幕別町議会 令和7年第3回定例会 2025年9月9日
核兵器の脅威や被爆の実相について
2025年9月9日、幕別町議会の一般質問で、酒井はやみ議員が「核兵器の脅威や被爆の実相について」質問し、町長 飯田晴義、教育長 笹原敏文が答弁しました。
- 質問者
- 酒井はやみ 議員
- 答弁者
- 町長 飯田晴義、教育長 笹原敏文
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 7番 酒井はやみ
通告に従いまして質問いたします。被爆の実相を次世代に伝える平和事業。今年は広島・長崎の被爆から 80 年、幕別町が平和非核宣言を行ってから 40 年の節目の年です。国内外では、核廃絶を求める声が高まる一方、過去の危機は深刻さを増しています。こうした情勢の下、町民の核廃絶を願う声は根強くあります。その願いを受け止め、被爆の実相を次の世代へ語り継ぐことがますます重要です。若い世代や町職員が被爆地を訪れ、学びを町政や地域活動に生かす派遣事業は、町の平和行政を具体化するために必要と考えます。これらを踏まえ、町として具体的にどのように進めるのか伺います。1、幕別町平和非核宣言 40 年に当たり、その意義を今後の施策にどう反映させるか。2、若い世代や町職員を被爆地に派遣する平和学習事業を実施する考えは。3、平和首長会議が呼びかけている核廃絶運動に町としてどのように取り組むか。4、学校教育・社会教育の中で、核兵器の脅威や被爆の実相について学びを深める取組は。以上です。
答弁 町長 飯田晴義
酒井議員のご質問にお答えいたします。ご質問は、町と教育委員会にわたるものでありますので、私からは質問事項の1点目から3点目までにつきまして、答弁をさせていただきます。「被爆の実相を次世代に伝える平和事業」についてであります。世界の平和と安全を実現することは、人類共通の願いであり、平成 29 年7月7日、国連において、国連加盟国の6割を超える 122 か国の賛成により「核兵器禁止条約」が採択され、多くの国が核兵器のない世界の実現に向けて明確な決意を表明いたしました。本町におきましては、昭和 60 年 12 月 23 日に、「世界唯一の被爆国として、広島、長崎の惨禍を二度と繰り返してはならず、非核三原則を完全に守り、美しい郷土の自然と豊かな文化を守り、平和な未来を子供たちに引き継ぐ」とした「平和非核宣言」が決議されたところであります。ご質問の1点目、「幕別町平和非核宣言 40 年に当たり、その意義を今後の施策にどう反映させるか」についてであります。本町におきましては、これまで、「平和非核宣言」の精神の下、平和非核宣言の看板を町内3か所に設置しているほか、毎年、平和への願いを込めた千羽鶴を被爆地である広島市及び長崎市に贈る運動を町民に呼びかけ、本年度も 4,000 羽以上の折り鶴が集まり、終戦記念日に合わせて、広島市の「原爆の子の像」と長崎市の「原爆資料館」に捧げております。また、原水爆禁止国民平和大行進実行委員の皆さんが行程中、本年も5月 15 日に本町にお立ち寄りいただきましたが、核廃絶の願いを込めた短冊を託すとともに、激励をさせていただいているところであり、加えて、8月4日には原水爆禁止 2025 世界大会に参加する町民の方を激励させていただいたところであります。さらに、毎年8月には、核兵器使用の悲惨な実態を風化させることなく、核兵器の廃絶と平和の大切さについて考えていただく機会として、幕別地区、札内地区及び忠類地区の3地区で順番に、原爆パネル展を開催しているところでありますが、昨年度から、同様の取組を行っている「原水爆禁止幕別協議会」と共催でパネル展を開催しており、本年度は、7月 22 日から 28 日まで札内コミュニティプラザ、8月1日から 15 日まで図書館本館の2か所で開催いたしました。このほか、平和首長会議の一員として、加盟都市との連携を密に行動を共にしている中で、令和4年度から同会議が取りまとめております「核兵器禁止条約」の早期締結を求める署名活動に参加し、本年度は8月1日から 22 日までの間、役場本庁舎、札内支所及び忠類コミュニティセンターの各施設内において、署名コーナーを設けたところであります。