小樽市議会 平成12年第3回定例会 2000年9月13日
学校教育について
2000年9月13日、小樽市議会の一般質問で、久末恵子議員が「学校教育について」質問し、市長 山田勝麿、教育長 石田昌敏が答弁しました。
- 質問者
- 久末恵子 議員
- 答弁者
- 市長 山田勝麿、教育長 石田昌敏
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 16番 久末恵子
一般質問をいたします。質問も最後であり、重複するものもありますけれども、私なりに何点か質問いたしたいと思います。初めに、学校教育についてお聞きいたします。文部省は1999年6月、新しい教育内容を盛り込んだ小・中・高校の学習指導要領と幼稚園教育要領を告示いたしました。新要領に基づく教育は、小中学校では学校週5日制が完全実施される2002年度、高校では2003年度、幼稚園では今年度からスタートいたしました。新要領は、学習内容を絞り込み、現行の3割減を打ち出したのが大きな柱であります。さらに、新タイプの授業「総合的な学習の時間」を設け、ゆとりの中でみずから考える力を育てることを目指しております。小学校では今、学級崩壊が全国で問題になっております。その最大の原因が授業がわからないからで、そこには、 、一斉授業の限界もあります。新指導要領では 「1人1人の子供たちに応じた指導で全員にわからせる」とありそのため個別指導やグループ指導などの指導方法の工夫も強調されております。現在、各地の学校では、新指導要領を視野に入れた学習活動や地域との連携が試みられていると聞いております。本市での取り組みがありましたら、お聞かせください。次に、家庭教育についてであります。教育の原点である家庭教育が、はんらんする情報と少子化の波の中で、伝統や習慣、制度などによって支えられてきた秩序が崩れ、集団と個人、男性と女性、親と子の区別、そして自分自身さえわからなくなるというボーダーレス化が進んでいます。この激しい社会的変化を受けて、今、子供たちは必死で自分の居場所を探しています。本来は、そうした子供の迷いの心をいやし、新しい生活や人生への旅立ちを支援してくれたのが家庭であり家族だったのですが、その家庭や家族も揺らぎ、いやしのはずの家庭がむしろ逆に子供を傷つけ、将来への夢と希望の羅針盤さえも壊すという現実さえ見えております。青少年の凶悪犯罪が多発し、深刻な問題となっていますが、大きな原因は家庭にあると思います。平和も明るい社会も、1人1人の人間によって築き上げられるものであります。その人づくりの時期は、ゼロ歳から始まっているのです。ですから、母親は子供が生まれたとき、既に育児教育が始まっているのです。母と子のスキンシップが親子の愛情と信頼を深め、これが真の子育て教育の第一歩なのであります。人格形成は、この時点から始まっております。どんなに優秀な保母さんであっても、母親にまさるものはないのです。親子の心と心のふれあい、肌と肌のふれあいの、そのぬくもりの中で体も心も成長し、心の豊かな、そして心の優しい子供に成長し、人格が備わっていくものであります。このように、母と子が深い愛情と信頼のきずなで結ばれ、充実した乳時期を過ごし、そして幼児期を迎えたとき、基本的に生きる能力の上に、さらに人間としての日常生活に必要な諸能力がつくときであります。すなわち、言葉の習得、排せつ、食事、清潔の習慣、基礎的運動能力、さらに、原則的な社会的ルールに立った対人関係などの諸行動能力が育つ時期であります。しかし、まだ論理的判断や推理の力は弱く、その力は日常生活行動の中で周囲の模倣を通して習得されていくものであります。この時期、幼児の模倣の対象となる周囲の人たちの言動が大変重要になってきます。家の中で幼児と一番接触が多いのは母親であり、母親の言動が最も模倣の対象となるのであります。平 成 1 2 年 第 3 回 定 例 会 本 会 議 録幼児の生活範囲は、ほとんど母親中心に限られますことから、家庭生活のあり方、営み方がそのまま幼児の生活になるのです 「子供は親の背を見て育つ」と言われます。言葉の意味がわからなくても、子供は母親のまねをし。ます。