幕別町議会 令和3年第3回定例会 2021年9月8日
アイヌの人々が尊重される町政の推進を
2021年9月8日、幕別町議会の一般質問で、野原惠子議員が「アイヌの人々が尊重される町政の推進を」について質問し、町長 飯田晴義、教育長 菅野勇次、学校教育課長 西田建司、教育部長 山端広和、生涯学習課長 石田晋一が答弁しました。
- 質問者
- 野原惠子 議員
- 答弁者
- 町長 飯田晴義、教育長 菅野勇次、学校教育課長 西田建司、教育部長 山端広和、生涯学習課長 石田晋一
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 10番 野原惠子
通告に従いまして、次の質問を行います。アイヌの人々が尊重される町政の推進を。アイヌ施策推進法(アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律)が 2019 年5月に施行され、2020 年7月に国立アイヌ民族博物館(ウポポイ=みんなで歌うの意味)が開業され、アイヌ民族への関心が高まっています。しかし、新法に先住民族と初めて明記されたにもかかわらず、アイヌ民族の集団は存在しないとして先住権について明確に保障されておらず、国際認識と一致していません。2007 年9月に、日本政府も賛成して採択された「先住民族の権利に関する国際連合宣言」の第 26条には、先住民族の権利を十分に尊重しなければならないと規定されています。アイヌ施策推進法においても、先住権の明記を求めていくことがよりアイヌの人々の尊厳を尊重することになります。近年、遺骨返還やサケ捕獲権などの運動が広がる一方で、差別や侮辱した発言が繰り返されていますが、事実に基づいた歴史の学びが不十分であると考えます。特に、幕別の町名はアイヌ語のマクンベツと言われた川の名前に由来しているように、アイヌの人々と深く関わり現在に至っています。アイヌの人々が同化政策で言語を奪われ差別されてきた歴史を深く学び、尊重する町政のさらなる推進が求められます。以下、次の点について伺います。1、アイヌの人々に対する認識をどのように考えているのか。2、いまだにアイヌの人々に対する差別が内在しています。学校教育・社会教育でアイヌの人々への同化政策・差別の歴史を学ぶ手だてを講じ、差別解消の手だてを。3、小学校、中学校での「アイヌ副読本」の活用状況について。4、アイヌ施策推進法は、市町村に「アイヌ施策推進地域計画」を作成することができると規定しています。アイヌの人々に対する施策の推進を図るため早期に作成を。5、国際連合宣言の第 26 条に定められている先住民族の権利を「アイヌ施策推進法」にも明記するよう国に求めていくこと。以上です。
答弁 町長 飯田晴義
野原議員のご質問にお答えいたします。ご質問は、町と教育委員会にわたるものでありますので、私からはご質問の1点目と4点目、5点目につきまして、答弁させていただきます。「アイヌの人々が尊重される町政の推進を」についてであります。政府は、「アイヌ文化の振興並びにアイヌの文化等に関する知識の普及及び啓発に関する法律(平成9年法律第 52 号)」を廃止し、令和元年5月に「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」、いわゆる「アイヌ政策推進法」が施行されました。この法律では、アイヌ民族を「先住民族」と初めて明記し、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される社会の実現を図るとしています。また、国は、アイヌ文化の継承と新たなアイヌ文化の創造発展につなげるための拠点として「民族共生象徴空間(ウポポイ)」を、白老町に建設し、令和2年7月に開業するなど、アイヌの人々が民族としての尊厳を保持し、活力ある共生社会を実現するための取組を進め、アイヌ民族やアイヌ文化に対する一般社会の関心も高まりを見せております。ご質問の1点目、「アイヌの人々に対する認識をどのように考えているのか」についてであります。政府は、平成 20 年5月の国会において、「アイヌの人々は、日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住していたことは歴史的事実であり、また、独自の言語及び宗教を有し、文化の独自性を保持していること等から少数民族であると認識している」と答弁しており、同年6月には、衆参両院で「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が全会一致で採択されたところであります。本町においても、「幕別町百年史」に記載されているように、アイヌの人々は、和人が開拓に入るはるか以前からこの地に暮らしていた先住者であります。しかしながら、明治政府による北海道の開拓を進める中で、アイヌ民族に対する同化政策が進められ、アイヌ語の使用のほか、女性の入れ墨などの伝統的な風習やサケやシカの狩猟が禁止されるなど、和人との差別が行われた歴史があったと認識いたしております。