幕別町議会 令和6年第3回定例会 2024年9月11日
自衛隊への18歳・22歳の名簿提供は見直しを
2024年9月11日、幕別町議会の一般質問で、酒井はやみ議員が「自衛隊への18歳・22歳の名簿提供は見直しを」について質問し、町長 飯田晴義、防災環境課長 半田健が答弁しました。
- 質問者
- 酒井はやみ 議員
- 答弁者
- 町長 飯田晴義、防災環境課長 半田健
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 7番 酒井はやみ
通告に従いまして、質問いたします。1、自衛隊への 18 歳・22 歳の名簿提供は見直しを。自衛官募集への協力として、若者の個人情報を自衛隊に提供する自治体が令和4年度には全国で約6割を超えています。一方で、名簿提供に対する不安や批判の声が広がり、名簿の提供を撤回し、従来の住民基本台帳の閲覧方式に戻す動きが見られます。また、名簿提供をめぐっては、当事者から訴訟が起こされる動きもあり、自治体の主体的な判断が一層重要になっています。個人情報の保護は、町民が安心して暮らすための基礎であり、町としてその適切な管理が求められています。町が自衛隊への若者の名簿提供に関してどのように判断し対応しているのか伺います。(1)名簿提供の対象者数と、提供を望まない町民からの除外申請数は。(2)提供された名簿はどのように利用され、また、その管理はどのように行われているのかを把握していますか。(3)防衛省は、名簿提供は強制ではなく、提供に応じない場合でも市町村に不利益は生じないとしています。町が名簿を提供する義務はなく、提供していない自治体は全国で約4割です。個人の承諾なしに情報を提供することは、憲法が保障する個人の尊厳や基本的人権に反すると考えますが、町の考えは。(4)高校卒業予定者に対する自衛官募集を含めた求人活動には、教育的配慮が必要とされています。学校や保護者の関与なしに直接勧誘を行うことは教育的配慮を欠くと考えますが、町としての考えは。(5)現在の除外申請の制度では、個人情報の提供を望まないにも関わらず提供される事態が起こり得ます。制度を見直し、名簿提供に同意した人に申請してもらう制度にするべきでは。2、被爆 80 年に向け、核廃絶へのさらなる取組を。核兵器禁止条約への参加国が増加し、核廃絶に向けた国際的な運動が広がっています。しかし、一方では核兵器の使用が懸念される紛争も続いています。幕別町は、これまで原爆パネル展や折り鶴の募集など平和事業に取り組んできましたが、核廃絶に向けてさらに積極的な取組が求められると考えます。そこで、町として、平和首長会議だけでなく、現在 358 自治体が加入する「日本非核宣言自治体協議会」にも参加し、他の自治体と連携して、より実効性のある事業に取り組むことについて、町の考えを伺います。以上です。
答弁 町長 飯田晴義
酒井議員のご質問にお答えいたします。はじめに、「自衛隊への 18 歳・22 歳の名簿提供は見直しを」についてであります。自衛隊は、国の防衛のほか、災害派遣や国際平和協力などの任務があり、その活動内容は多岐にわたっております。とりわけ、我が国はその位置、地形、気象などの自然的条件から、暴風、豪雨、豪雪、地震、津波などによる災害が発生しやすい国土とされており、近年では、令和2年の熊本県を中心とした豪雨、本年1月1日に石川県能登地方で最大震度7を記録した能登半島地震など、毎年のように全国各地で自然災害が発生し、甚大な被害が生じております。このような大規模な自然災害が発生する都度、都道府県知事等の要請を受けて派遣される自衛隊は、人命救助や物資の輸送、避難所における生活支援等において大きな役割を果たしており、こういった自衛隊の活動を頼もしく感じている国民は多いものと認識しております。しかしながら、本年3月 31 日現在、全国の自衛官は 22 万 3,511 人であり、これは定員 24 万 7,154人に対し2万 3,643 人の人員不足となっており、志願者数においても年々減少傾向にあることから、日本の防衛力や災害派遣活動への影響が懸念されているところであります。自衛官または自衛官候補生の募集に関する事務の一部については、地方自治法第2条第9項の規定により市町村が行うべき法定受託事務として、採用試験等の情報を広報紙および町のホームページに掲載するとともに、自衛隊帯広地方協力本部長からの依頼により名簿の提供を行っているところであります。ご質問の1点目、「名簿提供の対象者数と、提供を望まない町民からの除外申請数は」についてであります。