母親が正しい判断で家庭教育が行われたとき、子供は立派に成長し、常識ある子供に育つのです。次代を担う子供たちが正しい判断力を持って心豊かに、そして健やかに成長してほしいと心から願うものであります。御所見をお伺いをいたします。次に、児童虐待についてお尋ねいたします。世帯の核家族化が進んだ影響もあって、幼児虐待が増加し、深刻な社会問題となっております。警察庁の調査では、昨年1月から10月までだけでも虐待で児童40人が死亡、母親47人が検挙されております。最近、子育てに悩む母親が増えておりますが、児童虐待が社会問題となり始めたのは1970年代以降と言われております。核家族化の中で、子育ての知識は育児書から得るものが多く、書物から得た知識どおりにはなかなかいかないのが子育ての難しさであり、親の悩みなのであります。多くの調査から、親に虐待された子供は、大人になってから自分の子供を虐待するケースが多いことがわかっております。児童虐待の連鎖を断ち切るためにも、両親が一体となって子供と向き合うことが求められております。本市では、児童虐待の実態はどうなっているのでしょうか。また、市としてどのように取り組まれるのか、お聞かせください。次は、中教審の心の教育についてお尋ねいたします。1998年6月、文部省の諮問機関であります「中央教育審議会」は、幼児期からの心の教育についての答申を当時の町村文部大臣に提出いたしました。これは神戸の児童連続殺傷事件をきっかけに、97年8月に諮問されたものであります。98年3月の中間報告に新たに加えられたのは、家族一緒の食事を大切にすることや、子供の悩みに答える24時間電話相談の充実などであります。これまで家庭内のことには慎重な姿勢を続けてきた中教審が、あえて家庭のしつけにまで言及したのであります。「もう一度家庭を見直そう」の項目では、悪いことは悪いとしっかりしかり、思いやりのある子供を育てることの大切さを指摘し、さらに家事の分担やあいさつ、物の与え方など、家庭で守るべきルールをつくり、遊びの重要性などを挙げ、平素の温かい愛情のきずなと信頼関係をもとに、幼少から善悪をわきまえさせるしつけを強調しております。学校教育については、問題行動には温かく、かつ毅然として対応しようとして、よい子のいきなり型非行の前にあるサインを見逃さないよう指摘し、校内暴力については出席停止も含めて対応し、度を超した暴力行為には警察との連携もためらわないよう求めております。また、地域の大人には他人の子供にも気をかけることや、テレビ局には良質な子供番組の提供を呼びかけております。このように「中央教育審議会」は、あらゆる分野において教育改革をスタートしました。本市においても、この答申を踏まえて具体的にどのような取り組みをされたのか、お聞かせください。次に、戦後社会の見直しについてであります。今、20世紀を振り返ってみますと、洋の東西を問わず、人類は長い歴史の中で狩猟、遊牧、農耕など、それぞれの地形や気象に応じた生活手段を通じ、とうとばれるべき伝統や文化、社会規範を築いてきました。平 成 1 2 年 第 3 回 定 例 会 本 会 議 録もちろん、日本にも独自の歴史、伝統、文化があります。私たち日本人は、日本の風土や日本人の精神風土にかなった伝統、文化をつくり上げ、それを親から子へ、仲間から仲間へと伝えてきました。こうした日本の心は長い間、日本人の精神や暮らし、人間関係のよりどころとして機能してきました。しかしながら、戦後の日本は経済成長に一生懸命になる余り、日本の心の伝承を怠ってきたのではないでしょうか。また、怠るのみならず、教育や言論の場では、こうした日本の心を否定するような風潮があったのではないでしょうか。そして、戦後50年以上たった今、日本の社会はどうでしょう。オウム真理教による数々の犯罪、神戸の小学生殺人事件、新潟の少女監禁事件といった、今まで考えられなかったような凶悪、残忍な事件が発生し、ちまたではストーカー犯罪が続発。また、東海村臨界事故や一連の警察不祥事のような職業倫理、責任感を欠いた出来事が起こりまして、教育現場ではまた学校崩壊やいじめ、不登校、家庭では児童虐待、家庭内暴力など。