ご質問の4点目、「アイヌの人々に対する施策の推進を図るため「アイヌ施策推進地域計画」の早期作成を」についてであります。「アイヌ施策推進法」により、市町村は、政府が定めるアイヌ施策の総合的かつ効果的な推進を図るための基本方針に基づいたアイヌ施策推進地域計画を作成することにより、計画に基づく事業の実施に対して、アイヌ政策推進交付金の交付を受けることができるとされており、交付金の交付率は80%、残り 20%の市町村負担分については、起債もしくは特別交付税による地方財政措置があり、実質的な負担率は 10%となっております。本町におきましては、現在、アイヌ施策推進交付金を活用した多機能型交流施設の整備やアイヌ文化の体験講座開催のほか、子どもの学習支援事業などを盛り込んだ「幕別町アイヌ施策推進地域計画」の策定作業に取り組んでいるところであり、地域計画の作成に当たっては、アイヌの人々の意向を尊重した内容とするため、幕別アイヌ協会やマクンベツアイヌ文化伝承保存会をはじめ、公益社団法人北海道アイヌ協会役員の皆さんのお話を伺いながら素案作りを進めているところであります。今後のスケジュールとしましては、町アイヌ協会や伝承保存会、管内のアイヌ協会などの関係団体と意見交換や協議を重ね、令和4年度中の計画認定に向けて策定業務を進めてまいります。ご質問の5点目、「国際連合宣言の第 26 条に定められている先住民族の権利を「アイヌ政策推進法」にも明記するよう国に求めて行くべきと考えるがどうか」についてであります。アイヌ政策推進法は、国際連合宣言が規定している先住民族の平等の原則、差別からの自由、文化的伝統と慣習の権利などを踏まえ、アイヌの人々に対する差別の禁止に関する基本理念や、教育活動、広報活動等を通じて、アイヌ文化の振興や国民の理解の促進を図るなどの国、地方公共団体の責務を規定しております。しかしながら、この法律は、アイヌを初めて先住民族と明記した一方、先住権を認めていない点で論議があるところであり、現に昨年8月には、浦幌町のラポロアイヌネイションがサケ漁を行う権利の確認を求めた行政訴訟を起こしているところであります。また、アイヌ政策推進法が制定される前の平成 30 年8月には、国連人種差別撤廃委員会から日本政府に対し、先住民族の天然資源や土地に関する権利が十分に保障されていないとし、改善を求める勧告があったところであります。こういった国内での動きや国連の宣言や勧告を踏まえ、国際社会の中での立ち位置を決めるのは、日本国政府の役割であると考えておりますので、国会でしっかりと議論をした上で、決定していただきたいと考えております。以上で、野原議員のご質問に対する私からの答弁とさせていただきます。
答弁 教育長 菅野勇次(教育長は2024年3月まで)
野原議員のご質問にお答えいたします。ご質問の2点目、「学校教育・社会教育でアイヌの人々への同化政策・差別の歴史を学ぶ手だてを講じ差別解消の手だてを」についてであります。はじめに、学校教育においては、平成 29 年の学習指導要領の改訂により、小学6年生の社会の教科用図書に、アイヌの人々の歴史や文化に関する記述が盛り込まれ、中学校の社会の歴史的分野の中では、北方との交易をしていたアイヌの人々やアイヌ文化についても学ぶなど、小中学校ともに、アイヌの人々の人権を尊重し、アイヌの人々の歴史、文化、伝統及び現状に関する認識と理解をより深めることとされました。具体的に申し上げますと、小学校では、蝦夷文化考古館やふるさと館を実際に見学するなど、アイヌの人々の伝統や文化について学ぶほか、一部の学校では、北海道教育委員会の「北海道ふるさと教育・観光教育等推進事業」を活用し、アイヌの人々に係る歴史学習、体験教室、アイヌ文様作品づくりなどを、総合的な学習の時間の中で実施するなど、アイヌの人々に関する学習を通して、郷土に対する理解や愛情を養うことを目的に取り組んでおります。また、中学校では、社会科の地理や歴史的分野の中で、アイヌ文化とその継承として、儀式や神話、生活の様子などのほか、13 世紀以降のアイヌ文化の成立や展開、文化継承の動き、また、アイヌの人々と松前藩との戦いや北海道旧土人保護法、アイヌ文化振興法の制定や変遷、差別・偏見をなくす取組などについて、より系統的かつ客観的に学習しているところであります。さらに、社会科の公民的分野や道徳の中でも、アイヌの人々の歴史や文化等について、差別の問題を人間尊重と関連させて取り上げるとともに、先住民族としての位置付けや同化政策、国際的人権規約や人種差別撤廃条約などを学ぶ中で、様々な視点からアイヌの人々への差別問題等について学習しております。例年、小中学校で実施している、いじめに関する調査において、人種差別に関する事案は確認されていない状況でありますが、引き続き、学習指導要領に基づき、アイヌの人々に関する指導が正しい認識の下に行われることにより、個性や多様性を尊重しながら共生する社会の実現に資するよう、人間尊重の教育の一層の充実を図ってまいります。