幕別町議会 令和4年第3回定例会 2022年9月6日
子どもの人権、ジェンダー平等を柱にした性教育を
2022年9月6日、幕別町議会の一般質問で、野原惠子議員が「子どもの人権、ジェンダー平等を柱にした性教育を」について質問し、教育長 菅野勇次、町長 飯田晴義、こども課長 平井幸彦、保健福祉部長 樫木良美が答弁しました。
- 質問者
- 野原惠子 議員
- 答弁者
- 教育長 菅野勇次、町長 飯田晴義、こども課長 平井幸彦、保健福祉部長 樫木良美
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 10番 野原惠子
通告に従いまして、次の質問を行います。1、子どもの人権、ジェンダー平等を柱にした性教育を。2009 年にユネスコが発表した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」では、性と生殖の健康に関する内容をはじめ、人間関係、人権、ジェンダー平等など幅広い内容を扱う「包括的セクシュアリティ教育」が推奨されています。その人らしい性の在り方(セクシュアリティ)は基本的人権そのものであり、性教育は現代社会では不可欠としています。これまで幕別町でも学校教育の中で性教育を行ってきましたが、性の研究が進み、専門家から命の尊厳を理解するには0歳からの性教育が必要と提起されています。家庭、保育所、幼稚園での性教育が大切です。学習指導要領では、小学校5年生の理科で「人の受精に至る過程は取り扱わないものとする」とし、さらに中学校3年生の保健体育では「妊娠の経過は取り扱わない」としています。2023 年度から文部科学省が推進する「生命(いのち)の安全教育」が本格的に実施されますが、性暴力や性被害の予防や対処に関する教育という形に位置づけられ、性教育として不十分です。しかし、教材として利用できるパワーポイントのスライドについては、各学校や地域の状況等に応じて内容の加除や改変を行った上での使用も可能としています。包括的性教育を行うため、必要な内容を付け加えながら、暴力をなくし人権を尊重する「からだの権利教育」という視点で性教育を行っていくことが必要と考えます。(1)性に関して正しい価値観を身につけるためには、0歳からの性教育が推奨されてきている。保育所・幼稚園での性教育はどのように行われているのか。また、保護者・保育士・幼稚園教諭の研修状況は。(2)子どもたちの性情報は、インターネット、テレビ、ラジオ、漫画、口コミなどのゆがんだ情報が多く、身近にあふれている。子どもたちの環境に適した性教育が不十分であると考えられるが、手だては。(3)性教育は学校、保護者、地域の連携により理解が深まり、子どもたちを守ることにつながる。地域で子どもたちを守る環境を築き、科学的な性教育など学習の場を設けること。2、パートナーシップ制度の導入を。日本では、戸籍上同性である場合や、自らの性自認(心の性)での入籍は制度上利用できません。このため、パートナーとともに生活を行っている LGBT 等の方は、配偶者や家族に認められている制度やサービスが利用できないなど、様々な困難や生きづらさに直面しています。性の在り方に関わらず、誰もが個人として尊重され安心して住める町として、パートナーシップ制度を導入すべきであり、町の考えを伺います。以上です。
答弁 教育長 菅野勇次(教育長は2024年3月まで)
野原議員のご質問にお答えいたします。ご質問は町と教育委員会にわたるものでありますので、私からは、ご質問の1点目につきまして答弁をさせていただきます。「子どもの人権、ジェンダー平等を柱にした性教育を」についてであります。性犯罪、性暴力の根絶を求める社会的機運が高まる中、国では令和2年6月に「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」を決定し、教育・啓発活動を通じた社会の意識改革と暴力予防の取組の一つとして、子どもたちが性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないように、令和3年度から4年度にかけて、全国の学校において地域の実情に応じて段階的に「生命(いのち)の安全教育」を推進することとされたところであります。また、ジェンダー平等や性の多様性を含む人権尊重を基盤とした「包括的性教育」に関して、国際連合教育科学文化機関、いわゆるユネスコが中心となって作成した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」が公開されており「ジェンダーの理解」「暴力と安全の保持」「性と生殖に関する健康」など8項目の主要な枠組みを示しており、海外においては国際的な標準的指針として利用されております。