富良野市議会 平成22年第3回定例会 2010年9月13日
農業担い手対策について
2010年9月13日、富良野市議会の一般質問で、東海林孝司議員が「農業担い手対策について」質問し、市長 能登芳昭、経済部長 外崎番三が答弁しました。
- 質問者
- 東海林孝司 議員
- 答弁者
- 市長 能登芳昭、経済部長 外崎番三
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 13番 東海林孝司
-登壇-通告に従いまして質問してまいります。農業の担い手対策についてであります。農林水産省が9月7日に発表した2010年農林業センサスでは、農業就業人口が260万人と、前回調査の2005年に比べ75万人減少、この5年間の減少率は22.4%であり、農業就業者の平均年齢は65.8歳と高齢化が加速し、今後の農業生産基盤の維持が危機的な状況にあることが伺われます。戦後の農業を支えてきた昭和一けた世代の経営者の高齢化が大きな要因であり、中核となってきた農家が今後、一気に退いていく。高齢化の進行する速度に、担い手の育成、確保の対策が追いつかないのが実情ではないかと思われます。農業就業者人口の減少、農業の衰退を招かないためにも、農業生産の維持、担い手育成、確保対策が急務と考えられます。基幹産業である農業、その農業と観光、環境を融合させ地域振興を目指す本市におきましても、農業の衰退は本市の経済活力に大きく影響をもたらします。また、本年の異常とも言える天候による農作物への甚大な被害。これは経営不振にもつながり、農業を担う次世代の若者、農業を職業として選択する若者に対する意識低下を招き、富良野農業の損失になりかねません。農業の持つ多面的機能を損なわず、担い手育成、確保対策を農業政策として市長はリーダーシップをとり、持続可能な地域農業、農村の振興策を進めるべきと考えます。そこで、3点についてお伺いいたします。1点目、農業後継者に対する支援について。現在経営している農家子弟の後継者に対する行政としての側面的支援の考え方についてであります。農業を志す後継者としての「人財」育成の重要性であります。経営不振、気象の変動なども農家減少の要因と考えられますが、地域農業の重要な担い手として育て、夢と希望と意欲の持てる環境づくり、経営者としての育成に向け、計画力、実践力など技術や経営的な総合力を身につけれるよう、専門学校や大学などの教育機関、試験場や大学などの研究機関で知識を習得させれる研修制度なるものの考え方をお伺いいたします。持続的な農業振興のためにも、新規参入、第三者継承といった考え方もあるかと思いますが、基本的には家族経営が主体であり、農家の子弟が後継者になり、意欲を持ち、農業を継続させていく姿勢の確立、それを定着させていく。そのことが富良野の農業支える担い手育成として、また、優先的に取り組むことが大切であると思います。農家子弟が喜んで経営継承を選択する環境整備は、将来有望な若い農業者をふやし、減少させないことが農業の発展を考える上で重要であり、農政の喫緊の課題であるということは、市長も十分認識されていると思いますが、その農家子弟の後継者に対する育成支援の考えをお伺いいたします。2点目、経営継承、第三者継承についてであります。第三者継承についての検討経過と課題抽出についてお伺いいたします。後継者のいない経営体や高齢農家にとって、毎日の労働で余力が持てないのが現実であります。水田や畑の持つ生産性だけではなく、農業の多面的価値を考えるとき、農業就業者の確保といった観点からすると、第三者継承がもう一つの受け皿になりえる政策であると考えます。このことは、市長の農業政策として持続可能な農業、農村づくりとして位置づけられており、第2回定例会におきましても質疑が交わされました。その後の進展として、第三者継承研究会の動きや移譲希望農家と継承希望者の現状、富良野方式第三者継承についてお伺いいたします。3点目、支援体制についてであります。農業後継者、新規参入者、第三者継承者と、いずれの形態であれ意欲、意志を持ち、農業志す者に対して一辺倒の対策ではなく、総合的な対策にすべきであると思います。農業に定着する若者に共通することは、農業がおもしろいとか、はまっちゃいましたという動機が単純ではありますが、農業を志すひとつの大きな理由でもあります。そういった魅力づくりが大切であります。指導農業士など農業者との交流促進、さまざまな情報発信力の向上、相談体制の拡充、研修体制の強化、就農後の経営支援、さらには多様な就農経路への対応など、農業を目指すすべての者に対して、就農までの各段階において、また、農業経験の浅い担い手への支援、応援体制の整備や整理の仕方をお伺いいたします。以上で質問を終わります。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
