小樽市議会 平成22年第1回定例会 2010年3月2日
(1)地方自治の姿について/(2)財政について/(3)環境保全について/(4)介護問題について/(5)若者の雇用就労支援について/(6)子どもの貧困について/(7)教育課題について
2010年3月2日、小樽市議会の一般質問で、佐々木勝利議員が「地方自治の姿について」「財政について」「環境保全について」「介護問題について」「若者の雇用就労支援について」「子どもの貧困について」「教育課題について」について質問し、市長 山田勝麿、教育長 菊譲、医療保険部長 中村浩が答弁しました。
- 質問者
- 佐々木勝利 議員
- 答弁者
- 市長 山田勝麿、教育長 菊譲、医療保険部長 中村浩
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 19番 佐々木勝利
第1回定例会に当たり、民主党・市民連合を代表して質問いたします。まず、2010年は節目の年です。一つ、敗戦から65年、日米安保条約改定から50年、平和の問題です。一つ、年金増額など福祉元年から37年、まさしく少子高齢化問題。一つ、地球温暖化防止の京都議定書から13年、地球環境問題。一つ、21世紀の10年目。そして、地域主権改革元年。私は本年を日本の将来を考える元年にしたいと思っております。過去10年間、経済や社会保障の基本的問題は解決されませんでした。今から10年後には65歳以上の人口が29.2パーセントと3割に近づくこの10年が勝負のしどころだと思います。若い世代や将来世代への生活を守ることを真剣に考え行動しなければならないと思います。質問に入ります。初めに、地方自治の姿についてであります。地域のことはその地域に住む住民が責任を持って決める。この地域主権の実現は、単なる制度の改革ではありません。国の形の一大改革であります。住民に一番身近な基礎的自治体を重視した分権改革を推進し、これまでの中央集権制度を抜本的に改め、地域主権国家を樹立することにあります。地域主権国家の母体は、基礎的自治体、現在の市町村とし、基礎的自治体が担えない事務事業は国が担うという「補完性の原理」に基づいて改革を進めるものであります。基礎的自治体については、その能力や規模に応じて生活にかかわる行政サービスをはじめ、対応可能なすべての事務事業の権限や財源を国及び都道府県から大幅に移譲するものであります。鳩山政権が地域主権改革のために設ける「国と地方の協議の場」の法案の骨子がまとまり、今国会での成立を目指しています。参考までに、法案の骨子は次のようになっております。目的は、地域主権改革の推進、構成員は、主要団体と地方六団体のそれぞれの代表を議員とする。議長は官房長官を予定、首相についてはいつでも出席できる条件としております。協議事項は、国と自治体の役割分担、地方行財政、地方税制、社会保障、教育など。開催は首相が招集の、地方側も臨時会議の招集を求めることもできる。協議報告については、議長は、協議の概要を国会に報告、各議員には結果の尊重義務。こう記されております。これが設置されれば、政府と自治体が行財政、税制から社会保障、教育など地方自治にかかわる広範な政策を企画立案の段階から話し合う初めての場となる、こういう構想であります。そこで、この新政権の地域主権に対する市長の御所見を伺います。次に、財政について。1点目、2009年度の決算見込みについてであります。改めて確認したいと思います。一般会計における2009年度の予算上の累積赤字額は、補正予算を提出した時点で4億9,100万円となり、単年度収支は財政健全化計画上の1億1,600万円の黒字を確保して2年連続の黒字となる見通しのことですが、実際のところはどうなのでしょうか、詳しく説明してください。そして、財政健全化法上の各指標の数値はどうなるのか、今後の見込みを含めて説明いただきます。2点目は、2010年度予算についてであります。2010年度の一般会計の当初予算は、2009年度をやや上回り、551億6,000万円となっております。その内訳を見ますと、歳入の市税収入は前年度と比べ9億3,600万円と6.3パーセントの減少、地方交付税は前年度と比べ5.8パーセントの増、また、国が徴収し、地方自治体に譲与される所得税、消費税の地方譲与税交付金などについては、2009年度に比べると約1,900万円の減となっております。