みんなの議会

幕別町議会 令和2年第4回定例会 2020年12月10日

児童虐待、子どもへの暴力のないまちづくりを

2020年12月10日、幕別町議会の一般質問で、酒井はやみ議員が「児童虐待、子どもへの暴力のないまちづくりを」について質問し、保健課長 金田一宏美、こども課長 西田建司、町長 飯田晴義、教育長 菅野勇次が答弁しました。

質問者
酒井はやみ 議員
答弁者
保健課長 金田一宏美、こども課長 西田建司、町長 飯田晴義、教育長 菅野勇次

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 9番 酒井はやみ

通告に従いまして質問をします。児童虐待、子どもへの暴力のないまちづくりを。減らない児童虐待の実態を踏まえて、2019 年6月に「児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律」が公布されました。親による体罰の禁止が法律上明記され、あらゆる子どもへの暴力は「しつけ」に当たらないこと、子どもの権利を侵害し発達をゆがめるとの認識が広がり、虐待を防ぐための様々な対策が国でも地方自治体でも取られてきました。にも関わらず虐待の件数は増え続け、痛ましい事件が後を絶ちません。2019 年度は過去最高の 19万 4,000 件となっています。幕別町でも、2015 年度以降の虐待件数は、13、9、19、7件と、減少しているとは言えません。また、このコロナ禍において、外出自粛や保護者の収入が不安定になるなどの影響で、虐待リスクが高まっていることが指摘されています。今年1から7月は昨年同時期と比べて相談件数が8%増加していると報じられています。虐待を含む暴力は、子どもに計り知れない傷を負わせ、人生そのものを狂わせかねないものであり、早期の根絶を目指してあらゆる手だてを尽くすことが求められます。子育て支援や教育を直接担うのが地方自治体であることから、虐待をなくす上で市町村の役割がより強調されるようになってきています。幕別町においても、子育て支援や経済支援、関係機関との連携、教育など、様々な角度から虐待防止に取り組んでいます。その評価と、児童虐待ゼロに向けた町を目指して何が必要か、以下の点を伺います。1、家庭支援について。全妊婦訪問、乳児全戸訪問事業の訪問率と未訪問件数は。乳幼児健診の受診率と未受診件数は。会えていない妊婦、母親、子どもへの対応は。養育支援訪問事業の内容と、コロナ禍での要保護児童の実態把握は。未就園児全戸訪問事業を実施する考えは。2、「虐待とは何か」の正しい理解を広げるために。子どもに携わる人(保護者、保育士、教員)への研修を。教員へのセルフチェックシートの活用。3、子ども自身が暴力をはね返し、権利の主体者としての力をつけるために、「子どもの権利」の学習や性教育(市民団体「十勝 CAP そらの駅」が取り組んでいる講座など)に取り組む考えは。4、町としての子どもの貧困対策の取組状況は。以上です。

