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小樽市議会 令和6年第3回定例会 2024年9月11日

アイヌ遺骨返還・アイヌ施策について

2024年9月11日、小樽市議会の一般質問で、佐々木秩議員が「アイヌ遺骨返還・アイヌ施策について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。

質問者
佐々木秩 議員
答弁者
市長 迫俊哉

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 25番 佐々木秩

一般質問をします。アイヌ遺骨返還・アイヌ施策について伺います。アイヌ民族の誇りや人権に関わる問題が多く注目される中、不正な方法で持ち去られたアイヌの人たちの遺骨をふるさとに返還する動きが多くの地域で起こっています。それは、本市においても例外ではありません。まず、小樽市でのアイヌ民族の歴史について触れます。小樽市のまちには桜チャシという望洋東公園の遺構、船浜遺跡、色内、勝納、忍路など、多くのアイヌ語地名が存在し、かつてはアイヌの人たちの大地であったことがうかがわれます。縄文以来の先住民族の歴史が累々と築かれていたのです。小樽市の名前の由来となるオタルナイ地域に限っても、1806年の記録では、クッタルシ、今の入船から、海岸に沿ってオタスツ、今の銭函までに、アイヌのコタン、集落があり、1822年には43軒、150人が住んでいたとの記録があります。1869年、開拓使が設置され、北海道がアイヌの大地から日本の国土となり、和人の開拓が本格的に始まり、その最先端のまちとして、小樽市は鉄道が走り、運河や石造倉庫群が造られていきます。これらが今やほかにない歴史とロマンのまち小樽市として観光資源となっています。しかし、そこに住んでいたはずのアイヌの人たちはどうしたのか。資料にはなかなか残っていないのですが、オタルナイの都市化に伴い、開拓使によって何度も強制移住させられた事実があったようです。結果、地域のコタンは消滅、小樽市のアイヌの人たちの存在は、和人の歴史の陰に隠れてしまいました。こうした中、1888年に人類学者である東京帝国大学の小金井良精が自らの研究のため、小樽市内にあったアイヌの墓から遺骨や副葬品を掘り出し、持ち去りました。小樽市のアイヌ遺骨はその後、ふるさとの墓に戻ることなく、時を経ます。余談になりますが、小樽の歴史というと、どうしても和人の明治以降の歴史ばかりが目に行きがちですが、こうしたこの地の先住民であるアイヌの人たちのこと、そして、その虐げられてきた歴史にも目を向けるべきでしょう。2007年、先住民族の権利に関する国際連合宣言に日本も賛成し、国連で採択されました。その中で、先住民族の遺骨返還に対する権利が明記され、国に返還を可能にする努力を求めています。これを受け、日本においてもようやくアイヌの遺骨返還の動きが始まりました。こうして、政府は2017年、出土地域が分かる遺骨について、地域のアイヌ民族団体が要望した場合に返還する方針を発表。2018年には、文部科学省は各大学が保管する遺骨の返還ガイドラインを示し、各大学で保管する遺骨についても返還に向けた動きが加速していますが、返還申請がなかった遺骨はウポポイへの集約が進み、2019年には全国12大学の遺骨が集められ、現在に至っています。では、小樽市での返還の動きはどうなっていたかについてですが、先ほど述べたように行政による強制移住によって、もともといたアイヌの子孫が小樽市にはいません。そこで、市内外のアイヌの皆さん、和人有志の皆さんなどで構成する団体で、返還協力の申入れを市に行い、小金井が盗掘した大量のアイヌ遺骨、その後の考古学発掘で出土した遺骨を返還し、小樽市のいずれかの地に再埋葬できないかと動き出しました。ふるさとの地から持ち出された遺骨はふるさとの土に返してあげたい、その思いです。その団体と市が協力し、現在、国に対して返還の手続を進めている状況とお聞きしています。そうしたことなども踏まえ、改めて小樽市のアイヌ遺骨返還の動きについてお聞きします。そもそも小樽市で出土し、小樽市で再埋葬されるべき遺骨は何体あるのでしょうか。また、同時に出土した副葬品の情報もお伝えください。アイヌ遺骨返還を求める団体、インカルシペの会とはどういう団体か。また、遺骨返還に対してどういう立場なのか説明ください。一方、市としては、本市へのアイヌ遺骨返還についてどのような立場で関わっているのでしょうか。市内からの出土が明らかなアイヌ遺骨等の返還手続はどの程度、進んでいますか。現状についてお聞かせください。インカルシペの会が国土交通省に提出した出土地域特定遺骨等返還申請書では、返還を求める出土地域特定遺骨等の納骨または埋葬の予定地を示す書類の添付を求められますが、申請書上、この予定地はどこになっていますか。また、市の想定する場所も同じでしょうか。返還後の埋葬方法や、その後の祭祀供養等について、配慮すべき点はありますか。また、返還に係る費用負担について説明願います。いずれにせよ、本市から出土したことが確認されたアイヌ遺骨は、ふるさと小樽の地に尊厳の念を持って再び葬られることになるという点はよろしいでしょうか。次に、小樽アイヌ協会設立と小樽市の対応について伺います。こうしたアイヌ遺骨返還の動きに呼応する形で、市内においてアイヌ民族の方3人が昨年11月に公益社団法人小樽アイヌ協会を設立しました。同協会では、これまで協会はなかったが、小樽市にはアイヌの歴史があり、今もアイヌがいるということを伝えたいと述べ、今後、伝統文化の発信活動などを行う予定とのことです。まずは小樽市における遺骨返還をしっかりと進めた上で、今後について、公益社団法人小樽アイヌ協会も発足したことも踏まえ、2019年5月に施行されたアイヌ施策推進法、アイヌ新法にのっとった施策を本市においても進めるべきと考えます。アイヌ施策推進法や同法に基づく交付金について概要を説明の上、その中での小樽市の役割について御説明ください。市は、こうした推進法や関係団体設立などの動きを受けて、アイヌ施策推進やアイヌ協会との対応窓口となる部局の設置など、どのような展望を持っていますか、お考えをお聞かせください。最後に、これまでも市は、アイヌの方々の心情を踏まえ、その歴史や精神文化を理解、尊重した対応をしていただいているとのことです。今後も引き続き同様にお願いいたします。再質問を留保し、質問を終えます。(拍手)