一方、歳出を見ますと、民生費は障害者福祉費や子ども手当、生活保護費の増加などにより、約18億7,200万円の増となっております。そして、衛生費は北しりべし廃棄物処理広域連合への負担金などの増加により約1億円の増加となっております。公債費については69億1,200万円で、公的資金の借換えに伴う減などにより、2009年度と比べ9億5,000万円の減となっております。また、職員給与費で見ますと、職員数の減少などにより約1億4,300万円の減となっています。そこで伺います。初めは、予算編成に当たり特に留意した点は何かについて、説明をしてください。また、累積赤字解消を目指す財政健全化計画が順調に進む中で編成した新年度予算について、その特徴と問題点をお示しください。昨今、財政健全化のための自治体の工夫や試みとして、遊休資産の売却など各種の増収策に乗り出しています。また、近年盛んなのが、公共施設に名称をつける命名権を企業に売却する試みです。また、地域密着型のインターネットサイトを開設して、増収を図る自治体も出現してまいりました。一方、人口を増やして税収増を図る王道の方法を目指す自治体もあります。例を挙げます。若者定住集合住宅の建設に取り組む長野県の下條村では、2003年から2006年の出生率の平均が2.04を記録しておりますが、ここの集合住宅は60平方メートルの2LDKで家賃は月3万6,000円、隣の飯田市の約半額で借りられるとあって、若い夫婦の定住化が進んだ事例であります。また、まちのさらなる活性化に向けて地方自治体の財政難を救うカンフル剤はないのかと模索している地方自治体もありますが、大事なことは、まちづくりには外部の目が必要だと指摘されています。再開発の結果、個性を失ってしまったまちには魅力は生まれません。今、外部の人が求めているのは、どこにもないものではなく、今あるもの、よそから来た人がそのまちのよさがわかるものだと指摘されております。以上、この点については問題提起と政策提言とさせていただきます。次に、環境保全について。今、地球にかけられた布団が厚みを増しているというような指摘もあります。世界気象機関(WMO)によると、二酸化炭素(CO2 )などの温室効果ガスの世界平均濃度は、2008年、過去最高値を記録しました。毎年41億トンもが大気中に蓄積されている状態です。鳩山首相は、温室効果ガスを2020年に1990年比で25パーセント削減すると世界に向かって宣言しました。産業界から厳しい目標だと指摘が出ていますが、温暖化やCO2 削減に取り組まなければならないと思います。削減目標は不可能な数字ではないという見方があります。環境省がまとめた研究に基づくと、エネルギーを使う側が省エネ努力で削減目標の半分が達成可能、残りは供給側が化石燃料から太陽光などの新エネルギー源に代替することなどで削減が可能というように押さえております。こうした努力で低炭素社会をつくることが可能だとしています。そこで伺います。懸案だった小樽市環境基本条例制定と環境基本計画の策定に向けた取組が進められております。現在までのこの進ちょく状況とその見通しについてお知らせください。こんな特集記事が載っていましたので紹介します。北海道では空から降る雪も氷も生かすことができます。例えば、新千歳空港では、まさに本年2010年から除雪した雪を空港内の夏の冷房に活用することにしています。稼働すれば年間で2,100トンのCO2 が削減できると見込まれております。また、北海道は新エネルギーの宝庫だとされています。バイオマスがあります。生物体や生物からできた有機物であれば、何でもエネルギーになると言われてもいます。利尻では、島に繁茂するササを使う計画があります。自分たちの身の回りにあるものもエネルギーの可能性があると言われております。北海道は、地理的にも新エネルギー普及の大きな可能性が秘められていると言われております。エコはエコロジー、環境保護であり、エコノミー、節約でもあります。新たな雇用と自然との共生が両立できる、つまり豊かな低炭素社会を実現できる大地なのだと言われています。