富良野市議会 平成25年第2回定例会 2013年6月19日
(1)富良野市農業及び農村基本計画の取り組みついて/(2)富良野、美瑛世界農業遺産の取り組みについて
2013年6月19日、富良野市議会の一般質問で、岡本俊議員が「富良野市農業及び農村基本計画の取り組みついて」「富良野、美瑛世界農業遺産の取り組みについて」について質問し、市長 能登芳昭、経済部長 原正明が答弁しました。
- 質問者
- 岡本俊 議員
- 答弁者
- 市長 能登芳昭、経済部長 原正明
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 8番 岡本俊
-登壇-それでは、通告に従い、質問してまいります。まず最初に、富良野市農業及び農村基本計画についてお伺いいたします。日本列島の歴史の始まりは、いろいろな諸説がありましたが、1960年代に放射性炭素年代測定法が導入され、縄文時代の創世記は1万数千年前の旧石器後期とされました。人は、移住から定住、集落形成と相互の交流、その後の稲作技術の伝来による弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、奈良時代と数多くの時代を変遷し、近代、現代へと歴史を重ねてまいりました。その中心軸には、稲作に適した気象条件のもとで、瑞穂の国と言われるように稲作のもとで経済は発展し、同時に、芸術文化を創造し、独自の文化を開化してまいりました。明治以降は、農業から工業へと移行し、特に、戦後は日本経済の工業化、輸出立国を目指した60年代の高度成長時代の経済構造変化は、農村から人、農地、水を、第2次産業、第3次産業へと収奪し、80年代のバブル経済、そして、バブル経済の崩壊、戦後の日本経済の発展、輸出に伴い、農産物の輸入が拡大し、現在、日本の食料自給率は40%を切り、日本の主食の米が、昨年、パンにかわったという統計も出されました。このような中で、昨年12月に行われた衆議院選挙の争点の一つであったTPPの問題に関し、道民の声を無視し、安倍総理大臣は、ことし3月にTPP参加を表明いたしました。参加のために、アメリカのオバマ大統領との日米合意では、農業、保険、自動車、医療など大きく譲歩し、7月15日から25日まで開催されるマレーシア18回会合には、日本は、アメリカの議会の承認手続が終わる23日から3日間程度の参加が可能となったわけであります。しかし、日米事前協議で日本の異常な譲歩でアメリカの主張をほとんど受け入れた結果の参加は、農産物の関税撤廃の例外はないものと言っても過言ではないと思います。そもそも、TPP貿易で利益を得るグローバル企業にとって有利なルールが優先され、国内農林水産業や地域経済はもとより、医療など生命にかかわる国民生活に大きな影響を及ぼすものであり、特に食べ物の安全性に対して、私は強い懸念を思っております。国会において重要品目の関税撤廃の例外を確保したことを求める農林水産委員会決議は、譲歩する余地のない最低ラインであることを、改めて、政府は強く認識すべきであると思います。TPP参加は、これまで富良野農業が築き上げた野菜、施設野菜、輪作体系など多様な生産体系を確立した農業経営に対し、関税障壁の撤廃、さらには畑作の野菜化など、2次的要因での影響は大きいものがあり、今後の富良野農業に大きな影を落とすものであります。このような中で、富良野市農業及び農村基本計画策定のための農政審議員の公募が今月3日より始まり、7月より5年間の計画の本格的な議論がいま始まろうとしております。私は、昨年12月においても富良野市農業及び農村基本計画について質問しましたが、TPPに関しては、衆議院選挙後の政権の判断もあり、触れませんでしたが、政府がTPP参加表明して情勢が大きく変化し、日本農業に次元の超えたTPPの大きなうねりが迫っている中、TPPがもたらす富良野農業への影響について市長の見解を伺います。さらに、富良野市農業計画に及ぼす影響について、どのように捉えているのかも伺います。同時に、このような情勢のもとで、今後の富良野農業の目指す姿の基本的な考えについてお伺いします。また、本格的な農業計画の検討段階に入ろうとしておりますが、12月議会の農業計画の質問に対し、毎年、ローリングし、平成24年度は、人づくり、基盤づくり、システムづくり、産地づくりの4本柱を重点に計画の実現の加速を図るために予算化を図ってきたと答弁しておりますが、これまでの5年間、施策の評価、検証、今後の課題の方向性を決める上で、この検証は大変重要なものだと思っておりますが、現行計画で推計をした数値と比較して見える課題や実施した施策の問題について、6点お伺いいたします。