質問 9番 酒井はやみ

それでは、再質問させていただきます。虐待を防止するために、市町村での切れ目ない支援が必要とされ、妊婦や乳児の全戸訪問の取組や要保護児童対策協議会が設置されるなど、様々な取組が具体化されてきました。その上で、今回、質問で取り上げようと思った理由なのですけれども、一つは、このコロナ禍の下で、虐待の大きな原因とされる社会的・経済的基盤が一層不安定になっていること。その下で早期発見予防、全ての子どもたちを暴力から守るために、必要な手だてを智恵を尽くして取り組む必要あると思うからです。今、ひとり親4割が収入減になっているだとか、6割が食費を切り詰めて生活しているという状況が報告されています。とりわけ女性は、失業率も激増し、DV の深刻化や自殺率の急増なども報じられています。親戚や家族が減って、地域のつながりなど社会的関係も薄くなる中で、子育てが孤立しがちな傾向にあることが以前からも言われていましたが、このコロナ禍の下で、他人との様々な交流の機会がなくなったことを私自身も実感をしています。簡単には、他人の家に上がれない状況などもあり、子どもたちも保護者も人間関係がより希薄になりがちだと思います。幕別町もこの間、様々な努力があって、この町を選んでくれる若い方が増え、幼い子を抱えて親戚もなく移住してこられる方がいます。町で一人残らず全ての子どもたちを暴力から救うために、あらゆる手だてを取ることが保護者の子育てを支えることや、子どもの権利を守り、健やかな成長を見守るまちづくりにつながると思います。この質問を取り上げようと思ったもう一つの理由は、先進国の「子どもの幸福度ランキング」の結果です。ユニセフが今年発表した「幸福度ランキング」では、先進 38 か国の中で、「生活面の満足度」や「精神的健康への満足度」は、37 位とワースト2位となっています。内閣府の昨年の調査でも、13 歳から29 歳までの男女のアンケートなのですけれども、「自分自身に満足している」という質問に対し、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答した日本の若者は 45.1%しかいなかった。半分以上の子どもが、自分をどこか否定的に捉えているという結果が出されています。幸せでなければならない子どもたちが、そうなっていないということに、私も子育てをしながら不安を感じるのですけれども、子どもたちがどこで傷ついているのかなということを真剣に考える必要があると思います。子どもたちが生活をしている場というのは、家庭であり地域であり、学校であって、やっぱり地方自治体が一番そのそばに存在しています。見守る存在であって、そこがやっぱり総力を挙げて、この子どもたちの幸せに何ができるか考えていく必要があるなというふうに思っています。先日 11 月に、先ほども答弁であったような帯広児童相談所の児童虐待防止シンポジウムがあったのですけれども、そこでは子どもを核としたまちづくりを進めている先進例が紹介されていました。予算もたくさんかけて必要な支援を子育て世帯に行ってきたことで、出生率も 1.7 倍と全国よりもずっと高いレベルに引き上がり、市の財政も増収しているということが報告されていました。自治体が、そういう役割を発揮しながら前進していけるという希望も感じたところです。幕別町が子どもを守るとりでとして、あらゆる可能性を発揮できるように再質問させていただきたいと思います。まず、全妊婦の家庭訪問、乳児全戸訪問事業、乳幼児健診についてです。幕別町では、本当に努力していただいて、ほぼ乳幼児健診も 100%ということでしたが、妊婦さんについては、きっと里帰りの方なんかもおられてということで、乳児でほぼ 100%ということで、全部お子さん把握できているのかなというふうに思いました。これらの母子健康事業の中から、支援の必要が高いと発見されて、妊婦や子どもへの支援や要保護に結びついたケースはありますか。

答弁 保健課長 金田一宏美(保健課長は2022年3月まで)

支援の必要度が高いという方につきましては、全員のお子さんに訪問のプランなどは立てているのですけれども、特別また別にプランを立てて関わっているところでございます。2年度につきましては4名の方に支援を行っているところです。元年度につきましては4名の方がいらっしゃいまして、30 年につきましては3名、29 年度につきましては4名の方に支援をしているところであります。

質問 9番 酒井はやみ

やはり早期に発見できているということで、すごく効果的な事業かなと思います。全戸訪問の乳児健診などで、子どもに会えなかった場合の対応について、統一した指針があるのでしょうか。その後、いろんな手だてで訪問されているということだったのですけれども、統一した対応の指針というのがあるのかなということをお伺いしたいのですが。例えば大阪市では、2か月会えない場合は次の1か月間に保健師などが訪問し、それでも確認できなければ、担当部署で協議して、虐待の担当部署に協力を要請するという基準があるそうですけれども、100%実施を目指して、どういった基準をもって対応しているのかなということをお伺いします。

答弁 保健課長 金田一宏美(保健課長は2022年3月まで)

本町におきましては、赤ちゃんが生まれましたら、まず新生児訪問という形でおおむね1か月以内に訪問をするようにしております。そのときに会えない場合には、間を置かないようにして、かなり1か月以内には何度も何度も連絡を取るとか、あと母子手帳発行時に里帰りをしているということが分かっている場合については、そのときに里帰り先も確認をしておりますので、そちらにかけていつぐらいに戻ってくるのかということで日にちを決めるということで、早めに会う日程を決めまして、必ず何らかの形で会えるようにはしております。

