みんなの議会

幕別町議会 令和3年第2回定例会 2021年6月30日

子どもの人権尊重を基盤とした性教育を

2021年6月30日、幕別町議会の一般質問で、酒井はやみ議員が「子どもの人権尊重を基盤とした性教育を」について質問し、教育長 菅野勇次、学校教育課長 西田建司が答弁しました。

質問者
酒井はやみ 議員
答弁者
教育長 菅野勇次、学校教育課長 西田建司

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 9番 酒井はやみ

通告に従いまして、質問をします。1、子どもの人権尊重を基盤とした性教育を。子どもたちが深刻な性犯罪、性暴力にさらされ、尊厳を激しく踏みにじられている実態があることを踏まえ、政府は、令和2年度からの3年間を「性犯罪・性暴力対策の集中強化期間」と位置付けました。文部科学省でも、学校などで相談を受ける体制の強化や、わいせつ行為をした教員等の厳正な処分、全国の学校で「生命(いのち)の安全教育」を推進することなどを決めています。子どもたちは、社会生活における危険性と合わせて、インターネットや漫画など、メディアからのゆがんだ性情報にも日常的にさらされており、保護者の間からも、「メディアの情報をうのみにしないか心配」「相手を傷つける恋愛にならないか不安」「子どもたちに性のことをどう伝えればいいか知りたい」などの声が聞かれます。子どもの性被害を食い止める上で性教育が重要な役割を果たすと考えられます。世界では、ユネスコが性教育の世界水準として示している「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」を指針に、幼児期からの包括的性教育が広がっています。その内容は、「性的同意」「性被害」「ジェンダー理解」など、人権教育に基づくテーマも含めて構成されています。幕別町でも、性被害から全ての子どもたちを守るため、また、子どもたち自身が互いの尊厳を認め合い、多様性のある豊かな社会を築く主体者として成長していくために、どのような取組を強めていくのか、以下の点を伺います。①「生命(いのち)の安全教育」の提起を受けて、学校教育で実施を検討していることは。②子どもたちの性に関する知識について調査を実施する考えは。③包括的性教育に取り組む考えは。2、学校のトイレに生理用品の設置を。「生理の貧困」がクローズアップされ、政府としても、「女性活躍・男女共同参画の重点方針 2021」の原案の中で、生理用品の提供や相談体制の充実を進めるとしています。以下の点を伺います。①小中学校、高校での生理用品の設置状況と活用実態は。②「生理の貧困」の課題にどう取り組むのか。学校のトイレに生理用品を設置する考えは。以上です。

答弁 教育長 菅野勇次(教育長は2024年3月まで)