富良野市農業の課題として、農家人口、農家戸数の推計から見える課題、農業就業人口から見える課題、担い手育成と確保、農地対策、安心・安全農業の取り組み、農村維持とコミュニティについてお伺いいたします。次に、富良野・美瑛農業遺産の取り組みについてお伺いいたします。富良野は、北海道の中心に位置し、開拓の歴史は110年と、日本の歴史から見るとまばたきのような瞬間的な時間しか経過しておりませんが、富良野地域の経済、文化、教育、官公庁の拠点地点として発展を遂げてきましたが、人口減少、少子高齢化、後継者不足、中心市街地の活性化といった課題が存在しております。しかし、富良野は、幸いにし、大雪山国立公園、東京大学演習林、さらには富良野芦別道立自然公園に囲まれ、遠くは夕張岳を望める自然豊かな環境に恵まれた農業・農村地域であります。多くの人々は、自然の豊かさを実感できる富良野を訪れ、癒やしの空間を楽しんでおります。このような事実にどのように向かうか。もっと私たちはまちを知り、そして、かかわりあってまちづくりに多くの人が参画し、いろいろな役割を担っていく中で、新たな富良野が築かれると考えております。それが協働のまちづくりの原点だと思います。そのためには、市民が共有でき、わかりやすい目標で、市民それぞれの力が発揮できる目標を掲げるべきだと思います。私は、この恵まれた自然環境を生かし、富良野沿線1市3町1村、美瑛を含め、国際連合食糧農業機関、FAOが認定する世界農業遺産登録への取り組み運動を行い、そして、農業、農村の大切さ、食の安全、自然環境の大切さを富良野から世界に発信しながら、市民みずから、農業、食、自然を実感し、市民全体の取り組みによるまちづくりをすべきと考えておりますが、市長の見解を伺い、1回目の質問を終わります。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
-登壇-岡本議員の御質問にお答えをいたします。1件目の富良野市農業及び農村基本計画の取り組みについて、現在策定の富良野市農業及び農村基本計画についてであります。まず、TPPが本市農業へ及ぼす影響につきましては、北海道によりますと、小麦、てん菜、でん粉原料用バレイショが、全量、外国産に置きかわり、また、小豆、乳製品、牛肉及び豚肉も非常に大きな影響を受けると試算をしているところであります。本市におきましても、輪作体系の崩壊や耕作意欲の減退などが懸念をされる状況にある、このように判断をいたしているところであります。現時点では、政府の成長戦略の実現性や実効性が判断できない状況でありますので、市といたしましては、TPP交渉参加に反対という姿勢に変わりはございません。このことから、平成26年度からの新たな基本計画につきましては、TPP交渉参加に反対している中でTPP締結を前提とした計画づくりをすることは困難である、このように考えているところであります。しかしながら、本市農業が目指す姿は、持続可能な農業、農村であり、どのような情勢、農業構造になろうとも、本市の農業及び農村の持続性を支えるのは人であります。新たな基本計画の策定におきましては、基盤づくり、システムづくり、産地づくりとともに、特に人づくりに力を入れて検討を進めていく考えであります。次に、富良野農業の課題と施策についての考えであります。これまで、現行基本計画の着実な推進に当たり、毎年度、ローリング作業を行い、平成24年度から持続可能な農業及び農村づくりを加速させるため、人づくり、基盤づくり、システムづくり、そして産地づくりを重点取り組みとしてきたところであります。新たな基本計画の策定に当たりましては、しっかりとした現状認識が必要であることから、現在、内部で検証を行っているところであります。その結果、富良野農業の課題と施策についての考えにつきましては、まずは、担い手の確保に関してでありますが、農家人口、農家戸数、就業人口は大幅な減少を予測しておりましたけれども、所得補償制度など国の施策の効果もあり、現在までのところ、推計した減少数に至っていない状況でございました。しかしながら、新規就農者に関しましては、総数としては推計どおりと見込まれますが、農家後継者の就農数が確保できない分も新規参入者で補った結果となっているところであります。