小樽市議会 令和7年第3回定例会 2025年9月10日
(1)歴史文化まちづくりについて/(2)特定利用港湾について/(3)アイヌ遺骨返還について
2025年9月10日、小樽市議会の一般質問で、佐々木秩議員が「歴史文化まちづくりについて」「特定利用港湾について」「アイヌ遺骨返還について」について質問し、市長 迫俊哉、教育長 中島正人、建設部長 山岸博史が答弁しました。
- 質問者
- 佐々木秩 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉、教育長 中島正人、建設部長 山岸博史
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 25番 佐々木秩
一般質問を行います。歴史文化まちづくりについて伺います。まず、歴史的風致維持向上計画の認定について伺います。小樽市歴史的風致維持向上計画、通称歴史まちづくり計画が、地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律、通称歴史まちづくり法に基づき、国の認定を受けました。2008年に歴史まちづくり法が施行されて以降、今回の認定により、認定都市数は100都市となり、また、小樽市の認定は北海道内で初の認定となるそうです。この質・量ともに膨大な計画の策定に御尽力いただいた関係者の皆様に、敬意を表しつつ、質問をさせていただきます。最初に、市長に伺います。今回、小樽市が歴史的風致維持向上計画の認定を受けたことに対する市長としての思いをお聞かせください。今後、実際に本計画を運用していくことになりますが、計画期間は本年より10年間、限られた期間の中で示されている事業を進めなければなりません。今後の事業計画の具体的な進め方について概要を説明してください。国の計画認定を受け、重点区域内で一定の要件を満たすと、景観改善推進事業や社会資本整備総合交付金事業などの支援措置・制度を活用できますが、この計画の中で活用を計画している事業があれば、お聞かせください。「文化財の保存・活用の現況と今後の方針」でも指摘されていますが、毎年ひっそりと古民家や石造倉庫などが取り壊されています。大きくて人目を引く歴史的建造物を保存活用することも大事ですが、そうした建造物の間にある古い商店や個人のお宅が小樽市のまちの歴史的景観をつくっているのではないでしょうか。こうした事態は今に始まったことではありませんが、本計画認定を機に、少しでも歯止めをかけることはできるでしょうか、お聞かせください。日本遺産は、文化財を核にした地域振興、主に情報発信・観光振興などソフト支援、歴史まちづくり法は、インフラや行事まで含む総合支援、重要伝統的建造物群保存地区は建物修理などハード中心と自治体を支援する役割はそれぞれ違っており、これら国の文化財制度を戦略的、効果的に使っていかなくてはなりません。こうした日本遺産、歴史まちづくり法、伝統的建造物群保存地区制度の3本柱で、小樽市の歴史文化を活かしたまちづくりを進めていくという戦略が必要です。今後の小樽市の歴史文化を活かしたまちづくりの進め方について、市の見解をお聞きします。次に、小樽市内の戦後建築について伺います。小樽市内で1950年から1960年代に建築された戦後建築について、文化財としての価値を評価する調査を一般社団法人日本建築学会北海道支部が進めているというニュースがありました。調査は昨年度末までの2年間、調査の対象施設は旧郵政省小樽地方貯金局(現市立小樽美術館・小樽文学館)など8件、具体的には、建物の規模や構造、設計者のほか、地域性や時代背景の影響を調査・分析し、歴史的価値があると判断された場合には、保全と活用に向けた課題や方策を検討するそうです。ちなみに、一般社団法人日本建築学会北海道支部は1992年に市教委の委託を受け、市内の戦前・戦中建築について調査を行って、リスト化し、ここから指定されたのが現在79件ある小樽市指定歴史的建造物です。