質問 9番 酒井はやみ

分かりました。母子保健から、その中でも支援の必要度の高い、例えば望まない妊娠や未成年の妊娠、DV や経済的な問題などから赤ちゃんを育てるのが難しいなど、特定妊婦と言われる人たちに対する支援に結びつけることが大事かなというふうに思うのですけれども、そういった特定妊婦の方は、要保護児童対策協議会で対応するということになっているかと思います。そこにもさらにはまらない、例えば妊娠をすると、一旦は母子保健の制度の枠に入るけれども、その後、人工妊娠中絶をしたような若い方は外れると思います。昨年起こった札幌市での2歳の詩梨(ことり)ちゃんが亡くなった事件ですけれども、あのお母さんは、1回 10 代で妊娠をして、一度人工妊娠中絶をして外れているということがありました。いろんな困難を抱えてのそういう現実だったと思うのですけれども、そこで継続するような支援の枠があったら、また違った展開になったかもしれないということが、北海道大学の松本伊智朗教授などが指摘しています。幕別町では、そうした支援の枠に外れがちというか、そういった方への支援の必要性については、どういうふうに認識されて取り組まれていますか。

答弁 保健課長 金田一宏美(保健課長は2022年3月まで)

幕別町におきましては、母子手帳発行時に、全員の妊婦さんに必ず保健師が面接をして母子手帳を発行するということを行っております。その際に、丁寧に困り事がないかとか、その先に子育てをしていく上での不安などを確認しまして、その中でリスクが高いというような妊婦さんにつきましては、早めに訪問をするですとか、生まれた後も訪問の数を増やすですとか、あと相談の場を使ってというところで支援をしているところであります。

質問 9番 酒井はやみ

その後、中絶に至ってしまったケースなどは、その後、フォローはされていないということですか。

答弁 保健課長 金田一宏美(保健課長は2022年3月まで)

この中絶というのは、必ず町に報告が来るわけではないので、100%という形では把握はできていないのですが、予定日になって出生届が出されない場合につきましては、いかがなされていますかということで、必ず確認をするようにはしております。そのときに、その後の支援が必要ということになれば、面接ですとか、健康相談の場ですとかを活用しながら支援をしているところではあります。

質問 9番 酒井はやみ

分かりました。例えば、10 代での中絶の方なんかは、学校教育の支援の枠からも外れて、いろんなところから抜け落ちがちになるという指摘もあったので、今、丁寧に対応されているということだったのですけれども、注意して支援できるように目を配っていただけたらと思います。次に、養育支援訪問事業の内容とコロナ禍での要保護児童の実態把握についてです。児童福祉法の改正の中で、2004 年から要保護児童対策協議会を全市町村に設置して運用するということが位置付けられました。幕別町でも、要保護児童対策協議会が必要とした家庭に養育支援訪問が行われていると思います。まず、虐待を受けている児童の数なのですけれども、ちょっと認識を確認させてほしいのですけれども、認定件数が質問の通告書の書いているように、2015 年以降、13 件、9件、19 件、7件となっていると思うのですけれども、これは全て新規の認定なのでしょうか。きっと虐待の子たちというのは、その年度のうちに解決するということはないと思うので、実際の虐待の子どもたちというのは、累計では、結構な何か人数になるのかなと思ったりもするのですが、その計算の仕方というか、現段階で虐待を受けているお子さんの数というのは、どうなっているのでしょうか。

答弁 こども課長 西田建司(こども課長は2021年3月まで)

虐待の件数についてですが、今回も 11 月 18 日に国の発表を受け、帯広児童相談所が発表をしたもので、令和元年度の本町の児童虐待相談件数については 20 件ということで、平成 30 年度の7件に対して 13 件の増加であります。この要因ということなのですけれども、先ほどのお話にもありました、こちらのほうについては、あくまでも児童虐待相談件数の、しかも延べ件数ということですので、毎回が新規ということではなくて、同一案件が重複、さらに同じ年度内においても、今回件数が伸びているというのは、同一案件で複数回、例えば警察の通告等によってカウントされたということで件数が伸びているというふうに分析しております。

質問 9番 酒井はやみ

今ちょっと聞き漏らしたというかちょっとあれなので、20 件というのは、令和2年度の相談件数ですか。

答弁 こども課長 西田建司(こども課長は2021年3月まで)

すみません、聞き取りづらくて申し訳ございません。令和元年度の児童虐待相談件数になります。ですので、先ほどの通告書にありました 30 年度の7件、こちらに対する数字となっております。

