富良野市議会 平成27年第2回定例会 2015年6月22日
農業担い手の確保について
2015年6月22日、富良野市議会の一般質問で、後藤英知夫議員が「農業担い手の確保について」質問し、市長 能登芳昭、経済部長 原正明が答弁しました。
- 質問者
- 後藤英知夫 議員
- 答弁者
- 市長 能登芳昭、経済部長 原正明
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 14番 後藤英知夫
-登壇-さきの通告に従い、質問いたします。農業の担い手確保対策について伺います。富良野市において基幹となる一つの産業は、農業であります。しかしながら、農業を取り巻く環境は決して優しいものではなく、国による農協組織や農業委員会の改革、TPP問題、農業予算の削減、農業者の高齢化、担い手不足など多くの課題を抱えています。人・農地プラン、また農地中間管理事業などにより、担い手に農地を集積することを推し進めていますが、北海道農業にはなじまないところも多いと思われる中、肝心の農地の引き受け手である担い手が少ない状況でもあります。富良野市にとっても、継続的な農業振興、農村地域の機能確保が難しくなってきています。平成12年には1,000戸以上あった農家も、平成26年には660戸余りに減少し、また、各団体等のアンケート調査によると、地域差はありますが、10年後には3割、20年後には5割程度も農家戸数が減ると予測されています。その一番の要因は、後継者がいないこととされています。富良野市では、昨年3月の第2次富良野市農業及び農村基本計画の中で、人材、担い手確保を重点課題に位置づけし、多くの農業団体、組織の参加のもと、10月には富良野市農業担い手育成協議会を設立し、12月には富良野市農業担い手育成センターがオープンいたしました。それ以前にも、新規就農支援会議により担い手を育成してきたところですが、大きく一歩前進した形となり、農業の担い手確保に向けて期待が寄せられているところであります。また、地域によっては、規模拡大志向の強いところもあり、その反面、農家戸数の減少による農村機能の低下や、コミュニティーの低下を危惧する思いもあり、その矛盾の解消にも、施設園芸など小規模での営農を目指す新規就農者を求める声も大きくなりつつあります。農業担い手育成協議会、また担い手育成センターも、初年度ということもあり、今後の運営に課題も多いかと思われます。そこで、1点目に、担い手育成協議会には新規参入者コース、雇用就農コース等がありますが、それぞれの応募の状況はどうだったのか、また、先日、新聞紙上に新規参入者コースの研修生が載っておりましたけれども、選定に至った経緯を伺います。2点目に、現在、新規参入に関しては、作物をミニトマト、地域を東山地域に限定しています。作物も地域も拡大していくべきと考えますが、今後の展開をどのように考えているのか、伺います。3点目に、農業担い手育成協議会の法人化について伺います。当初の計画では、1年後をめどに一般財団法人化を目指し、法人が農地保有を可能にし、スムーズに就農地を確保できる体制を整えるとありましたが、その進捗状況と今後の対応を伺い、1回目の質問を終わります。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
後藤議員の御質問にお答えをいたします。農業担い手の確保における農業担い手育成センターについてであります。昨年10月に設立いたしました富良野市農業担い手育成協議会は、担い手育成センターを拠点に、農外の人が自立経営を目指す新規参入コース、農業生産法人等への就職を目指す雇用就農コース、農業に興味がある人の短期実習の機会を与える体験実習コースを設定して、担い手対策を一元化して進めているところであります。これまでの募集状況につきましては、新規参入コースでは、東京、札幌、大阪での新・農業人フェアへ出展した2組4名が山部地域の農業生産法人において雇用就農を目指して研修を開始しているところであります。体験実習コースでは、1週間から1カ月の体験希望者を春から秋まで随時募集しておりますが、これまでのところ1組の応募があり、8月に受け入れる予定であります。また、8月中旬には1週間の体験実習イベントを別途企画し、募集をしているところであります。このほか、将来、農業従事を考えている市民に向けて、園芸作物の栽培管理作業を学ぶ農業実地セミナーを開催し、6名が参加をしているところであります。次に、新規参入コースの対象地域、品目の拡大についてであります。現在は、地域の受け入れと指導体制が整った東山地域で、品目は、経営シミュレーションの結果、本市においても最も参入資金が低く、かつ、持続性が期待できるミニトマトに限定をして受け入れを始めたところであります。