せっかくの可能性があるのなら、世界のモデルを目指してもいいのではないでしょうか。これから取り組む課題が見えてきました。以上、問題提起と政策提言にさせていただきます。次に、介護問題についてです。低所得で身寄りがなく、体が弱った高齢者が見捨てられています。こんな事件の記事がありました。昨年3月、入居者10人が犠牲になった群馬県渋川市の高齢者向け施設、「静養ホームたまゆら」での火災でそれが明らかになりました。夜は外からかぎをかけられ、当直職員は1人という貧しい介護。火災報知器はなく、ベニヤ板で増設された建物だったため、火の回りが早かったとのこと。運営するNPO法人の理事長は、業務上過失致死の疑いで逮捕されました。犠牲者の6人は、東京都内の特別養護老人ホームなどに入れず、たまゆらを頼ったそうであります。事態を改善するために、東京都は、スタッフが24時間いて、食事も出る低家賃の高齢者住宅を整備していく方針を決めたそうであります。だが、安心して介護を受けられる場が不足しているため、苦しんでいるのは何も低所得者や身寄りのない高齢者に限らない、中間層や比較的豊かな階層の人々にとっても、介護問題は深刻であります。そこで、市長の受止めと御見解を伺います。特別養護老人ホームは、入所希望者の多くは、待機状態にあります。有料老人ホームは入居一時金も毎月の費用も高い。病院では高齢者が長い間入院するのは難しく、原則として3か月ほどで退院を勧められます。自宅で介護を望む人は多い。しかし、今の介護保険制度では十分な介護を受けられず、家族に負担を強いられているケースが多いのが現状であります。そして、家族に介護疲れが広がっているのも事実です。そのため、特別養護老人ホームへの入居希望者が増えているのが現実です。まず、必要なのは、特別養護老人ホームやグループホームなどの増設とケアの改善、施設整備や人材配置への補助金を大胆に増やすことが国に求められているのではないでしょうか。新政権は、療養病床を削減する介護療養病床再編計画を現在、凍結し、介護の場から追い出されたり、長い間入所待ちを余儀なくされたりしないよう、将来にわたって必要な病床数を確保することを検討しています。また、地域における各種病床間、施設間の連携を促進し、適切な医療・介護提供体制を構築するとしています。また、40万人の施設入所の待機者を解消するため、現行の施設整備計画の3倍のスピードで、質の高いグループホームをはじめ、特別養護老人ホームや老人保健施設、そして地域に応じた小規模多機能施設を増設するとしています。介護保険制度は国民の共同連帯の理念によって成り立ったものであり、家族介護だけに負担を強いるのではなく、介護を必要とする人に良質なサービスを提供するよう、介護基盤整備の拡充に力を入れなければなりません。そこで小樽市の現状と課題について具体的に伺います。1点目、各施設サービスの実態把握と今後についてお示しください。2点目は、各居宅サービスの実態把握と今後についてもお示しください。介護問題は、21世紀の世界の問題だと言われています。日本の介護は、本格的に動き出してまだ10年と言われています。制度の抜本的改善と介護分野では働く人々の努力が組み合わさっていれば、必ず日本は介護先進国となり、全世界に向け日本が指導性を発揮する日が来るのではないかと、現在、東京下町の柳原診療所長の増子忠道氏は力説しています。それから、人が亡くなる場所は、かつて自宅がほとんどでしたが、70年代に逆転して、現在は8割近くが病院で亡くなる。最近はそれに加え、介護施設で亡くなるケースも増加し、新たなみとりの場になっていると言われています。こんな発言をしている人がいます。「介護施設は入居者にとって生活の場である。病院ではなく、最期まで住みなれた場所で死にたいという高齢者の願いをかなえようと、終末期医療に対応する施設も少しずつ増えている。」と、これはワタミ株式会社代表取締役CEO渡邉美樹氏の提言であります。次に、若者の雇用就労住宅についてです。今年の文部科学省の調査による2月23日発表によると、今春卒業予定者の高校生の昨年12月末時点での就職内定率は、前年同時期と比べて7.5ポイント低い74.8パーセント、卒業が間近になっても前年より1万人多い4万6,000人の職場が決まっておらず、本年の高校卒業予定者が直面する就職の難しさが改めて浮き彫りになったのであります。