次に、社会教育においては、先ほど町長の答弁にありました「幕別町アイヌ施策推進地域計画」の策定に当たり、多機能型交流施設の整備のほか、アイヌ文化の体験講座の開催や子どもの学習支援事業などの実施に向け、現在、幕別アイヌ協会やマクンベツアイヌ文化伝承保存会などの関係団体と協議を進めているところであります。多機能型交流施設では、アイヌ民族の歴史や文化の紹介、蝦夷文化考古館の資料を展示する中で、同化政策や差別の歴史にも触れ、多くの皆さんに広く学ぶ機会の提供に努めてまいりたいと考えております。このほか、事業を進めていくに当たっては、アイヌの方々が講師となる事業を企画し、様々な世代がアイヌ民族と直接交流することで伝統や文化をより深く理解しつつ、お互いを尊重し認め合い、支え合う社会になることを目指しております。今後におきましても、引き続き北海道博物館や管内の博物館、十勝の各アイヌ協会などと連携を図りながら、アイヌ民族の歴史や文化に関する巡回展や関連行事を開催するなど、アイヌの人々の様々な歴史や文化について、多くの町民の皆さんが学ぶことができるよう努めてまいります。ご質問の3点目、「小学校、中学校での「アイヌ副読本」の活用状況は」についてであります。「アイヌ副読本」については、公益財団法人アイヌ文化財団が「アイヌ民族:歴史と現在~未来を共に生きるために~」を作成しており、道内の小学4年生と中学2年生を対象に北海道教育委員会を通じて配布され、小中学校ともに社会科の授業において、アイヌの人々の歴史や文化への理解を深めるため活用しているところであります。加えて、教育委員会においても、小学3、4年生の社会科副読本「まくべつ」を発行し、授業で活用しておりますが、この中でも、本町の開拓とアイヌの人たちの関わりや、今に残るアイヌ語に触れるとともに、生活に使用していた衣服や蝦夷文化考古館など紹介するなど、子どもたちがより身近に感じることで、深い学びにつながっているものと認識しております。今後も限られた授業時間の中での活用になりますが、アイヌの人々の歴史や文化についての学習がより深く、実践的に広がるよう、これら副読本の活用に努めてまいりたいと考えております。以上で、野原議員のご質問に対する私からの答弁とさせていただきます。
質問 10番 野原惠子
アイヌの人々に対する認識をどのように考えているかというところでは、ご答弁いただいたように認識が一致しているのかなというふうに思います。また、この歴史に対する認識といたしましては、北海道だけではなく樺太とかサハリンとか、そういうところの人たちもどうか施策のもとで北海道に移住されてきたそういう歴史もありますので、まだまだ私たちは学びを深めながらアイヌの人たちの歩んできた、そういう歴史をしっかりと学ぶ必要があるのではないかというふうに思っております。基本的に、町側とアイヌの人々に対する認識は一致しているのかなと思いますので、次の質問に移っていきたいと思います。2番目なのですけれども、答弁とは違ってきますけれども、私の質問の順番で再質問をさせていただきたいと思います。アイヌの人々に対する差別が内在している、このことにつきましては、皆さんも多々感じるところがあるのではないかと思っております。今、北海道各地の地名はほとんどアイヌ語を基礎としております。私もこの質問をするに当たりまして、いろいろ調べましたら、ほとんど北海道の地名はアイヌ語から来ているということが改めて再認識しているところであります。そして、アイヌの人々と関わりの中で、この北海道は開拓、発展してきております。そういう中で、アイヌ語を教えない、こういう同化政策がありました。そして、話させない、こういう下で様々な差別が生じてきたことも再認識しているところです。それで、今年の3月ですけれども、テレビの情報番組でアイヌ民族の方に対しまして差別表現がありました。この中で、放送倫理番組向上機構が放送倫理に違反があったと判断し、謝罪をしておりますけれども、その中で、なぜこういうことが起こってしまったのか、そういう検証をしていると報道されています。その中では、自分たちの認識や不足、チェック体制の甘さを明らかにしています。アイヌ民族の方からは、正しい歴史を学ぶきっかけにしてほしい、このような声も出されております。そして、町としてもアイヌ民族の歴史や人権、差別の問題を学ぶ研修をさらに進めていく必要があると思いますが、その点について、どのような研修をしていくのか、進めていくのかお答えを頂きたいと思います。
答弁 学校教育課長 西田建司(学校教育課長は2024年3月まで)
まず、学校教育における理解を深めることと申しまして、先ほど答弁でもございましたように、平成 29 年の学習指導要領の改訂でさらに深く学ぶことについて、理解を深めることとされましたということで、今後、学校教育現場におきましては、小学校のほうでは、主に伝統や文化を学びながら郷土に対する理解や愛情を養うことを目的に取り組んでおりまして、現在も主に小学校では4年生と6年生のそれぞれの社会科の授業の中で取り組みさせていただいております。また、中学校のほうにおきましては、さらに歴史、地理、公民、道徳、そういった授業の中で取り組んでおりますが、それぞれ5時間から7時数ということで、中学校の中でも取り組んでおります。いずれにいたしましても、学校教育の部分におきましては、引き続き学習指導要領に基づいて、アイヌの人々に関する正しい知識、認識のもとで行われることにより、個性、多様性を尊重しながらということで取り組んでいきたいというふうに考えております。