また、団塊の世代ジュニアの就農はほぼ済んだと思われることから、今後、新規就農数を確保することはいままで以上に困難になると見込んでいるところであります。これらのことから、農業、農村を支える担い手の確保は、今後も一層大きな課題として残っていると認識をいたしているところであります。次に、地域の農業所得についてでありますが、一定の低下を見込んでおりましたけれども、農産物の生産額自体は減少傾向にあるものの、産地体制、生産基盤の強化、JAを中心とする6次産業化の取り組みがこれを下支えし、維持されている状況にございます。農地の集積に関しましては、担い手農家への集積が一層進みましたが、面的集積は十分に進んでいないと考えております。現行基本計画では、面的集積を推進するための新たなシステムの構築を目標に掲げていたところでありますが、十分、機能するシステムを構築できなかったことによるものと考えており、一層の農作業効率改善のため、仕組みづくりを急ぐ必要があると考えているところであります。次に、安全・安心農業の取り組みに関しましては、GAP、QRコードなどの必要な条件整備、消費者との交流を通じた信頼関係の構築、市内流通の確保など、ほとんど計画時の目標を達したものと見ているところであります。特に、GAPへの取り組みは、目標値を超えて浸透し始めている状況にございます。4年前と比べますと、いまでは、インターネットなどを活用し、誰でもが情報を発信できる社会となっており、安全・安心の取り組みについて情報発信をしていく努力が一層必要である、このように考えているところであります。最後に、基本計画において新たな項目を立てて取り組んだ農村問題に関しましては、農村実態調査等を通じて地域との話し合いを進めたことなどを契機として、NPO法人樹海の里ネットワーク、ジビエふらのなどの複数の活動団体が設立されており、地域活性化に向けて動きが出てきた、このように認識をしているところであります。また、東山地区における集落再編、農地・水保全管理対策や、中山間地域直接支払い対策を活用しての多面的機能の維持活動など、地域住民は相当の努力をしてきたものと評価をしているところであります。農村人口につきましては、推計値を上回りましたが、減少傾向にあることは変わらず、また、非農家率の上昇といった課題は依然として残っている状況にございます。今後、これら内部検証に基づく現状と課題につきましては、7月に設置予定の農政審議会に提出をし、最終的な検証結果としてまとめていただくとともに、関係者全体の共通認識とした上で、その後の計画案作成を進めてまいりたい、このように考えているところでございます。2件目の富良野・美瑛世界農業遺産の取り組みについてでございます。世界農業遺産プロジェクトは、国際連合食糧農業機関、通称FAOが、2002年に、グローバル化や環境悪化などの影響により衰退の一途にある伝統的農業や文化、土地景観の保全と持続的利用を図ることを目的に創設をされ、次世代に継承すべき地域のシステムを認定するもので、これまでに途上国を中心に登録が進んでまいりました。日本国内では、2011年に、先進国で初めて、新潟県佐渡島のトキと共生する里山、石川県能登地域の里山里海の2地域のシステムが認定をされました。また、本年5月には、熊本県阿蘇地域の野焼き、大分県国東半島宇佐地域のクヌギ林とため池、静岡県掛川市などの茶畑の3地域のシステムが伝統的農林業方法と土地利用を有する地域システムと評価をされ、認定をされているところであります。国内のこれらの認定事例は、いずれも農業の近代化と並行し、伝統的な農業、農法、農村文化や生物多様性、農村景観など保全されており、かつ、その維持に努めている地域のシステムとして認定されたものであります。認定のメリットといたしましては、国際的な知名度が高まり、地域の農林産物に付加価値がつくとともに、観光振興も図ることが期待できるものでありますが、富良野・美瑛地域は、入植から百十数年と短く、伝統的な農業、農法、農村文化として認められる可能性は極めて低いものと考えているところであります。しかしながら、今後とも、農業の大切さや食の安全・安心などについて、本市から発信をしてまいりたい、このように考えているところであります。以上であります。
再質問 8番 岡本俊
