富良野市議会 平成18年第3回定例会 2006年9月12日
農業行政について
2006年9月12日、富良野市議会の一般質問で、東海林孝司議員が「農業行政について」質問し、市長 能登芳昭、経済部長 石田博が答弁しました。
- 質問者
- 東海林孝司 議員
- 答弁者
- 市長 能登芳昭、経済部長 石田博
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 12番 東海林孝司
-登壇-さきの通告に従いまして、農業行政、品目横断的経営安定対策にかかわる課題についてお伺いいたします。戦後最大と言われる農政改革の柱として導入されます品目横断的経営安定対策が、今秋播種されます平成19年度産麦からスタートいたします。全生産者を対象とした現行の品目別の生産支援や経営安定対策を見直した対策であり、その対象を認定農業者と経理一元化などの要件を備えた集落営農に絞って実施するものであります。農業を基幹産業とする本市といたしましても、農業者の高齢化、後継者不足、担い手不足といった農業人口の減少という時代の到来を迎え、永続可能な営農形態となり得るのであれば、新たな農政改革の受け入れもやぶさかではないと感じております。しかし、農業は、農業人口の減少、すなわち高齢化、後継者不足などで後退しているとも感じられます。かつての量を求めた時代から、今は質と安心、安全を求める時代となっています。物流や商品開発など他産業と手を携え、また、農業の活力を高める対策として、若い力をどれだけ多く育てられるか。若者が農業に魅力を感じ、働きやすい環境づくりを一層進めなければならないことでもあると思います。そのことでの農業再生、活性へと、魅力ある活力ある産業であることに期待をするものでもあります。平成15年の冷害、16年の過去最多となりました10個の台風襲来を初め、本年におきましても、梅雨前線の活発化による記録的な豪雨となり、各地での農作物や農業用施設に大きな被害が発生するなど、近年、自然災害が頻発しております。地理的条件、農業形態での農作物の生産、販売、規模拡大や気象変化と損失の影響割合も大きくなることから、農業の経営安定化が図られるよう、関係機関、団体と一体となり取り組むことが重要であると考えます。生産基盤の整備が生活基盤そのものであるとも考えます。そこで、大きく4点に分けてお伺いいたします。1点目、品目横断的経営安定対策でありますが、この対策を、農業者への周知は十分になされたのか。また、最も大事であると考えております意向調査も適正に行ったのか。集落全員の意向聴取も必要ではないのかと思っております。2点目、農業に軸足を置いた意欲と能力のある人をどれだけ確保できるかが最大の課題であると考えます。そのような意味からも、一定の基準を設け、満たした人に対象を絞り、努力していく人への支援を含めた対策、諸外国との生産条件格差を埋める生産条件不利補正対策や、収入減少影響緩和対策であると理解するところではありますが、その中での担い手とされる人たちの定義と認定農業者の要件とは何か。担い手としての育成と確保への考え方。また、一定の基準に満たない農業者への対応とは何かお伺いいたします。3点目、集落営農づくりについてお伺いいたします。各農事組合、各農協支所ごとに、懇談会なり説明会が開催されましたが、集落内での協議、農事組合単位での協議や検討はされておらず、現状維持との考え方が大半で、この対策への新たな方向性を探れない状況でもあります。今後も高齢化などに伴い、規模縮小や離農も想定されることから、農地集落を維持する観点からも、集落営農づくりも視野に入れていかなければならないと考えます。合意を得るのは難しいのではと私自身は判断しているところですが、集落営農とは可能か。合意形成を図れる方策、ポイントは何か。各地域の実情、実態を把握することが大事であると思っております。4点目、このほど沿線自治体、農業委員会、ふらの農協、土地改良区、農業改良センター、農業共済組合で構成され、品目横断的経営安定対策に対応していくねらいとして、富良野地域担い手育成総合支援協議会が発足いたしました。農業各関係組織と連携が図られるものと思っております。協議会の副会長に市長が選任され、さらなる連携の強化になるものと考えておりますが、その協議会の目的なりリーダーシップをとっていくのはどの組織なのかお伺いいたします。いずれにしましても、幾度となくこの対策に対しまして議論されておりますが、農業者に理解されるように、周知や説明会の開催のあり方、アンケートによる意向調査に基づいた対応がまだまだ十分ではなく、農業者自身で判断していく材料が少ないと思っております。農業政策の一つの対策であり、最終判断は個々の農業者でありますが、生産意欲、投資意欲を損なわないよう、農業行政として、富良野型農業の将来像を見据えた考え方も重要であります。