質問 10番 野原惠子
最初の答弁の中で、そのように答弁いただいているのですけれども、今、その答弁の中で実際にこのような答弁いただいたのですけれども、学校教育の中でどのぐらいの時間数、それからその内容といたしまして、今の教師の中で、そういうアイヌの人たちに対する差別ですとか、同化教育ですとかをしっかり学んできて、子どもたちにそのことを教育しているのかどうか、そこがまたひとつ問われるところではあるのではないかと思うのですよね。ですから、教師の方々がそういうことについて学び、子どもたちにどのように伝えているのか、そこをしっかりと押さえていくことが必要ではないかと思います。答弁で頂いたのは、本当にこれはそのとおり実施されれば、すばらしい本当に教育だと思うのですけれども、実際に教育の現場でどのようなことが行われているのか、教育委員会でつかんでいるのかどうかお聞きしたいと思います。
答弁 学校教育課長 西田建司(学校教育課長は2024年3月まで)
すみません。中途半端な答弁になりました。まず、それぞれの小中学校における学習の時数なのですけれども、先ほどの答弁のとおり、小学校でいきますと、主に社会科のほうで4年生と6年生それぞれ、4年生のほうでは2から5時数、6年生のほうでは1から3時数という形で、町内の学校のほうで実施しております。さらに中学校のほうでは主に社会科、地理、歴史、公民の時間になりますけれども、それぞれ5から7時数、こちらの時数でそれぞれアイヌの人々に関わるものを学んでいるというものでございます。
答弁 教育部長 山端広和(教育部長は2022年3月まで)
教員の部分でございます。まず、教員の部分におかれましては、当然、学習指導要領においても、こういったアイヌの部分、20 年の改訂のときもそうですし、今回 29 年、新指導要領においても、アイヌの部分についてしっかりと認識した上で、指導するような形の流れとなっておりますので、当然、これに基づく研修も初任者研修ですとか、そういった中での研修と併せて、現在、答弁書と関わる部分でございますけれども、副読本でアイヌ民族文化財団のほうで出されている副読本についても、しっかりとその辺の指導書という部分が併せて教師向けのものが出ておりますので、いろんな研修の場も含めて、アイヌに対する理解を深めているといった部分がございます。
質問 10番 野原惠子
3番とも関連するのですけれども、このアイヌの副読本って、学校現場で使用しているということでしたけれども、私のちょっと手元になかったものですから、図書館で調べてみました。ちょっと古い副読本しか、幕別の副読本しかなかったのですけれども、その中ではアイヌの人たちの明治以降の歴史については記載されていないのですよね。今、答弁あったとおりのことを考えますと、教師はその副読本によってアイヌの人たちの教育をしているということだったのですけれども、そこが欠落と言ったら失礼かもしれませんけれども、そこの部分が明記されていない副読本の中で、どのように教師の方は明治以降のアイヌの人たちの同化政策ですとか、差別されてきた歴史ですとか、そのことを教育しているのかちょっと疑問に思うものですから、その点についてお答えを願いたいと思います。
答弁 教育長 菅野勇次(教育長は2024年3月まで)
野原議員ご覧になったのは、アイヌ財団で出している副読本でしょうか。
質問 10番 野原惠子
幕別で。
答弁 教育長 菅野勇次(教育長は2024年3月まで)
本町の副読本の「まくべつ」ですね。その副読本については限定的でありますので、野原議員言われるように、一部分しかアイヌの関係については掲載はしておりませんが、ご質問にありましたアイヌ副読本、アイヌ財団のほうで発行しております副読本につきましては、各学校で使用しておりますけれども、その中では小学校、中学校、そして教師用の指導書がございまして、その指導書の中、あるいは内容的にも近代から現代に含めて、明治以降も含めて記載はされております。指導書の中には指導するに当たって留意すべき事項として、差別があったということも含めて指導するようにというような内容も記載がございます。
質問 10番 野原惠子