質問 9番 酒井はやみ

私が7件と言ったのは、虐待認定件数かと思うのですが。

答弁 こども課長 西田建司(こども課長は2021年3月まで)

虐待の認定といいましょうか、帯広児童相談所に対して相談があった中で、最終的に、その中で虐待というふうに認定したといいましょうか、認めたというような件数なので、必ずしも全ての事案で1つということではなくて、重複しながらカウントされているというものになります。

質問 9番 酒井はやみ

現段階で虐待を受けている町の子どもたちの数というのは、どういう数になるのですか。令和元年度でいいです。

答弁 こども課長 西田建司(こども課長は2021年3月まで)

これまでの帯広児童相談所の発表したこちらの児童相談件数の公表ということで、件数については公表されているものですが、うち何件が実際の虐待人数ということは、これまでも公表については、控えさせていただいているというものでございます。

質問 9番 酒井はやみ

よく分からないのですけれども、申し訳ないです。例えば、昨年度 10 人、今年度 10 人とかでしたら、きっと前年の 10 人も、まだ解決していないと思われるので、トータルで 20 人のお子さんを支援しているという状況になるのかなと思うのですけれども、そういうことでもないのですか。

答弁 こども課長 西田建司(こども課長は2021年3月まで)

先ほどもお話ししたように、例えば1つの案件が、例えば令和元年度に発生しました。酒井議員のおっしゃるように、解決していません。そういう案件の下に、例えばもう一度児童相談所のほうに通告があった場合については、例えば令和2年度に通告あった場合について、また虐待案件だということになれば、さらに1件、令和2年度1件というふうにカウントされますので、必ずしも新規ばかりの件数ではないということになります。

質問 9番 酒井はやみ

分かりました。きっと児童相談所で出されている数というのは、児童相談所のほうで対応しているかと思うのですけれども、町の要保護児童対策協議会で支援の対象としている児童は、今の時点で何人でしょうか。

答弁 こども課長 西田建司(こども課長は2021年3月まで)

要保護児童対策協議会のほうでケース検討会議ということで、令和2年度については、11 月末で4回開催しているというものでございます。(「対応している数」の声あり)

答弁 こども課長 西田建司(こども課長は2021年3月まで)

失礼しました。回数の発表ということで、件数のほうについては、公表のほうを差し控えさせていただきたいと思います。

質問 9番 酒井はやみ

そうしたら、町でどれぐらいにお子さんが、今そういった支援が必要となっているかということは公表できないということでいいのですか。

答弁 こども課長 西田建司(こども課長は2021年3月まで)

あくまでも児童相談所の相談受理件数、そちらのほうの発表のみということになろうかと思います。公表はしておりませんが、庁舎内において、各関係機関と情報共有しながら支援に当たっているというものでございます。

質問 9番 酒井はやみ

要保護児童対策協議会の支援の対象というのは、いろんなケースがありまして、虐待に限らないかなというふうに思っていたのですけれども、なので大体どれぐらいの人数をどれぐらいの期間、体制で支援しているのか、それが十分なのかなということを伺いたかったのですけれども、その範囲でもお答えしていただけないということですか。

答弁 こども課長 西田建司(こども課長は2021年3月まで)

虐待の種別については、身体的虐待、性的虐待、あとネグレクト、あと心理的虐待、大きくこの4つの項目に分けながら、そちらに当たるものを要対協のほうで支援させていただいているということで、その内訳の件数についても、先ほどの児相のほうでの発表の 20 件、その内訳のほうについては、少数ということで事案が特定される可能性が高いことから、公表のほうは差し控えさせていただいているものでございます。

質問 9番 酒井はやみ

次の質問に移ります。コロナ禍でも必要に応じて支援のお子さんを訪問しているという答弁があったのですけれども、4月 30 日、厚生労働省は、「子どもの見守り強化アクション」ということで、要保護児童対策協議会に登録しているお子さんを、少なくとも週1回安全確認するというふうにされていました。そういった内容で、町でも取り組まれたのでしょうか。

答弁 こども課長 西田建司(こども課長は2021年3月まで)