町では、令和5年度から個人情報の提供を望まない方への配慮として除外申請制度を設け、名簿から情報を除外した上で名簿提供を行っており、令和5年度においては、年度中に 18 歳を迎える方が255 人、22 歳を迎える方が 196 人、合計 451 人の名簿提供対象者のうち除外申請は、18 歳を迎える方のうち3人、22 歳を迎える方のうち5人、合計8人の方からありました。令和6年度につきましては、年度中に 18 歳を迎える方が 226 人、22 歳を迎える方が 171 人、合計 397 人の対象者のうち除外申請は、18 歳を迎える方のうち7人、22 歳を迎える方のうち1人、合計8人の方からありました。ご質問の2点目、「提供された名簿はどのように利用され、また、その管理はどのように行われているのかを把握していますか」についてであります。情報提供に際しては、使用目的の限定、第三者への提供禁止および個人情報保護の管理徹底に加え、情報の保管期限を1年間限りとし、期限内に町に返還することを記した書面を自衛隊帯広地方協力本部長と交わしております。提供した対象者情報につきましては、自衛隊帯広地方協力本部において、自衛官または自衛官候補生の募集のためのみに使用し、対象者宅へのチラシやパンフレットのポスティング等に活用されるとともに、適正に管理保管されているものと確認しております。ご質問の3点目、「個人の承諾なしに情報を提供することは、憲法が保障する個人の尊厳や基本的人権に反すると考えますが、町の考えは」についてであります。自衛官または自衛官候補生の募集に関する事務の一部は第一号法定受託事務であり、また、令和2年 12 月の閣議決定により、自衛隊法第 97 条および同法施行令第 120 条の規定に基づき、防衛大臣から提出を求められた場合に、市区町村長が住民基本台帳の一部の写しを提出することが可能であることが明確化されたところであります。また、令和3年2月には、防衛省および総務省の連名で、改めて募集に関し必要な資料として住民基本台帳の一部の写しを用いることについて、住民基本台帳法上、特段の問題を生じるものではないとの通知が発出されたことから、本町でも3年度から名簿の提供を行っているところであります。したがいまして、このように政府の見解が出されている以上、それが憲法に抵触するか否かにつきましては、司法の場で判断されるものと考えております。ご質問の4点目、「学校や保護者の関与なしに直接勧誘を行うことは教育的配慮を欠くと考えますが、町としての考えは」についてであります。新規学校卒業者の就職は、学校生活から新たに職業生活に入る大きな転機となるものであり、求人活動が適切に行われるかどうかによって生徒の将来を左右することにもなります。無秩序な求人活動は、健全な学校教育の妨げとなるばかりではなく、生徒の適正な職業生活を阻害する要因にもなります。これらのことから、文部科学省と厚生労働省は、防衛省に対して、自衛官の募集については職業安定法の適用が除外されているが、教育的観点から募集活動について行き過ぎないよう特段の理解と協力を求める申入れを行っていると伺っており、法規範を逸脱しないよう、教育的配慮も行いながら募集活動を行っているものと理解しております。ご質問の5点目、「制度を見直し、名簿提供に同意した人に申請してもらう制度にするべきでは」についてであります。個人情報の保護に関する法律では、行政機関に対し、保有する個人情報の提供を制限しておりますが、同法第 69 条第1項において、法令に基づく場合には提供できることとされており、提供に当たって本人の希望や同意は必要とされておりません。しかしながら、本町のほか全国の市区町村においても、自衛隊への個人情報の提供を望まない方への配慮を求める声がありますことから、本町においては令和5年度から個人情報の提供を望まない方への配慮として除外申請制度を設け、名簿から申請者の情報を除外した上で提供を行うこととしております。また、除外申請制度については、広報紙および町のホームページにおいて周知するとともに、除外申請の受付期間についても期間を設けず通年受付をするなど、提供を望まない方への配慮をしているところであります。この制度は第一号法定受託事務として行われているものでありますので、制度運用の見直しは国において行うべきものであると考えております。次に、「被爆 80 年に向け、核廃絶へのさらなる取組を」についてであります。世界の平和と安全を実現することは人類共通の願いであり、平成 29 年7月7日、国連本部において、国連加盟国の6割を超える 122 か国の賛成により「核兵器禁止条約」が採択され、多くの国が核兵器のない世界の実現に向けて明確な決意を表明いたしました。