアリーダー養成研修に参加した小学生を対象に、研修に参加しての感想や反省、研修前と後で自分が変わったと思うこと、今後地域の子ども会の中でどのように活動していくかなどについて話し合っており、平成 23 年度は、1月に 10 名の子供たちの参加により、勤労青少年ホームで開催したところであります。この会議を通じて自分の意見を自由に出し合い、他人との共通点や相違点を認識するなど、広い視野に立って物事を考えることができるようになったと考えております。また、参加者やテーマが限定されていることが課題として挙げられるため、今後は、参加対象者の拡充も図りながら、子供たちの抱えている問題や関心事もテーマに取り入れての討論をする場にしてまいりたいと考えております。次に、小・中学校における市長と語る会を開催しての内容や感想等についてですが、先週の月曜日に、潮見台小学校の5年生の皆さんと市長と語る会を開催いたしました。内容は社会科の授業で、「市長はどんな仕事をするんだろう」をテーマに行い、先生から「市長はどんな仕事をされていると思いますか」との質問には、生徒の皆さんは「税金を集めて市の予算を立てる」「国外へ行き小樽のPRをしている」などと的確に答えられ、大変よく勉強されていると感心したところであります。私からは生徒の皆さんに小樽市が抱える課題や市長の仕事について説明させていただきましたが、皆さん真剣に話を聞いていただけました。最後に、生徒の皆さんから、「市長さん頑張ってください」「学校改修工事でトイレをきれいにしてくれてありがとうございます」などとねぎらいの言葉をいただき、たくさんのパワーをいただいて帰ってまいりました。このような将来の小樽を担っていく子供たちと語り合う会は、今後も開催してまいりたいと考えております。次に、子ども議会についてでありますが、これまでには市制 70 周年の記念事業として開催したことがありますが、現在のところ、市制 90 周年の記念事業としては、「子ども議会」の開催は予定しておりません。しかし、子供たちに意見表明の場を提供し、子供たちの意見、考えを幅広くお聞きすることは、子供たちにとっても、また市にとっても有意義なことと考えております。「子ども議会」という名称や議場を使用するかどうかは別として、市長と語る会や子ども会議の手法も参考にしながら、子供たちとの意見交換の場を設けてまいりたいと考えております。次に、広報用のリーフレットについてでありますが、以前作成したリーフレットは残数が少なくなってきており、また、その中身も御指摘のように小学生にはたぶんわかりにくいものと思っておりますので、子どもの権利連絡会議も活用しながら、今後、よりわかりやすい資料の作成について検討してまいりたいと考えております。次に、小樽市に残るアスベスト対策について何点かお尋ねがありました。まず、小樽市のアスベスト問題の認識とその対応についてでありますが、平成 17 年度にアスベストによる健康被害が全国的な社会問題となったことから、市が所有する建築物における吹きつけアスベストの使用状況を調査し、平成 18 年度にかけてその対策工事を実施しました。アスベスト対策に関しては、国から除去、囲い込み、封じ込めのいずれかの工法により措置を講じることとされたことから、本市においては、各建築物の状況に応じて除去又は囲い込みにより措置を講じており、市有建築物のすべてにおいて対策工事は完了していると認識しております。なお、囲い込みの措置を講じた建築物においては、施設管理者が3か月に1度、囲い込みの材料に損傷がないかどうかの定期点検を行っており、適切に維持・管理をしていることから、直ちに除去工事を行う必要はないと考えております。次に、小樽市内のアスベストの現状についてでありますが、市の所有する建築物については、先ほど申し上げましたとおり、平成 17 年、18 年度に対策工事を完了しております。囲い込みを行った主な建築物は、市役所別館、保健所、総合福祉センター、緑小学校、若竹小学校、長橋中学校などであります。また、民間の建築物については、平成 17 年度に昭和 31 年から平成元年までに建てられた 500 平方メートル以上の木造以外の建築物を対象に、アスベストが使用されているかどうかのアンケート調査を行っております。現在、市で把握している状況につきましては、このアンケート調査の結果に基づくものでありますが、対象建築物が 614 件であり、このうちアスベストが使用されている建築物は 58 件、使用しているかどうか不明の建築物が 22 件、未回答が 18 件となっております。使用されている建築物の主な用途は店舗、工場などであり、使用されている主な場所は機械室、ボイラー室などであります。また、アスベストによる被害を受けられた件数についてですが、昨年 11 月に厚生労働省から公表された資料によりますと、2009 年に同省が公表した以降、市内において新たに労災認定等を受けた方はおりません。次に、民間事業者や個人への対応についてでありますが、市内には建物に使用されている建材にアスベストが含まれているかどうか不安に思っている方もおられると想定されますので、新年度より国の制度を活用して、建材にアスベストが含まれているかどうかを確認する調査に対し、必要経費の一部を助成する制度を創設することとしております。次に、アスベストの残る建物等への対応についてですが、まず市内の建物におけるアスベストの調査、把握と記録については、先ほど答弁いたしましたように、現在、建設部で作成した資料がありますので、これを災害対策本部にも常備してまいります。災害時に備えたマニュアルの整備、備品の配備の防災計画への明記については、その必要性も含め、研究してまいりたいと考えております。次に、囲い込み工事を実施した施設には防じんマスクの備蓄配備をとのことですが、地震などにより囲い込み工事を実施した建物が被害を受けた場合には、マスクの着用よりもアスベストが飛散する恐れがある範囲の外へ直ちに待避することが基本であります。したがいまして、囲い込み工事の施設への防じんマスクの備蓄配備については考えておりません。次に、アスベスト対策の市民への周知でありますが、現在、市のホームページに、アスベストについて健康相談や健康被害の救済、アスベスト分析機関の紹介、除去作業の届出や作業基準などの相談窓口の一覧を掲載しております。新年度から助成制度も立ち上げますので、引き続きアスベストに関する情報について、広報やホームページなどで広く市民の皆さんに周知を図っていきたいと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 上林猛(教育長は2015年12月まで)