ご質問の1点目「保育所・幼稚園での性教育はどのように行われているのか、また、保護者・保育士・幼稚園教諭の研修状況は」についてであります。町立保育所及びわかば幼稚園は、それぞれ国が定める「保育所保育指針」「幼稚園教育要領」に基づき「基本的な習慣や態度を育て健全な心身の基礎を培う」など、保育・教育で同様の目標を掲げ、その目標達成に向け保育・教育を行っているところであり、性教育については、その中で明確に位置づけされてはおりませんが、「健康な心と体を育て、自ら健康で安全な生活をつくり出す力を養う」ことをねらいとして取り組んでおります。具体的に申し上げますと、乳幼児のおむつ交換の際には「おむつを替えるから、体を触るね」など、乳幼児の体に触れるときには乳幼児の気持ちを大切に接し、不意に体を触られたり、自分が触られたくないときに「嫌だ」と言えるように乳幼児の同意を得るようにするなど、言語化して伝えることに取り組んでいます。また、プライベートゾーンは人に見せない、触らせないことを、年齢や発達状況に合わせて児童に伝えており、水遊び後に水着を脱いで体を洗う際には、周囲から見えないように目隠し用の仕切りを設けているほか、4歳児及び5歳児では男女別に着替えを別の場所で行い、女児に対しては個室に入ったらドアを閉めることなどを指導しています。さらに「体の仕組み」に関する絵本を使って男女の違いに気づかせたり、自分の体についての興味や関心を持てるように取り組んでおり、その中から「自分を大切にする」「自分らしく生き生きと過ごすことができる」意識を持てるようにするほか、児童とは「男の子だから、女の子だから」といった言葉遣いをしないなど、多様な価値観を妨げないような対応を心がけています。保育士、幼稚園教諭の研修状況につきましては、これまでも園内外の保育・教育に関する様々な研修において、性教育に関する研修も行ってきており、一例で申し上げますと、本年度開催された「幼児教育初任保育者研修会」における児童虐待に関する講義においては、児童が性的虐待を受けないためには、幼児期からプライベートゾーンの大切さを理解させる性教育を行うことが望ましいとする内容について学ぶなど、様々な研修から性教育に関する理解を深めております。児童の望ましい成長にとって、性教育は大変重要であると認識しておりますことから、今後におきましても、保育士、幼稚園教諭の研修の充実を図ってまいりますが、コロナ禍で研修会自体が開催できていない保護者研修会については、今後、開催する際には、保育士や幼稚園教諭が研修で得た性教育に係る保護者の役割や子どもへの対応方法など、保護者が性教育に関する理解を深められるよう取り組んでまいります。ご質問の2点目「子どもたちの環境に適した性教育が不十分であると考えられるが手だては」についてであります。小中学校における性教育につきましては「学習指導要領」において、児童生徒の実態や課題に応じて、教育活動全体を通じた各教科等の中で関連づけて指導することとなっており、教育課程の中では、体育科や家庭科はもとより、道徳科、総合的な学習の時間などを活用し取り組んでおります。また、インターネットや SNS 等が急速に普及し、子どもたちを取り巻く環境が大きく変化する中、性情報に関する有害サイトや、スマートフォン等の利用により児童生徒が SNS 等を介した事件等に巻き込まれないようにするためには、利用に伴う危険性などを児童生徒にしっかりと理解させる「情報モラル教育」が重要であると考えております。具体的には、道徳の時間などに、インターネットの適切な活用や情報モラルの指導と併せて、個人情報の流出や有害情報の閲覧、SNS を使った犯罪などインターネットの危険性について、児童生徒の発達段階に応じた指導に取り組んでいるほか、専門的な知識を有する講師を招き、講演なども行われているところであります。また、こうした取組は学校や家庭、地域が連携して進めることが大切であり、平成 29 年3月には、教育委員会、校長会、町 PTA 連合会の三者による連名で「携帯電話・スマートフォンのルール」を発出し、児童生徒には、夜9時以降の使用、写真画像の公開、誹謗中傷の書き込みをしないこと、困ったり、分からないことがあったら保護者や先生に相談することを約束事に掲げ、現在も各小中学校で指導を行っています。