行政や各関係機関、農業者にも、それぞれに役割があり、互いにできること、できないことを理解し合い、同じ意識の中で進まなければなりません。生命産業とも言われる農業を基本として他産業とのつながりが深くなり、富良野市全体の発展、振興となり、町づくりへと農村づくりへと結びつくものと考えております。政策支援をあてに対策を利用するものではありません。耕作放棄地がふえ、微量の農薬さえ飛散させてはいけなくなった農業をどう永続させ、繁栄させていくことが望ましいか。行政と各関係機関、農業者の相互の理解、認識を深めることだと思っております。以上、質問として、市長の見解をお伺いいたします。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
-登壇-東海林議員の農業行政について、品目横断的経営安定対策についてお答えをいたします。品目横断的経営安定対策の農業者への周知につきましては、関係機関、団体との協力のもと、今までにも地域別の説明会を7回、また、全農事組合を対象に懇談会を39回開催をしております。対策の概要説明や加入に向けた情報提供を行ってまいったところでございまして、周知は十分されたと考えているところでございます。本対策の加入につきましての農業者への意向調査につきましては、関係機関、団体と連携を図りながら、加入意向の有無、将来の営農形態など、各農業者から聞き取りを行ってまいったところでございます。本対策の加入要件といたしましての担い手は、本市では、特例基準により7.2ヘクタール以上の農地を有する認定農業者、また、14.4ヘクタール以上の農地を有する特定農業団体等の集落営農組織でございます。認定農業者となるためには、農業経営改善計画において、富良野市農業経営基盤強化促進基本構想に照らし適切であり、また、農用地の効率的、総合的利用に配慮していることなどが、市、関係機関、団体で構成される認定審査会において認定されることが必要でございます。さらに、農業経営改善計画の認定は、あくまでスタートであり、達成状況につきましては、点検を行い、実践していくことが最も重要であると考えているところでございます。担い手の育成確保につきましては、本対策加入への担い手要件を満たすため、認定農業者への誘導や農地の集積など、今までも関係機関、団体と協力しながら取り組んでまいりました。また、これからの高齢化を見据え、農業生産法人の設立、集落営農の組織化等を視野に入れながら、担い手の育成確保を進めていく必要があると考えております。本対策への加入意向があり、担い手要件の基準を満たさない農業者への対応につきましては、農業委員会や関係機関、団体などとの連携をとりながら、農地集積を進め、加入要件である面積達成に向け推進をしてまいります。集落営農組織づくりにつきましては、今後の農業者の減少、高齢化がますます進む中、農地の有効活用、農業生産コスト低減等効率的な農業生産活動を行うためにも、集落営農の組織化は、一層重要と考えているところでございます。集落営農づくりなど集落内の課題を解決していくための合意形成を図るための方策とポイントは、関係機関、団体等の協力のもと、集落へのサポートが最も必要です。加えて、集落内においてリーダーシップを発揮できるリーダーのもと、集落の現状把握により、将来をどうするのかを集落ビジョンとして意識、共有することが必要であると考えております。本年8月2日に発足した広域の富良野地域担い手育成総合支援協議会につきましては、国の担い手育成総合支援事業を実施することにより、富良野の地域の効率的かつ安定的な農業経営を目指し、改善支援に取り組むとともに、担い手の育成確保に向けた地域段階の取り組みに対する支援を強化し、望ましい農業構造の確立に資することを目的としているところでございます。本協議会は、沿線5市町村とふらの農協、普及センターで事務局を組織し、一体となって推進を図ってまいるところでございますが、その中でもふらの農協が中心的な役割を担い、課題解決に向けた支援施策の構築や情報交換を積極的に行っていくものと認識をしているところでございます。以上でございます。
質問 12番 東海林孝司
今御答弁をいただき、今までいろいろな方が質問されている中で、同じようなお答えだと思っております。私としては、農業人でありますし、農業の繁栄といいますか、活発になることが富良野市全体の経済を含めて、活性の力になっていると思っておりますので、そういう観点から、また再質問させていただきます。対策へ取り組む判断は、最終的には農業者自体でありますが、先ほども質問いたしましたが、その材料が少ないと感じております。懇談会なり意向調査をしても、それは、ただ集落の集まりがあったときの、余り詳しい説明もなく、農業者自体が理解をしていない上での調査だと思っております。やはりそういうことも考えますと、農業者は、1人ではなくて家族で経営しているものでありますから、家族の中でもお話をする機会というのも必要と考えております。そういった意味で、農業者への周知は十分なのかとお伺いいたしました。家族というものもございますので、その辺のことも含めて、今後、また十分に周知できるようなことをお考えであるか、お聞きいたします。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