酒井議員のご質問にお答えいたします。はじめに、「子どもの人権尊重を基盤とした性教育を」についてであります。小中学校における性教育につきましては、学習指導要領において、児童生徒の実態や課題に応じて、教育活動全体を通じた各教科等の中で関連付けて指導することとなっており、教育課程の中では、体育科や家庭科はもとより、道徳科、総合的な学習の時間などを活用し取り組んでおります。また、性犯罪、性暴力の根絶を求める社会的気運が高まる中、国では令和2年6月に「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」を決定し、教育・啓発活動を通じた社会の意識改革と暴力予防の取組の一つとして、子どもたちが性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないように、令和3年度から4年度にかけて、全国の学校において地域の実情に応じて段階的に「生命(いのち)の安全教育」を推進することとされたところであります。ご質問の1点目、「「生命(いのち)の安全教育」の提起を受けて、学校教育で実施を検討していることは」についてであります。「生命(いのち)の安全教育」については、児童生徒が生命の尊さ・すばらしさや、自分を尊重し大事にすること、相手を尊重し大事にすること、一人ひとりが大事な存在であることを、地域の人材の協力も得ながら、また、保護者の理解を得ながら推進するものであり、これまでも、発達段階に応じて身につけられるよう取り組んでまいりました。具体的に申し上げますと、「性教育」については、小中学校におきまして、性に関する指導の全体計画・年間計画を策定し、生命誕生や心身の発育発達における男女差・個人差を正しく理解することなど、自分の心と体を守る方法を身につけることなどを目標として体育科や家庭科などで指導をしております。また、性被害など性犯罪も含めた犯罪被害の防止については、小学校の体育や中学校の保健体育、特別活動などの授業の中で触れるほか、専門的知識を有する警察官や、町の保健師、医師、助産師などを講師に招き講話を開催しているところであります。さらに、今後におきましては、国から本年4月に示された発達段階に応じた「生命(いのち)の安全教育」の教材や啓発資料を活用するなど、学級活動や総合的な学習の時間を通して、児童生徒が性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないための教育と啓発に取り組んでまいります。ご質問の2点目、「子どもたちの性に関する知識について調査を実施する考えは」についてであります。性に関する知識については、児童生徒の発達段階に応じて習得することが必要であり、指導に当たっては、体育科や家庭科はもとより、道徳科、総合的な学習の時間など、年間を通して指導計画を作成し、学校全体で共通理解を図り取り組んでおります。具体的には、人間尊重、男女平等の精神に基づく豊かな男女の人間関係を築くことができるようにすること、家庭や様々な社会集団の一員として直面する性の諸問題を適切に判断し、対応する能力や資質を育てることなどを目標に掲げ、学習内容として構成し指導しておりますが、それぞれの教科等において、単元テストや感想文などにより、児童生徒の性に関する知識の評価を実施することで習熟度を把握しておりますことから、教育委員会といたしましては、現在のところ、性に関する知識について調査を実施する考えは持っておりません。ご質問の3点目、「包括的性教育に取り組む考えは」についてであります。包括的性教育に関しては、単に「性と健康」に関する知識やスキルのみではなく、ジェンダー平等や性の多様性を含む人権尊重を基盤とした性教育として、国際連合教育科学文化機関いわゆるユネスコが中心となって作成した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」が公開されており、国際的な標準的指針として利用されております。「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」における包括的性教育には、「関係性」「価値・権利・文化・セクシュアリティ」「ジェンダーの理解」「暴力と安全の保持」「健康と幸福のためのスキル」「人間のからだの発達」「セクシュアリティと性的行動」「性と生殖の健康」の8項目の主要な枠組みが示されております。また、包括的性教育は、人権や健康的で互いに敬意を払う対人関係、価値観の尊重、暴力の回避などにも及ぶ幅広い概念で国際的に広く認知・推進されているものであると認識しておりますが、現状では、学習指導要領に明確に位置付けされていないことから、各学校においては、保健体育や総合的な学習の時間の中で性教育として取り扱っているほか、道徳で生命(いのち)の尊さや男女の相互理解、人権問題などの学習を通し、部分的に取り組んでおります。例えば、「ジェンダーの理解」については、これまでも、町内の学校において児童生徒自身や保護者からの相談等があった場合、十分に話し合いながら、自認する性別での制服やトイレの使用等、対象となる児童生徒の学校生活への配慮と、他の児童生徒などへの配慮との均衡を図りながら個別事情に合わせた支援・指導を進めているところであります。包括的性教育は多岐にわたるものであり、国がしっかりと方向性を示した上で進めるべきものと考えておりますが、教育委員会といたしましては、引き続き、教科横断的な視点に立った教育活動を通して、性に関する知識をはじめ、人権やジェンダー観などを指導してまいります。次に、「学校のトイレに生理用品の設置を」についてであります。国においては、令和2年 12 月に「第5次男女共同参画基本計画」を策定しておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響が長引く中、その影響は特に女性に表れていることから、コロナ対策において女性に最大限配慮するとともに、構造的な問題に取り組む必要があるとして、今月 16 日に決定された「女性活躍・男女共同参画の重点方針 2021」に、新たに取り組む事項の一つとして「コロナ対策の中心に女性を」が位置付けられたところであります。重点方針では、経済的な理由で生理用品を購入できない女性がいるという「生理の貧困」問題が顕在化していることから、地方公共団体が、女性への寄り添った相談支援の一環として行う生理用品の提供を、内閣府が交付する「地域女性活躍推進交付金」により支援することが示されました。また、学校などにおける生理用品の提供に関する積極的な協力や関係部局の連携、適切な相談支援等の周知、要請を行い、交付金の活用が進むよう努めることとされたところであります。ご質問の1点目、「小中学校、高校での生理用品の設置状況と活用実態は」についてであります。小中学校の生理用品の設置状況については、養護教諭が配置されていない小学校1校では、保健室のほか女子トイレにも常備しておりますが、それ以外の学校では、保健室に常備し、児童生徒からの求めに応じて保健室で養護教諭から提供しており、利用実績といたしましては、小学校で、月に1件から2件程度、中学校で、月に2件から3件程度となっております。また、町内2校の高校につきましては、ともに小中学校と同様に、生理用品は保健室に常備し、養護教諭から提供され、月に3件から5件程度の利用と伺っております。生理用品の利用に至った理由につきましては、小中高校を問わず緊急または忘失によるもので、経済的な理由による利用は見受けられないとお聞きしているところであります。ご質問の2点目、「「生理の貧困」の課題への取組方法は、また、学校のトイレに生理用品を設置する考えは」についてであります。経済的な理由が起因となって生理用品を準備できない「生理の貧困」に対応するため、児童生徒への支援として提供することは、健康を守り、教育機会を保障するためにも重要であると考えており、学校での無償提供は継続してまいりますが、現状では、先ほど申し上げましたとおり、経済的な理由による利用実態は見受けられなく、緊急または忘失の理由により、各学校の保健室で養護教諭から提供しているところであります。また、養護教諭は、児童生徒のけがなどの応急処置だけではなく、心身のケアとサポートを担っていることから、児童生徒の発する様々なサインに気づくことで、健康課題の解決のほか、内在する学習面、友人関係、家庭内などの問題の発見につながるなど、保健室が児童生徒の様々な問題の「気づきの場」として機能しているところであります。このため、トイレに常備した場合には、児童生徒の経済的問題やネグレクト等による児童虐待を含む様々なサインを見逃す可能性もあることから、今後とも保健室での常備を継続してまいりたいと考えております。以上で、酒井議員のご質問への答弁とさせていただきます。