本町におきましては、昭和 60 年 12 月 23 日に、「世界唯一の被爆国として、広島、長崎の惨禍を二度と繰り返してはならず、非核三原則を完全に守り、美しい郷土の自然と豊かな文化を守り、平和な未来を子供たちに引き継ぐ」とした「平和非核宣言」が決議され、この精神の下、平和事業に取り組んでいるところであります。具体的な取組といたしましては、平和非核宣言の看板を町内4か所に設置しているほか、平和への願いを込めた千羽鶴を被爆地である広島市および長崎市に贈る運動を町民に呼びかけ、本年も 4,000羽以上の折り鶴が集まり、終戦記念日に合わせて、広島の「原爆の子の像」と長崎市の「原爆資料館」にささげていただいております。また、毎年8月には、幕別地区、札内地区および忠類地区の3地区を順番に原爆パネル展を開催し、核兵器使用の悲惨な実態を風化させることなく、核兵器の廃絶と平和の大切さについて考えていただく機会として実施しているところでありますが、本年度からは、同様の取組を行っている原水爆禁止幕別協議会との共催により、8月1日から9日まで忠類コミュニティセンター、10 日から 16 日まで幕別町百年記念ホールの2か所で開催し、さらなる事業の拡充を図ったところであります。さらに、平和首長会議の加盟都市として、令和4年度から同会議が取りまとめております「核兵器禁止条約」の早期締結を求める署名活動に参加し、本年度も8月1日から 23 日までの間、役場本庁舎、札内コミュニティプラザおよび忠類総合支所の各施設内において署名コーナーを設けたところであります。平和首長会議は、核兵器のない平和な世界の実現を目的として設立され、本年8月1日現在で、国内では本町を含め 1,740 市区町村が、世界では日本を含め 166 の国と地域から 8,410 都市が加盟しており、加盟都市相互の緊密な連帯を通じて核兵器廃絶の住民意識を国際的な規模で喚起させるとともに、国連や各国政府への要請活動や働きかけに取り組んでおり、これに加えて、核実験を実施した国に対しても抗議文を送付しております。国内の平和首長会議では、核兵器による悲劇を二度と繰り返してはならないとの信念の下、令和3年 11 月 18 日に、核兵器廃絶に向けた取組の推進を求める要請書を内閣総理大臣に提出し、核兵器禁止条約の締約国となるよう強く要請したところであります。この要請には、一刻も早い核兵器禁止条約の締約と恒久の平和を願う幕別町民の切なる思いが込められており、全国の 99.8 パーセント、1,737市区町村からの強いメッセージを国政に届けたものであり、大きな力となっているものと認識しております。核兵器の廃絶に向けてはさまざまな活動が行われておりますが、町といたしましては、平和首長会議の一員として、加盟都市との連携を密に行動を共にすることが最も効果的で大きな力になるものと考えておりますことから、現時点では日本非核宣言自治体協議会への参加は考えておりません。以上で、酒井議員のご質問への答弁とさせていただきます。
再質問 7番 酒井はやみ
それでは、再質問いたします。提供している名簿の取扱いについて、自衛隊の側と町とで書面を取り交わしているというお答えがありました。この点について、幾つか伺いたいと思います。まず、自衛隊協力本部から提供を求められているほかの自治体と同様の名簿の使われ方をしているのかどうか、確認されていたら教えてください。
答弁 防災環境課長 半田健
自衛隊の名簿の活用、町から提供した名簿の活用の方法でございますけれども、自衛隊のほうからは、自衛官の募集事務、答弁にもありますように、自衛官募集に関する事務ということで、個別訪問でありますとか、ポスティング等に使われているということでございます。
再質問 7番 酒井はやみ
同じ帯広の自衛隊協力本部から求められているほかの自治体と同じような使われ方をしているのか伺ったのですけれども。
答弁 防災環境課長 半田健
先ほど答弁の中にもありましたように、自衛隊の帯広協力本部から町に対して使用目的を示された書面によりまして、提供依頼があったものに対して町のほうで情報を提供しておりますので、他町村の状況については承知しておりません。
再質問 7番 酒井はやみ
答弁では、チラシやパンフレットのポスティングなどに使っているというお答えでしたが、先ほどの答弁の中では個別訪問も言われたと思います。正確に何に使われているか、改めてお話しいただけますか。
答弁 防災環境課長 半田健