東海林議員の再質問につきまして、経済部長の方からお答えをさせていただきます。
答弁 経済部長 石田博(経済部長は2010年3月まで)
東海林議員の品目横断的な対策の判断材料が少ない。すなわち周知につきましての御質問でございますが、先ほど御答弁させていただきましたように、今までにもJAごとの説明会を7回、懇談会等々への参加者が、延べ人数、1,134名の参加をいただいてございます。なお、さらに道の関係担当者によります研修会、または生産者、農業者へ全戸配布いたしますアグリサポートという広報紙がございますが、それにも2回掲載させてございますので、そういう中から私どもも説明をさせていただきました。また、そういうことで、今の段階では、相当数の方が参加されまして、また、相当数の方に御理解をいただいているのではなかろうかという判断に私どもは立ってございます。なお、今後とも、必要があれば地域別の説明会も開催させていただきますし、また、家族を含めた地域懇談会の開催も、必要があれば関係機関と連携をとりながら開催をさせていただきたいと思ってございます。以上でございます。
質問 12番 東海林孝司
農業者への周知、ちょっとこだわりますけれども、懇談会なりを回数重ねているとおっしゃっていますけれども、私の地域に置きかえますと、集落で一度、あと農協というか、そこ全体で一度、二度だけでございます。それだけで十分周知できるでしょうか。アグリサポートなり広報を使われていますけれども、今、集落自体も人が減ってきておりまして、地域的に大きくなり、集会もそんなに回数が多くなくて、配り物というか、配布されるものが、ひどいときには一月おくれとか、これは集落内の事情もありますけれども、そういった状況を見ていますと、十分皆さんが理解されたのかなと。また、懇談会などを開催いたしますと言っても、ある程度主導的に、この日にやりますとかしていただかないと、理解が不十分でありますから、何を聞いていいのかわからない。だから聞くことがないというようなお話もあります。そういったこともありますので、これから開催していきますということでありますけれども、行政として、皆さんにもっとより深くわかっていただけるようなことを今後のスケジュールとしてはお考えでないか、お聞きいたします。
答弁 経済部長 石田博(経済部長は2010年3月まで)
東海林議員の、さらに細かい、また、周知すべき懇談会なり研修会等々を開催すべきでないかと。私ども全くそのとおり同意見でございます。そういうことで、スタートからも、私どもできるだけ細かく入っていこうということで、先ほど申しましたように、地域懇談会も計39回ということで、私どもとしては、相当回らせていただいたということを考えてございますが、ただ、確かに御指摘のように、地域によりましては、非常に多いところと、それから薄いところとあろうかと思います。そういうこともありますけれども、また、先ほど申し上げましたように、薄いところに必要性があるということであれば、細かく地域懇談会も開催していくことにつきましては、やぶさかではございません。なおさらに私どもこれから広報富良野でのPR、またはホームページのPRということで、少しでも多くの方に今後とも周知し、認識していただくよう努めてまいりたいと思います。以上でございます。
質問 12番 東海林孝司
ちょっとこだわりますけれども、広報なり、そういうホームページとかでも、またこれも個々によって違うのですけれども、見る、見ないがあります。ただ、時期がずれると、見ても仕方ないなというお考えの方もいらっしゃいます。でありますから、主導的に開催するというような段取りをとっていただかないと、より深く理解をしていただけないと思っております。そういう開催の回数を重ねていただき、最終的には、農業者が個々で判断をして、この対策に乗るか乗らないかを決めていけると思いますので、そのPRの仕方をもっと考えていかなければいけないのではないかと思います。その辺についてお答えお願いします。
答弁 経済部長 石田博(経済部長は2010年3月まで)