それでは、質問順に再質問していきたいと思います。市長は、TPPがもたらす富良野市の農業への影響ということで、国、道などの形でそれぞれ述べました。それは、当然、富良野への影響があるという認識でありますが、実際に、道試算や国の試算、いろいろな試算がありますが、そういう中で実際に富良野に合わせた数値的な影響、被害というのは、その分析においてそういう作業が行われたかどうかであります。北海道全体について、各JAはそれぞれの地域における影響、評価について数値を持って述べておりますが、富良野市に関して、市がそういう作業を行ったかどうか、その点についてお伺いいたします。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
岡本議員の再質問にお答えします。TPPの富良野市における影響の試算というお話でございます。TPPの関係については、いろいろ考え方がございまして、国あるいは道の試算ということで数字が出ている、あるいは、JAとして出ているということでございますけれども、市といたしましては、小さな地域の中で農業の形態も違うということがありまして、それについての数値化した試算は、現在のところ、していないということでございます。なお、先ほど市長からお話をした影響する作物の作付面積を申し上げますと、小麦で言うと1,806ヘクタールほど、ビート、てん菜について言うと665ヘクタール、小豆については61ヘクタールという面積を富良野市の場合は有してございます。また、酪農についても、31戸4,716頭、それから、肉牛についても4戸215頭、養豚についても3戸3,187頭の飼育等をしている現状があるということで押さえているところでございます。以上でございます。
再質問 8番 岡本俊
面積的に言うと富良野は9,000ヘクタールちょっとで、その中で、トータルでいくと、2,000ヘクタールまではいきませんが、それに近い影響があると。そういう影響をどう分析していくかということもやっていかなければいけないのでないか。先ほど、市長は、農業計画の中ではそういうものは未定だし、富良野市は反対だから、それを前提とした策定をしないというのは理解したとしても、でも、一方では、そういう影響があるということを認識しなければいけないと私は思うわけであります。それは、計画をつくる上においての判断材料にとって大きなポイントになるのでないかと思っております。これらの影響について、改めてお伺いいたしますが、ビート、そして麦、そういう部分が富良野農業の中においても玉突き現象を起こすというふうに私は理解しております。そういう2次的な影響についてどのように考えておられるのか、改めてお伺いいたします。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
岡本議員の再々質問にお答えいたします。TPPの影響は、畑作物を中心に影響が大きいと。先ほどは、具体的な作物の面積を申し上げました。一番大きな問題としては、その作物に影響があるということは、畑作、特に輪作体系が崩れるということを意味しているということだと理解をしております。輪作体系が崩れますと、そこの土地で次に何をつくるか、そのつくる作物もまたいろいろなものが出てくるだろうと。あるいは、耕作意欲がなくなってくる、減退するということにあっては、不耕作地の発生も懸念をされてきます。そうなってきますと、2次的、3次的には、それらをもとにしている観光の問題、あるいは、関連産業の問題、そこで働く人の問題というような課題がそれぞれ出てくると考えているところでございます。
再質問 8番 岡本俊
先ほど市長はTPPには反対だと言っておりますが、なぜ反対なのかというところが、やはり、我々にとってはよく見えていないところであります。TPPには反対だというのは理解しますが、富良野農業にとって、いまあるような被害、影響、そういうものがあるからTPPに関して反対だという理論がそこで組み立てられるのではないかと思っております。そういう中で、TPPに関して、大きな富良野の農業に対する影響があるということでありますが、そういうことを計画の中に盛り込まないと。では、計画の中で、この5年間の中で、これからの農業情勢は、国の判断も含めて流動的な部分もあると理解しますが、そういう大きな変動になったときに、富良野市がいまつくろうとしている農業計画をそのまま持続するのか、それとも、そういう大きな変化になったときに、新たな体制をとるための計画をつくるのか、その辺の判断についてお伺いいたします。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