-登壇-東海林孝司議員の御質問にお答えをいたします。農業担い手対策についての1点目、農業後継者に対する支援についてでありますが、農業生産の基礎となる担い手につきましては、農家戸数の減少に伴い、市内の他産業と同様に減少することが想定をされているところであります。担い手減少の要因といたしましては、WTO交渉など農業の国際化や農産物価格の低迷、食の安全・安心に対する消費者の関心の高まり、あるいは肥料や農業資材の高騰など、農業を取り巻く厳しい農業情勢や少子化などが挙げられます。このような中にあって、農家子弟が後継者として就農することは、富良野農業を支える担い手の観点から、特に重要であると認識をいたしているところでございます。農家子弟を就農に導くためには、経営者である親の皆さんが、農業は国民の生命の源をつかさどる大切な仕事であることに誇りを持って営農を続ける姿を見せることと、就農環境づくりをすることが重要であると考えております。就農環境づくりの一つ目は、子供の頃から農業に親しみを持たせることや、農業関係の高校や短大への教育、家族の役割を決める家族経営協定の締結などが挙げられます。二つ目に、就農した後継者に対しましては、営農技術や経営知識の習得について積極的に後押しすることにより、就農者から生産者へ、生産者から経営者へ、さらに地域リーダーになっていくことが期待されているところであります。そして三つ目として、円滑な世代交代に向け経営を引き継ぐ環境整備を行うことが重要になってくると考えているところであります。これらのサイクルが継続的に循環することが、本市農業を持続的に振興発展させる基本になると認識をいたしているところでございます。そのため、市といたしましては、就農後に営農技術や経営知識を学ぶ緑峰高等学校農業特別専攻科に対する支援や、自主的な取り組みに対する支援として、ふらの農業研究事業、中山間地事業による海外研修への助成、さらには北大サテライトにおける課題研究など、農家子弟の後継者に対する支援を行っているところでございます。2点目の、第三者への経営継承についてでありますが、第三者継承研究会の動きといたしましては、北海道大学大学院農学研究院の柳村教授を講師に迎えて、これまでに2回開催をいたしているところであります。その内容といたしましては、第三者継承の基礎知識の習得と、本市農業の現状についての意見交換などを行ったところであり、今後は、先進事例の調査や講演会の開催などを取り組んでいく予定でございます。第三者継承につきましては、検討がスタートしたところでありますので、現在のところは、具体的に移譲希望農家と継承希望者が決まっているわけではございません。今後、制度の周知と移譲希望農家と継承希望者双方の意向把握に努めてまいりたいと考えているところでございます。課題といたしましては、移譲希望農家及び継承希望者の考え方の整理、信頼関係の構築、研修の方法、譲渡資産の評価や譲渡の方法、コーディネーターの役割、必要な支援などがあるものと認識をいたしているところでございます。第三者継承につきましては、全国一律の進め方が確立されているわけではありませんので、今後、先進事例を参考にしながら、本市の実情に合った第三者継承の方法を検討していくことにより、富良野方式の第三者継承を確立してまいりたいと考えているところであります。3点目の支援体制についてでありますが、市といたしましては、農業の担い手対策の中で、農家子弟の後継、農外からの新規参入、第三者継承の三つを合わせて新規就農という整理をしているところでございます。これまで市といたしまして、農家子弟の後継者に対しては、就農後に営農技術や経営知識を学ぶ緑峰高等学校農業特別専攻科に対する支援や、自主的な取り組みに対する支援として、ふらの農業研究事業、中山間事業による海外研修への助成、さらには北大サテライトにおける課題研究など、農家子弟の後継者に対する支援を行っているところでございます。また、ふらの農業協同組合におきましては、都会のスーパーでの地元野菜の販売などを通じて、家族が営む農業の大切さを理解してもらおうと、小学校4年生から中学校1年生までの農家子弟を対象に、ふらのキッズ農業塾を実施をしているところであります。次に、農外からの新規参入者に対しましては、まず1年程度、農作業ヘルパーとして体力的に農業に耐えられるかを体験してもらい、引き続き農業研修の希望がある場合には、市及び農業委員会、農業改良普及センター、ふらの農業協同組合が連携して面接及び指導を行い、市内の指導農業士などの研修先の確保を図っているところでございます。この2年ないし3年間の研修期間中には、研修先を巡回訪問して、就農希望者の農業に対する考え方や希望する営農形態など、就農に向けたさまざまな相談及び指導を行い、就農先の情報提供などを行っております。また、就農後も巡回訪問などを実施して、営農のフォローアップを行っているところでございます。次に、第三者継承につきましては、制度の周知、移譲希望農家と継承希望者の意向把握など、課題の整理に努め、本市の実情に合った方法を検討してまいりたいと考えております。今後は、農家子弟の後継、農外からの新規参入、第三者継承などの新規就農対策につきまして、農業の担い手対策の中で体系化をし、本市農業を支える地域リーダーや、経営感覚に優れた経営者の育成、確保に向けて農業関係機関、団体が連携して、より効果の上がる支援対策を検討してまいりたいと考えているところでございます。以上であります。