お答えさせていただきます。PRの仕方、開催の仕方について、多様性があるということでございます。もちろんそのように考えてございます。今までにも地域懇談会につきましては、地域の方から来て地域懇談会をやってほしいという要望のある地域、または、私どもの方から関係機関とセッティングしまして、設定いたしまして説明を行った地域もございます。また、地区別では、JAとともに地域ごとに説明会を行ったということで、大変多様性もございますので、今、議員おっしゃられましたように、今後ともPRする場合につきましては、ぜひ多様性を持った、少しでも見ていただけるような方法を、さらに工夫、検討を重ねまして、PRまたは説明会の開催に向けて検討してまいりたいと思ってございます。以上でございます。
質問 12番 東海林孝司
続いて、集落営農という体制づくりについてお伺いいたします。農業人口の減少ということで、各集落においても、1軒の持つ経営面積といいますか、規模が大きくなっております。これからもますます高齢化など離農されるということも想定されてきますので、その中で、まだ若い人もいらっしゃるところもありますけれども、次世代に受け継がせるためにも、やはり集落営農というのも考えていかなければならないと思っております。私も、そういうので何人かの方とお話をさせていただいて、こういったことはどうでしょうかとお話をしても、ちょっと難しいようなお話をされております。これも最終的には農業者個人の判断とはなりますけれども、いずれにしても、先ほどから申し上げているとおり、いろいろな対策に対しての理解を深める体制が必要だと思っておりますし、次へ受け継がせるためにも、やはり重要なことだと考えております。そういった意味で、理解を深めることが大事であるとは申し上げているのですけれども、集落営農という考え方についてのお考えを、もう一度お聞かせ願います。
答弁 経済部長 石田博(経済部長は2010年3月まで)
お答えさせていただきます。集落営農についての考え方ということでございますが、今議員も御指摘のように、今後、高齢化の問題、または次の世代で農業を営む方の問題等を含めまして、大変重要な問題になってくると。そのときに一つの方法として、一つの方法としてでございますが、この集落営農、すなわち集落の話し合いによりまして、将来像などを語る中から、集落全体で効率的に行う方法はないかということでございまして、具体的には、例えば農地の賃貸ですとか作業の従委託、または農業機械等々の貸し借りというようなことが、一つの集落営農の形としてあるわけでございます。そういう意味でも、今後ますますこれらの集落営農が地域では必要性が増すであろうと、高まってくるであろうと私ども思ってございますし、現実に、この品目横断対策のもとに集落営農を相当つくって、この品目横断に対処していこうという市町村もあるように聞いてございます。そういう意味からも、今後、ますますこの集落営農が必要になってくるという認識をしておるところでございますなお、集落営農には非常に難しい面もございますが、最大のポイントといたしましては、先ほども御答弁にありましたが、一つは、集落の中でのリーダーの方の存在、それからもう一つは、集落の中での課題の共通認識と、この二つが集落営農を進めていく、立ち上げて進めていく上で非常に大切なことではなかろうかと思ってございます。そういう形からも、私どもでも、今まででもこの集落営農の生産法人等々の立ち上げですとか、集落営農への取り組みの研修会、または、これらの税制の講習会、または先進地の方のお話を聞く研修会等々の集落営農生産法人等々の立ち上げの研修会も開催しているところでございます。したがいまして、これからもそういう研修会等々を開催するとともに、集落営農の位置づけ、重要性を訴え、できる限り対応に努めるよう支援を行ってまいりたいと思います。以上でございます。
質問 12番 東海林孝司
いずれにしましても、やはりまだ温度差があるのかなと感じております。行政としても、各関係機関としても、それぞれ役割があると思っております。その役割は何かといいますと、いろいろありますし、また、農業関係であれば、互いに農業者であり、うまくというか、進まない部分もあるかなと感じております。ですから、そういった意味合いからも、行政としてリーダーシップをとっていただきたい。先頭に立って進めてもらいたいということではなくて、ある程度そういった各関係機関をもバックアップするように、どこがやはり主導的になっていかなければいけないかということも協議していただきながら、来年度から始まるのでありますから、間際になって、また変わりますとか、そういったことのないように、やはり十分に、変わったときにはすぐ知らせるような体制、広報とかそういうホームページではなくて、やはりすぐそういう懇談会、説明会なりを開いていただきたいという要望になってしまいますけれども、そういったことをお考えいただきたいということで、質問を終わります。