しかし、本市におきましては、生産規模を維持していくべきメロン等の重要品目についても、新規参入希望者が取り組めそうな品目がないか、経営シミュレーションを行いながら探していく予定であります。また、地域の拡大につきましても、本年3月に山部地区で新規参入者受け入れ体制検討会議を開催し、地域の受け入れ体制、推奨する営農類型等について検討を開始しております。山部地域で受け入れ体制が構築でき次第、その他の地域での受け入れ体制づくりを進めていく考えであります。次に、富良野市農業担い手育成協議会の法人化についてであります。設立の意義は、農業経営基盤強化促進法に基づく農地利用円滑化事業により、農地を中間保有することであります。このことにより、新規参入の研修生は、就農予定地域内で先行取得する中間保有農地で研修最終年に現地実践研修を行えるようになり、さらに、研修終了後は研修した農地で円滑に就農できる仕組みを実現することになります。法人化等に向けた準備状況につきましては、既に農地利用円滑化事業の実施に関して上川総合振興局と事前相談を行っているところであります。法人の形態化として一般財団法人を想定しており、現在、道内先進地において法人手続等について調査しているところであります。なお、本年4月開催の富良野市農業担い手育成協議会の総会におきまして、平成28年度から就農予定地の先行取得を可能にするため、協議会の一般財団法人化と農地利用集積円滑化事業団体認定を進めることを確認したところであります。以上であります
質問 14番 後藤英知夫
それでは、1点目と2点目について御質問させていただきたいと思います。先ほど、私は勘違いして聞きそびれたのかもしれませんけれども、雇用就農者コースの数が把握できませんでした。もう一度、それをお知らせ願います。雇用就業者コースは、昨年にこの制度ができ上がったばかりで、なかなか簡単に募集者が来たというような形にならないことは理解しているとこであります。しかしながら、富良野市の農家の減少がこのまま続きますと、その農地を引き受けていただいた場合には1戸当たりの面積がかなりふえる、こんなふうにも予想されます。そうなりますと、私は、現状の家族経営の中ではやっていけないと考えておりまして、ますます法人化等が進んでいくのかなと、そんなふうに考えています。そんな中では、私は、雇用就農者コースというのは大変重要なコースと認識しておりますので、ぜひとも、雇用就農コースにもたくさん来ていただけるような努力をこれからもしていただきたいと思います。そこで、雇用就農者コースは、就農する場合に、協議会としてその就農先を御紹介するとかあっせんするおつもりはあるのでしょうか。それが1点です。それから、実際に例がありますが、最終的には新規就農を目指す方でありながら、自己資金が足りず、最初はヘルパー等で農家実習をしながらお金をため、その後に新規就農したという方もおられます。そこで、雇用就農者コースの後に新規就農者を目指す場合の対処方法を考えておられるのか、その点について伺いたいと思います。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
後藤議員の再質問にお答えをいたします。二つあると思いますが、まず、1点目は、雇用就農コースの実績ということでございますけれども、こちらにつきましては、2名から相談を受け、そのうち研修を飛び越えてそのまま法人に就職をした方が1名いらっしゃいます。それから、新規参入の御相談を受けた2組4名の方が雇用就農コースということで、現在、研修に入っているということでございます。続きまして、雇用就農コースで相談された場合の対処方法でございますが、こちらにつきましては、まず、協力してくれる法人の方に御相談申し上げてあっせん、紹介をさせていただくということを申し上げております。それから、先ほどの方のように、新規参入をしたいけれども、自己資金が足りないということで雇用就農コースに入られる方はいらっしゃいます。こちらの方については、雇用就農の研修を経た上で、そのまま法人等に就職されるか、あるいは、自分で経営するかというような選択をする時期が来ますので、協議会で審査させていただいて、もし自己で経営される場合については、そちらの研修の課程に入っていただくということでございます。なお、その際には、法人での研修あるいは農業従事ということを加味した上で研修期間等の配慮させていただくということで考えております。以上でございます。
質問 14番 後藤英知夫