本年は、日本の被爆 80 年、本町の「平和非核宣言」が決議され 40 年の節目の年を迎えますことから、宣言等のさらなる理解を深める機会として捉え、これまで実施している平和事業に加えて、図書館本館で開催した「原爆パネル展」においては、図書館の「戦争と平和に関係する図書展示」の特別展示と合同で開催したほか、宣言文を7月号広報紙へ掲載するとともに、2か所で開催した「原爆パネル展」においては、宣言の大判のポスターを掲示して、宣言の制定 40 年を周知したところであります。町といたしましては、町民の間に「平和非核宣言」の精神が根づき、風化させないためには、継続して取り組んでいくことが重要であると考えておりますことから、今後におきましても、引き続き現在のさまざまな平和事業などを通して、町民の皆さんと一緒に平和の尊さを考える機会をつくってまいりたいと考えております。ご質問の2点目、「若い世代や町職員を被爆地に派遣する平和学習事業を実施する考えは」についてであります。全国の自治体の中では、若い世代に被爆の実相に触れ、平和について理解を深めてもらうことを目的とし、被爆地である広島県や長崎県に小中学生などを平和学習事業として派遣する取組が行われている自治体もあり、意義があることと認識しております。自治体が異なれば住民意識も異なっており、例えば被爆者や戦争経験者が多いといった土地柄であれば、当然、機運の盛り上がりというものがあり、派遣事業に対する理解も得られるものと考えておりますが、本町におきましては、現地で見聞きすることの重要性は認識するものの、現地に行かずとも、広島平和記念資料館のホームページで動画配信されている被爆体験講話などを通しても、実相を知ることができることから、本事業の選択肢として、若い世代や町職員の派遣事業を実施するには至っておりません。しかしながら、本町といたしましても、若い世代をはじめ、幅広い世代の方々とともに、戦争の悲惨さ、平和の尊さについて考えていくことは、大切なことと考えておりますことから、現在のさまざまな平和事業の展開方法を工夫しながら、引き続き取組を進めてまいります。ご質問の3点目、「平和首長会議が呼びかけている核廃絶運動に町としてどのように取り組むか」についてであります。本町が加盟する平和首長会議は、核兵器のない平和な世界の実現を目的として設立され、本年9月1日現在で、国内では本町を含め 1,740 市区町村が、世界では日本を含め 166 の国と地域から 8,516都市が加盟しており、加盟都市相互の緊密な連帯を通じて、核兵器廃絶の住民意識を国際的な規模で喚起させるとともに、国連や各国政府への要請活動や働きかけに取り組んでおり、これに加えて、核実験を実施した国に対しても抗議文を送付しております。国内の「平和首長会議」では、核兵器による悲劇を二度と繰り返してはならないとの信念の下、令和3年 11 月 18 日に、核兵器廃絶に向けた取組の推進を求める要請書を内閣総理大臣に提出し、核兵器禁止条約の締約国となるよう強く要請したところであります。この要請には、一刻も早い核兵器禁止条約の締約と恒久の平和を願う幕別町民の切なる思いが込められており、全国の 99.8%、1,737 市区町村からの強いメッセージを国政に届けたものであり、最も効果的で大きな力となっているものと認識をいたしております。核兵器の廃絶に向けては、さまざまな活動が行われておりますが、町といたしましては、同会議が取りまとめております「核兵器禁止条約」の早期締結を求める署名活動に参加するなど、平和首長会議の一員として、加盟都市との連携を密に行動を共にすることが最も効果的で大きな力になるものと考えており、今後も、国に対して核兵器禁止条約を締結するよう働きかけを行ってまいりたいと考えております。以上で、酒井議員のご質問への答弁とさせていただきます。
答弁 教育長 笹原敏文