前年同時期と比べて7.5ポイントという下げ幅は、毎年12月末のデータとしては1976年度の調査開始以来、過去最大と言われています。道内は8.3ポイント減の56.2パーセント、それから、都道府県別で沖縄県に次いで下から2番目の46位であります。道内は就職希望者1万837人に対し、内定者は6,087人、男子の内定率は10.2ポイント減の62.6パーセント、女子は6.1ポイント減の49.4パーセントで、男子が大きく下落したと言われます。道内での就職希望者の内定率は53.9パーセントで、10月末と比較して道外希望者79.5パーセントとの差が縮まったようであります。そこで伺います。小樽市の実態把握していることについてお示しください。雇用失業情勢の悪化に伴い、派遣労働者を含む多くの非正規労働者が職場を追われて、ネットカフェで寝泊まりしなければならない人が増加していると言われています。この状況を改善するため、民主党は「住まいと仕事の確保法」を制定して、住居がなく安定した就職が難しい若者などに対して、ハローワーク、自治体、企業の連携の下、カウンセリングや職業紹介、職業訓練、賃貸住宅への入居などの支援、また自立を希望する若者が安定した職業につけるように、若年者等職業カウンセラーによるハローワークでの就労支援、二つ目に個別就労支援計画の作成などによる職業指導、三つ目には民間企業での職業訓練などを行う予定であります。教育機関、企業、国、自治体が連携して職業体験学習や企業見学、インターンシップなどを行い、若い世代の就労意欲の向上を図るとされています。そこで伺います。小樽市のこれまでの取組、特に新規高卒者の具体的な取組について、実績と成果をお示しください。また、今後、新規施策、また予定していることがあれば、お示しください。次に、子供の貧困の問題について。給食のない夏休み、体重の減る子がいる。1日の主な栄養源が学校給食だけという子供たちがいます。現代日本の子ども白書による現在の子供の貧困ということであります。私たち社会のあり方が問われています。日本教職員組合の教育研究全国集会が1月23日から3日間、山形市で開かれました。新聞でも報道されております。教研集会でも貧困、格差に苦しむ報告が次から次と発表されました。広がる格差社会の中で不況の影響を受けて「弁当代がないため、お昼を抜いている。」「自宅のガスや電気がとめられた。」とか、家族3人で1週間を200円でしのぐ女子生徒や母子家庭の母親が疲労で倒れたり、修学旅行代が払えない男子生徒がいて、家計を支えるため、アルバイトをさせたいと望む親もいるという。これが現実です。貧困や格差は社会問題であり、子供の責任ではないと思います。昨年は子どもの権利条約が国連で採択されて20年を迎えました。また、日本が条約を批准して15年になります。しかし、どうでしょう。子供たちの状態は悪くなるばかりでよくならないのが現実です。大人は子供たちが今一番求めていることを子供たちの側に立って発言していくことが求められているのではないでしょうか。そこで、教育長の御所見を伺います。共通理解のために確認したいと思います。子供の貧困とは、子供が経済的困難と社会生活に必要なものの欠乏状態に置かれた発達の諸段階におけるさまざまな機会が奪われた結果、人生全体に影響を与えるほどの多くの不利を負ってしまうことであります。これは本来、社会全体で保障すべき子供の成長発達を個々の親や家庭の責任とし、過度の負担を負わせている現状では解決が難しい重要な社会問題なのです。人間形成の重要な時期である子供時代を貧困のうちに過ごすことは、その後の成長発達に大きな影響を及ぼし、進学や就職における選択肢を狭め、みずから望む人生が選び取ることができなくなる、いわゆるライフチャンスの制約をもたすおそれがあると言われます。子供の今と同時に、将来を脅かすもの、それが子供の貧困なのです。子供を取り巻くますます厳しくなる環境を、何としても大人の責任で解決しなければならないと考えます。最後に、教育課題について何点かお伺いします。1点目は、昨今の経済状況を見たとき、保護者の所得は目減りし、経済的格差が教育格差を招くことが懸念されます。しかし、子供たちには夢の実現や明日への希望を確信させたいものです。そのためにも、教育予算を増額し、経済的格差、教育的格差を是正し、教育環境の整備、充実に投資すべきと言われます。教育への投資は未来への投資、子供への投資という観点に立って新年度教育予算を見たとき、教育長はどう評価していますか。新政権の下で、教育政策が大きく様変わりしようとしていますが、この転換をどう受け止め、どのように教育行政を推進していこうとしているのか、お聞かせください。再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