さらには、権利のみを主張し、義務や責任を軽んずるような世の中の風潮。なぜ日本の国がこのような国に変わってしまったのでしょうか。これらの現象にはさまざまな原因や背景があるでしょうが、その根本には、家族や地域社会のつながりが薄れ、日本人が今まで培ってきた社会規範、道徳観、価値観がもはや力を失いつつあるという現状があるように思えます。日本の心を失った日本人の姿が、今の社会に投影されているのです。今、日本の心を取り戻さなければ、ますます深みに陥り、立ち上がる力を失ってしまいます。家庭崩壊、教育の荒廃、社会のモラルの低下は、政治、経済以上に深刻な問題であります。ビジョンを持って大胆な改革を進めていかなければ、21世紀への展望は開かれないと思います。教育は国家百年の大計と言われますが、21世紀を展望した学校教育のあり方について、教育長の御見解をお聞かせください。次に、少子・高齢化社会と女性の生き方についてであります。子育てに夢があり、老後が楽しい社会を築くには、そこで女性が自由に働き、幸せに暮らせることが大切なことであります。その意味で、少子化問題も高齢化問題も、ともに女性の問題であると思います。日本の少子・高齢化問題を女性の視点から見ますと、21世紀、日本は人口が減少し、高齢化が進み、既に65歳以上の高齢者は総人口の16%であり、過疎地では既に30%を超えたところもあります。このように人口構造の変化は先進国に共通しておりますが、日本の特徴は、他の先進国に例を見ない急激な速さで進んでおります。高齢者人口の割合は、1970年に7%であったのが、95年には15%で、わずか25年間に2倍となっております。フランスは 110年、スウェーデンは82年、イギリスは46年、ドイツは42年に比べますと、日本のスピードがいかに速いかがわかります。高齢化が進むと、介護を必要とする高齢者が急激に増えることが予想されます。現在、寝たきりや痴呆、虚弱などのため介護を必要とする高齢者は約 280万人に上っており、2025年には 520万人に達すると予測されております。日本の老人介護の大きな問題は寝たきり老人が多いことで、ケアシステムやリハビリが進んでいて、寝たきりが極めて少ない北欧とは対照的であります。高齢化は日本の女性にどのような問題をもたらすでしょうか。現在、日本の平均寿命は女性が84歳、男性が77歳で、女性は7年長生きしています。そのため、高齢者の6割を女性が占めており、ひとり暮らしの高齢者になりますと、その8割が女性であります。寝たきりの高齢者を介護している85%は女性であります。当市も高齢者率が非常に高いのですが、新ゴールドプランの目標量も満たしていると聞いておりますが、まだまだ待機者がおります。平 成 1 2 年 第 3 回 定 例 会 本 会 議 録現在の待機者数と施設の今後の見通しをお聞かせください。少子化は、女性の視点に立って問題解決を考えることが必要であると思います。近年、女性のライフスタイルと価値観が大きく変化してきています。高学歴化によって多くの女性が職業につくようになり、充実した人生を自分で設計するようになりました。それが晩婚につながっている原因の1つでもあるわけです。晩婚に加えて、仕事を持っている女性が子供を産み育てるのには、いろいろな問題があります。そのため国政レベルでは、平成11年度に自民党、自由党、公明党の3党合意による緊急少子化対策の基本方針を定め、市町村少子化対策臨時特例交付金事業を創設し、国の11年度予算で約 2,000億円の少子化対策臨時特例交付金が計上されたところであります。これについては、小樽市にも1億 5,500万円ほどが交付され、少子化対策事業として昨年度より実施されていると思います。この少子化対策事業は、子供を産み育てる環境整備に有益なものと思っておりますが、その成果はどうなったでしょうか。この対策だけで少子化に歯止めがかかるとは思いませんが、保育所の待機児童解消など一定の成果を見込んでおり、女性の社会進出のために寄与するものと思っております。今後も継続して少子化対策事業は必要なものと考えておりますが、御所見をお伺いいたします。男女共生社会の実現についてであります。