加えて「生命(いのち)の安全教育」について、児童生徒が生命(いのち)の貴さ・すばらしさや、自分を尊重し大事にすること、相手を尊重し大事にすること、一人ひとりが大事な存在であることを、地域の人材の協力も得ながら、また保護者の理解を得ながら推進しており、これまでも発達段階に応じて身につけるよう取り組んでまいりました。具体的に申し上げますと、小学校の体育や中学校の保健体育、特別活動などの授業の中で触れるほか、専門的知識を有する警察官や、町の保健師、医師、助産師などを講師に招き、講話を開催しているところであります。さらに、今後におきましては、国から昨年4月に示された、発達段階に応じた「生命(いのち)の安全教育」の教材や啓発資料を活用するなど、学級活動や総合的な学習の時間を通して、児童生徒が性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないための教育と啓発に取り組んでまいります。ご質問の3点目「地域で子どもたちを守る環境を築き、科学的な性教育など学習の場を」についてであります。科学的性教育として位置づけられている包括的性教育については、現状では学習指導要領に明確に位置づけされていないことから、各学校においては、保健体育や総合的な学習の時間の中で性教育として取り扱っているほか、道徳や学級活動などで生命の尊さや男女の相互理解、人権問題などの学習を通し、部分的に取り組んでおります。具体的に申し上げますと、小学校においては、第4学年の体育科で思春期の体の変化に触れ、体つきに男女の特徴があること、思春期には初経、精通、変声、発毛が起こり、異性への関心も芽生えることなど、個人差があるものの、大人の体に近づく現象であることを理解し、さらに全ての学年の学級活動では、現在及び生涯にわたって心身の健康を保持増進することや、事件や事故、災害等から身を守り安全に行動することを理解するよう、発達段階に応じて指導を進めているところであります。「包括的性教育」については、教育を効果的に進めるため、5歳から 18 歳までの4歳ごとの年齢段階別に学習目標を提示しており、主要な枠組みの8項目の中の性と生殖に関する健康の妊娠と避妊で申し上げますと、5歳から8歳で受精で妊娠が始まることなどを知り、9歳から 12 歳で妊娠の兆候や避妊などを知り、12 歳から 15 歳で避妊方法やその有効率、早産のリスクなどを学び、15 歳から 18歳で健全な妊娠を脅かす妊娠前の行動を考えることなどを掲げています。包括的性教育は多岐にわたるものであり、学習指導要領に盛り込むなど国がしっかりと方向性を示した上で進めるべきものであることから、教育委員会といたしましては、引き続き小中学校の児童生徒に対して、教科等横断的な視点に立った教育活動を通して、性に関する知識をはじめ、人権やジェンダー観などのほか、国が示す「生命(いのち)の安全教育」について取り組んでまいりたいと考えております。以上で、野原議員のご質問への私からの答弁とさせていただきます。
答弁 町長 飯田晴義
野原議員のご質問にお答えいたします。「パートナーシップ制度の導入を」についてであります。パートナーシップ制度は、同性同士の婚姻が法的に認められない日本において、自治体が独自にLGBT 等のカップルに対して「結婚に相当する関係」とする証明書の発行や届出を受理することにより、様々なサービスや社会的配慮を受けやすくする制度で、平成 27 年 11 月に渋谷区と世田谷区が先駆けて制度を導入し、現在、府県を含め 223 自治体が制度を導入しております。北海道内では、これまで4自治体が制度を導入しており、十勝管内では帯広市が本年 12 月1日から運用を開始すると伺っております。制度を利用して受けられるサービスの例としましては、自治体では公営住宅への入居、民間では携帯電話の家族割適用や生命保険の受取人指定といったものが挙げられますが、一方では、法で認められた婚姻制度と異なり、健康保険の被扶養者やパートナーが亡くなった際の相続人になることはできません。LGBT 等の方々は社会生活の様々な面で生きづらさを抱えているとされており、性的指向や性自認に伴う差別や偏見を解消し、日常生活の困難や生きづらさの軽減を図るために、パートナーシップ制度を導入する自治体が増えつつあります。これまで制度やサービスについて具体的に相談を受けた例はありませんが、本町においてもパートナーシップ制度の創設を望んでおられる方が潜在的に存在しているものと推測されますことから、制度の導入を見据え、研究を進めてまいりたいと考えております。以上で、野原議員のご質問への私からの答弁とさせていただきます。
再質問 10番 野原惠子