また、旧郵政省小樽地方貯金局については、一般社団法人日本建築学会北海道支部正会員で小樽市文化財審議会会長も務める駒木定正先生が、その研究報告の中で、戦後草創期のモダニズム建築としての建築史的重要性を述べておられます。まず、お聞きしますが、市はこうした調査が行われたことについて把握していましたか。市がこの調査に協力、関わっていたこと、また、調査結果について情報があればお知らせください。市内の戦後建築について、1992年の歴史的建造物の実態調査のような、やはり体系的なしっかりした調査が早期に必要です。以前の答弁では、小樽市内の戦後建築についての調査は、歴史的風致維持向上計画の中でエリアを絞った調査を行うことは考えられるとのことでしたけれども、今回、歴史的風致維持向上計画の中で、そのような調査は予定されていますか。小樽市内の戦後建築の文化財的価値について、市の見解を伺います。現在、日本建築協会北海道支部が調査を行っている施設のうち、小樽市公共施設長寿命化計画においては、将来的に建て替え・統合となっている市役所本庁舎別館、市民会館の文化財的評価はしっかりと行うべきではないでしょうか。同支部とも連携し、市としての調査を進めるべきです。仮に、この2施設に文化財的価値があると判断された場合、計画ではどのように取り扱われますか。今回の歴史まちづくり法認定で、これら戦後建築物が、市の指定有形文化財建造物や国の登録有形文化財建造物などを受ければ、歴史的風致形成建造物の指定を経て、修理等の支援対象に入ってくるのではと考えますが、いかがでしょう。現在の本市の歴史文化観光の隆盛は、主に明治から昭和初期の建築物が残っているおかげです。それらの建築物に続き、途切れなく、戦後の建築物の文化財としての価値を認め、後世に伝え残していくことは、私たちの努めではないでしょうか。特定利用港湾について伺います。平素から自衛隊や海上保安庁が円滑に利用できるよう、特定利用港湾として小樽港を新たな対象にしたいと、国から打診を受けたとのことです。まず、この特定利用港湾については、市の資料によると、公共インフラ整備の取組の基本的な考え方の中で示されていますが、国の考え方や全国の特定利用港湾の状況などを御説明ください。全国で対象になった自治体などでは様々な議論が行われていますが、住民への説明が不十分とされ、反発や署名運動が発生。住民理解と説明責任に課題を残しているのが現状です。そこで、まず、6月26日にあった国からの説明内容と、それを受けて、港湾管理者である市から確認したことについて、お聞かせください。例えば、函館港の場合、内閣官房、防衛省、国土交通省から、「総合的な防衛体制の強化のための公共インフラ整備について」として、函館港における港湾施設の円滑な利用に関する確認事項が示されています。小樽市にも同様のものが届いていると市のホームページにも載っています。安全保障環境を踏まえた対応を実効的に行うための特定利用港湾における公共インフラ整備とは、どのようなことを行うのか、また、具体的に小樽港においてはどこの整備になるのか、説明してください。円滑な利用に関する枠組みについて、国が示している内容を簡潔に説明してください。また、その枠組みを設けることで、何が円滑になるのですか。北海道の港湾では、既に7港が特定利用港湾の対象になっていますが、さらになぜ小樽港が対象候補になったのか、理由の説明はありましたか。あればお聞かせください。災害時など緊急性が高い場合は「民生利用に配慮しつつ」とありますが、どの程度の配慮となるのでしょうか。港湾管理者である市は、自衛隊、海上保安庁と緊密に連携しながらと言いつつ、実質的に一方的な指示を受ける立場になる危惧はありませんか。一番の懸念は、小樽港が軍事的利用対象、実質的軍港化するのでは、結果、他国の攻撃対象になるのではという点についてです。市長が記者会見で、「我が国への攻撃を未然に防ぐための抑止力や、実際に対応するための対処力を高めていくことで、我が国への攻撃の可能性を低下させるものであり、ひいては我が国国民の安全につながる」と国の説明を引用して回答しています。私は、攻撃抑止力の考えには反対です。