高齢社会をマイナスとするのではなく、豊かな果実にするために、女性みずからの力を信じ、その力を発揮していくことが大切であります。男女がともに生きることをエンジョイできる社会、それがいわゆるクオリティ・オブ・ライフの実現であります。そこで、日本人が日本国民として、世界の人たちと価値観を共有することも求められています。島国根性から脱皮し、外国人に開かれた日本、人種偏見から自由な日本に変わっていかなければなりません。これからの少子・高齢化社会へ対応していくためには、男性中心社会から男女共生社会へと社会を変えていく必要があると思います。戦いや生産に重きを置く男性原理ではなく、生命や福祉、環境を重視する女性原理が社会をリードする、そういう社会がこれからは求められていると思います。基本的に女性が喜んで結婚し、安心して子供を産める条件が整備されたとき、出生率は回復できるのではないかなと思います。そのために、男性、女性がともに働き、家庭の責任を果たし合う男女共生社会の実現が望ましいと思います。御所見をお伺いいたします。最後に、市立小樽病院統廃合における小児専門の医療充実についてお尋ねいたします。21世紀を迎えるに当たり、現在、少子・高齢社会について議論が盛んに行われております。世界的には年々人口は増加し、60億人を超えております。一方、先進国は人口減少の一途をたどっており、日本の合計特殊出生率は1999年には1.34となり、減少傾向が続いております。21世紀の日本の存立にかかわる社会問題となっている少子化について、さまざまな対応が検討されているところであります。このような現況の中、他都市ではありますが、小児科が病院から消えるという新聞記事が載っておりました。これは小児科が減る前提に、当然少子化があることだと思います。調べたところによりますと、15歳未満の小児患者数は、ピーク時の1973年の 183万人から1996年には79万人と半分以下となっており、小児科医師の数自体も現在は横ばいに推移していますが、将来は減っていくものと見られております。また、病院全体の経営が厳しく、特に子供の治療費は大人の医療費に比べて低く、赤字の診療科は切り平 成 1 2 年 第 3 回 定 例 会 本 会 議 録捨てるという雰囲気がますます強くなってきているものと思われます。厚生省は今年4月から診療報酬の改定を行い、その中に子供の入院医療や夜間・休日診療に対する診療報酬の改定、本年度から子供の急患や入院に対する体制づくりを始めようとしていることを承知しております。今、少子化の時代、子供は日本の次代を担う大切な宝であります。子供が少ないからこそ、その命を守るため充実した医療が必要なのではないでしょうか。核家族化の進んでいる現状の中で、小さな命を守るため、ちょっとした症状でも不安になって病院に駆けつけるのが親の気持ちではないでしょうか。特に休日や夜間でも受診できる病院を望んでおります。現在、市立小樽病院の統廃合に向け、議会などでも論議しているところでありますが、市立小樽病院新築方針を決断されたときは、ぜひ新病院に小児科医療の充実について検討いただきたいと思います。御所見をお伺いいたしたいと思います。以上をもって質問を終わります。よろしくお願いをいたします。ありがとうございました (拍手)。
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
久末議員の御質問にお答えします。初めに、小樽市における児童虐待の実態等についてでありますが、虐待の疑いも含め、各関係機関において対応した事例が平成11年度で5件、12年度では既に4件となっております。これら9件の処理経過でありますが、児童相談所と協議し、施設で保護したもの3件、里親に預けたもの1件、継続して監視等を行うこととしたもの4件、状況調査中のものが1件となっております。また、市としての虐待問題に対する取り組みでありますが、去る8月25日に福祉部や教育委員会等、関係する部局による「児童虐待防止連絡会議」を設置し、関係する職員の虐待問題に対する研修会の開催や、市民への広報活動等を実施したいと考えているところであります。