要対協での対応ということなのですけれども、決まったスパンの決めはございません。そのケースに応じた対応を図っているというものでございます。

質問 9番 酒井はやみ

この質問をしようと思ったのが、ちょっと町の虐待を受けているお子さんたちへのフォローが十分できているのかなということを知りたくて、こういう内容の質問をしているのですけれども、なかなかちょっとインターネットとかで調べてみても、要保護児童対策協議会の要綱なども見当たらなかったのです。自治体によっては、ケースを検討する実務者会議を2か月や4か月に1回行うだとか、地域ごとに実務者担当者会議を行うだとか、それぞれ要綱を持ってやっているところがあるのですけれども、幕別町でも必要に合った実効性ある協議会の運用の在り方がされるようにできたらなと思うのですけれども、そういった要綱はあるのでしょうか。

答弁 こども課長 西田建司(こども課長は2021年3月まで)

要綱につきましては、幕別町要保護児童対策協議会要綱ということで、平成 18 年度に策定しているものはございます。この中でも全体会議、代表者会議と言われるものが年1回開催し、さらにはそういった案件が出たときのケース検討会議というのは、随時必要に応じながら、速やかにそういった会議を開催しながら情報の共有をして、さらにはどういった支援をしているかというような内容を話し合っているものでございます。

質問 9番 酒井はやみ

分かりました。次に、2016 年の児童福祉法改正のときに、2022 年までに各市町村で子ども家庭総合支援拠点を設置するということが提起されています。更別でも 10 月からだとか音更でも始まっていたり、帯広も7月からということで設置されているのですけれども、幕別町で子ども家庭総合支援拠点を設置することに向けて、準備や検討されていることがあれば教えてください。

答弁 こども課長 西田建司(こども課長は2021年3月まで)

今、議員がおっしゃられた子ども家庭総合支援拠点、こちらのほうについては、2016 年に児童福祉法改正によって、2022 年度までに全市区町村に設置が求めされているものでございます。こちらについては、今お話しありましたように、十勝管内では帯広と音更、さらには更別村、こちら3か所で設置ということが公表されていますが、幕別町におきましても、2022 年度までに設置できるよう、内容についてただいま研究しているところでございます。設置できるよう、今後もさらに研究を進めてまいりたいというふうに考えております。

質問 9番 酒井はやみ

この拠点ができることで、いろんな取組がまた充実するのかなと思っています。厚生労働省も、今、子どもを保護して施設に分離保護するよりも、地域で里親につなげることが大事だということを言っています。子どもの身近な場所に支援できる人がいて、そこと自宅とを行ったり来たりしながら、子どもたちを地域で育てていく、家庭を地域ぐるみで支えていくという、そういう方向につなげていきたいという趣旨で提起されているかと思います。こういうところまで支援する、継続して支えていくということを考えると、やっぱり町としても専門性を持った職員が一定数配置されていく必要があるのかなというふうに考えますが、国としては、まだそこに予算としては、正職員を保障できるような予算が下りる計画にはなっていないかと思うのですが、そういった点についても検討して、充実した内容になるように進めていくことを期待したいと思います。新しい事業も含めて、妊娠、出産、子育て、切れ目なく丁寧な支援が求められるようになってきています。これを自治体が担っていくには、それにふさわしい職員の体制も必要ですし、支援の中身としても、向こうから助けを求めてくるということではなくて、こちらから足を運んで、保護者との信頼を築きながら支援をしていくという、アウトリーチ型の支援がすごく大事になってきているということが、まず強調されてきていると思います。そういった支援ができるのにふさわしい体制をつくっていけたらなというふうに思います。次の質問に移ります。「虐待とは何か」の正しい理解を広げるためにということなのですけれども、子どもへの虐待や暴力についての認識というのは、今、様々というか、議論の過程かなというふうに思っています。いろんなことで、町としても認識を広げる取組をしているということだったのですけれども、今、子どもへの暴力や虐待とは何かということについて、町として今どういうふうに認識していますか。

答弁 こども課長 西田建司(こども課長は2021年3月まで)

町としての認識と申しましょうか、答弁にもありましたように、児童虐待防止法の改正ということで、本年4月からそのようなことがあり、先ほども答弁にもありましたように、11 月に広報を通じて皆さまの家庭のほうに周知させていただき、さらには学校のほうを通じて、全保護者に対してそのような周知もさせていただいたところでございます。