お答えいたします。先ほど市長から答弁させていただいたのは、TPP締結を前提とした計画づくりはしないということでありますので、TPPの影響について考えないということではございません。ただ、現在のところ、TPPに参加した後の影響はどの程度あるかということがわかっておりません。また、国の成長戦略についても具体的なものがわかっていない中でありますので、そういうふうに御答弁をさせていただいております。また、仮にそれが明確になった場合、そのことについては、そのときに判断をさせていただきたいと思ってございます。
再質問 8番 岡本俊
先が見えないからという答弁というのは、計画に取り組む姿勢の問題として、そういう大きな変化があったときに、当然、見直しをかけなければならない状況が起きたときには見直しをかけるというような理解でよろしいのでしょうか。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
お話し申し上げたとおり、その段階で判断をするということになろうかと思います。
再質問 8番 岡本俊
よくわからないのです。判断をするということは、見直さないこともあるし、見直すこともある、そのまま行くと、そういうことなのでしょうか。それとも、農業計画に関しては、そういういろいろな要素を要因として幅を持った農業計画をつくるから大丈夫なのだと考えてよろしいのでしょうか。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
御質問にお答えいたしますけれども、影響がどの程度あるかということがわからない中で、いま、お話をさせていただいています。影響が大きい、そのときに見直さなければだめだという判断をする場合と、富良野農業に対する影響については想定よりも違う形だ、あるいは、国の対策、政策が富良野農業に合ったものになっているということで影響が少ないとか、いろいろな状況があるということでございますので、それらについてその段階で判断をさせていただきたいということでございます。
再質問 8番 岡本俊
先の見えない話をして恐縮ですが、そういう本当に先の見えないいまの農業情勢の中で、富良野農業の目指す姿ということで質問させていただきました。持続可能な農業、農村を目指すということで、その中で、人づくり等を含めて、システムづくりなどいろいろな答弁がありましたが、私は、このイメージというのは、先ほど後段に世界遺産の話をさせていただきましたが、やはり、富良野の農家、そして、農業者が一つの目標に向かってみんなで力を合わせるようなことを、いま、発信しなければいけないのではないかという思いで質問しているわけです。ですから、持続可能な農村、それはわかります。その先に、富良野農業はこういう未来があるのだよというようなことを、やはり、いま、示さないといけないのでないかと私は思っているわけです。過去、いまの鎌田保健福祉部長と一緒に、今議員も行きましたが、九州の日田市、昔で大山町と言うところがありました。そこでは、「梅栗植えてハワイに行こう!」ということで、まちづくり、そして農村づくりをやったというような事例があり、私も若かったので大変感動しまして、やはり、こういう目標を持たなけれればいけないのではないかという思いでずっとやってきたわけであります。いままでの富良野市の農業計画でいくと、そういうように多くの人に理解できるような、見えるような形で、そして、希望の持てるような形での農業計画を発信しなければいけないのではないかという思いで質問したわけです。ですから、基本的な考えというふうに聞いたからこういう答弁になったのでないかと思いますが、やはり、こういう持続可能な農業、農村において、先ほど言ったように、多くの市民も農業を理解し、そして、農業者もそれに向かって邁進できるような、そういう農業計画でなければいけないのでないかと思いますけれども、その点について改めてお伺いいたします。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