そこではそういう今までの私が見た副読本以外にもきちんとした歴史、同化政策、そういうことも学校の中できちんと教育しているというその認識の押さえでよろしいということなのですね。それで私一つ思うのですが、社会教育もそうなのですけれども、学校教育の中でも学習しますよね。そして、そこで議論していく、そこが私大事ではないかと思うのですね。こういう差別用語があります。でも、自分が知らない間にそういうことを発している、そこがなぜ駄目なのかという議論していく場というのも大事だと思いますので、ぜひそういう学校教育の中でその部分も含めて、現場の先生たちから、どういう教育を実際にされて子どもたちがどういうふうに考えているか、これはアイヌの人たちに対する差別だけではなくて、人種ですとか、今、様々な世界的に交流も深まっておりますので、そういう中での差別に対する認識などもしっかりと教育していく、議論していくことが必要だと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
答弁 教育長 菅野勇次(教育長は2024年3月まで)
議論をすること、非常に大切だというふうに思います。新学習指導要領の理念の中に、主体的、対話的で深い学び、いわゆるアクティブラーニングということがございまして、そういった指導の中で、子どもたちが議論をして、道徳や何かでもそうなのですけれども、子どもたちがそれぞれの意見を出し合って議論する中で、いろんな考え方をしていくと、こういう考え方もあるのだなとかと、そういう理解をしていく、そういったことで理解を深めていくということがございますので、そういった指導にも努めているところであります。
質問 10番 野原惠子
これからそのことが特に求められてくることではないか、今いろいろな問題がありますので、そこのところは本当に教育の中でしっかり議論し進めていくことが、未来につながる若者たちが世界に出て行ったときに、日本のそういう民族の歴史というのがきちんと身につけているということが大事だというふうに思いますので、さらなる学習を深めていっていただきたいと思います。次、4番目ですね。アイヌ推進法ですが、早期策定をということで、今答弁にありましたように、2020 年に採択を目指していくというお答えがありました。これは本当にこれから考古館ですとかふるさと館ですとか、そういうところの整備も今求められているところで、この中では学芸員が配置されまして、忠類の資料館ですとか、そういうところに大きく力を発揮していただきたい、このような期待も持っているところです。それで、この地域計画に基づいて、今、考古館ですとか多機能型交流施設の整備、素案を進めているところでしたけれども、その中では、今前段に質問いたしましたように、アイヌの人々たちの同化政策ですとか差別ですとか、そういう中で生活の場ですとか固有の文化が奪われてきた、そういう歴史の展示もきちんと位置付けられているのかどうか、そこが大事だと思います。そしてそういう素案をつくるときには、今アイヌの団体の代表の方から意見を聞いているという答弁もあったのですけれども、アイヌの団体の代表だけでなくて、そこで暮らしているアイヌの人たちの意見もしっかり聞き取って、施設整理をしてくことが必要ではないかと思うのですが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。対策をどのように考えているのでしょうか。
答弁 生涯学習課長 石田晋一(生涯学習課長は2024年6月まで)
今、ご質問あった関係なのですけれども、今、策定作業を進めている中ではアイヌ協会ですとか、マクンベツアイヌ文化伝承保存会の方々とお話をさせていただいております。この後、協会、保存会に所属されていない方も地域の方でいらっしゃると思いますので、そういった方が実際どういった考えを持たれているのかとか、あと施設整備に向けての希望なんかも酌み取りながら作業を進めてまいりたいというふうに考えております。あと、展示の関係でありますが、施設整備につきましても、蝦夷文化考古館にあります展示品を皆さんに広く学んでいただける場として提供するように考えております。その展示につきましても、いろんな方からお話を聞きまして、そういった実際の歴史、今まで歩んできた歴史なんかも紹介できるような場となるように整備は進めてまいりたいと考えております。以上です。
質問 10番 野原惠子
今、ウポポイも建設されたのですけれども、そこにはその部分が非常に少ないというか、資料として展示されていないのではないかというアイヌの人たちからの意見もあります。ですから、そういうところでは、これから計画して建てられる幕別のアイヌの人たちが築いてきた資料館、これも国宝級の資料もあるということでしたので、そこも含めて、そこは本当に大事にしなければならないと思うのですけれども、今まで築いてきたアイヌの人たちのその歴史、そこをしっかりと展示していくことによって、小学生、中学生がその施設を今視察に行って、見学に行って勉強しているということでしたので、実際に目で見る資料として非常に大事だと思います。そしてそのことが学校の教育だけではなくて、幕別以外の人たちが視察に来るですとか、そういうところでも、この幕別の施設の重要性ということを認識していただく大きな役割を果たすと思うのですよね。その中でもしっかりと位置付けて施策を、計画を立てていく、その視点をしっかり持っていただきたいと思いますが、その点はいかがですか。
答弁 生涯学習課長 石田晋一(生涯学習課長は2024年6月まで)