こうした抑止論が通常兵器であれ、核であれ、軍拡競争に歯止めが利かなくしてきた歴史的事実を、核兵器廃絶平和都市宣言をしている市として認めてはいけないと思います。こうした抑止論を基にした国の説明を引用した市長の意図を御説明ください。続いて、市の確認のための対応について伺います。市としては、「「円滑な利用に関する枠組み」の確認にあたっては、港湾関係者、地域住民等の理解を得ることが重要と考えており」とのことですが、私はその影響を想定すると、小樽港近辺の町内会だけではなく、広く全市民の理解を得る必要がある重い問題であると考えますが、地域住民とは、どの地域を想定しているのですか、御説明ください。市は、国に対して情報提供と説明を求め、協議・検討を進めていきたいとのことです。その際、国からの情報や協議事項は、今後、逐次市民に公開していくということでいいですか。国からの文書に対する回答は、本年12月までと聞いていますが、国との丁寧かつ十分なやり取りと、またそれを受けての市民理解を得るための時間的余裕はあると考えますか、見解を求めます。もし市民理解が進まなかった場合、国への回答判断は時間不足とし、12月には一旦保留の態度を示し、その後、市民からの疑問や不安に応えるために、国からの説明を再度受ける等の努力をすべきと考えます。もし、結果として市がそうした市の慎重姿勢を認めない場合、また、それら市の説明の上でも市民の理解が得られなかった場合は、特定利用港湾の確認は行わないべきです。市の慎重な判断を期待しています。アイヌ遺骨返還について伺います。令和6年第3回定例会で、明治期に研究のため、小樽市内にあったアイヌ民族の墓を掘り起こし、持ち去られたアイヌ民族の方々の遺骨や副葬品をふるさと小樽の地に戻そうという動きについて、これまでの小樽市のアイヌ民族の歴史や文化に触れながら質問しました。このたび、おおよそ4年がかりの活動が実を結び、7月14日、白老町の民族共生象徴空間、ウポポイ内の慰霊施設に一時的に収められていたアイヌ民族の遺骨19体と副葬品のほか、小樽市総合博物館に置かれていた1体が小樽市内の遺骨返還を求めていた団体、インカルシペの会に返還。同日、小樽市に移動し、翌15日から小樽市葬斎場にて焼骨。25日、中央墓地に埋葬、イチャルパを執り行い、地元のアイヌの遺骨を地元の土に返すという目標を達成できました。これもひとえに市内のアイヌ民族研究者や道内アイヌ民族の方々から成るインカルシペの会、その活動の中で発足した小樽アイヌ協会の皆さん、また、小樽市をはじめとする国や大学等の関係者の皆さんの理解と協力のたまものです。改めて敬意を表するものです。そこで、まず、市長に伺います。今回の小樽市へのアイヌ遺骨返還と埋葬が実現したことについての見解をお聞かせください。本市における遺骨返還と埋葬は、道内で恵庭市に続き2例目で、今後に続く遺骨返還の先例としての役割が期待されています。そこで今回の経緯や手法を再確認しておきたいという趣旨で、昨年に引き続き質問します。市の立場については、遺骨返還について直接的な当事者ではないが、団体からの要請を受け、遺骨返還が円滑に進むよう、国や関係機関との調整などを行っているとのことですから、市が把握している範囲でお答えください。まず、本来、小樽市に埋葬されるべき遺骨や副葬品が今後、遺跡等から出土した場合には、今回の例に倣って執り行われるのでしょうか。今回、国の返還の手続を定めたガイドラインに沿って進められましたが、この要件が厳し過ぎて、返還の申請がなかなか進まない要因になっているとの声が多く上がっています。現に小樽市でも、会や市で多くの労力と時間が、国や大学などの関係機関との調整にかかり、結果として4年を要したと聞きます。返還及び埋葬に当たり、市はどんな役割を果たしたのか、国や関係機関との調整内容を含めてお示しください。今回の返還にかかった費用についてですが、前回の答弁にもあったとおり、原則、遺骨を保管していた大学において負担すべきものとのことでしたが、関係機関とのやり取り内で紆余曲折があったようです。