酒井議員のご質問にお答えします。「学校教育・社会教育の中で、核兵器の脅威や被爆の実相について学びを深める取組は」についてであります。義務教育における平和教育については、社会や道徳、総合的な学習の時間など、教育活動の各場面で取り組んでおりますが、小学校及び中学校の社会科の学習指導要領における共通のねらいとして、グローバル化する国際社会に、主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を育成することを目標としており、それぞれ学習の中で取り組んでいるところであります。小学校の取組では、第6学年において日中戦争や第二次世界大戦など戦争による歴史的な事実を通じ、戦後日本が民主的な国家として出発し、平和な世界の実現のために国連の一員として重要な役割を果たしていることなどの学習を行っております。また、中学校の取組では、歴史的な分野において、世界大戦が人類全体に惨禍を及ぼしたことを理解し、国際協調と国際平和の実現に努めることが大切であること、公民的分野では、日本国憲法の平和主義について理解を深め、我が国の安全と防衛及び国際貢献について考え、核兵器などの脅威にも触れ、戦争を防止し、世界平和を確立するための意識と協力の態度を育成する学習を行っております。社会教育の取組の中では、図書館の本館において、町内の戦争の記録や体験、戦跡に関する資料を郷土資料スペースの一角に設けているほか、毎年8月には、「戦争と平和に関係する図書展示」として特別展示を全館で開催し、期間中は図書館のホームページにも掲載をしているところであります。また、本町では空襲や被爆体験など、戦争体験を聞く会などは開催しておりませんが、昨年、原爆をテーマにした原爆体験伝承漫才「希望の鐘」を、百年記念ホールの指定管理者である「まくべつ町民芸術劇場」が主催する公演として、また幕別清陵高校が芸術鑑賞として、それぞれ実施したところであります。今後におきましても、核兵器の恐ろしさや戦争の歴史に触れる機会を提供することができるよう、指定管理者などと密接な連携を図るとともに、本町だけでなく近隣市町村で開催される講演会等の周知に努めてまいりたいと考えております。本年で戦後 80 年を迎えましたが、第二次世界大戦で多くの尊い命、財産、自然や文化を失った体験の記憶が年々薄れつつある中、今後も引き続き、戦争の残した教訓や平和の大切さを学べる機会を設けてまいりたいと考えております。教育委員会といたしましては、町民の間に「平和非核宣言」の精神が根づき、風化させないためには継続した取組が重要であると考えておりますことから、今後におきましても、引き続きさまざまな平和事業などの取組を通して、町民の皆さんと一緒に平和の尊さを考える機会をつくってまいりたいと考えております。以上で、酒井議員のご質問への答弁とさせていただきます。
再質問 7番 酒井はやみ
では、再質問をいたします。最初に、幕別町平和非核宣言の意義をお聞きしたのですが、意義を今後の施策にどう反映させるかということをお聞きしました。これは答弁の中では、この宣言を風化させないというお考えが2か所ほど述べられていたかと思います。私は今回 80 年の節目ということで、全国で核廃絶を願ういろんな取組が行われているのを見まして、この幕別町の宣言が改めて輝いているなというか、意義を持って発揮させることが求められているなというふうに感じたので、この質問をしました。特に平和祈念式典などで、被爆地から発信されている内容を見て強く感じたのは、今、核廃絶の課題は、できるだけ早く実現すればいいという課題ではなく、真剣に実現に向かわなければならない課題だということです。世界では紛争でひどい暴力が横行し、軍拡を競い合う動きもある。そういう中で、核を持っている国が核使用を口にするという状況にまでなっています。印象的だった発言は、記念式典での広島の湯崎知事ですが、湯崎知事は核廃絶について、核兵器廃絶は決して遠くに見上げる北極星ではありません。被爆で崩壊した瓦礫に挟まれ、身動きの取れなくなった被爆者が、暗闇の中、一筋の光に向かって一歩ずつはい進み、最後は抜け出して生をつかんだように、実現しなければ死も意味し得る現実的、具体的目標ですと述べられました。現地からのこの真剣な発信に、改めてはっとさせられた気がしました。また核抑止から抜け出さず、核兵器禁止条約に背を向ける日本政府にも厳しい批判が向けられました。一方で、被爆者の体験を語れるという方が少なくなる中で、その実相を若い世代にどう伝えていくかも、大きなテーマになっていることが感じられました。そこで改めて伺いたいのですが、幕別町がこうした現状や核廃絶の重要性の中で、幕別町平和非核宣言の意義を、今どのように捉えておられるのか、改めてお聞かせください。
答弁 町長 飯田晴義