続いて、新規参入者コースの御質問をさせていただきたいと思います。先日、このコースには2名1組が決まりましたという御報告もありましたし、新聞紙上等にも載っておりました。当初、2組を予定していたかと思いますが、足りない分の対応は今後どのように考えておられるのか、質問させていただきたいと思います。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
新規参入コースは、当初2組まで計画しておりまして、今回、1組2名に参入していただくことが決まりました。こちらにつきましては、基本的には、地域での受け入れ体制がしっかりしていること、それから、指導体制があることと、やはり参入される方が地域に溶け込んでくれるというようなことで、審査会を開催して審査させていただいております。現在、1組2名は決定しておりますけれども、そのほかにもいま相談を受けている事案もございまして、そちらについても、内容あるいは地域の受け入れ体制を精査した上で前向きに対応していきたいというふうに思ってございます。
質問 14番 後藤英知夫
今後の対応をお聞きいたしました。私も、これから毎年2組を継続的に受け入れていただきたいということで、一つ思いがあります。全国各地で担い手を探すような取り組みがされていますが、やはり富良野としての特徴を出していかないとなかなか募集に応じてくれる方もいないのかなと思います。そんな中で、今回、富良野市の研修コースが4年でありまして、研修生から見ると4年もかかるのかなと思うところもあるかと思うのです。私は、その分、丁寧に指導はできるとか、よりスムーズに安全に就農できるシステムですというようなことを大きくアピールするべきと考えています。それから、募集しても人が集まらない中で、ほかの自治体では早く成功例をつくることでその自治体に対する信頼感を得られるというお話も聞きます。私は、毎年2組を選定できるような形をつくるためにも、ぜひとも、要件を満たす人材にたくさん応募していただけるようなシステムにしていかなければならないと思っています。そこで、今後、募集に向けてそういう取り組み等をなさっていくつもりはあるのか、お聞きしたいと思います。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
後藤議員の御質問にお答えいたします。新規参入コースのお話かと思いますが、今後どのように募集すべきかということでお答えをさせていただきたいと思います。まず、富良野市の新規参入コースの特徴でございます。いま、後藤議員からスムーズな就農というお話をいただきました。その基本となるのは、先ほど市長答弁でもお答えさせていただきましたとおり、法人化をして農地を中間保有し、そこで研修してもらって、最終的にその場所で就農してもらうことです。このように、入り口と出口をはっきりすることは全国的にも余り例は多くないというふうに思っておりまして、これは富良野市の特徴と思っております。また、地域の受け入れ体制と指導体制をしっかりと組織化し、文言化して整理するということも、富良野でスムーズに就農していただく上では特徴があるというふうに思っております。応募に対して募集数が多くなって、より期待できる方にたくさん来ていただけることは非常にいいことだと思いますけれども、たくさんの数を受け入れるためには、やはり地域の受け入れ体制が整わないと無理がかかってしまうと認識をしております。今後につきましては、先ほどの市長答弁にありますとおり、現在、東山で行っておりまして、いま、山部でもそのような動きになっておりますが、ほかの地域でもそういう動きになってくれば数的にはふえてくるのかなと感じておりますので、御了解いただきたいと思います。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
後藤議員の再々質問の中で、さらに、私のほうから少し補足説明をさせていただきたいと思います。先ほどの御質問の中に、農家の減少というお話がありました。私は、今回、育成センターを立ち上げて、これで農業が規範的に進展していくかということなりますと、私は難しいというふうに判断しております。現在、私は市長会から北海道農業公社の理事に出ておりますけれども、北海道で行う後継育成センターも大変厳しい状況にあります。私は、こういう育成センターをそれぞれの市町村が独自にやるというのは、ないとは言いませんけれども、全国的に見て非常に少ないと思います。ですから、これを一つの大きな成功例に導くようなやり方をしていきたいと思いますが、それには行政だけではなかなかできない問題なのです。先ほど私なり部長から答弁させていただいておりますが、地域で迎える状況をどうやってつくれるかということ、これが一番なのです。