佐々木議員の御質問にお答えいたします。初めに、地域主権についての私の所見ということでありますけれども、この地域主権の確立に当たりましては、地域が持つ特性を生かしながら、豊かさを実現するため、地方自治体がみずからの判断と責任において行政サービスを展開しなければなりません。このためには、税源移譲による地方税の確保、地方交付税の増額など、地方が自由に使える財源の確保が不可欠でありまして、また、多様な地方の声を聞き、国と地方が十分協議を行いながら、さまざまな施策の制度設計に意見を反映していくことが重要であると考えております。ぜひ、こういう方向で地域主権の確立がされるように期待しているところであります。次に、財政問題に関しまして、まず平成21年度一般会計の決算見込みでありますが、普通交付税は予算に対して増額とはなりましたが、既に地域経済活性化等推進資金基金への積立てをはじめ、これまでの補正予算の財源として使用しているなど、本年度も大変厳しい財政運営となっております。したがいまして、単年度収支の黒字確保に向けては、さらなる財源対策が必要と考えまして、本定例会において減収補てん債や北海道市町村振興基金等の市債の増額を計上したところであり、このことなどによりまして、本定例会補正後における予算上の単年度収支は、1億6,700万円程度の黒字となる見込みであります。市税収入や除排雪経費など、まだ不確定な要素もありまして、現時点ではそれ以上のことを申し上げる段階ではありませんが、財政健全化計画上の単年度収支の目標数値であります1億1,600万円の黒字の確保に向けて、残された期間につきましても、歳入の確保等にさらに努めてまいりたいと考えております。次に、いわゆる健全化判断比率でありますが、本定例会補正後の予算上の収支を基に試算いたしますと、実質赤字比率は1.5パーセント程度、連結実質赤字比率は3.7パーセント程度と、いずれも平成20年度決算よりも若干改善する見込みとなっております。なお、実質公債費比率と将来負担比率につきましては、算定する際に用いる係数にまだ不確定要素が多いことから、現時点では試算しておりません。次に、今後の健全化判断比率の見通しでありますが、22年度以降も市の各会計とも厳しい財政状況にあることには変わりがないと考えておりますが、特に多額の赤字を抱える会計のうち、一般会計については健全化計画上の毎年度の目標達成に努めるとともに、病院事業会計や国民健康保険事業特別会計についても、それぞれ今後も全力を挙げて収支改善の取組を進めまして、実質赤字比率や連結実質赤字比率の改善に努めてまいりたいと考えております。また、実質公債費比率と将来負担比率については、20年度決算ではいずれも早期健全化基準を大きく下回っており、現在のところ比率が大きく増加する要素はありませんが、将来的にもいわゆる危険水域に入ることのないよう、その動向には十分注意してまいりたいと考えております。次に、平成22年度の予算編成に関しての特に留意した点などについてでありますが、基本的な姿勢として、事業の厳選や財政健全化の取組などを継続して、緊縮予算を編成するとともに、一方で限られた予算の中で国や北海道などの施策と呼応した施策、特に、経済・雇用対策を重点的に実施することを念頭に置いて編成作業を行ったところであります。総じて申し上げますと、一般会計における歳入では、臨時財政対策債を含む実質的な地方交付税の増額は見込めたものの、個人市民税など市税収入の大幅な減少が避けられないこと、また、歳出では北しりべし廃棄物処理広域連合負担金や扶助費の増加が見込まれることなどによりまして、21年度の当初予算に比べて減少したとはいえ、引き続き他会計からの借入金や職員給与等の削減継続による財源対策を講じざるを得ず、あえて問題点ということではありませんが、今回の編成作業につきましても、大変厳しい状況だったと思っております。