質問 9番 酒井はやみ

子どもへの暴力とは何かということについてですが、今回、親権者による体罰の禁止が規定されたのですけれども、親権者や児童相談所の所長さんだとか、福祉施設の責任者だとか、里親だとか、そういった方の体罰が禁止されました。これは、子どもへの体罰は許されないというメッセージを社会に打ち出したものとして大きな意義があったと考えています。しかし同時に、まだ民法では親の体罰は禁止しているけれども、懲戒権は残っていますし、学校教育法でも、体罰は駄目だけれども懲戒は認められているという状況にあって、「国連・子どもの権利委員会」では、あらゆる場面におけるあらゆる形態の子どもに対する暴力の絶対的禁止を求められています。しつけを理由にした暴力が正当化されて虐待に至っているケースが多いということから、児童福祉法改正の附帯決議にも、2年以内に民法の懲戒権の在り方について、規定の削除も含めて早急に検討を加えるというふうにされています。この暴力の中身というのは、今すごく繊細な問題かなというふうに思っていまして、例えば教員の学校での暴力について、ひとつ指摘があったのですけれども、学校という構造上から起こり得る暴力についても捉える必要があるということが指摘されていました。例えば、教員が子どもを褒めるために子どもの頭をなでるということも、なでるほうからすると、何の気なしにというかよかれと思ってやっていると思うのですけれども、場合によっては、暴力性が発生するということです。虐待などが原因で、体に触れられることに強い抵抗がある子どもが、そういうふうにされたときには、ふっと頭をよけるようなしぐさをするのですけれども、保育園でもあったのですけれども、そういった虐待が原因でそういうことに強い抵抗感があるお子さんもいます。だけれども、子どもとしては嫌だということを言いづらい、ノーを出しにくいということで、それは子どもと教員という立場に構造的な権力構造があるということを、教員自身がしっかり認識する必要があるということが指摘されていました。こういった問題や、あと体を傷つけなければいいのか、精神的な子どもの品位を傷つけるような言葉はどうなのかということなんかも、今、議論の議題になっているかなというふうに思います。そういった議論の過程も踏まえて、幕別町の子どもの権利の条例も踏まえて、子どもの暴力、品位を傷つける行為とは何かだとか、子どもの権利は何かということについて、しっかり議論をして認識を広げていく必要があるかなと思いますが、改めてその認識についてお伺いします。

答弁 町長 飯田晴義

虐待とは何ぞやということを正しく認識するのは、非常に難しい。今、酒井議員がおっしゃったように、するほうは愛情を持って頭をなでて、よくできたねという愛情表現の一つとして頭をなでてやることが、そういうことに慣れていない子、あるいはその教師との信頼関係がきちんとできていない場合については、やっぱり拒否をするのだろうと思います。ですから、そこはセクハラ、パワハラも似たようなところがありますけれども、相手との距離感、信頼関係がきちっと構築できている場合とできていない場合は、やるほうの気持ちが幾ら愛情を持っていたとしても、受けるほうは虐待であったり、パワハラ、セクハラに思ってしまうというところがあるので、これ一口に、本当にこれを解消していくというのは、本当に難しいことだと思うのです。人の心、相手の心が分かるように、相手との信頼関係がきちんと築けるような形でこの社会がなければ、なかなか難しいのだと思います。ただ、やはり体の暴力あるいは言葉の暴力、決してこれは褒められるものではありませんので、ここは本当に幼い頃から親になるまでというか、ずっと一生を通してやっぱり虐待はいけないのだよということを、しっかりと生涯学習としてやっていく必要があると思いますので、そこは機会を見つけて、研修であったり講演会というものも必要になってくるというふうに思っております。