これ、昭和 60 年の決議でありましたけれども、いわゆる平和比較原則、持たずつくらず持ち込ませずというこの思いというのは、本当に被爆国日本、日本人の思いを表したものであるというふうに思っておりますので、ここは 40 年という節目ではありますけれども、やることは地道に啓発活動をやらないと、なかなか浸透しないということがあります。ただ、今年は何点か、特に今年の宣言の意味を改めて町民の皆さんに示したということがありますので、ここはしっかりこの平和非核宣言の意義に改めて思いをはせて、今後も取組を続けていきたいというふうに思っております。
再質問 7番 酒井はやみ
世界でも日本国内でも核をめぐる立場に大きな溝ができている中で、地方自治体とか市民社会のレベルでの草の根の運動が、いよいよ大切だということも強調されているように思います。そんな中で、幕別町の宣言が改めて輝きを増しているというふうに思います。一方、若い世代に継承ということを考えると、これはまた自然に進むことは難しいというのが現実だと思います。町内の保護者から、この点について声が寄せられました。自分たち親も実際に被爆の悲惨さを見たり、体験談を聞く機会がなく、子ども世代に伝えられないもどかしさがある。今の子どもたちは、祖父母が戦後生まれでさらに伝えるのが難しいという声や、学校の先生も若くなって、ますます被爆や戦争が遠い昔の知らない話になってしまいそうだというふうな思いを話されていました。こうした現状を踏まえたとき、町としてもその意義を生かした取組を行うと同時に、町民や若い世代に積極的にこの宣言の意味を伝える取組が必要だと感じました。町としてこの宣言の意義をどのように伝えていくのか、お考えがあれば伺います。
答弁 町長 飯田晴義
年月がたって、80 年たって、町民の皆さん一人一人が、だんだんこう、核兵器、戦争の悲惨さというものを忘れかけているわけでありますから、そこはやはり今やっているパネル展もそうでありますけれども、あるいは被爆者の実際の声を聞いたりとか、悲惨なものである、絶対二度と核兵器を使ってはならないのだ、あるいはつくってはならないのだという、核兵器禁止条約ですね、この精神をしっかり、この考え方をしっかり国民一人一人が持つ、そして政府もそれに向かっていくということが必要であるというふうに思いますので、いま一度、やはり本当に悲惨なものだという思いを持たない限りは、そういうふうに向かっていきませんので、そこはパネル展のみならず、広島の平和資料館ですか、ここでも被爆者の談話なども、ホームページを開けば聞くことができます。あるいは今後、何より派遣という話も、この後、出てきますけれども、派遣よりも実際に招聘して、その人の生の話を聞くことが、より多くの人にとって心に響くのかなというふうにも思っておりますので、そういったことをしっかりと実行していくということが何より大切だろうというふうに思います。
再質問 7番 酒井はやみ
この宣言が、昔つくった宣言ということではなくて、先ほどお話にあったように、今、自分たちが生きている町の約束事として、町民が感じられる発信の取組が必要かなというふうに感じました。というのは、いろんな自治体がこうした宣言を持っていて、宣言 40 周年のいろんな講演会だとか、シンポジウム、展示会などのイベントをやって、その宣言を持っている町であることを町民に発信する取組もされていました。そうした取組も参考にして、町がこうした宣言を持っているということ自身を町民にも知っていただく、そうしたことも大事かなというふうに感じたのですが、そのあたりのお考えはどうでしょうか。
答弁 町長 飯田晴義
町民に知っていただくことが重要ではなくて、平和非核宣言の気持ちを町民一人一人が持つことが大事であるというふうに思いますので、そこはうちの町は過去に昭和 60 年に、40年前に宣言したことが大事ではなくて、本当に核兵器というのを持たないつくらない持ち込ませない、二度と核兵器を使うようなことがない、あるいは戦争することにないということを、一人一人が認識してもらうことが私は一番大事であると。そのためのさまざまな事業を、地道ではありますけれども、やってきたということであります。
再質問 7番 酒井はやみ