岡本議員の再々質問に、私のほうからも補完的にお答えをさせていただきたいと思います。いま、岡本議員のお話の中で、一つは、大きく将来の理想的な計画というお話がございました。当然、それぞれ農業で生きる方々のための将来の展望ということと、やはり、富良野市の基幹産業をどう構築していくかというのが大きな計画の狙いになってくるわけであります。そういう観点の中で、先ほどTPPの影響の問題で富良野市の見解と、こういうようなお話しもございましたけれども、現実的に、まだ、どういう状況になるかわからない状況の中でこれを判断するというのは大変危険性もあるということで御理解を願いたいと思います。行政の発信する内容というのは、現実的には大変大きな影響があるわけですから、そういう計画を立てる段階の中で、いろいろな角度で方策をし、審議会にもいろいろな方々を取り入れた中で総合的なものをつくり上げるというのがこの計画のあり方だと私は認識をいたしております。この5年間を振り返ってみまして、先ほど答弁させていただきましたけれども、国の政策によって、補助事業なり、あるいは、それぞれ生産組合に対しての国の補助、あるいは個人的な補助、こういうことが併合しながら富良野農業の農家の方々を支えてきているということも事実であります。現実的な問題として、そういう現状を押さえた中で、将来の富良野農業というのは、先ほどから、前5カ年の中で、人づくりなり、あるいは、生産の基盤づくりなり、労働のシステムづくりなり、安全・安心の産地づくりと、こういう大きな課題の取り組みの中で少しでも前進できるようにと、これは、農家の方々も理解してもらわないと、市だけ架空の計画を立てて実施するわけにはいかないわけであります。ですから、そういう審議会のあり方というのは、5カ年のいろいろな反省のもとに、あるいは、将来の展望に立ったときに、国の農業施策というものはどういう方向に進んでいくかということが現段階では見えない状況だというふうに私は判断をいたしております。ですから、そういう形の中で、ローリング方式をとる状況が生まれてくるでしょう、恐らく。ですから、そういう計画的なものを含めた中で十分精査をしながら、検討し、それぞれ農家の代表、関連する代表の中から、審議会で十分議論をした上で計画の方向づけをしていきたいというのが現在の考え方でございますので、その点、ひとつ御理解を賜れば幸いでないか、このように思うところであります。
再質問 8番 岡本俊
そういう手法というのは、いま、当然、理事者として、地域の農業を含めて、政策を担うトップでありますから、そういう部分というのは十分理解できます。手がたく物事を進める、そういう部分も十分に理解しますが、しかし、いま、こういうように混沌として、市長も言われたようにこれから先がよく見えない中で、農家の皆さん頑張ろうよと、そのためには、まず、農業の担い手対策が必要ですし、労働力を確保するシステムが必要ですよと、そういう積み上げの中で、農家というのか、農業者に理解してもらえるような農業計画を、いま、つくらないといけないのでないかというふうに思います。行政的な手法の説明というより、行政的な課題を表現しながらつくる農業計画、そういう計画も、いままでそういう手法でしたから、それはそれとしてですが、いまだからこそ、富良野の農業の将来に対して、富良野市民が、そして農業者が一緒になるようなキャッチコピーをつくって、そして、このために市としては人づくり、システムづくり、産地づくり、そして、そういう基盤づくりをやりますよと、そういうほうが多くの農家の皆さんの賛同を得やすいのではないかと私は捉えているわけですが、いかがでしょうか。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
私の考え方と岡本議員の考え方は、何も変わってはいないと考えております。現実的に、行政が行うというのは、個々の農家が、まず、自分の耕地面積をどう生かして生産性を高めていくか、そして、農業所得を上げるかというのは、個々の農家がそれぞれ判断していただかなければならないということであります。行政は、個々の農家まで、そこまでタッチするような状況には至らないというのが私の考え方であります。行政そのものは、農業の関係につきましても、私どもは、きのう、おとといの御質問にもそれぞれお答えさせていただいておりますけれども、農村観光、そして環境都市形成というものをそれぞれ融合させるということは、農業は農業のあり方の中で、その積み重ねと、観光に与える、6次産業化に与えるような状況、あるいは、環境として構築できるもの、そういうものが1年1年積み重なっていって、富良野の将来展望における農村観光環境都市形成が確立できる状況づくりをしていくというのが私の考え方でございます。