質問 9番 酒井はやみ

そうした議論がしっかりできていくような町にしていくことが、いいまちづくりにもつながっていくかなというふうに思います。暴力の中でも特に見えづらく深刻なのが、今、時々ニュースに出ている性暴力の問題だと思います。いつ何どき誰が被害に遭ってもおかしくないという状況になっています。最近、フラワーデモとかMeToo(ミートゥー)運動などで、被害に遭った人が自ら声を上げ始めて、この問題の深刻さが明るみになりつつあります。子どもへの性的虐待は、全体の中では数は少なく見えますが、氷山の一角だというふうにも言われています。読売新聞の調査では、2019 年度までの5年間に、学校での教員による教え子へのわいせつ行為によって懲戒処分を受けた教員が 496 人いて、年間 100 人以上の子どもが学校教員から性被害に遭っていると指摘されています。今、全国 67 の都道府県、政令市教育委員会のうち7割の 48 教育委員会が、通知や内規などで、教員と児童生徒らとの私的なやりとりを禁止しています。学校の中での気風をつくっていくという点ですが、長野県では、共通のルールをつくって校内の学校に通知をしています。例えば、児童生徒と1対1の密室状態にならないだとか、私的な電話やメールのやりとりはしない。ささいなことでも問題と感じたら校長に連絡するなどを決めています。外から中が見えない教室のドアに小窓を設置するだとか、窓ガラスのポスターを貼らない、どの教室も第三者の目が行き届くよう整備を進めるということなんかも努力をされてきています。学校全体として暴力を許さないということを組織として発信して気風をつくっていくことが大事かなというふうに思うのですけれども、町での取組というか認識はどうでしょうか。

答弁 教育長 菅野勇次(教育長は2024年3月まで)

今、学校のことでということですから、私のほうからお答えをさせていただきたいというふうに思いますけれども、今、現状としては、例えば SNS 等で教員と生徒が私的なやりとりをするということについては禁止をしているということでございます。また、それ以外に、例えば今お話にあった1対1での密室で会うことを禁止するだとかそういったところには至っておりませんけれども、当然これ学校の中で教職員の共通理解として、そういうことは避けるですとか、そういったことについては、組織として共通理解の下、対応しているということでございます。

質問 9番 酒井はやみ

ちょっと状況に応じてといいますか、必要に応じて、ほかの県の取組なんかも参考にして検討していっていただけたらというふうに思います。次に、子ども自身が権利の主体者としての力をつけるという点です。町の子どもたちに、いろいろと学ぶ機会をつくっているということですが、今の取組で十分だというふうに認識されているのか、より充実する必要があると考えているのか、その辺のお考えを伺います。

答弁 こども課長 西田建司(こども課長は2021年3月まで)

子どもの権利に関しては、先ほど答弁にもありましたように、現在、学校のほうにもパンフレットを配布しながら、社会科なり、道徳、学級活動の中で、必ず全ての学校において取り上げていただきながら、学習していただいているというような中身になっております。今後におきましても、さらにまた理解を深めるために、そういった様々な機会を与えて啓発活動を実施していくというふうに考えております。

質問 9番 酒井はやみ

「セーブ・ザ・チルドレン」が 2019 年夏に 15 歳から 17 歳の 2,149 人に取ったアンケートで、「子どもの権利条約の内容までよく知っている」と答えたお子さんは 8.9%、「聞いたことがない」というのは 31.5%、「ふだん子どもの権利が尊重されている」と答えた子どもは 18.7%という結果が出ています。内閣府でも性暴力をめぐって、年齢に応じた被害予防教育を学校現場に取り入れるために、今9月に有識者の会合を開いて、他人に触らせてはいけないプライベートゾーンを教えるなど、政府としても教材などの準備を進めているというふうに報道をされています。子どもたちが学べる機会として、今回 CAP の会の紹介もしましたが、ぜひいろんな形で、子どもたち自身が考えあうような場をつくっていけれたらなというふうに思いますがいかがですか。

答弁 町長 飯田晴義

子どもの権利をしっかりと子どもに認識をさせ、そして周りの大人が認める、これは、子どもが学校教育等を通じて、自分たちはどういう権利があるのだ、生まれながらにどういう権利を持っているのだということを学ぶことはもちろん大切でありますけれども、それをやはり周りの大人たちがしっかりと尊重してあげる、そういう環境になければ駄目だというふうに思っておりますので、そこは大人の認識を高めるというのは、なかなかこれ難しいのでありますけれども、ここも機会を捉えて、大人に対して子どもの権利を尊重するようにということを、息が長い活動になるかというふうに思いますけれども、取り組んでまいりたいというふうに思います。

出典:幕別町議会 令和2年第4回定例会 2020年12月10日 議事録 PDF(104ページ) 間違いを知らせる