繰り返しになりますけれども、自衛官の募集に当たりまして、個別訪問ですとか、ポスティング等に実際には利用されているということでございまして、個別訪問につきましても、状況によって個別訪問しているというようなお話も地方協力本部のほうからお伺いしておりますので、情報提供については申請のとおり利用されていると認識しております。
再質問 7番 酒井はやみ
分かりました。名簿はその年限りで返却されているというお話でしたが、実際に返却はされていますか。
答弁 防災環境課長 半田健
毎年、協力本部のほうから年度ごとの名簿の提供の依頼がありまして、先ほど答弁の中にもありましたように、1年に限って提供するということでお渡ししておりまして、その名簿と引換えにお渡しするということで提供させていただいております。
再質問 7番 酒井はやみ
分かりました。名簿の利用や管理のあり方について、こういう内容で書面を交わしているというのは今回初めて伺ったかと思います。この内容を、名簿の対象者になった人や町民の皆さんに知らせる必要があると思うのですが、そのあたりのお考えを伺います。
答弁 防災環境課長 半田健
町のホームページの中に、名簿提供を望まない方への除外申請のお知らせをさせていただいております。その後段の中に、これまでの町の対応ですとか、どういう方々にどういうような条件で名簿を提供しているかということをお知らせさせていただいております。
再質問 7番 酒井はやみ
自衛隊の側との取決めの内容について、先ほど、1年で返却されているだとか、何に使っているかだとか、そのあたりの内容についてお知らせする必要があるかなと思いました。自分の情報が何に使われているかというのを知る権利はあると思うので。といいますのは、札幌市では、「自衛官募集のパンフレットの送付のため」というのをはっきりとホームページなどで明記していまして、氏名などの4情報は「パンフレットの送付にのみ使用され、自衛隊で記録されることはありません。また、提供した情報は1年以内に札幌市に返却され、廃棄します」とホームページでもはっきりと書かれています。個人の大切な情報を取り扱う自治体として、提供した情報の取扱いについて、覚書の内容について町民にも知らせる必要があると考えますが、そのあたりについてはどのようにお考えですか。
答弁 町長 飯田晴義
覚書の内容をそっくりそのままお知らせする必要はないかと思いますけれども、いずれにしても、18 歳、22 歳の方、その家族は安心していただけるような内容のものをお知らせする必要はあると思っておりますので、そこは内容の記載については我が町のほうでしっかり精査をしたいと思います。
再質問 7番 酒井はやみ
分かりました。次に、自衛隊への情報提供の法的根拠について伺います。日本国憲法第 13 条には、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」とあります。この 13 条は、基本的人権の根拠となっている条文であり、プライバシー権も含まれるとされています。また、このプライバシー権とは、自己の情報をコントロールできる権利という意味も含めて用いられています。答弁では、防衛省と総務省が、名簿の提供は法に触れないと通知を出したからやっている、それが憲法に抵触するかは町で判断しない、司法で判断されるものだと言われました。これは、憲法に抵触する可能性もあると町が考えているのかどうか伺います。
答弁 町長 飯田晴義
私は、憲法に抵触するとは思っておりません。ただ抵触すると思われる方がいるのであれば、それはやはり司法の場でしっかりと決着をつけて、それが憲法に触れるのであれば、以後やらないというような取扱いにしていかなければならないものだと思っております。
再質問 7番 酒井はやみ
先ほどもお話ししましたけれども、住民基本台帳の4情報は、憲法 13 条で保証されたプライバシー権によって保護されるべきものです。プライバシー権を保護するというときには、やはり根拠となる法律で明確にその趣旨や内容が読み取れることが必要だと思います。そうでなければ、国の行政機関が法律で明確に定めていないことを何でも命令で指示できるということになりかねないからです。今回、法的根拠とされている自衛隊法 97 条、同法施行令 120 条を見ても、プライバシー権を制限する内容にも関わらず、その視点や言及は全くありません。また、自衛隊法 97 条の「事務の一部」というのが何を指すのか、また、施行令 120 条の「必要な報告又は資料の提出」というのがどこまでを指すのか、具体的なことは何も書かれていません。人権を制限する内容であるにも関わらず、その根拠法に全てを明記されておらず、適用範囲が国の命令で決められることが許されるとすれば、万一の有事のときにこれがどこまでエスカレートするか分からない、そういう危険をはらんだ事案だなと感じました。法的根拠がはっきりとないという中で、各自治体でもいろいろと対応が分かれているのではないかなと思います。個人情報を扱うことに対して、慎重に判断されることを求めたいと思うのですけれども、今回の名簿提供について、個人情報保護審査会では審議を諮っていないのでしょうか。