私はいろいろな事業を通じて、実際に同じ思いに立ってもらう取組が大事というのは、そのとおりだと思うのですけれども、幕別町としてこういう発信をやっているということ自体も、やはり次の若い世代に伝えていくというのは大事かなというふうに思いました。次の質問に移ります。町民とともに、核廃絶の声を広げていくには、被爆の実相を次の世代に伝えることが不可欠だと思います。私自身も中学校のときの修学旅行で長崎を訪れて、被爆者の谷口稜曄さんから直接お話を伺いました。背中に大やけどを負った御自身の姿を示しながら、目を背けずに見てほしい、自分を最後の被爆者にしてほしいと訴えられた姿に衝撃を受けました。単なる知識としてではなくて、自分の心や生き方を揺さぶられる体験だったと思います。こうした実相に触れる学びこそ、若い世代が平和をつくる担い手として育つ原点になると考えます。町としてこの被爆の実相を伝える取組、先ほど少しお話しいただいたのですが、この被爆の実相を伝える取組の重要性についてどのように考えておられるか、お聞かせください。
答弁 町長 飯田晴義
やはり全く無関係の人から聞くよりは、実際に体験した人から話を聞くなり、そのやけどの跡を見せられる、これは何物にも勝る本当に実感できるものだというふうに思いますので、そういったところをやはり大切にしなければならないなというふうに思います。ですから先ほど、実際に被曝した方に来ていただいて話をしてもらう、あるいは私は DVD とかでもいいと思うのですが、実際に自分の目で見るということが、やはり悲惨さをより実感できる、そういう機会になると思いますので、そういう機会をしっかりと体験してもらう、多くの町民に、あるいは小中学生に体験してもらうことが大切だろうというふうに思っておりますので、そういった事業の展開方法というものを、今までやっていたから今年もやるのだではなくて、より効果的な展開方法も考えていかなければならないなというふうに思っております。
再質問 7番 酒井はやみ
今、被爆の実相を語り継ぐということは、被爆者の方々から直接お話を聞ける機会が失われつつあるという中で、子どもたちが今学ばなければ、次の世代にその実相が伝わらなくなるという危機にあるというのが背景にあると思います。また核兵器の実相というのは、たった一発で都市とか自然を破壊して、長期にわたって人々を苦しめるという、またもう今のレベルでは人類を破滅させかねない、そういう戦争一般の悲劇とは異なる特質を持っていると思います。これも学ばなければ過去の脅威は理解できないと思います。そして、今その核の使用が現実の脅威となっていて、若い世代が核は二度と使わせないという思いを持つことは、未来をつくるために欠かせないものだと思います。先ほど DVD とかいう話もあったのですけれども、やはり伝え聞くというのは、その人の思いも併せて伝え聞くということが、すごく大事な点だというふうに思います。ただ事実を知るということではなくて、どんな思いでそれを伝えていくかということが、併せて伝わっていく。それが伝わっていかないと、次の平和のつくり手にはならない。そこがすごく大事な点なのではないかなというふうに思います。実際に被爆者の方に来ていただいて、話を聞ければとてもいいのですが、それも難しくなっていますし、今、語り部も育成されていますので、そういうこともできれば、とてもいいと思うのですけれども、そういったいろんな可能性を追求して、子どもたちにぜひ実相を、気持ちと併せて伝えられるような取組を位置づけていただきたいなというふうに思います。改めてお考えがあれば伺います。
答弁 町長 飯田晴義
やはり義務教育課程において、教育活動の中で、そういったものを取り入れ、平和教育等も取り入れて、しっかりと幼いときから意識を、認識をしてもらうということは、大切だろうというふうに思っておりますので、これ教育委員会の専権事項になりますので、私のほうからも要請をして、なるべく実相に触れるような教育活動に取り組んでいただくよう要請したいというふうに思います。
再質問 7番 酒井はやみ
はい、分かりました。次に移ります。被爆地の派遣についてです。答弁では、自治体が異なれば、住民意識や土地柄も異なり、派遣事業への理解が得られるかどうかというようなニュアンスのことを述べられたかと思います。しかし町民の中には平和や核廃絶を願う声が根強くあると私は受け止めています。そこで伺いたいのですが、町としてどのような調査や声の把握を行った上で、理解が得られるか疑問がまだ残っていると判断したのでしょうか。
答弁 町長 飯田晴義