ウポポイに一時保管されていた遺骨の返還、埋葬の費用について、最終的に大学は負担したのかどうかも含めて、どのような考え方で関係機関と費用の分担をしたのか、お知らせください。今回、小樽市総合博物館の御遺骨もしっかりと慰霊した上で埋葬できたという事実も、私は特筆すべきことだと考えています。令和4年7月の文化庁の調査によれば、アイヌの人々の遺骨を保管している博物館等の数は18施設、個体を特定できた遺骨は136体あるそうです。当然この中には、小樽市総合博物館の1体も含まれていました。まず、古い話でしょうから、分かる範囲で結構ですが、小樽市総合博物館に遺骨が保管されていた経緯についてお知らせください。今回の遺骨返還で、博物館等のアイヌの人々の遺骨についても、尊厳ある埋葬をどのように行っていくのかという先例になるのではないでしょうか。小樽市総合博物館に保管されていた遺骨が、様々な儀式を受けた上で、小樽市に埋葬されたということについて、教育長の見解を伺います。以前の答弁で、アイヌ施策の今後の展望についてお聞きしたところ、答弁では、埋葬後の対応につきましては、アイヌ遺骨等の返還と埋葬を優先し、今後、取り組む内容を踏まえながら検討してまいりたいとのことでした。取り組む内容は様々あると思いますが、小樽市に住むアイヌ民族の方々から提案があれば、しっかりと協議を行い、可能な限り取り組むように希望しますし、市としても、アイヌに関する事業があれば、アイヌ施策推進地域計画にも取り組んでほしいと考えています。4年前、インカルシペの会が、遺骨返還について小樽市役所に協力をお願いしたところ、正直、当初は当惑の御様子でした。しかし、度重なる話合いの中で、担当部長がアイヌ遺骨返還は人権の問題だと認識していると発言してくれました。これがきっかけとなり、会と市が共に地元のアイヌの遺骨を地元の土に返すという願いを実現できました。また、市長が全道に先駆けて返還推進の御判断をしていただいたことに、最後に感謝したいと思います。再質問を留保し、一般質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 迫俊哉
佐々木議員の御質問にお答えいたします。初めに、歴史文化まちづくりについて御質問がありました。まず、歴史的風致維持向上計画の認定についてですが、計画の認定に対する私の思いにつきましては、本計画が北海道で初めての認定となったことは、本市の歴史的、文化的資源を活用するまちづくりにとって、大きな意義を持つものと考えております。認定はゴールではなく、新たなスタートでありますので、今後は本計画を通じて、市民の皆さんや関係団体の皆さんと連携を図りながら、歴史的な町並みや有形、無形の文化遺産の保全活用に取り組み、小樽市らしい歴史と文化を後世に継承してまいりたいと考えております。次に、今後の事業計画の進め方につきましては、本計画に記載した新規事業としては、今年度から本計画の中心的な事業である歴史的風致形成建造物保存支援事業に着手し、所有者の意向確認や建造物の指定を行うとともに、順次、未指定・未登録建造物調査事業や小樽市景観計画改定事業にも取り組んでまいりたいと考えております。また、これまで行ってきた歴史的建造物の保全に関わる助成事業などの既存事業につきましては、計画期間を通して引き続き実施してまいります。次に、国の支援措置や制度の活用につきましては、本計画では、歴史的風致形成建造物保存支援事業において、歴史的風致形成建造物に指定することにより、外観の修理や復元等に対する国の支援制度の活用を考えております。次に、古民家や石造倉庫などの取壊しにつきましては、私といたしましても、市が把握できないまま取り壊されている実態があると感じております。そのように石造倉庫などが失われていく実情については懸念しており、本計画の事業を推進することで、市民や事業者の歴史的景観に対する保全意識の向上を図ってまいりたいと考えております。次に、歴史文化を活かしたまちづくりの進め方につきましては、これまで取り組んできた日本遺産及び歴史的風致維持向上計画が認定されたことを生かし、文化遺産の保存と活用を一層推進するため、連携して事業を進めてまいりたいと考えております。