再質問 9番 酒井はやみ

それでは再質問させていただきます。「生命(いのち)の安全教育」が提起されて、ようやくという印象はありますが、よかったなと率直に思いました。子ども育てる保護者としては、子どもたちが性犯罪に巻き込まれたり、加害者になるのは何としても避けたい。だからせめてということで性に関する子ども向けの本を買って自宅に置いておくということなどはしますが、自分たち自身も十分な性教育を受けてきていない中で、どう子どもたちに伝えればいいのか分からないというのが率直な思いでした。今、性教育ブームとも言われていまして、幼児期からの性教育を家庭でどう教えていくかということをテーマにした本が書店にたくさん置かれています。それはやはり同じような思いの保護者が多いからじゃないかと思います。この「生命(いのち)の安全教育」は、幼児期から大学生まで6段階、発達段階に応じて学ぶ内容が提起されて、子どもたちにどのように伝えるか、分かりやすい教材も、これは小学校高学年向けなのですけれども、こういった資料も全て提示、作成されています。例えば幼児期では、プライベートパーツを教える。水着で隠れる部分は自分だけの大事な部分で、人に見せたり触らせたりしないのだよということや、他人の大事なところも見たり触ったりしないのだよという内容を教えます。小学校高学年では SNS を通じた犯罪の危険や、中学高校ではデート DV を教材にして、親密な間柄でも嫌なことは嫌と言うということや、相手が嫌だということはしない。性暴力に遭ったときにはこういう対応を、という対応の仕方を学ぶとしています。「生命(いのち)の安全教育」は今年度から来年度にかけて、地域の実情に応じて、段階的に教育の現場に取り入れるとされています。先ほどの答弁がちょっと明確じゃなかったかと思うので、改めてお聞きしますが、いつ頃から実施するお考えでしょうか。

答弁 学校教育課長 西田建司(学校教育課長は2024年3月まで)

「生命(いのち)の安全教育」についてということで、先ほど答弁の中にもありましたが、国のほうから本年4月に発達段階に応じて、教材等啓発資料を活用して今後3年4年と実施していくということでの示しがありました。当然、4月に示されたということですので、学習指導要領に基づいたある程度の計画というものが今年度確定しているということもありますので、今後、そういった教材を活用して、どんどん性教育の中に取り入れていくように、学校のほうにはお話をしていきたいというふうに考えております。