これなくしては、新規就農の方は、恐らく、富良野に入ってきても何年かたつと出ていくという状況が生まれるわけです。ですから、この基盤づくりを関係団体、市、あるいは地域においてどのようにしたらできるのか、私は改めてそのことをお願い申し上げたいということが1点であります。2点目は、少し課題と離れますけれども、いま、農家の後継者でお嫁さんがいる、いないの問題では、50歳以下で100人前後の方々がいらっしゃいます。この問題に対しても、地域においても、行政においても、関係団体においても、地方創生の人口減少対策としても、あわせてもう少し真剣に取り組んでいく必要性があるだろうと思います。そういうことで、農家減少問題というのは、一担い手育成だけの問題でなく、全体としてどう取り組むかということですので、ぜひひとつ、議員各位にもお願いしたいと思います。特に、後藤議員の御発言については私も十分に同感であります。しかし、進め方としてはそういう状況ですから、地域に定着できるように後藤議員にも率先してお願い申し上げたい、このように思います。
質問 14番 後藤英知夫
いま、部長から答弁をいただいたときに、自分の質問がちょっと勘違いされたかなと思っています。一つは、優秀な人材確保するために応募をたくさんいただきたいということで申し上げましたけれども、私もあくまで2組という中で考えております。ふやすという意味ではなくて、より優秀な人材を確保するためにはそういうことが必要ではないかというお話でした。次に、新規参入コースの中で、一つだけ疑問があったことを御質問したいと思います。4年目のコースのときに、研修生の収入としては出来高による研修手当ということになっております。それ以前の2年目、3年目ですと、青年就農の準備型とか、いざ就農してしまえば開始型が当たるのですが、その年だけそういうものがないことになっています。もちろんハウス等を無償で貸し出したりするわけですから、そう赤字になることはないかとは思いますが、やはり、最低限として生活費プラスアルファぐらいの収入がなければいけないと考えていますけれども、その辺で例えば収支の試算とかはなされているのでしょうか。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
新規参入コースで、4年目に実地研修、実践研修を行うことについては、その次の年から、就農する場所で実際にハウス等で模擬経営をしてもらうということでございます。こちらについては、仕上げ、最後の研修でございますので、基本的にはそちらの経営の中でやっていただきます。経営の中身としては、協議会の中にいながら最終的な経営をしていただくように考えておりますので、その中で生活をしていただけるというふうに考えております。以上でございます。
質問 14番 後藤英知夫
例えば、実際にどのぐらいつくったらどのぐらいの収入があるというような計算はまだされてないのかなと聞きました。まだ時間もありますので、これからはそういう試算も必要かなと私は思っています。それでは、3点目にお伺いした法人化についてのお話を聞きたいと思います。いまの答弁にもございましたように、研修生は研修最終年ぐらいになると、一番の不安はやはり農地の確保、就農先の確保ということで、これは、本当に皆さんから聞いています。今回は、それをわかって法人を目指すということでありますから、私もぜひともこれが早く進んでいくことを願っております。そんな中で、今後、法人が農地を保有された後に、例えば、就農者に対して賃貸を考えているのか、それとも売買等を考えているのか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
協議会を法人化した後のことでございます。農地を中間保有し、実際に就農される方に引き渡していくということでございます。売買であればすぐ決着がつきますけれども、初期投資がふえるということも含めて、賃貸等を考えております。
質問 14番 後藤英知夫
賃貸を考えているというお話を伺いました。やはり初期投資を抑えることが成功の一つの秘訣かなと思っていますので、私もそれに賛成であります。しかし、賃貸する場合、調べてみますと、ほかの自治体などでは助成を出すようなシステムもあるようですが、そのような支援策はお考えでしょうか。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
新規参入の将来的な支援策でございます。通常のルートでいきますと、4年間の研修がございますので、今後、研修の内容と支援の方法について検討させていただきたいと思います。