そのような中にありましても、21年度補正予算との連携を図る中で、地元企業に対する発注を前提とした公共事業費の確保に努めたほか、国の雇用対策交付金関連事業の実施や地域経済活性化等推進資金基金の積極的な活用などによる雇用対策や中小企業等への支援など、現状の財政状況の中では可能な限りの予算計上ができたものと考えております。次に、環境保全についての御質問でありますけれども、まず小樽市環境基本条例の制定につきましては、公害対策審議会に諮問する形で進めておりまして、昨年10月に審議会から示されました素案を基に原案を作成し、この条例原案について本年1月から1か月間のパブリックコメントを実施し、現在、提出された意見の取りまとめを行っているところであります。今後の予定としましては、次回の公害対策審議会においてパブリックコメントで寄せられました意見も含めて御審議をいただき、最終的な答申を受けて、条例案を本年第2回定例会に提案したいと考えております。次に、環境基本計画につきましては、条例制定後の平成23年度から3年程度をかけて策定作業を行い、26年度からの計画実施を予定しております。次に、介護問題について何点か御質問がありましたけれども、初めに、介護サービスが不足していることに対しての見解でありますけれども、ホームヘルプサービスなどの居宅サービスについては、必要量に対し供給量が一定程度整備されているのに対しまして、施設サービスについては供給量が不足していると認識しております。この原因は、前政権において介護給付費圧縮のため、施設から在宅に介護サービスをシフトしたことによるものではないかと考えております。次に、介護サービスにおける小樽市の現状と課題でありますけれども、さきに述べましたとおり、ホームヘルプサービスなどの居宅サービスについては、必要量に対し、供給量が一定程度整備されているのに対しまして、施設サービスにつきましては、65歳以上人口の10万人に対する介護保険施設の定員は、全国平均の2,981人に比べ、小樽市は3,512人と全国平均を上回っている状況にありますが、実態としては供給は不足していると認識しております。また、地域密着型サービスのうち、グループホームにつきましては、平成21年度に新設のグループホームが3か所整備され、開設からすぐに満床となる状況を見ますと、必要度が高いものと考えますし、市内に6か所あります小規模多機能型居宅介護につきましては、当市の要介護認定者数から見て供給量を整備すべき状況にあると認識しております。次に、施設サービスの課題についてでありますけれども、現政権は介護療養病床の全廃を凍結しておりますが、各保険者は前政権時代に策定した第4期介護保険事業計画において介護療養病床を全廃し、給付費が減少する前提で計画を立てております。このため、平成22年度以降の施設整備計画については、国の方針が示されなければ進めない状況にありますので、早急に方針を示していただきたいというふうに考えております。次に、若者の雇用就労支援でありますけれども、まず新規学卒者の就職状況でありますが、昨年1月末に市内8高校に聞き取り調査を行ったところ、就職希望者数は344人、内定者数が240人で、内定率は69.8パーセントでありました。本年につきましては、2月23日時点において就職希望者数が343人、内定者数が225人で、内定率は65.6パーセントとなっております。昨年と同時期の比較ではありませんけれども、大変厳しい状況にあるものと考えております。最後に、本市の新規高卒者等に対する具体的な取組と成果でありますが、市内企業の事業主や従業員から各業種の現況や将来性、社会的役割などの説明を受けるジョブガイダンス及び面接の基本マナーなどを学ぶ「就職サポート実践講座」には、平成21年度は101人が参加しました。また、採用予定企業が面接を行う就職促進会には、これらの講座等に参加した高校生を含め、143人が参加し、このうち36人が採用予定となりました。新規施策としましては、新規高卒者の市内企業への就職を促進するため、平成22年度に「小樽市新規高等学校卒業者雇用奨励金」を創設することとしておりまして、これらの事業を実施することにより、厳しい就職状況に置かれている新規高卒者が一人でも多く市内企業へ就職が図られるよう、努めてまいりたいと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 菊譲(教育長は2011年3月まで)