再質問 9番 酒井はやみ

そうしましたら、今年度から実施に入るということでよろしいですか。

答弁 学校教育課長 西田建司(学校教育課長は2024年3月まで)

具体的には、先ほど申し上げたとおり、今年度のある程度の性教育の計画というのも決まっておりますので、可能な限りその教材を今年度組み入れることができる学校においては、組み入れていっていただく。本格的には令和4年、それぞれ各学校で全体的に取り入れていただけるような形で進めていきたいというふうに考えております。

再質問 9番 酒井はやみ

先ほども述べましたように、これに対する期待は保護者からも大変大きなものがありますので、早急に取り入れていただくようにご検討いただきたいなというふうに考えます。次に子どもたちの知識について、調査する考えを尋ねましたが、それは町の子どもたちの現実、性に関する意識や知識が、子どもたちの意識がつかめてこそ、こうした教育を急ぐ必要があるのかどうかということや、どう豊かな内容にしていく必要があるのかということが見えてくると思ったからです。そもそも一人の子どもも傷つけることがないようにということでは、この教育の推進は急ぐ必要はあると思います。さらにこのコロナ禍で、十代の妊娠中絶の増加が報じられるなど、深刻さは増していると想像できます。これまで学習指導要領に沿うということで、性教育の中でも性的同意や性交、妊娠、人工中絶に関する知識は教えられない傾向にありましたが、子どもたちは今の社会の中で、知ることよりも知らないことによって重大なリスクを負わされていると認識されつつあると感じます。子どもたちの意識や認識に関する調査を行った自治体を紹介したいのですが、東京都です。平成 30年度、校長先生を対象にアンケートを行っています。「生徒は性に関する正しい知識を身につけていると思うか」という問いに、「そうは思わない」「あまりそうは思わない」と答えた校長が 47%です。「学習指導要領に示されてない内容を指導することも必要だと思うか」という問いには、「とてもそう思う」というのが 46%となっています。こうした結果を受けて東京都は、性教育の手引きを改定し、保護者の了解が得られれば避妊や人工中絶など、指導要領の範囲外の内容も教えることができるとしています。また四日市市でも同じようなアンケートを昨年行い、児童生徒が性に関して、正しい知識を身につけているかという質問に、十分ではないと答えたのが小学生で6割、小学校の教員で6割、中学生で7割に上ったということを受けて、性教育の手引きを改定しています。東京都でその手引きを作成し、その中でコンドームやピルを使用した避妊方法や、人工妊娠中絶などを含む授業内容、また授業を受けた生徒によるアンケート結果も載せています。指導要領の範囲を超える必要があるという校長先生のアンケートの結果を踏まえて、そういった内容にも踏み切っているわけですが、そもそも学習指導要領は、カリキュラムの基準や大まかな内容とされているもので、それぞれの地域で内容を加えて指導することも可能だというふうにされていると考えます。今、性交や避妊、人工中絶について教えないことで、かえってあらゆるメディアからゆがんだ形で子どもたちの中に入ってくる。そういう状況が子どもたちにどれだけのリスクがあるかと考えると、どうそこを乗り越えるかということも、子どもたちの実態を踏まえて考えていく必要があるというふうに思い、この子どもたちの意識調査が必要じゃないかというふうに思ったのですけれども、改めてこのことに関するお考えを教えていただけますか。

答弁 教育長 菅野勇次(教育長は2024年3月まで)

性の知識に関する実態調査をということですけれども、基本的には答弁の中でも申し上げましたように、通常の性教育の指導の中で評価等を行っておりますので、ある程度はその評価の中で把握することができるのかなというふうに思っております。それと、今、例がありましたのが、校長先生ですとか先生に対するアンケートということでした。そういうことであれば、通常、ふだんから校長会とは意見交換等を行っておりますので、そういった中で状況を把握することは可能であるというふうに思っておりますし、それは努めてまいりたいというふうには思いますけれども、子どもたちに対するアンケートということになりますと、これはまた別でありまして、保護者の理解、こういった性教育を進めるに当たっては、保護者の理解というものが必要だというふうに考えます。保護者の中では、いろいろな考えをお持ちの方がいらっしゃると思いますし、一概にこのことがそこまで進んでいいのかというような反対の意見の方もいらっしゃるというふうに思いますので、そういった意味で、そういったアンケート調査、子どもに対するアンケート調査というのは、慎重に対応しなければならないというふうに考えておりますので、難しいというふうに考えております。