伝統的建造物群保存地区制度につきましては、本制度の活用を望む声があることは認識しておりますので、引き続き調査、研究を行ってまいりたいと考えております。次に、小樽市内の戦後建築についてですが、まず、一般社団法人日本建築学会北海道支部が行った調査につきましては、令和5年10月に北海道支部長から市に対し、市内の戦後建築に関する調査への協力依頼があり、市が保有する旧郵政省小樽地方貯金局などの図面の閲覧及び写真撮影に協力したところであります。なお、現在のところ、調査結果の情報は頂いておりません。次に、歴史的風致維持向上計画における戦後建築の調査につきましては、本計画において、市内全域を対象とした未指定・未登録建造物調査事業を記載しており、この事業の中で、戦後建築も含めた調査を予定いたしております。次に、市内の戦後建築の文化財的価値につきましては、戦後建築については、戦後復興や高度経済成長を背景に建てられ、時代を反映した建造物として、一定の文化財的価値を有する可能性があるものと認識しております。次に、市本庁舎別館と市民会館に文化財的価値があると判断された場合の取扱いにつきましては、その価値や老朽化の程度を勘案し、小樽市公共施設長寿命化計画における当該施設の整備方針について改めて検討することが想定されます。次に、戦後の建築物が国の支援対象になるかにつきましては、市の指定有形文化財建造物などの価値づけがあり、所有者の同意を得て、歴史的風致形成建造物に指定されたものは、国の支援対象になるものと考えております。次に、特定利用港湾について御質問がありました。まず、特定利用港湾の国の考え方につきましては、運用に関しては、自衛隊や海上保安庁が平素から必要な公安を円滑に利用できるよう、インフラ管理者との間で円滑な利用に関する枠組みを設けること、整備に関しては、民生利用を主としつつ、自衛隊や海上保安庁の船舶の円滑な利用にも資するよう、必要な整備、または既存事業の促進を図ることのほか、自衛隊の駐屯地等のアクセス向上に向け、道路ネットワークの整備を図ることが示されております。また、全国の特定利用港湾の状況につきましては、本年8月29日時点で26港湾となっております。次に、国からの説明や本市から確認した内容につきましては、国からは先ほど申し上げました公共インフラ整備の概要のほか、小樽港を新たな対象とした理由や今後の進め方などについて説明がありました。また、本市からは、特定利用港湾となった場合の使われ方や、国が考えているスケジュールなどの確認を行ったところであります。次に、公共インフラ整備につきましては、国によりますと、民生利用を主としつつ、自衛隊・海上保安庁の円滑な利用にも資する岸壁や航路の整備に加え、既存事業を促進することで、港湾の利便性の確保や機能を強化することとされております。また、小樽港の整備につきましては、既存事業である北防波堤、北副防波堤及び中央ふ頭岸壁が示されております。次に、円滑な利用に関する枠組みにつきましては、港湾法等の既存の法令に基づき、関係者間で連携し、自衛隊や海上保安庁による柔軟かつ迅速な施設の利用について調整するためのものであります。また、この枠組みにより連絡・調整体制を構築し、年度当初などにあらかじめ具体的な運用のための意見交換を行うことで、現状、その都度行っている船舶の利用調整がより円滑になるほか、災害時の対応などにおいても、より迅速かつ安全に舞台や物資を展開、輸送することができるようになるなど、円滑な対応ができるものと考えております。次に、小樽港が対象候補となった理由につきましては、国からは部隊等の所在地の近傍に所在していることが対象候補の基本的な考え方にあり、本市の近傍には、真駒内駐屯地や余市防備隊があることから、後志地域や北海道の太平洋沿岸で災害が発生した際など対応が必要なときに、小樽港を使う可能性があるためと説明があったものであります。次に、緊急性が高い場合の民生利用への配慮につきましては、災害時など、その規模や緊急性の度合いにより個別に判断する必要があるものと考えております。