これはアンケートを取ったわけでもありませんし、1軒1軒聞いて回ったわけではありませんけれども、やはりふだん私がいろんな方と接している中で、こういった類いの話というのは、もう皆無、出ないわけであります。だからといって、思っていないというふうに取ってもらっても困るのですが、やはり本当に心底思っているのであれば、やっぱり言葉の端々に出てきたり、会話の中で出てきたりもするので、そういう経験がありませんので、非常に意識としては薄いのではないかなというふうに私は受け止めているということであります。
再質問 7番 酒井はやみ
今、答弁の中でも紹介されましたが、町の平和運動に取り組んでいる団体、幕別原水協は、毎年、幕別の団体の代表として、広島・長崎に原水爆禁止世界大会に代表を派遣しています。その代表派遣への協力や参加の署名の呼びかけに対して、町民の多くの皆さんが日常的に平和運動に関わっているわけではないにもかかわらず、核兵器だけを早くなくしてほしい、一度若い人には被爆地に行ってほしいという思いも語りながら、署名や募金に協力をしてくれていると伺っています。やはり町のこれまでの平和事業が町民の核廃絶の思いを支えてきているというふうにも思っています。それだけに、町の取組や発信が町民の声をより見える形にして、廃絶への力にしていけると感じています。もし、先ほど町長がおっしゃったように、町民の意識が薄いということであれば、なおさら、やはり現地にも派遣をするなどして、町民の中で、核廃絶について考える機会をより持っていくということが必要ではないかと思ったのですが、その点も併せて伺います。
答弁 町長 飯田晴義
町としては、いろんな事業なりサービスを提供しているわけで、そこには必ずお金が伴うわけです。予算がなければ、全く何もできないと言ってもいいのではないかなというふうに思います。派遣するとなれば、そこの予算組みをして、議会の議決をいただいて、そして実行していくという形になります。その予算組みが果たして、ほかにいろんなやらなければならないことがあるし、重要性は私も十分分かっています。ただそこ何十人、何十人と言いませんけれども、毎年5人派遣していくとかという、お金の使い方が果たしていいのか、そうではなくて向こうから来てもらう。より多くの人が実感を得られるのがいいのか、その辺の選択肢はありますので、それは私は先ほどから、その事業の展開方法をやっぱり工夫しなければならないというのは、そういう意味で申し上げたわけで、派遣ばかりが私は実相を知る機会ではないと思っていますし、先ほど DVD の話も出ましたけれども、DVD で別に戦後の姿というか、町の風景を映したものという意味ではなくて、語り部とか、被爆者、体験者のお話を収録したような DVD があると思っていますので、そういったものも実際に流して、皆さんでそれを実感するという機会も、そういう事業の機会もあってもいいのかなというふうに思いましたので、そこは今後、同じお金をかける中でより効果的な、より町民の皆さんが認識が深まるような、そういう事業展開を考えてまいりたいというふうに思っております。
再質問 7番 酒井はやみ
いろんな手段を考えるということは全く否定しませんが、今回、現地に派遣するこのことの意義について、やっぱり改めて考えていく必要があるかなというふうに思いまして、今回質問しました。やっぱり現地を訪れて、原爆ドームや資料館、慰霊碑の前に立って、現地の語り部から直接話を伺うということは、映像や資料だけでは得られない大きな学びがあるのではないかなと思います。そのことは答弁でも先ほど言われていたかとは思います。私、先日、今、中高生を育てている保護者の方にお会いをしました。その方は、会ってお話をする中で、戦争や核兵器のことを、せめて自分の子どもたちにはちゃんと伝えたいというふうに思っていると語ってくれました。どうしてそういうふうに思うようになったのかというふうに聞いてみると、道内出身の方なのですが、御自身が中学生の頃に住んでいた自治体で行われていた平和図書作文コンクールに入賞し、広島に派遣されたということでした。彼女は、このときの経験やその後の体験を通して、自分の子育てでは、平和への思いを伝える機会を持つようにしていると思うというふうに言っていました。広島・長崎の平和式典や終戦記念日には、テレビを見ながら子どもたちと黙祷をされているそうです。多感な時期に、現地で原爆ドームや資料館からその悲惨さ、式典からは平和の尊さを学ばせていただいた。