再質問 9番 酒井はやみ

子どもたちの性に関する知識についての調査ですので、子どもに直接聞くということに限定して質問したわけではないですので、その点は、先ほど言われましたが、やはりやってみると東京都のように今の教育、性教育の内容で十分とは言えないという考えがたくさん出されたということもありますので、幕別町ではどうなのかということをやはり教育委員会としても手のひらに乗せていく必要があるのではないか、こういう「生命(いのち)の安全教育」が提起されたことも受けて、改めて考える必要があるのではないかと思って質問をしました。あとは包括的性教育の内容なのですが、その上で包括的教育に取り組む考えをお伺いしました。包括的性教育を提起したのは、「生命(いのち)の安全教育」は、リスクやそのリスクを避ける対応を教える内容が中心となっているので、子どもたちに性は禁止事項だとか、敬遠すべきネガティブなものだと捉えられかねないと感じます。性の豊かさについて教える内容ではないからです。埼玉大学の田代美江子教授は、包括的性教育は性をポジティブに捉えるもので、「生命(いのち)の安全教育」と包括的性教育とはイコールではないというふうに指摘しています。国際セクシュアリティ教育ガイダンスについても、答弁の中で説明していただきましたが、この中では幅広い範囲が網羅されています。ジェンダー平等や人権教育なども含まれています。このセクシュアリティガイダンスの中でも、幼児期からプライベートパーツについて学び、9歳ぐらいからはフランス、フィンランド、タイ、韓国などで実際にされているのですけれども、どのように避妊するのか。意図しない妊娠を防ぐコンドームやピルの使い方や、使い忘れたときどうするか、緊急避妊ピルなどについても教えています。どういう行動をすれば、どんな結果になるかを全て教えた上で、選ぶのは本人だというスタンスです。性行動をどう考えどう選択するかは、生き方の問題として捉えられています。自分の幸せのための選択ですと投げかけられる中身になっています。情報を得ることが権利とされ、性教育を受ける権利が重視されています。興味深いのは、性の多様性についての理解を深める内容で、性の染色体の役割についても説明され、通常女性になる XX 染色体を持ちながら、性分化の過程で、非典型的なプロセスを経ることで、男性になる人がいるということも教えられます。多様な性の形態が生まれる可能性がある、誰でもそういうことが起こり得るという科学的な事実を教える。そういう流れで LGBT についても学んでいます。こういう包括的教育プログラムによって、子どもたちの行動変容として、性交の初交年齢が遅くなるだとか、性交渉の頻度が減る、性的パートナーの数が減るという結果も出されています。「生命(いのち)安全教育」の範囲でよしとせずに、多様な人間の在り方への理解や人間関係を豊かにしていく学びとして、包括的性教育に踏み出すことが必要ではないかなと考えますが、どのようにお考えでしょうか。

答弁 教育長 菅野勇次(教育長は2024年3月まで)

学校教育に関することでありますので、学校教育のベースというのは、先ほど答弁の中でも申し上げましたけれども、学習指導要領にあり、それを基本として教育課程を編成し、それを実践していくという流れが基本だというふうに思っております。もし包括的性教育が、今おっしゃられるように幅が広くて、それぞれためになるというか、教育であるというのは認識いたしておりますけれども、それをしっかりとやっていくということになれば、これは当然国が認知をして、学習指導要領に位置付けて対応する時間数も確保していくというようなことが必要ではないかなというふうに考えております。現段階ではそういうことにはなっておりませんので、大切な部分、本当に重要な部分、ポイントを押さえながら性教育に取り組んでまいりたいというふうに思っております。