答弁 町長 飯田晴義
審査会案件とみなしておりませんので、審査はしておりません。それで、今、酒井議員がおっしゃった点についてなのですが、今回の名簿提供については自衛隊法97 条およびそれを受けた施行令 120 条によって提供しているわけでありますけれども、これ、120 条を見ても、「防衛大臣は、自衛官又は自衛官候補生の募集に関し必要があると認めるときは、都道府県知事又は市町村長に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる」となっているわけで、確かに酒井議員がおっしゃるように細かくは書いておりません。これは、私は運用の範囲の中で、住民基本台帳の写しがこれに入るという解釈に立っていると考えております。ですから、これが、住民基本台帳の写しが資料に含まれるか、含まれないかは、私はこの場で議論するのではなくて、これは司法判断を仰いだ上で決着をつけるべきだと、もし疑いがあるとするならばですよ。私は疑っておりませんので、そうは思いませんけれども、そういうふうに考えるところであります。
再質問 7番 酒井はやみ
先ほど、自衛隊法と施行令に具体的に名簿提供と書かれてはいないというお話がありました。であるから、それが法的根拠を持つと言えるのかということが全国で議論になっているのではないかと思います。また、個人情報保護法では、本人の同意なしに第三者に情報を提供することはできないと定められていて、そちらははっきりと法的根拠があるものです。そこが議論になっていまして、今回の町の対応についても、町民からもいろんな疑問の声が寄せられて今回質問に至っているわけです。名簿提供については、自治体によって認識と対応がばらばらで、この事務が法定受託事務と言えるのかという議論も起こっています。除外申請についても同じで、対応がさまざまになっています。帯広市では、全員への通知まではしていませんが、この名簿提供について対象者に周知するために、ホームページや広報紙でのお知らせ以外にも、大学や高校に周知の協力を依頼して、こういうポスターを貼って、ここの QR コードからでも除外申請ができるようにしています。また、申請の仕方についても、幕別町では、今は電話で申し込むか、もしくは所定の用紙を入手して書いて提出してもらうという形だと思いますが、このように QR コードからインターネットで簡単に申請できるようにしている自治体、また、池田町でも、ホームページ上から通年でいつでも申請できるという体制を取っています。周知の仕方や手続の利便性を高める必要があるという判断からだと思います。ただ、除外申請のこういう工夫もされているのですけれども、やっぱりこういうやり方にも限界があると感じます。一方、赤平市や三笠市では、対象者全員に情報提供する通知文と除外申請書を郵送しています。対象者一人ひとりに返信用の封筒、申請書を届けて、自衛隊札幌地方協力本部より要請された旨を伝え、同意を取った上で、同意した人だけの名簿を提出しています。令和5年では、対象者 100 人のうち 20人が除外申請をしたと報じられています。また、東川町も同じように全員に案内を出して、125 人のうち4割に当たる 50 人が除外申請をしたと報じられています。このような報道を見ましても、全員に通知したところでは、提供を望まない除外申請が多かったということであれば、今の幕別町の除外申請のあり方では、望まない人の名簿まで提供してしまうことになりかねないのではないかなと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
答弁 町長 飯田晴義