次に、港湾管理者の立場につきましては、円滑な利用に関する枠組みは、自衛隊や海上保安庁の優先利用のためのものではなく、港湾施設の使用に当たっては、港湾管理者が関係法令等を踏まえ、適切に対応することとなっておりますので、一方的に指示を受ける立場になることはないものと考えております。次に、国の説明を引用した意図につきましては、私といたしましては、特定利用港湾になることをもって攻撃対象になるものとは考えておりませんが、記者会見では、攻撃対象となり得る可能性が高まることへの懸念についての質問でありましたので、国が示している国民の安全につながる見解を申し上げたものであります。次に、地域住民の想定につきましては、広く小樽港を取り巻く地域全体という観点であり、小樽港近辺の町内会だけといった特定の地域を想定したものではありません。次に、市民の皆さんへの公開につきましては、特定利用港湾の目的や内容、これまでの経緯などについて市のホームページで公開しておりますので、引き続き関連する情報などについて発信してまいりたいと考えております。次に、国へ回答するまでの期間につきましては、12月をめどとしておりますが、関係団体との説明状況などによっては、さらに時間を要する可能性もあるものと考えております。次に、アイヌ遺骨返還について御質問がありました。まず、小樽市へのアイヌ遺骨返還と埋葬が実現したことに対する見解につきましては、このたびの返還は、国が定めるアイヌの遺骨等の返還手続に関するガイドラインを踏まえ、進められたものであります。返還されたアイヌ遺骨等は、インカルシペの会の意向に沿って、小樽市中央墓地に埋葬されており、アイヌの精神文化や心情等を踏まえ、尊厳ある慰霊が実現されたことは、インカルシペの会をはじめ、広くアイヌの皆さんにとって大きな意義があったものと考えております。次に、今後、本市に埋葬されるべき遺骨や副葬品が遺跡等から出土した場合の対応につきましては、このたびの遺骨返還及び埋葬と同様に、アイヌの精神文化や心情等を踏まえ、尊厳ある慰霊の実現を図りたいと考えておりますので、アイヌの遺骨等が出土した状況に応じて、アイヌの団体や関係機関と協議の上、埋葬に関わる支援を検討することになるものと考えております。次に、返還及び埋葬に当たっての市の役割につきましては、費用負担や報道機関への対応などについて、国や大学などの関係機関との調整を行うとともに、返還後に埋葬を行うために必要となる焼骨や墓地の手配について支援を行いました。次に、ウポポイに一時保管されていた遺骨の返還及び埋葬に関わる費用分担につきましては、対象となった遺骨は19体であり、東京大学が16体、北海道大学が1体の保管をしておりましたので、各大学が保管数に応じて費用を負担しております。また、残りの2体は本市が発掘し、札幌医科大学、新潟大学にそれぞれ調査や保管を依頼したものであることから、本市が費用を負担しております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 中島正人
佐々木議員の御質問にお答えいたします。アイヌ遺骨返還について御質問がありました。初めに、小樽市総合博物館に遺骨が保管されていた経緯につきましては、明治40年頃、当時の高島村祝津で、にしん漁関係の工事の際に、偶然遺骨が出土したものと伝わっており、研究目的等のための収集行為ではなかったものと認識しております。昭和31年の小樽市博物館開館時の展示リストには、アイヌ人骨と表記があり、開館時に祝津で出土した遺骨が収蔵されていたものと思われます。なお、発見されてから、小樽市博物館の資料として収蔵されるまでの経緯については不明であります。次に、遺骨が埋葬されたことへの見解につきましては、偶然の発見が発端とは言え、長い間、博物館で保管されていたアイヌ民族の遺骨がインカルシペの会などの関係者の御尽力により、アイヌ文化に基づいた儀式を受けた上で、本市の墓地に埋葬することができたことは、極めて意義深い出来事であると考えております。(「議長、25番」と呼ぶ者あり)