(1)のことについて再質問をさせていただきます。今、保育所・幼稚園での性教育のことで答弁をいただきました。私も、本当にそのとおりされているということで、よかったなとは思います。それで、もう一点お答え願いたいというか、現場の方でないと分からないとは思うのですけれども、子どもたちが本当に純粋な気持ちで性について質問されることがあると思うのです。具体的にはここではちょっと差し支えるかなと思うのですけれども、例えばお父さんとお母さんがどういう関係にあるのとか、そういうようなことを聞かれたりとか、具体的な質問に対して、きちんと科学的に小さい子どもであっても伝える、その場で保育士や幼稚園教諭などが答えられない場合には、きちっと後で伝える、こういう姿勢が、ここが一番問われるのではないかなと私は思うのですけれども、そういう対応もされているのかどうか、分かる範囲内でお答えをいただきたいと思います。
答弁 こども課長 平井幸彦(こども課長は2023年3月まで)
保育所における状況でございます。確かに具体的な質問というとそれぞれありますけれども、お父さん、お母さんが仲よくとかというところで、質問には、その家庭状況も踏まえて、できるだけ保育士の分かる範囲でと、どうしてもそのときにといいながら、かみ砕いたお答えにはなるかと思います。ですけれども、もちろんその子どもの年齢というところもございますので、理解のできる年齢かも踏まえて、一人ひとりの性格、価値観というか、そういうところには向き合って対応しております。そして、答弁の中にもありますけれども、例えば言葉で伝えるというより、保育所はやはりまだ理解が難しいところもありますので、保育の中で言うと絵本を使っているということもありましたけれども、そのようなものも活用しながらというところで、科学的根拠というところまでは保育所の中ではございませんけれども、できるだけ向き合ってございます。
再質問 10番 野原惠子
今、0歳児からの性教育が研究されてきているのです。そういう中では、小さい子どもであっても科学に基づいたきちっとした対応が必要、これが研究されております。ですから、専門職の方、それから家庭でも同じような対応が必要だと私は思います。若いお母さんたちに、この質問をするに当たりまして何人かに聞きました。そのほかにも声は届いていたのですけれども、自分たちが学校の中で、きちっと科学的な性教育を受けてこなかったので、子どもたちに聞かれたときに曖昧にしてしまったり、きちっと答えられなかったと。ですから、そういう意味では研修の場も欲しい、これは小学校の保護者からも届いている声なのですけれども、そういう声が届けられております。ですから、コロナの関係でなかなか保護者との研修もできないというお答えでしたけれども、落ち着いて、そういう場がきちっと設けられる状況になったときには、やはり並行してやっていくのが一番いいとは思うのですけれども、そういう研究、それから議論、みんなで性に対する科学的な知識を深めていく、これはお母さんもお父さんも、また、おじいちゃん、おばあちゃんもそうなのですけれども、そういう研修の場が必要ではないかと思いますので、そういう対応もこれから進めていくことが必要ではないかと私は思います。プライベートゾーンとかそういうことでの対応というのは本当に、これは家庭でもされている方もだんだん増えてきているかなとは思うのですけれども、きちっとした知識、ここが大事だと思いますので、そういう手だてをこれから講じていく必要があるのではないかと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
答弁 保健福祉部長 樫木良美(保健福祉部長は2023年9月まで)
0歳児からの性教育ということで、現在、ママカフェの中で、今年度につきましては2回ほど、0歳児から始める性教育ということで、助産師のほうから関わり方を講義という形で若いお母様方にお伝えをしているところであります。0歳児からの性教育ということで、性教育といっても0歳児は何も分かりませんので、なかなか難しいと思うのですけれども、子どもに対して愛情をいっぱい注いで、スキンシップをいっぱい図って、子どもが自分がすごい愛されているのだ、大事にされているのだなということが感じられて、命の大切さとかそういうことを感じ取ってもらって、大きくなっていって、少しずつその年齢に応じて性教育というか、そういうことにつながっていくのかなと思っております。そして、保育士の研修においても、以前、やっぱり性教育に関しての研修を、若い保育士が多くなってきているので、やったほうがいいねというようなお話もあったのですけれども、やはりこのコロナ禍でちょっとできていないので、これが落ち着いたら、またやりたいなというような話も出ているところでありますので、そういった形で取り組んでまいりたいと思います。