これはそれぞれの町でいろんなやり方があるかと思います。小規模なところほど、そういったような対応ができるかと思います。では、これが札幌市でできるかとか、東京都内の 23区でできるかとなったら、これはなかなかやっぱり手間もありますし、お金の問題もありますので、なかなかできない。かといって、木で鼻をくくるようなこともできませんので、それでなるべく多くの方が分かるような形で、もし提供に異議があれば教えてくださいという形を取っているわけで、今言われた方法については、なるべくやりやすい方法を考えるということは一考を要するというか、必要だろうと思いますけれども、こちら側から全対象者に対して 400 件、500 件近くあるわけで、400件ぐらいですか、そこまで郵送して、案内をして、そして返信用はがきを入れて、もし拒否する場合ははがきを送ってくださいということは、よく寄り添ったということを言いますけれども、それが本当に寄り添ったようなサービスの提供になるのかなと思って、私は、やるべきことはやっているのではないか、責任は果たしているのではないか、その範疇でやらせてもらっているのではないかなと、そういう認識でいるところであります。
再質問 7番 酒井はやみ
今の除外申請の形でしたら、ほとんどの方が知らなかったと、私自身も声をかけた人はほとんど見る期間、申請期間のうちに広報を目にすることがなくて、知らないうちに終わってしまったということが多かったし、どうしてそういう提供を断りもなく町がやるのだという声も幾つも聞かれました。なので、責任を果たしていないとは思わないというお話でしたが、後から自分の名簿をなぜ提供したのかと町に責任が問われても困ると思うので、やはりどうすれば全員に周知して、合意があった人にのみ提供するという形ができるのかということについて研究していただきたいと思います。全国を見ますと、自衛隊に名簿や、またはシールなどで情報を提供したという自治体は全体の6割にすぎず、まだ4割の自治体が以前のまま基本台帳の閲覧のみという対応をしています。防衛省は、名簿の提供を強制するものではないということや、提供しなくても何ら罰則はないとしています。憲法で保障された町民のプライバシー権を守り、自己情報をコントロールする権利を保証するために、自衛隊に情報提供するのであれば、個人情報の厳正な扱い方などを公表した上で、また、十分な期間を置いて対象となる全てのお子さんに周知して希望する人のみ提供するべきだと考えますが、改めてお考えを伺います。
答弁 町長 飯田晴義
町としてやるべきところまではやっているという認識でおりますので、対象である方全員に対して郵送して、そしてもし拒否するのであればはがきで、往復はがきで返信してもらうというようなことは考えておりません。ただ、プライバシーのことで言うと、これは個人情報保護法の 69 条第1項では、法令に基づく場合は個人の承諾は要らないとなっていますので、そこももし疑義があるのであれば、これは本当に司法判断になるのかなと思いますし、情報提供の部分と、自衛隊法施行令に基づく資料が含まれるかどうかという2点において恐らく疑問を呈しておられると思いますので、そこは、私は全て合法の範囲内、違憲ではなくて合憲の中の範囲内で事務を行っているという認識でありますので、これは今の形の中で続けてまいりたいと思います。ただ、その周知の方法ですね。除外申請制度があるのだという点では知らない方が多いということでありますので、今、町においては公式 LINE の整備を DX の事業の中でやっておりますので、こういった中でも申請ができるような、除外申請ができるような形が取れればなと、そのことによって多くの方に分かってもらえればなと思っております。
再質問 7番 酒井はやみ
大きな災害が起これば、自衛隊の方々が命を守るために活動されていて、そういう役割も担っていて敬意を持っている町民もいると思います。ただ、今、自衛隊はパワハラやセクハラなど問題も多く、戦争に派遣されるのではという懸念も高まっています。子どもを安心して預けることはできないという保護者もいると思います。自衛官募集の強化が国から求められているということの背景に、自衛隊内でのパワハラ、セクハラ問題に加え、戦争の気配が近づいてきていて、自衛隊の応募がますます減ってしまったということもあると思います。そういった変化の流れの中で、この名簿提供がされているということで、心配する声があるのだと思います。今の自衛隊は、できた当初よりはるかに任務の範囲が広がっています。2015 年の安倍政権のときに集団的自衛権を閣議決定し、安保法制を強行採決しました。アメリカが戦争を始めたときには、同盟国として日本もアメリカを助けるために参戦することを可能にするという法律です。岸田内閣は、敵基地攻撃能力、反撃能力とも呼んでいますが、これが持てると閣議決定をし、安保関連3文書を改定しました。この中で、相手が攻撃してきていなくても、攻撃に着手していると判断したら、こちらから攻撃できるという内容です。そして、自衛隊は9条の規定を変えることなく、着々とその解釈や行動範囲を広げているように思います。アメリカとも、最近、軍事的な話合いをたくさん持っていますが、アメリカのミサイル防空戦略にも組み込まれ、アメリカ軍の指揮下で自衛隊が活動することも合意されています。