質問 13番 東海林孝司
それでは、農業後継者に対する支援ということで、再度お伺いいたします。市長の答弁さすがにすばらしく、ごもっともだなというふうには思っておりますが、その中におきましては、農家の親がやはり子供に教えていくのが当然でありますが、その親の中でもやはり農業を継がせたくないとか、休みがなく労働時間が長いとかっていう、これは勝手な言い分かもしれませんけど、そういった流れもあり、なかなか農家子弟でもあり、就農に向かいづらい部分があります。その中におきましても、地域の中でもやはり、そういった後継者という形の子たちを応援しながらしているわけでありますし、そのままうまく続けて、そういう指導というか支援が続けられれば、より多く後継が育っていくのかなと思っております。その中で、本年のような気象の変動で、意欲をなくしてしまうことがあります。そういった中で、より細かな研修といいますが、親の姿を見て子は育っておりますが、それは家の中の、家族というか、自分の圃場だけでありまして、それは親から継がされたものであり、いろんな知識はうまく習得できないのではないかなというふうに思っております。そういうところも含めまして、より、もっと積極的にそういった指導ができるような体制がもっと強く必要かと感じておるんですが、そのことについて再度お伺いいたします。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
この件については、まず担当部長の方からお答えをさしていただきます。
答弁 経済部長 外崎番三(経済部長は2011年3月まで)
東海林孝司議員の質問にお答えいたします。まず、親が子に農業継がせると、継いでいただくという、この担い手の関係でございますが、まったく重要なことと認識しております。まず土地、それから設備、人材と、農業を行うこの三つの三大要素の中で、土地があっても設備があっても農業が続かない。それを行う人材を育成しなければ、農業は続いていかないわけで、その人材育成のかなめというか、基本となる後継者づくりにつきましては、やはり、親が自信と誇りを持って安定した経営を営んで、その姿を子供に見せていくといった中で、後継者が育っていくものというふうに考えております。また、緑峰高校の農業専攻科でございますが、これにつきましては、実はいま道内に別海町と富良野という2カ所だけになっておりますが、これは高校を卒業して農業を就農される方の農業技術を学んでいただく場所ということで、ぜひですね、農業就農に当たって親から引き継ぐ農業技術もございますが、それにプラスしてですね、専任の講師が4名というスタッフも抱えてですね、農業技術を学んでいただける。こういったこともやってございますので、こういった研修機関をぜひ活用してですね、農業経営に営んでいただきたいというふうに考えている次第でございます。以上でございます。
質問 13番 東海林孝司
研修はいろいろございますが、やはりお金をかけかけてでも、育てなきゃいけないと思いますが、これはやはり、個々の経営体の中でしなきゃいけない部分もございますが、先ほど言ったように継がせたくないとか、そういった労働条件が悪いとかっていうのを、払拭というか、そういった気配をなくすためにも、そういった金銭的なって言ったらあれなんですけどね、そういった支援的なもののお考えはございますか。
答弁 経済部長 外崎番三(経済部長は2011年3月まで)
行政といたしましては、先ほど言いましたように研修機関を設けておりまして、それに支援をしていくと。また、研修につきましては、もちろん、就農するに当たっての研修ももちろんですが、就農して後継者になるまでの間のですね、いろんな、例えば地域再生のきっかけづくり、食の安全・安心マイスター講座それから農業情勢研修会、経営者研修会、農村活性化研修会、農商工連携フォーラムと、それから安全・安心農業研修会、GAPを課題したもんですが、こういった研修会それぞれをですね、開催しながら、研修に努めている、研修の場を持ってるといったことをしております。以上でございます。
質問 13番 東海林孝司
次に、第三者継承についてお伺いします。まだ、調査というか、スタートしたばっかりだというふうに答弁されておりますが、農家戸数も減っておりますし、農家も少子化、高齢化の波がやはりきていて、もう本当に早急に手当てをしなきゃ、農業基盤が将来的には崩れてしまうっていうふうには思っています。その具体的な内容を含めて、もっとスピーディーにしなきゃいけないっていうふうに思っております。急ぎ過ぎるとちょっと課題が大きくなるかもしれませんが、こういった第三者継承というのを具体的にっていうか、研修機関含めて、あるかもしれませんが、おおむねどれぐらいの期間を見て農業基盤を確立していこうとされているのかお伺いします。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