佐々木秩議員の御質問にお答えいたします。子ども 110 番支援事業についてでございますが、この事業は平成 14 年度より小樽市PTA連合会が取り組んでおり、緊急時に児童・生徒の安全を確保するため、避難場所として協力いただける家や店舗などに子ども 110 番のステッカーを表示するもので、教育委員会としてもステッカー作成費の一部を助成しております。ステッカーの交付枚数については、PTA連合会から、これまでに住宅用として約 8,000枚、自家用車によるパトロール用として約 4,000 枚を交付しているとの報告を受けております。また、緊急避難場所として協力いただいている方々には、緊急時の対応方法として、まず子供の安全を確保すること、次に子供が落ちついたら事情を聞くこと、そしてその後に、警察や児童・生徒の所属する学校、自宅に連絡することをお願いしております。なお、この事業が役立った事例についてでありますが、学校から教育委員会には、子供たちがいわゆる不審者などに遭遇した場合は報告されることになっており、その中には、ステッカーがあったかどうかまでは把握しておりませんが、近所の友達の家や店舗に駆け込んで難を逃れたとの事例が報告されております。(「議長、17 番」と呼ぶ者あり)
再質問 17番 佐々木秩
再質問をさせていただきます。子どもの権利条約については、大変考えていただきましたので、アスベストについてのみ再質問をいたします。囲い込みで工事は終わっているということで、特に対応はないということでしたけれども、先ほど安斎議員の一般質問の中で、耐震工事の必要なほど古い老朽化している公共の建築物として、今、名前の挙がった市役所の別館、それから総合福祉センターの二つが挙がっていたと思います。それと、アスベストが両方重なっているということは、万が一大きな地震があった際には、老朽化して耐震性能がないうえ、さらにそこにアスベストがあって、先ほど私が質問させていただきましたとおり、地震の際には、囲い込み工事を破って石綿が飛散する例があったということを考えますと、その二つの建物については非常に危険な状況にあるのではないかと、これで囲い込み工事で終わりましたという話にはならないように思いますが、いかがでしょうか。それから、防じんマスクの件ですが、直ちにそこから避難をするという御答弁がありましたが、私の記憶では、今、校名の挙がりました長橋中学校に勤務していた時代に、地震等の災害があったときの避難マニュアルの中に、アスベストが降ってくる可能性があるので、すぐ敷地外へ避難してくださいというふうにはなっていなかったように思いますが、いかがでしょうか。普通の場合、学校等の避難マニュアルは、地震があった場合については、すぐにグラウンドに飛び出していきなさいとなっていないのは御承知のとおりです。どういう状況なのかを判断するために、まず机の下に隠れる等、その場で頭等をきちんと保護して安全を確保する。その後に状況の把握をきちんとして、グラウンドに大きなひび割れ等ができている場合もあるわけですから、そこに慌てて出ていけば、もっと悲惨な事故にもつながるわけなので、そういうことを確認した上でグラウンド等へ避難しなさい。そして、避難経路や何かの確認をして保護者へ連絡をとるだとか、もう一度学校内へ戻るだとかというふうにすることになっております。その例でいけば、アスベストが降ってくるから学校の敷地外へみんなで直ちに避難をできるという状況には、今のマニュアルではなっていませんし、そういうふうなことにもならないと思います。こういう意味からも、状況によっては学校の敷地内にとどまる場合があるわけですから、やはりマスクを配備するべきだと考えます。それからもう一つは、避難マニュアルについてですが、アスベストが特に囲い込みで残っている学校については、もう一度きちんと、そこのところまで組み込んだマニュアルへの見直しが必要だと考えますが、その点についてどうでしょうか。
答弁 建設部長 飯田俊哉(建設部長は2012年2月まで)
市有施設の耐震工事につきましては、現在、学校と市営住宅を先行して、耐震改修工事を進めているところでございまして、今、議員から御指摘のありました一般公共施設については、先ほど安斎議員の質問にも市長から答弁させていただきましたけれども、各施設管理者を含めて、庁内でも議論を進めているところでございます。なお、市役所別館なり総合福祉センターについては囲い込みで工事をしてございますけれども、これについては、先ほど同じようにそういう建物が壊れるような震災が起きた場合には、まず建物外へ避難することが一番重要で基本だというふうに考えてございます。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 総務部長 迫俊哉(総務部長は2015年3月まで)
防じんマスクの件は、市長部局から答弁させていただきましたので、私から答弁させていただきたいと思います。市長答弁の中で、直ちに避難するということが基本であるということで答弁いたしましたけれども、一方、学校の避難マニュアルでは直ちに避難せよとはなっていないということでのお尋ねでございます。私も学校の避難マニュアルの詳細については把握しておりませんので、今後、教育委員会とも協議をしながら対応を検討させていただきたいというふうに思います。(「議長、17 番」と呼ぶ者あり)
再質問 17番 佐々木秩
そういうことで、よくお調べになって、市長がいつもおっしゃられているようにまずは子供の安全・安心が第一だと思いますので、そこを重点的にやっていただきたいと思います。例えば工事に従事する人がかぶるような本当のアスベスト用の防じんマスクというのは、一つ5,000 円も 6,000 円もするようなものなのですけれども、こういう緊急避難の場合、例えば今回の震災で、瓦れきを撤去するときや何かにつけるマスクは、DS2というレベルの防じん性能を持ったマスクでいいということで、一つ 100 円からある使い捨てで十分だと言われているのです。ですから、子供の人数は、いくらでも計算できるのでそういうこともぜひ考えに入れて対応をお願いします。