再質問 7番 酒井はやみ
はい。自衛隊の性格が変わってしまうとしているときだけに、軍事的な行為に関わりたくない、違憲の疑いがある自衛隊に関わることをしたくないという信条を持っている人もいるかと思います。単なる職業紹介の事務とは異なり、命のやり取りをする可能性のある組織へとつなぐ糸口となりかねないと思います。また、こうした公務員の応募が減っているからということで名簿を提供するというのは、例えば教員がとても減っていて必要だから文科省に名簿を提供するかというと、そういうことはしないわけで、特別、自衛隊だけやるということについても慎重に対応する必要があると思います。やはり本人の、個人情報の扱いについては、本人の主体的な同意があって初めて提供が可能になると判断するべきだと考えるのですが、改めて考えを伺います。
答弁 町長 飯田晴義
今のお話を聞いていますと、国防に携わるから悪いのだという、そこばかり言われているような感じがして、我々は本当に助かっている、私なんかは本当に助かっている、国民はすごく助かっていると思う。あれだけの機動力をもって、災害救助とか誰ができますか。自衛隊しかできないと思うのですね。ですから、そういう面もありつつ、あとは職業選択の自由が国民にはあるわけですから、その自衛隊を知ってもらうための資料を送ることに協力していると捉えていただければ、そんなに何か、自衛隊に対する感情はいろいろ人それぞれあるとは思いますけれども、そこまで悪者扱いするようなことではないのかなというのを私は思うわけでありまして。あくまでも職業を選択する上での資料を送っているということで、ご理解をいただければと思います。
再質問 7番 酒井はやみ
自衛隊に対しては、いろんな思いを持っている人がいるということが言いたかったのであって、なので一律に募集に協力するということではなく、合意があった人に提供するということがふさわしいのではないかなと考えたわけです。今、いろんな自治体が名簿の提供から閲覧に戻すだとか、議論が起こっています。北海道新聞なんかでも、繰り返し自治体の慎重な判断を求める声が紹介されています。改めて、今、立ち止まって、どのように対応する必要があるかというのを議論する必要があるかなと思いまして、個人情報保護審査会にかけるなど、そういった議論の場をつくっていく必要があるかと思うのですが、検討する議論の場というのが必要だとお考えではないでしょうか。
答弁 町長 飯田晴義
これは国の事務に関することでありますので、国政の場で私は議論すべきだと思います。そして、その中でもしそれが違憲であるとかという、違法であるとか、そういう感覚を、考え方を持っている方がいるのであれば、それは訴訟に訴えるという手法はあるわけでありまして、これは市町村長の中であれ、市町村議会の中で議論してもこれは変わらないわけでありまして、私は、本当に今申し上げたように国政の場で、あるいは司法の場でしっかり議論して、疑義のある方はそれによって決着をつけるべきだと思います。
再質問 7番 酒井はやみ
次に、大きな2番目の質問に移ります。今年も8月に広島、長崎で平和記念式典や原水爆禁止世界大会が開かれて、来年の被爆 80 年に向けて運動を強めることが議論されています。しかし、その被爆の日を前にした7月に、日米の会議で核戦力を強化することで相手国の核使用を抑止しようという核抑止力をさらに強化することが確認されまして、それに対して、被爆地をはじめ全国から抗議の声が上がりました。記念式典でも、広島市長は、心を一つにした行動で核抑止力に依存する為政者に政策転換を促すことができると呼びかけて、日本政府に核兵器禁止条約の締約国となるよう求めました。今、日本政府としては、核兵器禁止条約に参加するという姿勢にはなっていないのですけれども、もし政府が唯一の戦争被爆国としてこの条約に参加することが実現すれば、核廃絶に向けて大きな前進をつくることができると思います。そのためには、日本の草の根から、各自治体から日本政府の姿勢を改めるよう求める声を広げることが必要だと考えます。今、各自治体レベルでも、核廃絶の取組に、より力を入れる必要があると考えて、今回、協議会への参加を提案したのですけれども、より今、核兵器禁止条約に参加を求める取組に力を入れる必要性についてどのようにお考えでしょうか。
答弁 町長 飯田晴義