答弁 市長 迫俊哉

佐々木議員の御質問にお答えいたします。アイヌ遺骨返還・アイヌ施策について御質問がありました。初めに、小樽市で出土し、再埋葬されるべき遺骨と副葬品につきましては、現在、民族共生象徴空間、いわゆるウポポイから返還されることとなっている遺骨は19体、そのほか、小樽市総合博物館において1体保管しておりますので、再埋葬されるべき遺骨は20体となっております。そのうち8体の遺骨には副葬品があり、主なものとして、太刀やつばなどがあります。次に、アイヌ遺骨返還を求めるインカルシペの会につきましては、先人の遺骨を小樽市の地に戻すことを目的に、地元のアイヌの方を代表として結成され、現在は国土交通省からアイヌ遺骨等の地域返還対象団体として特定された団体であります。また、市の立場につきましては、遺骨返還について直接的な当事者ではありませんが、団体からの要請を受け、遺骨返還が円滑に進むよう、国や関係機関との調整などを行っております。次に、アイヌ遺骨の返還手続の現状につきましては、インカルシペの会は、本年7月に国土交通省から遺骨等の地域返還対象団体に特定されましたので、市としましても、団体と協力をしながら、アイヌ遺骨等の返還に係る具体的な方法や費用負担等について、現在、国や大学と協議を行っているところであります。次に、返還を求める出土地域特定遺骨等の納骨等の予定地につきましては、申請団体とは、この間、その予定地についても協議を行ってきた経過があり、本市の提案に対する団体の意向も確認したところです。この協議結果を踏まえ、申請書には、市営墓地である小樽市中央墓地内の一区画を記載したことを確認しており、本市が想定する場所と同一の区画となっております。次に、埋葬方法などにおいての配慮すべき点につきましては、インカルシペの会からは、アイヌの文化にのっとり、埋葬や祭祀供養を行いたいとの意向が示されておりますので、可能な限り、返還団体の意向に沿った形で進められるよう協力してまいりたいと考えております。次に、返還に係る費用につきましては、原則、遺骨を保管していた大学において負担すべきものと考えており、団体と協力しながら、現在、文部科学省や大学と協議を行っているところであります。次に、アイヌ遺骨の埋葬につきましては、文部科学省が平成30年に作成した、大学の保管するアイヌ遺骨等の出土地域への返還手続に関するガイドラインにおける遺骨返還の考え方として、アイヌの精神文化やアイヌの人々の心情等を踏まえ、尊厳ある慰霊の実現を図ることとされておりますので、その趣旨に沿って埋葬されるものと考えております。次に、アイヌ施策推進法及び交付金の概要と市の役割につきましては、アイヌの人々の民族としての誇りや自発的意思の尊重等を法の基本理念とし、アイヌの人々が抱える様々な課題の解決や、総合的かつ継続的にアイヌ政策を推進することが基本的な考え方とされております。推進に当たっては、市がアイヌ施策推進地域計画を作成し、内閣総理大臣の認定を受けることで交付金を活用することができるとともに、市は、計画に記載された事業を推進する役割を担うこととなります。次に、アイヌ施策推進やアイヌ協会との対応窓口につきましては、現在、アイヌ遺骨等の返還と埋葬を優先し、総務部を中心に対応しているところでありますが、埋葬後の対応につきましては、今後、取り組む内容を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。

出典:小樽市議会 令和6年第3回定例会 2024年9月11日 議事録 PDF(119ページ) 間違いを知らせる