再質問 10番 野原惠子
私、そこが本当に大事だと思います。性教育というのは、生きるということと、りっしんべんの性、これが一体のようになって、子どもたちが本当に大切にされる、そういうことを実感して、人との関わりを大切にしながら、自分を認めながら周りからも認められる、そういうことも含めて私は性教育だと思うのです。ですから、今ご答弁いただいたのですけれども、そういう形で、ぜひ0歳児から、保育士、幼稚園教諭、それから保護者を含めて、地域全体で子どもたちを大切に守っていく、そういうことをこれからも深めていっていただきたいと思います。次の質問に移ります。2番目なのですけれども、今、本当に子どもたちの性情報は、いろいろなところからの性情報、学校での情報、教育はもちろんなのですけれども、それ以上に、1回目の質問でも私もしていますけれども、ゆがんだ情報のほうが多い、こういうことも資料や何かから明らかになっています。高校生の性知識ということでアンケートを取ったものがあるのですけれども、これは 2019 年なのですけれども、これは内閣府の青少年のインターネット利用環境実態調査、これで明らかになっているのですけれども、正しい性知識の回答率というのが平均して 30%なのです。高校生でも、こういう性知識というのが間違った知識が7割だということが、この調査で分かるのです。ですから、学校での性教育がいかに大事か、このことが問われているのではないかと私は思っています。それで、性情報ではなくて、いろんな情報も含まれてはいるのですけれども、ここで本当に科学的な教育というのがいかに大事かということが、この点からも明らかになると思います。もう一つの情報といたしましては、婦人科の先生たちの調査もありまして、その調査の中でも、きちっとした性情報が伝えられていないために、人工妊娠中絶なども、今、15 歳、16 歳から非常に多くなっていると。そこでも、やっぱりきちっとした教育が必要ではないかということも、調査の中で明らかになっているのです。それで、答弁の中で、包括的性教育は学習指導要領の中できちっと国が定められていないというふうにお答えをいただきました。それで、学習指導要領というのは、最低限のきちっとした教育をということが定められていると思うのですけれども、その中で今回「生命(いのち)の安全教育」これが始まります。そういう中では、こういう教育をしていくけれども、いろんな資料を使って、その地域で必要な教育を受けることもできることも定められて報告されているのです。ですから、こういう状況を踏まえますと、やはりきちんとした性教育、科学的な性教育、それが必要ではないかと私は思うのです。今、答弁の中では、いろいろ発達段階に応じて指導を進めているということもお答えになっております。包括的性教育について、教育委員会ではきちっとその点について押さえられていると思いまして、そういう教育をしていくということを答弁されております。ですけれども、今、産婦人科の先生たちの資料によると、そういうふうにして非常に子どもたちの実態というのが、もう抜き差しならぬような状況、望まない妊娠が報告されているのです。そういう中では、産科医が性交についてきちっと教えないと駄目ではないかということを言われているのです。今、答弁の中では、いろんな答えが出されてはいるのですけれども、肝心のそこのところを教えないと、性暴力ですとか性被害とかがなくならないのではないかということも報告されているのです。確かに、この点のところをきちっと学校教育の中で教えなければならないということは、高校生のこのアンケートの中でも明らかではないかと思うのです。それで、私、保護者の方からもこういう相談があったのですけれども、小学校の中学年で異性が好きになった、だけれども自分たちはきちんとした教育を受けていないので、子どもたちにどう対応したらいいか分からない、学ぶ機会が欲しい、こういう声が聞こえてきています。また、学校の先生たちも、そこも含めての教育をしていくには、保護者とか地域との連携がないとなかなか難しい、そういう点もあるのですということは聞いております。ですから、今、産婦人科の先生たちが危惧しているような、そういうところまでの教育を学校の中で、今、行っていく必要があるのではないか。私はそう思うのですけれども、その点についてのお答えをいただきたいと思います。
答弁 教育長 菅野勇次(教育長は2024年3月まで)