佐々木議員の御質問にお答えいたします。初めに、子供の貧困についてでありますが、御指摘のとおり、貧困や格差は社会問題であり、このことで学校でもさまざまな問題が起きていることは承知しております。こうした状況から、学校教育においては、小中学校の就学援助や幼稚園就園奨励費などによる支援制度があり、新年度からは高校の無償化なども行われるところであります。しかし、このことは教育だけの問題ではなく、福祉や雇用、景気回復など、政治や社会全体で取り組んでいかなければならないものであると考えております。次に、新年度の教育予算についてでありますが、第6次総合計画に基づき、幅広く教育行政を推進するための予算として、約17億5,000万円を計上したところであります。まず、学校教育におきましては、平成23年度小学校の新学習指導要領全面実施に向けた対応として、理科教材購入予算の増額をしたほか、特別支援教育支援員の増員、施設面では今議会の補正予算による前倒し分も合わせて、地元発注による洋式トイレの設置、児童・生徒用いすの補修、4階以上の教室の転落防止用手すり設置など、直接子供たちがかかわる学校の環境の整備を進めてまいります。一方、社会教育については、小樽文学館・美術館の再整備や重要文化財旧手宮鉄道施設機関車庫3号保存修理工事完成記念式典などの開催、青少年「科学の祭典」の開催といった市民が文化芸術に触れる機会を増やすとともに、子供たちが楽しく学ぶ機会を設けるなど、生涯学習社会の実現を目指してまいります。以上のように、学校教育、社会教育ともに総合計画に基づいた施策を進めてまいりたいと考えております。なお、教育費総額では、本年度の当初予算との比較でほぼ同程度になりますが、先ほども申し上げましたように、今定例会の初日に先議していただいた地域活性化・きめ細かな臨時交付金などを活用した補正予算により、約6,000万円を前倒しして計上しておりますので、実質的には当初予算を上回る規模になったものと考えております。最後に、新政権の教育政策についてでありますが、具体的な動きとして、4月からの高校授業料の無償化に向けた法案の審議が開始されております。高校への進学率が97パーセントを超えている中、無償化により教育に係る国民の負担を軽減し、経済的な理由による退学に歯止めをかけるものと考えております。このほか、文部科学省が取り組んでいる理数教科の少人数指導の充実など、教員定数の改善にも注目しており、こうしたことも考慮しながら、本市の教育行政の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
再質問 19番 佐々木勝利
3点ほど再質問をさせてください。財政のほうが1点目です。今年度の予算の特徴とその問題点をお示しくださいというふうに言ったのですけれども、市長の答弁では、後段のほうで問題点はないというふうに言っているのか、その辺のところが聞き取れなかったのでお願いします。私は、いわゆる財政の問題では「入りをはかって出を制する」ということ、そして身の丈に合った財政運営ということを毎回やりとりさせてもらっておりますけれども、市の財政構造上の問題点というものはないのかどうか、それを含めてお聞かせください。それから二つ目は、介護問題のところで詳しく説明をいただきました需要と供給の関係なのですけれども、私が注目している一つは、小規模多機能居宅サービス事業です。今、御答弁では、市内6か所で行われているということで、この整備に少し力を入れていきたいということで御答弁があったと思うのですけれども、この小規模多機能居宅サービス事業の内容と今後についての考え方と課題をお知らせください。それから最後は、教育委員会から丁寧な説明をいただきました。それで、今、取り組んでいる内容についてはよくわかるのですけれども、ひとつよく言われます信頼される教育行政というのが課題だというふうに思います。信頼される教育行政について、どのように考えて、どのように努めているのか、この辺についてお答え願いたい。