今、お話しいただきました内容につきましては、重々、大変重要なことだというふうに担当者のほうでは認識している状況であります。道内にもいろんな施設がありまして、交易なんかにもおいて、和人との間でかなり差別があったような交易をしているとかという展示もしている博物館なんかもありますので、そういったところも参考にしながら、地域の方の話を十分聞き取りながら整備のほうは進めていきたいなと。訪れる子どもたちにもそういった歴史が理解できるような展示を目指していきたいなというふうに思っています。
質問 10番 野原惠子
私もそのことに関しては、和人と言われる人たちとアイヌの人たちとのその歴史を、しっかりお互いに学ぶことによって、お互いにリスペクトして共に暮らしていける、そこが大事だと思うのですよね。ですから、今アイヌの人たちは確かに人数は少なくなってきてはいるのですけれども、そこをしっかりお互いに共通の認識にしていく、これは学校教育だけでなくて、社会教育の中でもそこをしっかりと学びながら意見交換していくということが、そこが今ちょっとおろそかにされてきているのではないか、社会教育の中でもおろそかになってきているのではないかと、私なんかは考えるものですから、両方、学校教育でも社会教育の中でも、しっかりとそこのところを学んでいく、そしてリスペクトしていく、そういう姿勢が大事だと思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。
答弁 教育長 菅野勇次(教育長は2024年3月まで)
野原議員言われますように、これは学校教育、社会教育を通じて、そういう人権といいましょうか、相手を尊重し、大切にするということは非常に大切なことであるというふうに認識をしておりますので、今後においてもそいうったことを意識しながら、学校教育、社会教育、共生社会の実現に向かって進めてまいりたいというふうに思っております。
質問 10番 野原惠子
次に移ります。先住民族の権利として、アイヌ推進法に先住民族の権利をきちんと明記するように国に求めていくという、この質問に移りたいと思います。2007 年に、先住民族の権利に関する国際連合宣言では、集団としての権利として先住権を規定しております。しかし、日本政府はこの宣言に署名したのですけれども、この国際連合宣言に先住権などの集団の権利は日本ではないということで、この先住権の部分を否定する、そのことを条件に署名はしております。しかし、今それに対しまして、アイヌの人々たちはアイヌ遺骨の返還訴訟などを起こしております。また、答弁にもありましたけれども、浦幌町のラポロアイヌネイション、これネイションは国家という意味だそうですけれども、サケの捕獲権を求めて行政訴訟なども起こしております。その中で、アイヌの人たちの、浦幌のアイヌの人たちがサケの捕獲権を求めているということで、アメリカインディアナの人たちとも先住民族ではないかということで、漁業権を取り戻した経験を実際に視察に行って報告しております。そういう中で、アメリカインディアンたちは、50 年以上も前に漁業権を取る権利をきちんと獲得しているのですね。その中で、サケの捕獲権に反対していた地域の人たちは、アメリカインディアンたちがしっかりとサケの漁業権を取ることによって環境保護をしっかりとやっているですとか、そういうことで地域のリーダーとなって環境保全にもつながっているということで、浦幌の人たちも勇気づけられるということで今訴訟を起こしている、そういう状況でもあります。ですから、そういう中では、そのアイヌ新法にしっかりと先住権を求めていくということが、私はアイヌの人々がしっかりとそこで暮らしていく、大きな集団をつくっていくことができるのではないかと考えております。その点について、町としてはその先住権を国に委ねるのではなくて、町としてもしっかりと学んでいく、そういう姿勢が大事ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
答弁 町長 飯田晴義
この前の国際連合の 26 条の宣言ですか。ついては読めば分かるのですが、ただ現実にこの日本に当てはめたときに、どうなるのかということが、私なかなか想像ができなくてですね。というのは、もう既に日本、土地なんかも入って、土地でいうと、もう既に登記制度があって、既にもう誰のものとみんな決まっているのですね。それを昔からアイヌ集団が、コタンが使ってきたからといって、それをではどうするのかという現実の対応の仕方は非常に難しいなと思っています。今、ラポロアイヌネイションですか、これのサケの捕獲権、これは比較的簡単でありますし、また遺骨を返還求めることも誰に言うか分かっているので、非常に簡単だと。今まさしく訴訟が起きていますので、私としてはまずは訴訟の推移を見守らなければならないということと、これはもう国家の仕事でありますので、私があれこれ言う話ではないな。裁判もそうですし、この後、法律もそうですし、法律上どう位置付けていくのだと、非常にこれ難しいと思います。単純にいかないと思いますので、大いにこれは国会において私は議論していただいて、その結果、こうなったというものを受け入れなければならない。もちろん理不尽なことは、我々は声を上げなければならないでしょうけれども、そこはやっぱり国の仕事としてしっかりやってほしいなというふうに思います。