学校での性教育についてでありますけれども、野原議員、はじめに言われたとおり、学校教育のベースというのは学習指導要領にありまして、それを基本に教育課程を編成し実践していくという流れになっております。もし、その包括的性教育に取り組むということであれば、これは答弁でも申し上げましたけれども、国がしっかりと認知をした上で学習指導要領に位置づけをして、対応する時数についても、現在よりも性教育に関する時数をもっと増やさないとできないと思っておりますので、現段階では難しいと思っております。
再質問 10番 野原惠子
そこが一番の問題かなと思うのです。学習指導要領は学校での教育の最低の基準、ここは学校の中で教育しなければならない、そういう指針ではないかと思うのです。ですから、学習指導要領に示していない内容を加えて指導することもできるのではないか、それが「今回の生命(いのち)の安全教育」そこの中で地域に応じたことも足したりなんかしてできるという、そういうところを活用して行うことが必要ではないかと思うのです。今、資料が出てきました。日本産婦人科医会では、性教育の必要について 2016 年の中絶統計を示して、15 歳までに 839 人、16 歳では 1,452 人の中絶者がいることを明らかにして、「子どもたちの性の実態は中学校で性交や避妊を取り上げるべきではないなどと悠長なことを言っていられない」、このように指摘しているのです。ですから、これ 2016 年です。今、2022 年、6年たっています。こういう中で、先ほどもお話ししましたように、正確ではない性情報に子どもたちはさらされているのです。アンケートの中でも、学校の中でそういうことをきちっと学んだという認識の高校生、中学生は約7%ぐらいだという結果も出ているのです。ですから、確かに性暴力ですとか性被害のことは、学校では性教育として行っているとは思うのですけれども、肝心なところを学習指導要領に定められていない、国の指針ではないからできないという答えでしたけれども、秋田県などでは実際に行っています。それで子どもたちの被害がというか、それが減ってきているという経験も統計的に示されているのです。ですから、そういうところでは、今、待っていられない状況ではないかと私は思います。ですから、今回あえて質問をしたのですけれども、そういう視点に立った性教育、心の人権問題ですとか、体の人権問題、そういう視点からの性教育が必要ではないかと思うのですが、その点はいかがですか。
答弁 教育長 菅野勇次(教育長は2024年3月まで)
子どもたちがゆがんだ情報というか、正確ではない情報にさらされていると。産婦人科医の先生が言われる、望まない妊娠も増えているのではないかというようなことは、実際あるのかなというふうには思うのですけれども、学習指導要領を逸脱したというか、それから外れた、超えた指導については、どうなのかなと思うのですけれども、秋田県で行っている内容がどのようなものかというのは、私、承知していないので、その辺はちょっとまた研究してみたいと思いますけれども、基本的には、先ほど申し上げましたように、国が示す学習指導要領を逸脱するということは、私は好ましくないというか、できないと思っておりますので、先ほども申し上げましたように、現段階では包括的性教育について学校の中で指導していくことは難しいと思っています。
再質問 10番 野原惠子
逸脱すべきではないかというのではなくて「生命(いのち)の安全教育」がこれから実施されますよね。そういう中で、教材としてできるパワーポイントですとか副教材、そういう中で地域の実情に応じて行うことができると文科省でも示しているわけですから、そういうところを活用すれば、何も学習指導要領からはみ出したことではないと私は思うのです。だから、こういうところを活用して、教職員、いろんな保健の先生ですとか、そういうところときちっと研究を重ねて行っていく必要があるのではないか、そういう視点に立てないのかどうかということをお伺いしているのです。
答弁 教育長 菅野勇次(教育長は2024年3月まで)
「生命(いのち)の安全教育」で使われております教材につきましては、例えば小学校の低・中学年用の教材で申しますと、18 枚のスライドで自分の体もほかの人の体も大切である、自分だけの大切なところ、自分の大切なところに誰かが触ってきたらどうするというようなことを自分でも考えさせながら、そういう場面を設けるというか、スライドで示して、自分で主体的に考えさせるような仕組みのものになっています。中学校はもうちょっと進んでいる形になりますけれども、野原議員が言われる科学的根拠という意味合いでは不足している部分はあるかもしれないですけれども、ただ、現状としては、まずはこの「生命(いのち)の安全教育」の教材の内容をしっかりと子どもたちに理解させることが先決かなというふうに考えておりますので、基本となる現行の教材をベースとして活用しながら、子どもたちの理解を深めてまいりたいと思っております。