再質問 25番 佐々木秩
何点か再質問させていただきます。歴史文化まちづくりの質問です。まちづくりの進め方について、市の見解をお聞きしました。日本遺産、それから小樽市歴史的風致維持向上計画については、今後も引き続いて進めていく。伝統的建造物群保存地区制度については、一歩違う意味合いで御回答がありました。引き続き、調査、研究を進めていくということだったと思います。そこで、お聞きします。これまでも伝統的建造物群保存地区制度について、力強く進めていってほしいという要望を何回かさせていただいておりますし、市民団体等からも来ていると思うのです。もう少し何とか具体的な話をしていただければと思ってお聞きするのですが、引き続き調査、研究ということですから、これまで調査、研究してきた内容があると思います。そこがどのようになっているのかお聞きいたします。それから、今後、調査、研究の方向性のようなものと、いつ頃までにそういう研究をしていくのかについて、何か展望等がありましたらお聞かせください。それから、特定利用港湾について何点かお聞きします。一方的な指示を受ける立場になる危惧はないかという質問をしたところ、そうはならないということでお答えいただいたと思います。それであれば、場合、状況によっては、自衛隊、海上保安庁の利用を断るようなこと、それから、変更を求めることもあるということでしょうか、お聞かせください。また、例えば、そういうことをするとすれば、どのような場合が想定されますか。もう一つ、市長へ、抑止効果、抑止力についての質問をさせていただきましたけれども、市長が引用したQ&Aのせりふは、我が国への攻撃を未然に防ぐ抑止力を高め、我が国への攻撃への可能性を低下させるもの、ひいては我が国、国民の安全につながると、これは、国民、それから国についてアンサーしている文章です。一方、小樽市について考えてみた場合、特定利用港湾になれば、小樽港に対しても攻撃を未然に防ぐための抑止力になるから、一定の抑止効果がある。これは、小樽港についても同じことが言えるとお考えでしょうか。市長のお考えをお聞かせください。それから、地域住民とはどの地域を想定しているのかとお聞きしたところ、特定の地域を想定したものではないという御答弁でした。それは、私が本質問の中でも言わせていただきました、広く全市民を対象にしていると受け取ってよろしいですか。もし、そういうことであれば、広く市民理解を得るために、どのような方法を取っていかれるか、お聞かせください。
答弁 市長 迫俊哉
佐々木議員の再質問にお答えいたします。特定利用港湾についての3点についてお答えいたします。1点目ですが、一方的な指示を受ける立場になる危惧はないかというお尋ねに対しまして、私どもとしては、一方的に指示を受ける立場になることはないものと考えているということで答弁させていただきました。あくまでも、国から示されている特定利用港湾の考え方というのは、民生利用を主としつつ、円滑な利用を図っていくということが目的ですので、商業利用、あるいは民間利用が行われている場合については、我々としては関係法令に基づいてお断りしたり、変更を求めることというのはあり得ると考えております。それから、私が記者会見で、抑止の部分で国の考え方を引用した件についてお尋ねがありましたけれども、私としては、小樽港が特定利用港湾を受け入れるということだけをもって、抑止力なり、対処力が高まるとは考えておりません。あくまでも国全体として取り組むことによって、新しい取組でもありますので、これまでと比べれば抑止力なり、対処力は高まっていくものと考えておりますけれども、あくまでも国全体としての取組の中で、そのようなことが考えられると考えております。それから、対象となる市民についてのお尋ねがありました。これについては昨日もお答えさせていただいておりますけれども、市民の皆さんへの周知につきましては、市のホームページはもちろんのこと、できるだけ多くの市民の皆さんが国から示された特定利用港湾の考え方に触れることができる方法を検討しながら、理解を求めていきたいと考えているところでございます。