ですから、いま、これからの農業計画をつくるという段階で、過去の5年間のものは反省するものは反省する、しかし、その中で、絶対にやらなければならないものというのは、人づくりが基本であるということを先ほど答弁させていただいたわけであります。ですから、来年度の計画については、人づくりについての積極的な対応というものを私自身も明確に計画の中でうたって、そして、先ほどから御質問ございますが、後継者なり、あるいは第三者継承なり新規就農者なりが喜んで富良野でそういう状況ができる、そういう農業を目指していかなければならないというのが、この計画をつくるに当たっての最終の大きな基本的な考え方であるということでございます。ですから、それぞれ御意見がございますけれども、できる状況で判断できるものについては、その状況を十分推測するなり、あるいは、過去の実績をそれぞれ十分勘案しながら計画というものを判断していかなければなりません。しかし、それには、国の農業施策というものがどういう状況になるのか、はっきりしたものが見えない状況の中で市の単独の計画を立てるというのは、先ほど御答弁させていただいた中で、国が保障できる補助事業というものをこれから存続してやっていただける状況になるのか、あるいはまた、自立してやっていかなければならない問題なのか、こういう問題もやはり整理をしておかなければ、現実的ないまの農業のあり方というものが大変な状況になっていくこともございます。そういうことも踏まえながらこの計画というものをつくっていくのが基本になるだろう、私はこのように考えているところでございます。
再質問 8番 岡本俊
この問題について、最後にしたいと思いますが、いま、市長は、答弁の中で、喜んで農業ができる富良野というような言い方をこうしました。ですから、そういうものを前面に出して、そして、富良野市は、人づくり、システムづくり、そして基盤づくり、産地づくりをするのだと、そのために、いま、市長が言われた国の政策等を含めて、いろいろな形での情報を集積して、最大限の役割を行政が果たすのだというような形のほうが、これからの富良野農業にとって、アプローチの仕方なのですが、そういう表現のほうが多くの農家の皆さんにとって理解できるのでないかと思って私は言っているのです。ですから、いま、市長が言っているように、喜んで農業ができる富良野を目指すというような形での目標を定めて、それに対していろいろな施策をつくっていく、そういうピラミッド方式の計画のほうが、これから若い人たちにとって一番理解しやすい農業計画のスタイルになるのでないかという思いでこう言っているわけであります。引き続きですが、農業計画において、いま、人づくりということがございましたが、人づくりの中で、先ほど言われたように、農家の皆さんの子弟が就労する部分が少なくなっている部分ですが、富良野市には、緑峰高校の中に農業専攻科という専攻科がございますが、そこには、富良野で農業就労を目指すお子さん、そして、沿線の農家の子弟の皆さんが入学し、そして学んでいるわけであります。そういうふうに学ぶ場は人づくりにとって大きな拠点になるのでないかと私はいま考えているところでありますが、そういう部分において、緑峰高校の専攻科の存続というのは、やはり、大きな課題になるのではないかというふうに考えております。そのためには、やはり、生徒にしっかりと通ってもらう環境づくりも必要でないかと思っておりますが、総合計画における人づくりの中でのそういう視点というのは、お持ちなのかどうか、お伺いいたします。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
御質問にお答えいたします。人づくりは非常に大切だということを、先ほどから市長も答弁させていただいておりますし、私ども担当のほうでも、それが基本になる、その基本のもとに基盤づくりやシステムづくり、産地づくりということをしっかりやっていきたいということでありますので、担い手対策、人づくりについてはしっかりやるということを決意しているところでございます。具体的に、緑峰高校の農業特別専攻科の存続ということについては、道内で2カ所の農業特別専攻科でございますので、これについては、富良野農業を支える諸先輩方の皆さんもそちらを修了されております。ぜひ、そこでの技術の座学、あるいは技術の継承、仲間づくりということで必要なところだと認識しておりますので、そちらについても、十分、配慮、検討していきたいと思ってございます。