今後は庁内だけでなく、関係機関や団体との情報交換や連携、協力、また市民への啓発活動を推進するため、広く市民各階層にわたる「虐待防止連絡協議会」を設置し、早期発見・早期対応システムの整備を図ってまいりたいと考えております。次に、少子・高齢化社会についての御質問の中の施設入所の待機者数についてでありますが、7月末現在の特別養護老人ホームが 387人、養護老人ホームが 198人、軽費老人ホームが95人、老人保健施設が21人となっております。また、今後の施設整備についてでありますが、現在、社会福祉法人小樽北勉会が軽費老人ホーム「ケアハウス朝里温泉」50人分と、老人保健施設「ラポール朝里温泉」50床を本年11月にオープンする予定であります。なお、特別養護老人ホームについては、高齢者保健福祉計画に基づき、民間の動向も見ながら、平成16年度までの設置に向け努力してまいりたいと考えております。次に、少子化対策臨時特例交付金事業についてでありますが、小樽市においては11年度、12年度の2カ年にわたる事業として予算づけし、実施しているところであります。この事業は、保育所待機児童の解消を主な目的としているところから、本市においてもこの趣旨に沿って、中央保育所ほか4カ所で待機児童解消のための施設整備を行平 成 1 2 年 第 3 回 定 例 会 本 会 議 録っているところであります。さらには、来年度開設を予定している子育て支援センターの建設や、幼稚園、保育所の環境整備を図ることとしており、これらの事業完了後においては、待機児童解消などの少子化対策に効果があるものと思っております。次に、男女共生社会についてでありますが、少子・高齢化の急速な進展の中で豊かで活力ある社会を築いていくためには、職場や家庭、地域社会などにおいて男女がともに支え合い、それぞれの個性と能力を発揮して生き生きと活躍でき、そして責任を分かち合う男女共生社会の実現を図ることが大切であると考えております。そのためには、多様なライフスタイルに対応した子育て支援の充実や、職場における育児や介護を支援するための環境整備などを図ることにより、職場や家庭、地域における生活がともに成り立つような仕組みについて、社会全体で総合的に取り組んでいく必要があるものと考えております。次に、市立病院新築時における小児専門医療の充実についてでありますが、小児医療につきましては、少子化による患者の減少や、診療報酬上、大人に比べ単価が低くなること、入院患者の季節変動が激しいことなど、いわゆる採算性の問題から、全国的に見て小児科開設病院の減少や小児科医師の減少が大きな問題とされております。しかしながら、御指摘がありましたように、少子化が進行するにつれて、子供さんをお持ちの家庭では、育児上の不安などから、身近なところで小児医療を受けたいとの要望がますます強まるものと考えます。市としても小児医療の特殊性を踏まえ、医療体制の充実は市立病院の使命の1つと考えますので、今後、懇話会の意見なども参考に検討してまいりたいと考えております。以上です。( 議長」と呼ぶ者あり)「
答弁 教育長 石田昌敏(教育長は2004年9月まで)
久末議員の御質問にお答えします。まず、新学習指導要領を視野に入れた学習活動についてですが、平成14年度から全面実施されます新学習指導要領では、これまでの学校教育に見られる教師主導による知識獲得型の教育を改め、各学校が完全週5日制のもと、ゆとりの中で特色ある教育を展開しながら、みずから学び、みずから考える力などの「生きる力」を培うことが、その基本的なねらいとされております。教科の指導に当たりましても、児童・生徒の実態に応じて個別指導やグループ指導、繰り返し指導など、個に応じた指導の充実に努めることを求めておりますし、教科等の枠を超え、各学校が創意工夫を生かし、特色ある教育活動を展開することを中心とする「総合的な学習の時間」の創設も行われております。既に本市におきましても、すぐれた技術をお持ちの職人の方々から伝統的な技術を体験的に学び、小樽の工芸品について学習を深めたり、子供たちがテーマを持って市内を歩き、産業や環境について調べ、発表するなどの取り組みが行われております。