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
財政の問題について私からお答えいたします。小樽市の財政の問題点はいろいろあるわけでございまして、一つは何と言いましても、基本的に税収構造が弱いというのがずっとありますし、それからもう一つは、依然として赤字財政であるということですから、このことにつきましては、一日も早く脱却をしなければならないというふうに思います。とにかく一般財源を確保しまして、必要な事業がきちんとできるような体制が必要だと思いますので、そういう方向で努力をしていきたいと思います。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 医療保険部長 中村浩(医療保険部長は2010年3月まで)
介護保険の関係で、小規模多機能型居宅介護について御質問がございました。小規模多機能型居宅介護といいますのは、平成18年から新しく始まりました地域密着型サービスのうちの一つでございます。従前からあります認知症のグループホームあるいは認知症デイサービス、小樽にはございませんけれども、夜間の訪問介護、それとこの小規模多機能型居宅介護というのが地域密着型の代表的なサービスになります。具体的には、これまでありましたホームヘルプサービス、いわゆる訪問介護とデイサービス、通所介護とショートステイ、この三つの機能を合わせて、要介護度に応じて月額定額で何度お使いになっても構わない、訪問介護も通所介護も、それからショートステイについても、ショートステイの宿泊料は保険外でございますので、例えば1泊1,000円とか1,500円とか別にお支払いいただきますし、あるいはデイサービスの食事についてはこれも保険外でございますので、1食幾らということでいただきますけれども、それ以外のいわゆる訪問介護のヘルプサービスあるいはデイサービスの送迎につきましては、月額定額の中で含まれるサービスでございます。これはもともと2015年の高齢者介護という国で方針を定めた中で、宅老所という保険外のサービスを保険のサービスに適用しようと、そういう形でつくられたサービスなのですけれども、これも平成18年の改正のときに介護給付費を削減するために、宅老所の中の、いわゆる居住のサービスを保険外にしてしまったために、現在、まだサービスの適用が少なく、需要も少ないところでございます。具体的には、それぞれの事業者が居住のサービスを、例えば高齢者専用賃貸住宅等を近くに建てて、はっきり言うと囲い込みをして、その中でこのサービスをやっているというのが実態ですので、これはサービスの改善を求められるところでございます。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 菊譲(教育長は2011年3月まで)
佐々木議員の再質問にお答えいたします。信頼される教育行政についてでありますが、小樽市教育委員会といたしましては、総合計画に基づきまして、生涯学習社会の実現に向け、仕事をさせていただいているところでございますが、学校教育に限定して説明をさせていただきますと、御承知のように、小樽市学校教育推進計画におきまして、その重点を五つほど挙げてございますが、とりわけ5点目の「信頼に応える学校づくり」に向け、それをサポートしていくことが、私ども教育委員会の大きな役割だというふうに承知してございます。そのために、例えば開かれた学校づくりの推進でありますとか、活力ある学校づくり、また教員の資質、能力向上、また一方では小樽に根差し、小樽市民からのさまざまな期待にこたえられるような、そういう学校づくりに向けて、私どももバックアップしてまいりたいというふうに考えてございます。(「議長、19番」と呼ぶ者あり)
再質問 19番 佐々木勝利
今の教育長の御答弁は、学校教育に絞ったものでしたが、私が教育行政というのは学校教育だけではないわけですから、その辺についてはまた委員会等で行いたいと思います。