再質問 9番 酒井はやみ

国が位置付けるならばという答弁でしたが、教育委員会が責任を持つものは、町の現実にいる子どもたちでして、そこにどういった内容が必要かということを、やっぱり考えることが必要になると思ったので、子どもたちの性に関する知識についての調査などを提案したわけです。改めて今後も検討していただきたいなというふうに思いますが、学校での性教育が、子どもたちの性と健康を守れるような充実したものになり、国際社会で生きていくこれからの子どもたちに必要な知識とスキルが身につけられるよう期待したいなというふうに思います。次の大きな2番目の質問に移ります。学校のトイレに生理用品の設置をですが、昨年からスコットランドで生理用品の無償化が始まったのを皮切りに、各国で無償配布が始められ、日本でも3月に5人に1人の若者が、金銭的理由で生理用品を買うのに苦労したという結果が公表され、世界に衝撃を与えました。特にコロナの影響でアルバイトが減ったり解雇されたりと、若い世代や女性の生活が深刻な影響を受けて、食費を捻出するために生理用品を購入することができない。そのためにトイレットペーパーやキッチンペーパーで代用するだとか、生理用品がないときには、学校やアルバイトを休まざるを得ないという実態には私も改めて衝撃を受けました。また、経済的貧困ということが理由であるだけではなく、家庭環境、家族との関係が良好ではなく、入手できないという声も上がっています。生理用品が手元にも持っていないということは、衛生上の問題だけではなく、心身の健康にも影響を与えかねない、個人の尊厳にも関わる問題だというふうに感じます。こういうきっかけに、今、全国で5月 19 日現在、255 の自治体が生理用品の配布を始めています。口にしづらく見えづらい問題だけに、声を上げづらい女性や子どもたちに、最大限手を差し伸べる手だてを講じることが必要ではないかというふうに思います。質問ですが、小中学校の保健室に設置されているということですが、設置されていることは、子どもたちにどのように周知されているのか、また返却が必要なのかどうか伺います。

答弁 学校教育課長 西田建司(学校教育課長は2024年3月まで)

保健室での常備の関係ですけれども、子どもたちにどのように周知という部分なのですけれども、ちょっと実態のほうは今現段階把握しておりませんが、ふだんの保健室の養護教諭の活動の中で、そういったことを子どもたちに伝えているのかなというところでございます。あと返却についてということですが、特段こちらのほうは返却を求めているものではなくて、どういった理由であっても使用された場合には、返却を求めているものではありません。

再質問 9番 酒井はやみ

私の家にも小学生の子どもがいますが、学校便りなどでは保健室にあるよというようなことは、掲載された記憶がないですので、どういった形で子どもたちが理解しているのか、保健室がいろいろな SOS を受け取る場になるのだという答弁でもありましたので、そこは改めて確認していただけたらなというふうに思います。それと、今、借りに来るお子さんが月に数名いるということですが、毎月借りに来るお子さんだとか、返却は必要ないですからいいのですけれども、その際に SOS を実際にキャッチしているというような実態はあるのでしょうか。

答弁 学校教育課長 西田建司(学校教育課長は2024年3月まで)

活用実態と言いましょうか、利用実態ということで先ほどの答弁のとおりなのですけれども、毎月固定されているというような実態は、特にないのかなというふうに現場のほうからのお話は聞いております。また、気づきの場としてということなのですけれども、様々なサインに気づくということも保健室の機能の一つとして、養護教諭が担っているということですけれども、具体例で申し上げると、保健室に来た様子を見て、ちょっと様子がおかしいぞということだったり、普通の場合もそうなのですけれども、必ず養護教諭のほうから声かけをさせていただくということで、そういったことで例えばですけれども、友達とけんかをしただったり、親とけんかをした。どうやって謝ったいいのだろう。さらには朝ご飯を食べてきていないだとか、そういった場合については、やはり食べてきていない実態が、使用頻度が高いのであれば、ご家庭のほうともお話をしながら、やはり改善されていないのであれば、要対協、要保護児童対策地域協議会のほうでも、ケース会議等で取り上げなら、虐待の実態がないかだとか、そういった支援をつなげていくというような実態で、いろいろな児童生徒の指導のチャンスの場として機能しているというふうに考えております。