再質問 10番 野原惠子
教育長のお考えとしてはそういう視点なのかなと思いますけれども、現実に子どもの置かれている環境をしっかりと見極めた上で、では学校、教育委員会として何ができるか、そこのところをもっともっと、子どもの体のきちっとした教育、心と体の教育、その視点に今、立たなければならない時期に来ているのではないかなと思うのです。国のほうで科学的な性教育を前に進められない、そういうところでは 2000 年にこういう裁判や何か、性教育のことで裁判が起きたことがありまして、七生養護学校の問題や、その後から性教育に対するバッシングが始まって後退したという時期があるのですけれども、それでは本当に子どもの体を、命を守れるのか、そういう視点に立ち返っていく必要があるのではないかと思うのです。ですから、今もいろんな事件が社会で起きているのですけれども、その一環として子どもの命とかそういう性に対することも後退してきているという一面は切実に感じるのです。だからこそ、学校もきちっと科学的な性教育、そして保護者も含めて科学的な性教育を学んでいく、そういうことが地域全体で子どもたちを守っていくことになるのではないか、これは私、急がれる問題だと思うのです。望まない妊娠があったという報告も実際にあるわけです。この幕別町で起こらないとも限らないのです。ですから、そういう視点で性教育を行っていく必要があるのではないか、そこをもっともっと、学習指導要領に定められているからそれ以上はできませんではなくて、子どもたちの実態に合わせた性教育というのを研究していく必要があるし、急がれると私は思いますけれども、その点はいかがですか。
答弁 教育長 菅野勇次(教育長は2024年3月まで)
学校教育の範ちゅうに関しましては、先ほど申し上げましたように、指導のベースが学習指導要領にあるということですから、そこの部分はいかんともし難いと思っておりますけれども、社会教育的な分野では、やっぱり家庭教育というのも必要になろうかと思います。例えば昨年ですけれども、図書館では、町の保健課とコラボした性教育に関する特別展示を開催して、包括的性教育の内容を含む図書、性教育の参考となる図書、家庭でのそういった性教育に資するような図書を紹介するような事業も実施をいたしました。その展示した図書については、現在、常設展示を行っておりますので、いつでも閲覧し、貸出しが可能でありますので、そうしたことから、図書館が性教育に関わる学習の場としての機能も果たしているのかなというような気はしております。そういったことから、社会全体で国民的理解が得られた上で進めていくというのが、やっぱり一番大事かなとは思うのですけれども、部分的には先ほど言ったように、町としても図書館等でそういう事業も行っておりますので、そういったことで進めてまいりたいと思っております。
再質問 10番 野原惠子
学習指導要領から、ちょっと学校教育の中ではできないということであれば、私はそこが一番、要かなと思うのですけれども、今、保護者から正しい性知識を学びたい、30 代、40代の子育て中のお母さんたちから、そういう声も届いております。であれば、PTA の中でそういう研修をしたい、こういう声が出てきたときですとか、そういうときにはぜひ応援をしていただきたいなと思います。また、社会教育の中でということもありました。私、図書館でそういう本も展示するのが必要かなと思いましたけれども、実際にもう展示されているということでしたので、やはり地域でそういう教育、性教育が今、世界的に先進国では進められているのだということも含めて、社会教育の中でもそういう研修の場とか学習する場を設けていただければ、積極的にお母さんたち、お父さんたちにも、おじいちゃん、おばあちゃんたちにも学んでもらう、そういう機会をぜひ設けていくことが必要ではないかと思いますので、そういう点でもやっぱり推進していっていただきたいと思いますが、その点についてはいかがですか。
答弁 教育長 菅野勇次(教育長は2024年3月まで)