本物に触れる機会があったおかげだと思っているということでした。そして、今後も折に触れ平和図書を読む、経験談を聞かせていただくなど、できることは家族皆で取り組みたいと話されていました。彼女も、被爆 80 年という節目に、幕別町が派遣事業に取り組めれば大きな一歩になると期待をされていました。そういった話を聞きましても、やはり行って経験するというのは、ずっとその方の人生にも影響を及ぼすのだなというふうに改めて感じました。ほかの方からもですが、例えば小学生の6年生を派遣して、夏休みが終わったら各学校で発表してもらうという機会が持てれば、全ての子どもたちに考えるきっかけになってもらえるのではないかなという話もありました。ぜひ現地への派遣事業について、改めて検討する機会を設けていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
答弁 町長 飯田晴義
私は派遣することを全く否定しているわけではなくて、事業効果として、もっと大きな効果が得られるような、呼んでくれば、100 人、200 人一遍にお話が聞けるわけですよね。そういったことを申し上げているのでありまして、派遣が全く駄目だと言っているわけではなくて、そこはちょっと勘違いしないでいただきたい。ですから、いかに効果的な事業展開をしていくか、そこにはやっぱり知恵を絞ってやっていく必要があるということで、どうせお金をかけるのであればより大きな効果であったり、より心に響くような事業をやっていきたいと、そういう意味から申し上げているわけで、今後もそこはしっかりと検討していきたいと思います。
再質問 7番 酒井はやみ
ぜひ検討を進めていただきたいと思います。次の平和首長会議の取組についてです。答弁では、平和首長会議の一員として、加盟都市との連携を密に行動を共にすることが最も効果的で大きな力になるものと考えていると言われました。平和首長会議では、加盟自治体に向けて核廃絶に関するさまざまな取組が呼びかけられています。例えば、核兵器禁止条約の署名の取組、平和首長会議が作成した原爆ポスター展などの展示、“平和なまち”絵画コンテストなど町民参加のイベントです。いずれも町民が平和活動に参加するきっかけになるものと考えます。町が積極的に取り入れていくことで、町民一人一人が平和の担い手になる土壌が広がります。また国際社会にも住民の声を届けて国際世論を高めることにつながると思います。ぜひ積極的に具体化していただきたいと思います。署名についても、今現状でも取り組んでいるという答弁でしたが、例えば原爆パネル展や図書の展示の際にも署名を呼びかけるだとか、地域の団体や民間にも広げていくとか、また原爆のポスター展は、この間、平和首長会議が作成しているものですが、これも作成、取り組むことでまた平和首長会議のホームページにも紹介されて、連帯した運動が広がっていくという力にもなると思います。また“平和なまち”絵画コンテスト、子どもたちに絵を描いてもらうという取組ですけれども、これも学校と協力して取り組むことができないかなというふうに思うのですが、何か具体的に考えていけることがあるかと思うのですが、今考えておられることがあったらお伺いします。
答弁 町長 飯田晴義
何をやるかということは考えておりませんけれども、いずれにしても、事業をどうせやるならば効果的にやらなければ意味はないわけでありますから、それは小中学校、幼児も含めて、町民全体がより認識が深まるような、そういう事業展開をしなければならないなというふうに思っております。
再質問 7番 酒井はやみ
ぜひ議論して、できることから取り組んでいっていただきたいと思います。次に四つ目の教育の中での学びについてです。教育長からの答弁をいただきました。答弁は、平和教育一般の取組の紹介が主だったかなというふうに思いました。今回伺った核の脅威や被爆の実相を学ぶということは、一般的な平和教育とは別に特別な工夫と機会が必要だというふうに考えますが、町はどのようにお考えでしょうか。
答弁 教育長 笹原敏文