再質問 8番 岡本俊
学ぶ場所というのは大変必要で、基礎的な農業等を含めて、なかなか学ぶ場所というのは少ない。農業専攻科も全国で3カ所で、そのうちの二つが北海道にある、その一つが富良野という部分で、大変に貴重な学びやだと私は思っておりますので、それに関して、やはり、具体的な支援、そして対策等をいまお持ちならお聞かせを願いたいと思います。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
人づくりの関係につきましては、新たな基本計画の中でしっかりと体系づくりをしていきたいと考えておりますので、その中で、緑峰高校の農業特別専攻科についても盛り込んでいきたいと。ただ、具体的にこういうような補助をする、そういうところまでのことは、現在のところはございませんが、今後、それについてどうしたらいいかということについては、検討してまいりたいと思ってございます。
再質問 8番 岡本俊
担い手対策、人づくりということは基本でございますので、ぜひ、専攻科が今後とも地域農業にとって必要だということを改めて認識しながら、施策を進めていくべきだと改めて思っているところでございます。次に、世界農業遺産のことについてお話しさせていただきます。私は、この問題というのは、我々の会派の中で議論した中で、やはり、我々富良野にとって、一つの大きな目標だと。先ほど言ったように、農業計画の中でも触れましたが、目標を持って、そして、それに向かって邁進するということが必要で、それは多くの市民の皆さんと共有できます。そういう部分では、富良野、この沿線含めて、環境、農業、そして観光にも影響力の大きい世界農業遺産を目指す、そういう中でのまちづくり、人づくりというのがあってもいいのでないか。そして、そのためにいろいろな努力をしなければいけないと思っております。富士山の世界文化遺産登録も、最初はなかなかうまくいかなかったけれども、やはり、時間をかけて、市民運動、そして多くの人たちの支えでそうなりました。また、東京オリンピックも、東京都にオリンピックをもう一回というのも、やはり、一つのインパクトのある出来事であり、それに対して多くの都民が、そして国民が協力する、私はそういうことが富良野にあってもいいのでないか、いま、そう思っているわけであります。先ほど言ったように、農業遺産というより、こういう手法でのまちづくりということが、いま、求められていると思っているところでございますが、改めて、この点について御答弁願いたいと思います。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
岡本議員からは、世界農業遺産に限らず、市民が、あるいは農業者が心を一つにできるキャッチフレーズなり目標をつくって、まちづくりあるいは農業をやっていったらどうかというような御提案と思ってございます。わかりやすい表現で心を一つにするということは、それは必要なことと思っておりますので、今回の農業計画の策定に当たっても、そのようなことについて、農政審議会の中でも議論をさせていただきたいと思ってございます。ただ、世界農業遺産につきましては、メリットのお話もありましたけれども、申請をした以上は、その伝統的な農法を守るということが義務づけられて、その報告をずっとしていかなければだめだということで、近代的な農業を進めていくということとはなかなか並行できないということもございますので、そういう取り組みについては、メリット・デメリット等をそれぞれ考えながら、取り組んでいくのか、しないのかということも考える必要があると思ってございます。
再質問 8番 岡本俊
やはり、こういう運動しながら、この雄大な自然、そして、こういう景観を守る、丘での農業、そして、いまあるいろいろな風景を守るという部分では、一つの歯どめになるのではないかという私の思いで質問させていただきました。これからのまちづくり、そして農業計画において、ぜひ、私が言ったようなこういう視点での議論をしながら農業計画をつくって、そして、富良野の将来につなげていただきたいというふうに思います。以上です。