町として、この包括的性教育を進めていく。先ほど図書館の例もお話はしましたけれども、図書館というのは知の拠点として、あらゆる知識について町民にそういった情報を提供していくのが役割の施設であると考えておりますので、いろんな議論はある中であっても、一方の理論に関する書籍であっても、他方の反対する意見の書籍であっても、それは両方とも図書館は紹介をいたしますし、図書館にはそういう役割があるのだろうなと思います。包括的性教育の関係については、先ほども言いましたけれども、国民的理解といいましょうか、広く社会全般に行き渡っている、理解がなされている、いろんな議論もある中でされているかというと、まだそこまでの段階には至っていないのかなというような気がしておりますので、行政、町として積極的に推進していくというのは、今の段階では難しいかなとは感じております。
再質問 10番 野原惠子
積極的というのは難しいということでしたけれども、それでは図書館とか、そういうところで啓発していく、そういう視点、本当に大事だと思います。私も保護者にそういうお話をするときには、やはり図書館を利用してください、できれば社会教育でやっていくというのがいいのかなとは思うけれどもというような対話を進めながら、やはりこういう今、子どもたちの性教育はこういう状況なのですよということもお話ししながら、地域で子どもたちに接していけるような対応をしていきたいと思いますので、教育委員会としても、ぜひ包括的性教育の立場で推進していただくよう求めて、次の質問に移りたいと思います。次、パートナーシップの件についてですけれども、答弁の中では、研究をしていきたい、このようにお答えになっております。今、多様な生き方というところでは、やはりこの幕別町でも何人かいらっしゃるということで答弁になっております。今、帯広市でこういうのを 12 月1日から本格的に進めるということでした。そうしますと、幕別町の住民で帯広市に転居したり、通勤している人とかも対象になると帯広市では言っておりますけれども、この幕別町に住み続けていきたい、そしてこういう制度もあれば活用したいと願っている方もいらっしゃると思うのです。実際に町には申し出ていない、こういう制度をつくってほしいという申出はないにしても、願っている方はいると思うのです。幕別町にこういう制度がありますよというふうになれば、この幕別町でこういう制度を利用して住み続けられる、こういうことにもつながると思うのです。多様性を認めた幕別町、こういう視点からであれば、そういう申出がなくても、きちっと制度というのを導入していくことが必要ではないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
答弁 町長 飯田晴義
そういう思いを込めまして、先ほどの答弁をさせていただいたつもりであります。ですから、導入を見据えた中で研究を進めていくというお答えをさせていただいたわけで、実はこの件に関しては、もう1年以上前から私の中では課題であるというふうに思っていまして、時間はかなりかかってはおりますけれども、やはりこれは潜在的に、直接の申出はないまでも、人口比率あるいは認定件数からすると、あるというふうに思うべきであると思っていますので、そこはそんなに時間をかけることなく導入に向けた方向性を出していきたいなというふうに思っています。
再質問 10番 野原惠子
前向きのご答弁でしたので安心しているのですけれども、まだまだ LGBT の方たちは声を上げづらいという社会環境にあると思うのです。ですから、こういう制度を導入することによって、その人たちに安心してこの幕別町に住んでもらう、ここが大事だというふうに私は思います。他町村に行って、そこで、ではこういう制度を導入しようというよりも、幕別町で、ここで暮らしていきたい、そういう意味で、なるたけ早めに導入に向けての検討をしていただきたいと思いますが、その点について、もう一度お答えをお願いいたします。
答弁 町長 飯田晴義
そういう思いを持って先ほど答弁させていただいたつもりでありますけれども、本当にだらだらと時間をかけるつもりは毛頭ありませんので、隣の帯広市が 12 月1日から制度を導入していくということであります。ちょっと変わった制度なので、ここも研究をしなければ駄目だなと。ほかにはないような制度、証明と登録という形で2つに分けておりますので、この辺の課題としてはあるのか、ないのかということも含めまして、先進自治体、道内で言うと4、全国で 223 ありますので、そういったところの現状を研究した上で、どういう制度にするのがいいのかについて固めていきたいと思います。
再質問 10番 野原惠子
どういう視点で研究をしていくのかというのが答弁の中で見えなかったものですから、今、町長のご答弁で、そういう点を研究していきたいということで理解をいたしまして、早急の結論を、導入を進めていっていただきたい。このことで質問を終わります。