質問 10番 野原惠子
町の立場としてそういうお答えが来るのかなというふうには思ってはいたのですけれども、私は今、アイヌ民族の方で静内のアイヌ協会の会長さん、葛野次雄さんという方なのですけれども、この方は 1954 年生まれ、今 67 歳になるのかなと思うのですけれども、その方の先住民族の権利を求める、どういう立場から権利を求めているのかということを書いてあるものをちょっと読ませていただきたいと思います。この方は、「幼いときからアイヌ語の中で育ち、自由にアイヌ語を話してきました。父がいつも口にしていたことを思い出します。それは、日本国に対して、あなたたちは蝦夷地を我々からどうやって買ったのですか。我々は売ったつもりも貸したつもりもないと話していた。私は法務局や北海道に行き、アイヌが土地を売った証拠があるのか聞いたことがありますが、明確な答えはなかった。今さら蝦夷地を返せとは言いません。父は山に行って木を切る権利、海に下がってサケと昆布を取る権利、また、山に戻って鹿や熊を捕る権利、これさえもらえば文句はない。金はもらうな、権利は返せと言っていた。そのとおりだと思います。そして、アイヌ新法が通り、先住権が認められるのかと思って注目しましたが、中身を知って、これはどういうことなのかなと思いました。今回のアイヌ新法は、アイヌを先住民族と認めましたが、先住権を認めていない。」このように語っています。今、町長が言われたように、土地を返せとは言っていないのですね。サケを捕る権利ですとか、山に戻って、熊や鹿を捕る権利、こういう権利を求めているということで、そういう権利を求めるということであれば、今、幕別町にもアイヌの方々が住んでおります。その方たちからもお話を聞きまして、そして専門家の方のお話も聞きまして、まだまだ私たち学ぶ必要があると思うのですよね。そういう視点に立って、国にも意見を上げていく、こういう姿勢が大事ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
答弁 町長 飯田晴義
過去の歴史を学ぶことは非常に大切であろうと思いますし、またアイヌの人たちが同化政策に基となったのは、明治 32 年の北海道旧土人保護法でありますから、これで土地を与えたと言いながらも、結局は明治 32 年というのは、もう我が町も2年目ですね、3年目ということですか、我が町ができてから。それだけ後になってから土地を与えた、結局ろくな土地がなかったということですね。だから、そこで農業もできなかった。挙句の果てには、それも取り上げられてしまった。人に貸していた人もいたが、それは農地解放で取られてしまった、そういう歴史はしっかりと私も認識はしているところではありますけれども、そういう意味では、土地の分については、これはもう返すことはできない、そういう意味で、私は先ほどどうすればいいのかと非常に難しいなという話をさせていただきましたけれども、ただ狩猟だったり、サケについては、これは決してできないことではないのかな。どう、今の漁業権との、漁業権も今もう与えてしまっていますから、先に権利はあったかかもしれないけれども、今ある権利を、ではどう調整していくのだということも出てくるのかなというふうに思いますし、あと狩猟にしても、人の山に勝手に入って行くということも、そこは調整が必要なのかなというふうに思いますので、入山権みたいな、入場権というのですか、その辺の調整もありますので、そこはやっぱり一町村が議論するのではなくて、勉強はしなければならないですけれども、議論はやっぱり、これは全国的な問題ですから、国の中で、国会の中でしっかりと議論をしてほしいなと思います。
質問 10番 野原惠子
もちろん国会の中で決めていく、そういうことではあると思います。けれども、北海道はアイヌの人たちが多く住んでおります。そういう地域から、やはり意見を上げていく、生活の実態、それから今までの歴史、そういう認識は、国がそういう認識を持っていなければ、地方から声を上げていくということも私は必要だと思います。今、強くそのことを国に求めていくということも必要だとは考えておりますけれども、今の町長のお答えを聞きますと、まだまだアイヌの人たちにも、この新法に賛成した協会もありますから、議論を深めまして、本当にさっき言いましたように、リスペクトしてお互いに協力しあって暮らしていくためには、何が必要なのか、今お話ししたように、土地を求めている、返せと言っているのではないと、権利を、そういうサケを捕るだとか、そういうことを求めているという、それが先住権だというふうに言っているアイヌの人たちもおります。ですから、そこはきちんと歴史も検証しながら、では、どうやって共存していけるのかというところも研究しながら、国に意見を上げていくということが必要ではないか、私はそのように考えますがいかがですか。