答弁の中でも申し上げましたけれども、具体的に社会科の中で、こういった取組をやっていますという話もいたしました。ただこれ以外に、複数の教科にまたがって、いわゆる平和教育というのをやっているというのが実態だというふうに思います。この平和教育一つとってもやはりいろんな切り口があろうと、その中の一つが、酒井議員がおっしゃるような核の脅威ですとか、被爆の体験、そうしたものが挙げられるのかなというふうにも思います。日本人である以上、やっぱりそういったことに関して、一定程度の学びの機会を設けるというのが必要だろうというふうに考えておりますので、現状の教育課程の中において、各学校で工夫をしながら、適切に取り扱っていくべきものだというふうに考えております。
再質問 7番 酒井はやみ
例えば、今回は核兵器の脅威や被爆の実相ということですので、この中身をどれだけ子どもたちと一緒に学べるかということ、現状がどうかということもあるのですが、考えていく必要があるかなと思いました。というのは、例えば原爆の日は夏休み中です。子どもたちが意識しないまま通り過ぎてしまいかねないということを私も危惧しています。そうした状況の中で、町として、核や被爆の実相を正面から学ぶ機会をどう確保していくか、この課題について、その大事さとか、今、実際考えていることがありましたら、それも含めて改めて伺います。
答弁 教育長 笹原敏文
義務教育段階にあっては、小学校1年生から中学校3年生までと、9年間にわたって、その発達段階に応じてこの平和教育についても、それぞれの場面の中で、その年代に合った教材を用いながら、学校の中で教育活動に取り組んでいるというふうに考えますので、その場面場面の中にあって、やはりそうした終戦の日ですとか、原爆投下の日、そうした節目の日の大切さといいますか、そうしたものが繰り返し増えていく、そういう必要があるのではないかなというふうに考えています。
再質問 7番 酒井はやみ
その節目の日に触れていく機会が大事なのですけれども、そういう日程では夏休みということもあって、せっかくのそういう節目の日に、なかなか子どもたちがそこに正面から考える機会を持てないという現状があるのではないかということをちょっと心配しているわけです。ほかの保護者の方にもちょっと意見聞いたのですけれども、その方は今年の夏に小学3年生のお子さんを対馬丸記念館に連れていくということで、平和の思いがある方なのですが、その方が言われていたのですけれども、被爆地とそれ以外の地域で原爆についての学習機会に差があり過ぎると思うというふうに言われていました。また原爆パネル展を町でも取り組んでいますが、夏休み中に多くの保護者が積極的に子どもをパネル展に連れていくというのは恐らく難しいので、日頃から身につく学校の廊下などに展示があれば、全ての児童生徒が目にする機会を持てるのではないかというふうに思うというふうに言われていました。また別の方は、自分たちの小学生のときには必ず学級文庫に「はだしのゲン」があった、あれを見れば原爆が分かる、体験した人の話をリアルで聞くのが難しくなっているけれども、また各家庭でというのは難しい状況にある中で、学校でそういうものを通して触れる機会があるといいと思うというふうに言われていました。学校教育の中で位置づけられれば、全ての子どもたちが核兵器の脅威や実相に触れる機会を持つことができると思います。改めて、そういった機会があるのか、確認といいますか、点検、見直しして、具体的に取り組んでいけるようなことを検討していく必要があると思うのですけれども、町の考えを改めて伺います。
答弁 教育長 笹原敏文
平和教育全般に関わる教材は、本当にさまざまあるのではないかなというふうにも思います。各学校の図書室の中にも、この平和や戦争に関する図書コーナーなるものもあるというふうにも聞いております。中身を詳細確認はしておりませんが、そうした中に、核の脅威ですとか、被爆の悲惨さ、そうしたものを伝えるような図書も置いてあるほうがいいのかなというふうにも考えます。いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、繰り返しこうした戦争の悲惨さや何かを伝えるような取組を、教育活動の中でも取組をした上で、いずれ可能であれば、広島や長崎といった被災地を訪れたいと、そのような気持ちになればいいのではないかなというふうに考えております。
再質問 7番 酒井はやみ
被爆者や被爆地の真剣な発信に応えて、過去の実相を学び、廃絶に向けた平和事業を若い世代と一緒に行っていくことを期待して質問を終わります。