東海林孝司議員の再質問にお答え申し上げます。経営者の関係でございますけども、後継者の問題でございますけども、先ほどの答弁を補完する意味に受けましても、少しお答えをつけ加えさしていただきたいと存じます。御質問の中にありました、一つに大きく研修の問題、それから継承する上においての親からの伝達の中で、どう、それを引き継いでいくかという、意欲、意思の問題。こういった問題は、これからばかりでなく、過去何十年、そういう問題が一つの状況として生まれてきていることは否めない事実であります。もう一つは、戦後四十年代に含めては、農家の次、三男の方々がそれぞれ、重工業重点主義の中で都会へ流出をしていった大きな課題がございました。こういうことが一つの大きな、いまの伝統、65年、戦後たちましたけども、そういう状況の中で、農業よりも、それぞれ工業的なものに労働力を移行するという国の大きな政策の中で、農業に大きな、弊害的なものをもたらしてきたというのも、これは大きな状況にあるという認識をしているところでございまして、そういう、大きな日本全体の状況から見て、これから農業というのは、どう再生をして、そして基幹産業である富良野においてどう取り組んでいくかということで、ことしですね、農業に対する基本計画というのを策定さしていただいて、その中で、これからどう構築、10年間でそれらの問題の課題取り組みをしていくかということで、計画を立てて今日に至っているわけでございますけども、その過程の中で今回、再度、東海林孝司議員から御質問あったわけでございますけども、前回におきましても、大橋議員に対する農業基本計画を含めた担い手、後継者の問題についてもお答えをさしていただいている経緯がございますけども、それを一つの前提にしながら、お答えをさしていただきますけども、一つにはやはり、これからの農業の運営、経営というものは大変厳しい。しかし、他産業においても就職難というのは現実にあるわけですから、そういう状況を考えてみますと、農業に対する意欲的なものをどうつくっていかということなりますと、一つにはやはり、それぞれ親子関係の意思の確認の問題を初めといたしまして、それらが、研修制度をどう、これから基幹的なものを行政としても参画をして作っていくかと、こういうことで、一つの知識の、経営知識を含めた能力の向上に努めていかなければないと、こういう考え方に立たなければならないと、このように考えますけども。先ほど、金銭的な支援はどうするんだという御質問もあったわけでございますけども、この金銭的な問題というのは、個人的に、例えば災害があったとか、こういう状況以外は、公の機関として個別に金銭的な指導するというわけにはいかないのが現状でございますから、これはやはり、それぞれ関係機関とそれぞれ連携しながら、どういう形で、それらに対する支援というものは、別な形で、支援方法というのは考えていくべきでないか、このように思います。さらに、いま御質問あった問題でございますけども、本市において、大変いま、農業に対する厳しい見方もございますし、あるいは農業でなくして富良野の発展はないわけでございますから、そういうことを基本に置きながら調査をするものは調査をし、しかし、1カ月や2カ月で結論を出せる問題ではございません。少なくても計画期間の中における10年の間で、前半の3、4年の間に、それらのものの構築というものを整理して、そして準備をしながら進めていく必要であろうと、このようにいま、考えていることで御理解を賜りたいと、このように思うとこであります。
質問 13番 東海林孝司
次に3点目でありますけど、支援体制ということでお伺いいたします。農業の後継者、また新規参入、第三者継承という3つの形態を新規就農という形でとらえられているというふうに認識をいたしまして、僕もそういうふうには思っております。ただ、この中でいろんな形、また地域に合った実情というのがありまして、いろいろ、教えるのも段階を踏まなきゃいけないのは当然でありますし、そういった中で、本年のような天候による被害もありますし、作物の病気もあります。病気により甚大な被害を受けてるのもあります。そういったのを含めながら、こういった、農業を継いでくれる者に対しても、段階を追った研修も必要でありますし、そういった病気に対する研究というか、市もリーダーシップをとって、そういった研修というか、病害虫に対するそういった部門を持たれてはいかがかなと思うんですが、それについてお伺いいたします。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
経済部長よりお答えします。
答弁 経済部長 外崎番三(経済部長は2011年3月まで)
農業につきましては地域それぞれ、富良野、東山、山部等々、地域地域で実情が違うということも認識しております。御答弁に申し上げましたとおり、農業研修においてはですね、農業委員会、農業改良普及センター、それから農業協同組合と市と、それから、技術を持っている指導農業士、これらのお知恵を拝借しながら、研修に努めてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。