再質問 9番 酒井はやみ

お伺いしましたのは、いろいろな SOS ということではなくて、生理用品を保健室に置いていること、トイレではなくて保健室に置いていることで、保健室がサインをキャッチできるというような答弁の内容でしたので、トイレに置くとそれがキャッチできなくなるという内容でしたので、そういう生理用品を借りに来ることを通じて、そのお子さんの SOS がキャッチできているのかどうかと、その実態についてお伺いしました。

答弁 学校教育課長 西田建司(学校教育課長は2024年3月まで)

生理用品を取りに来られる際だけの SOS のキャッチということではなくて、幅広い様々な SOS のキャッチというふうにご答弁申し上げたのかなというというところですけれども、もちろん生理用品を借りに来る際にいろいろな相談の中では生理不順に対する相談であったりとか、そういった内容の相談があったということはお伺いしております。

再質問 9番 酒井はやみ

分かりました。それでは次の質問ですが、現在の配置状況や活用状況に関して、保健室の養護教員など、教員や保護者、子どもたちからこれに関する変更や改善を望む声というのは、そちらでつかまれていますか。

答弁 学校教育課長 西田建司(学校教育課長は2024年3月まで)

先ほどの答弁にもございましたが、保健室の実態把握という部分の中では、そういった SOS は今のところは確認されないということで聞いております。そのほかにも違う場面での児童生徒であったり、教員からの声というのは特段こちらのほうでは確認しているところではございません。

再質問 9番 酒井はやみ

保健室に置いてあって、必要なときには借りに行くというシステムに今なっていますが、それで十分なのか不十分なのか、あちこちの自治体でトイレの個室だとか洗面台に置くだとかいろいろな動きがある中で、保護者、お子さんや教員の中から、今の配置状況よりさらに踏み込んだ対応が必要じゃないかなどの要望は出されていませんか。

答弁 学校教育課長 西田建司(学校教育課長は2024年3月まで)

現段階においてはそのような要望は聞いておりません。ただ、現場の声の一つとしては、逆にそういった個室に置く生理用品の管理であったり、もちろん衛生的な管理も必要となるということの、また一歩進んだ手間と言いましょうか、そういった対応が必要となってくるというような声は聞いております。

再質問 9番 酒井はやみ

この間、新日本婦人の会幕別支部がアンケートに取り組んでいます。「みんなの生理聞かせてアンケート」という題で、子どもたちの保護者からと思われる方の声が幾つか寄せられているので紹介したいと思います。生理になったばかりの小学生などは、生理周期も不規則だったりナプキン持参を忘れたり、いろいろと困難が考えられます。学校のトイレに生理用品があればとても助かると思います。またある方は、思春期の女子は同性に生理用品を見られるのも恥ずかしいと思うので、各個室にナプキンがあるとうれしいと思います。生理は恥ずかしいことではないという考えが学校教育でも広がるといいと思う。またある方は、学校にいる間に一度も取り替えないということはないので、ポシェットから取り出すにしても、年頃なら異性の目も気になりますので、ぜひ置けるようにしてほしい。あと授業の休憩、授業と授業の間の休憩が5分しかないときに、急に生理になって保健室まで取りにいけないという声も寄せられています。あと経済的な声では、少子化が問題になっているのに女性の生理用品に課税して販売されているのは疑問。公に配布し、小中学生のうちから男性にも深い理解を求めるべきだということや、3人の姉妹がいると、お金の面だけでも家族に女性4人となるとすごい金額になると、こうした声や、あと学童にも高学年の女子が通うようになっているので、設置してほしいと、こうした声が寄せられています。経済的な理由だけではなくて、いろいろな意味での生理の貧困、その言葉に込められている意味はあるのかなというふうに思います。こうした声があるのですが、先日、道議会でも知事が答弁の中で生理の貧困に市町村と連携して取り組むというふうに答弁しています。積極的に子どもたちの要望、なかなか声になりづらい要望ですので、まず声をつかめと言っても難しいと思うのですけれども、やはり潜在的ニーズがあると考えて対応するべきじゃないかなというふうに、私自身も認識を新たにして思っているところですが、改めてお考えを伺いたいと思います。

答弁 教育長 菅野勇次(教育長は2024年3月まで)