また、ボランティア活動として福祉施設を訪問し、お年寄りや障害のある方たちとの交流を深める取り組みも進めております。教育委員会としましても、そのような取り組みに対し、今年度より予算面で援助を行っており 「総合的な学習、の時間」でその活用が期待されているコンピュータ整備につきましても、全中学校にデジタル回線を導入しまして、インターネット等の活用を見越した対応を急いでいるところであります。平 成 1 2 年 第 3 回 定 例 会 本 会 議 録次に、家庭教育についてですが、少子・核家族化や都市化が進展する中で、若い母親がお年寄りや近所のお母さん方と子育てについて相談したり、悩みを打ち明けたりすることが難しくなっています。このような状況の中で、1人だれとも相談できないまま子育てに追われ、不安を感じている母親が増えている状況にあります。我が国が男女共同参画社会の形成を目指し、女性の社会参加が進む中で、こうした母親の育児不安を解消するためには、父親が子育てを分担するとともに、地域全体で子供を育てるという考え方に立つことも必要であると思います。しかしながら、母と子が愛情と信頼を深め、子供の幸せを願う母親になるための研さんは大切なことと考えますので、関係部局とも連携をとりながら、家庭教育講座の開設や家庭教育ノートの活用を図るなど、若いお母さん方の子育てを支援してまいりたいと考えております。次に 「中央教育審議会」の心の教育についてですが、この答申は御指摘のように、学校教育から、さらに家庭、の教育のあり方にまで踏み込んだもので、注目すべき内容を含んでおります。この答申を受け、文部省では「家庭教育手帳」や「家庭教育ノート」を作成し、全国の小中学生を持つ親に配布をいたしております。その中で 「子、供が家で身につけることは生涯ずっと生き続ける」とか 「一緒に食事をするって本当にすごく大切なのかも」と、語りかけております。学校における問題行動、校内暴力については、警察との連携や出席停止、出校停止も必要としておりますが、当市においては、校内外の暴力事故については警察に届け出する事例があります。また、出席停止、出校停止については、そのまま実施いたしますと、当該生徒が家に1人きりになり、指導監督がされにくい状況もあることから、学校において生徒、保護者に対し指導するケースが普通であり、場合によっては被害、加害の両者との面談を用意するなど対応しております。教育委員会としては、心の教育答申の具体化に向け 「家庭教育手帳」や「家庭教育ノート」の活用について努、めるほか、これまでの座学中心から、自然体験や社会体験、ボランティアなどの体験を取り入れた学習を一層充実させていかなければならないと考えております。最後に、21世紀を展望した学校教育のあり方についてですが、21世紀の学校教育は、教師主導の教育から、児童・生徒が自分で課題を見つけ、みずから学び、みずから考え、よりよく問題を解決しようとする 「生きる力」を、学ぶ教育へと教育の基調の転換が図られるものと考えています。このことについて、平成14年度から新学習指導要領に基づき完全実施となりますが、既に今年度からその趣旨を踏まえた学習活動へと移行措置がとられております。具体的な内容については、新学習指導要領を視野に入れた学習活動にかかわる御質問で答弁させていただきました。また、現在、非行の低年齢化など、青少年の正義感や倫理観の低下が大きな問題になっております。この点についても、これまでの座学中心の学習から、自然体験、社会体験、ボランティア体験などを取り入れた学習の内容の充実を図り、自然の美しさや偉大さに感動する心などのやわらかな感性や、生命を尊重し、他人を思いやる心など、豊かな人間性をはぐくむ教育をより一層充実していく必要があると考えます。このような考えに立って、21世紀の学校教育においては、児童・生徒1人1人に、みずからがかけがえのない人間として大切な存在であることをしっかりと認識させ、将来の夢や目標に向かって努力し、よりよい社会を築いていこうとする心をはぐくむことが大切であると考えており、その実現のための教育を推進しなければいけないと考えております。平 成 1 2 年 第 3 回 定 例 会 本 会 議 録以上であります。