おっしゃるように、私も政府の姿勢には非常に疑問を持っている者の一人でありまして、唯一の被爆国が声を上げないでどうするのかなと、そんな思いを非常に持っているわけであります。ただ、やっぱり政府の考えは全く違うのですね。核保有国が1国も入っていないと、そういう中に日本が入ってもどうなるのだという考え方でありまして、そう言いながら、核は持つことはよしとしていないと言いながらも、実はアメリカの核の傘の庇護の下に入っているという非常に曖昧な姿勢がありますので、私は被爆国として、この条約に加盟すべきだと思っておりますし、そのことは確かに、被爆国は日本しかいないわけですから。その日本が核兵器禁止条約に入るということのインパクトは、私はかなり大きいのかな、そのことによって核保有国が核を持たないわというところまで行くかどうかは分かりませんけれども、多少なりともそういうインパクトを持ったような形になるのかなと思います。
再質問 7番 酒井はやみ
日本政府がそういったインパクトを持った姿勢に入って、そういう変化を起こせるようにするためにも、今、草の根で、自治体レベルで、より求める運動を広げていくことが大事だと思うのですけれども、そこに対するお考えを伺いたいと思います。
答弁 町長 飯田晴義
先ほど申し上げた考え方の下で、我が町においてはさまざまな事業展開をしているということでご理解をいただきたいと思います。
再質問 7番 酒井はやみ
そういった核兵器禁止条約をめぐる問題と同時に、今、日本の被爆者や戦争体験者の高齢化が進んでいまして、今、直接体験を聞けない次の世代に語り継いでいけるかどうかということが問われているときにも来ていると思います。そういった意味からも、これまでも幕別町はいろいろと核廃絶の取組、平和事業をやってきているのですけれども、一層力を入れる必要がある、新たな工夫も含めて発展させていく必要があると考えて、今回、協議会への参加を提起しました。この協議会では、総会や研修以外にも、親子で長崎に行って平和取材をする親子記者の派遣とか、被爆した木を植える活動、また、自治体の首長の皆さんによる平和メッセージ、これはパンフレットですけれども、加盟した各自治体の首長さんが平和のメッセージを持って掲げている、これが動画にもなっているのですけれども、そういった発信、また、若い世代の取組の交流、原爆展やポスター、パンフレットの提供など、それぞれの自治体が平和活動を進めるための具体的で役に立つ取組がたくさん紹介されていました。加盟するには、町村では年間2万円かかるということはあるのですけれども、協議会に参加して自治体間の連帯を強めていくことが、核廃絶への力をさらに広げることになると考えます。十勝では、帯広や足寄、大樹が加盟をしています。今のところ参加する考えはないと答弁がありましたが、今後検討していく考えはおありでしょうか。
答弁 町長 飯田晴義
やはりこれは日本政府の姿勢を変えていくということ、世界的な機運を盛り上げていくということからすると、やはり大きな力でなければならないと思うわけです。そうすると、やはり今の平和首長会議、これは日本は 1,741 市区町村ですから、一つだけなのです、入っていないのは。長崎県佐世保市を除いて全部の市区町村が入っているわけだし、海外を見ても、日本を含め 166か国、8,410 の都市が入っている、加盟しているということを考えれば、こんな大きな動き、力はないのではないでしょうかね。それをもう一つ入る、358 自治体ですけれども、日本非核宣言自治体協議会ですね。ですから、私は、より大きな力を持っているところの一員として、微々たる力ではありますけれども、そこの中でしっかりとやれることをやっていくということが、それこそ効果、効率的なのかなと思いますので、今のところというか、358 のところの協議会に入る考えはありません。
再質問 7番 酒井はやみ
この協議会、これからもきっといろんな取組を発展させていくかと思いますので、ぜひ注視して、今後も検討していっていただきたいなと思います。今年は、今月 19 日から幕別清陵高校の校内で、高校生の原爆の絵展が開かれるそうです。若い世代や教育の中で核廃絶の願いをつなぐ取組はとても大切だと思います。核廃絶のために何かできることはという思いを持っている町民もたくさんいると思いますので、こういった協議会の取組なんかも参考にして、それぞれが表現したり行動できる機会を、自治体として、より多彩な形で提供していくことが核廃絶への力につながると思います。ぜひ、協議会の参加もそうですし、今後の核廃絶の取組をより発展させていただくことを求めて、質問を終わります。