今、アンケートの結果等も伺いましたけれども、そういう声なき声と言いましょうか、というのがあるというのを受け止めはいたしましたが、ただ、国の女性活躍・男女共同参画の重点方針 2021 の中でも、地方公共団体が支援の一環として行う生理用品の提供を地域女性活躍推進交付金で支援するとしながら、その際には生理の貧困にある女性の背景や事情に向き合い、寄り添った相談支援を充実することを促すとしているところでありまして、ここの生理の貧困にある女性の背景や事情に向き合い寄り添うという部分が、トイレに置いてしまうと、先ほども答弁の中で申し上げましたように失われてしまうというか、根本の解消にならないのかなというようなことが、私はちょっと心配だなという。誰が持っていったか分からない。結局分からないで終わってしまうというようなことがあるので、現段階ではトイレに置くという考えは持ってございません。

再質問 9番 酒井はやみ

こうした議論が大事かなというふうに、改めて聞いていて思いました。先ほど引用された政府の重点方針の原案の文書は私も拝見しています。生理の貧困の背景を丁寧に見て寄り添う相談支援を拡充することが必要ということです。トイレに置くことについては、あとで時間があれば議論したいのですが、それでは町としては相談体制を拡充するという内容で、具体的にこういうことを強化していきたいだとか、特に学校の子どもたちに対して考えておられることがあったら伺いたいと思います。

答弁 教育長 菅野勇次(教育長は2024年3月まで)

現在も保健室が気づきの場として機能しているというお話は、課長のほうからも差し上げましたけれども、子どもたちが抱える様々な課題をサインに気づく場として機能しているところでありまして、特別にこれから何をするというわけではないのですけれども、さらに先ほどアンケートの中にもありましたけれども、行きづらいだとかそういうような話もありますので、ふだんから気軽に足を運べるような保健室づくり、また養護教諭だけではなくて、児童生徒が先生と話しやすい雰囲気、環境づくりが大切であるというふうに思っておりますので、現在でも意識しながら学校では取り組んでおりますけれども、さらに意を注いでまいりたいというふうに思っております。

再質問 9番 酒井はやみ

いろいろな自治体がこうした学校のトイレだけじゃなくて公共施設に置くだとか、相談体制の強化ということで、必要な人に配布しますよということを広報でお知らせしつつも、受け取りに来た女性が、「生理用品を受け取りに来ました」と口にしなくてもいいようにカードを窓口に置いておいて、そのカードを見せさえすれば受け取れると、そういういろいろな寄り添った支援というものが、今、工夫されてきていると思います。そして生理用品を学校のトイレに置くという点でも、置けば保健室に来なくなってサインに気づけなくなるということは、ちょっと私もそれは理解しにくいというか。例えば神奈川県の大和市では、学校のトイレに洗面所にパックに入れた生理用品を置いているのですけれども、そのパックの表に「生徒の皆さんへ、これは生理用品が入っています。急に必要になった人は使ってください。生理のことや何か困っていることがあれば先生に相談してね。一緒に考えましょう」というメッセージと合わせてつけているのです。やっぱりこうやって子どもたちの困り事に寄り添うことが、学校が何でも相談してもらってもいいのだよっていうメッセージを発することにもなり得るのかなということをこうした記事を読んで思うわけですが、実際には生理用品を借りに来た、保健室にあることを知っているのかどうかということからして、今はちょっと不安だなと感じたところですけれども、借りに来たお子さんからそうしたメッセージを具体的につかむきっかけになり得ているのかということも改めて見ていく必要があるのかなというふうに思います。やはりこの問題は、とても当事者にとっては深刻です。今回の議論をきっかけに、もう一歩踏み込んでいろいろな場面で議論を進めて対応を検討していけたらいいなというふうに思います。今回の質問でテーマにしました性被害についても、性教育についても生理の貧困についても、背景には日本のジェンダーギャップの深刻さがあるということは、政府も指摘しています。女性も含めてそれぞれが認識をアップデートすることが求められているというふうに思います。お互いを傷つけ合うのではなくて、全ての人が尊厳を大事にし合うそういう町にしていくために、引き続き力を合わせていくことを述べて質問を終わります。

出典:幕別町議会 令和3年第2回定例会 2021年6月30日 議事録 PDF(33ページ) 間違いを知らせる