答弁 建設部長 山岸博史
佐々木議員の再質問にお答えいたします。伝統的建造物群保存地区制度の活用について、これまでの調査、研究と今後の展望ということで御質問がありました。伝統的建造物群保存地区制度につきましては、これまで歴史的風致維持向上計画の策定を重点的に行ってきておりましたことから、具体的に調査、研究を詰めてきたということではありませんが、伝統的建造物群保存地区制度の認定の条件、住民の合意の条件ですとか、都市計画決定が必要ですとか、その辺の、伝統的建造物群保存地区制度の大まかな条件は調査してきたところであります。今後につきましては、伝統的建造物群保存地区制度の具体的な条件に合う地区も文化庁と確認が必要だと思っておりますし、それから住民の合意、具体的に要望があることは把握しておりますが、その地区の住民の合意が本当に取れているのかの話合いをして、まずはそういうところから調査、研究に入っていきたいと考えております。(「議長、25番」と呼ぶ者あり)
再々質問 25番 佐々木秩
再々質問を1点だけさせていただきます。市長から、抑止力、抑止効果は、小樽港に対してはどうなのかということで質問させていただいたら、あくまでもこれは国全体として捉えているのだというお話がありました。そこで、再々質問で確認しておきたいことというか、昨日、共産党の代表質問の中で、ジュネーヴ条約の話をされておりました。ジュネーヴ条約は、国際的武力紛争の犠牲者の保護に関するジュネーヴ諸条約追加第一議定書第52条というところに当たるのです。これは何が書いているかと言うと、民用目的の施設への攻撃を禁止する、民用物は、攻撃の対象から保護されるべきであることを規定している条約の項なのです。この項を裏返しにすると、民用物であっても、それが軍事的活用に効果的に資するものとして使用されている場合には、軍事目標になり得るという解釈が成り立つということが言われているのです。そのことを共産党の代表質問でも多分おっしゃっていたと思いますし、私もそのように解釈をしているのです。それが結局、国のQ&Aの中にもあったように、自衛隊員を乗船させたり、降ろしたりという訓練、それから弾薬や何かの積卸しもしている。平時のときからそのようなことをして、それが有事につながっていけば、これはひょっとすると軍事行動につながる、軍事行動そのものだろうと捉えるとしたら、先ほどのジュネーヴ諸条約第52条の例外規定に当てはまる。それは、イコール攻撃対象になるということになるわけです。だから、抑止効果のことについて述べているわけですけれども、こういうことはきちんと調査、研究しなければ分からないことでもあるし、解釈の仕方によってはいろいろなこともあります。こういう例は、国のQ&Aや説明をうのみにしていくと、どうしてもそういうことは、大したことはないという認識になる可能性が高い。そうではなくて、私が質問で聞きたかったのは、そういう抑止効果も含めて、やはりきちんと市が独自の調査、研究をしていただいて、判断を下していただきたい。そういう調査、研究をきちんと独自に進めていっていただきたいのですが、どうでしょうかという再々質問です。市民の皆様が安全・安心に住み続けられるまちづくりを推進すると、市長はいつもおっしゃっておられます。安心・安全をきちんと担保するためにも、どうかこうしたところをしっかりと研究、調査していただいた上で、判断していただくようにお願いいたしたいと思います。
答弁 市長 迫俊哉
再々質問にお答えいたします。昨日来、お答えさせていただいておりますが、今回、国からはQ&Aが示されておりますけれども、我々としてもまだ不確かな部分といいますか、分からない部分も数多くあります。具体的に申し上げますと、特に商業港である小樽港でどのような形で、民生利用を主とした円滑利用が運用されていくのかについては、しっかりと国に確認させていただきながら、最終的に判断させていただきたいと思っておりますので、御理解いただければと思います。