答弁 町長 飯田晴義
机上の議論としては、それはそうだと思いますけれども、我が町にはアイヌ協会があって、アイヌの人たちが住んでいます。アイヌ協会の方が8人います。私たちは親密にとはいいませんけれども、話をする機会も結構あるわけでありまして、では、その人たちが例えばサケを捕る権利を、漁業権を得たとして、本当に喜ぶかどうかという、欲しいだなんてことは聞いたことありませんので、漁業権が当たったときにそこで漁業をやっていってなりわいが成り立つのかどうかということもありますので、これやっぱり望んでいるか望んでいないかということも大いに関係します。先ほどの静内のお話は、望んでいる方が返してほしいというお話ですけれども、ではどこのアイヌの方もそういう思いを持っているのかどうなのかということは、非常に疑問でありますので、そこは意向を確認した上で、望まないというのであれば、これはこの先どこにも話を持って行きようがありませんので、今まで私は聞いたことはありませんけれども、そういう意向があるのかどうなのかについては、確認しなければならないなというふうに思います。
質問 10番 野原惠子
今、町長お答えいただきました。私は同化政策の中で、きちんと教育をされてこなかったという部分も実際にあります。声を大きくして言うつもりはありません。しかし、そういう歴史をアイヌの人たちもしっかり学んできて、先住民族としての権利というところも学んで、その上での対策ということも必要だと思うのですよね。ですから、今すぐ国に意見を上げていくということは行わないということをちょっと横に置いておいても、やはり歴史を学ぶ、そういう機会をアイヌの人たち、今8人とおっしゃいましたけれども、自分はアイヌだと表明できない人たちも確かにいると思うのです。ですから、社会教育の中で、町民全体にしっかりとアイヌの人たちの歴史を学びながら、その人たちも意見を上げられる、そういう条件をつくりながら、先住民族の権利としてきちんと国に上げていく、こういう手だてを学ぶ、学びながら国に意見を上げていく、そういう姿勢が必要ではないか、そういう意味です。いかがですか。
答弁 町長 飯田晴義
学ぶ姿勢については、これはもう大切なことは私も重々分かっております。それとアイヌであることを名乗れないというお話ありましたけれども、実際それは私もあるのだろうなと思います。それで昨年、北海道アイヌ協会の理事長以下役員の方がお見えになって意見交換もさせていただいた、そういう機会がありました。その際に、私、やはりアイヌの人たちは、そういう気持ち持っているかもしれないけれど、どんどんアイヌであることの誇りというのを持っているはずですから、心の奥ではですね、それをやっぱり出して、アイヌであることが恥ずかしいとかそういうことでは全くないわけですから、そこをどうか仲間同士、仲間をつくって、アイヌである人はアイヌなのだと胸を張って言えるような、そういうような取組もしてくださいと、そんなこともお願いしたわけでありまして、そういう機運も和人も必要ですけれども、アイヌ自身の方にもそういうやっぱり機運というのが必要なのではないでしょうかと、そういうご提言というか、お願いも申し上げたところであります。
質問 10番 野原惠子
意見交換されているということで、これは大変心強いと思います。その歴史の中で、同化政策の中で差別され、虐げられてきた、そういう本当にそういう立場に立ったときに、なかなか自分たちから、そういうものを払拭して声を上げていくというのには、かなり自分の中でそういうものをそしゃくして、そうだ、意見を言っていこうというふうになるには、かなりの葛藤があると思います。私も女性であるということで、かなりいろいろ今までの生きてきた経験の中でありました。それを乗り越えていくには、かなりの自分自身の意識改革をしないと発言できないのですよね。ですから、アイヌの人たちの歴史を考えますと、町長が今言われたようなそういう場を多数設けて、アイヌの人たちがそれを払拭して声を上げていく、そういう手だてがこの町としては必要だというふうに考えます。そういうことも深めながら、今すぐではなくても、しっかりと国に意見を上げていく、こういうことも必要ではないかと思いますが、しつこいでしょうか。もう一回。
答弁 町長 飯田晴義
先ほど来、施設建設についてもいろいろと話題になっておりました。そこで取り組む事業についてもお話をさせていただきましたけれども、そこでこれまでのアイヌの同化政策など、差別してきた歴史も一部展示するというお話もさせていただきましたけれども、私はそこからがスタートだというふうに思っていますので、しっかりと講座を組んで、そこに和人がしっかりと理解をしていく、そういう機運をやっぱり盛り上げていく必要はあろうと思いますし、アイヌ文化についてはアイヌの人たちだけの文化ではなくて、我々もしっかり学んで継いでいく、残していくと、そういうことも必要だろうというふうに思っております。
質問 10番 野原惠子
期待して終わります。