深川市議会 令和4年第1回定例会 2022年3月7日
農業政策
2022年3月7日、深川市議会の一般質問で、近沢弘幸議員が「農業政策」について質問し、市長 山下貴史が答弁しました。
- 質問者
- 近沢弘幸 議員
- 答弁者
- 市長 山下貴史
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 10番 近沢弘幸
3番目の質問に移らせていただきます。農業政策について。昨年の出来秋以降、国の米政策は大きく転換されました。経営所得安定対策は、担い手農家の経営の安定に資するよう、諸外国との生産条件格差から生ずる不利を補正する交付金、いわゆるゲタ対策と、農業者の拠出を前提とした農業経営セーフティネット対策、いわゆるナラシ対策が実施されております。また、食料自給率、食料自給力の維持向上を図るため、飼料用米、麦、大豆などの戦略作物の本作化を進め、水田のフル活用を図る水田活用の直接支払交付金、いわゆる水活を実施していますが、今後5年間で一度も米の作付を行わない農地を交付対象外とすると発表があり、畑作物の生産が固定化している水田の畑地化などを促し、米の需給安定と農業者の所得向上を図っていくなど、転作の柱となる交付金の見直しが示されました。交付対象外となれば、耕作放棄地や土地改良区の運営、地域にとっても大きな影響が懸念されます。戦後の食糧難を解消するため、国策として水稲作付のための農地整備を行い、50年ほど前から始まりました米の生産調整は、初めは稲作を休む休耕でしたが、その後、米以外のものを作る転作となり、農協をはじめ関係機関の指導の下、地域で協力し合い、試行錯誤を繰り返し、適地適作で多品目がブランド化されております。転作による国から様々な制度が設けられておりますが、水活は代表的なもので、高齢化する稲作農家にとっては、農地を維持するために必要な制度だと言われております。今後、長年転作を行っている農地は、水を張って水稲を作付するためには圃場の均平化を行わなければならなく、そのためには新たな作業機械などの投資が必要となります。その手間とコストは大きく、農業者へ何らかの支援が必要だと多くの声があります。農家戸数の減少や農業従事者の高齢化、後継者不足により担い手が減少していることなど、多くの課題を抱える中、新型コロナウイルス感染症や米の在庫状況により、さらなる対策が必要になると言われております。稲作経営を中心とします本市の農業にとって大きな打撃になることは言うまでもなく、農家経済は非常に危機的な状況にあります。このような中ではありますが、圃場整備事業により、用排水路、区画整理、暗渠排水等の整備を実施し、圃場の大型化とスマート農業による労働力不足と作業効率の改善、乾田化による転作田における高収益作物の導入や良質な農産物生産のため、より一層の事業の推進と負担軽減が必要と思います。一方で、今回の政策の見直しにおいて、山間地域における転作田でのソバ生産者が、特に地域の離農者の農地を引き受けた大規模経営者ほど大きな痛手となり、経営が困難になることが予想されます。私の知り合いにも、規模を拡大し、後継者もおりますが、若い者がやめると言ったらしようがないと、そのようなことを言っておられました。需給バランスによる米の価格低迷と交付金の見直しは、5年間で水稲を必ず作付しなければならない制度による一律の対応には非常に無理があると思います。今後さらに現場の声を聞き、その対策が必要と強く感じております。さて、近年、異常気象の影響がある中で、作物によってばらつきはあっても、ほぼ安定的な収穫が行われておりますが、気象状況によっては農業収入に大きく影響いたします。農業共済制度は、自然災害によって受けた損失を補償する制度と、自然災害や価格低迷だけでなく、農業者の経営努力では避けられない収入減少が補償される収入保険がありますが、これらの制度と加入状況について伺います。また、水田活用の直接支払交付金は5年間に一度も水稲作付を行わない場合に対象外とするとされていますが、中山間地域直接支払交付金と多面的機能交付金の扱いはどのようなことになるのか。本市の農業農地をどのように守っていくのか。若手農業者が安心して農業を続けられることだと私は思います。そこで6点について質問させていただきます。1点目、水田活用の直接支払交付金の見直しの概要及び収入保険制度の内容と市の受け止めについて伺います。2点目、水田活用の直接支払交付金の見直しに伴う、今後の深川市の対応について伺います。3点目、5年以内に水張りができなかった場合の交付金額への影響及び中山間地域直接支払交付金と多面的機能支払交付金の扱いについて伺います。4点目、交付対象外となった場合、その後、耕作者が代わった場合の取扱いについて伺います。5点目、作業の効率化、省力化に向けた圃場整備事業の考え方について伺います。6点目、農業共済制度及び収入保険制度の内容と加入状況について伺います。
答弁 市長 山下貴史(市長は2022年12月まで)
農業政策について、6点質問がありましたので、順次お答えいたします。まず、1点目の水田活用の直接支払交付金の見直しの概要及び市の受け止めについてでありますが、水田活用の直接支払交付金につきましては、飼料用米、麦、大豆など、戦略作物の本作化を進めるとともに、地域の特色ある魅力的な産品の産地づくりに向けた取組に対して支援を行うものであります。この制度に関し、議員も言われましたが、先般、国において来年度以降の見直し案が示され、その内容としては、交付対象水田の取扱いについて、湛水設備や用水路等を有しない農地は交付対象外とする、この現行ルールを再徹底するといったことや、現場の課題を検証しつつ、今後5年間に一度も水張りが行われなかった農地については、交付対象水田としない方針が示されました。また、飼料用米等の複数年契約加算については、新規契約分は交付対象外とし、経過措置として、継続分のみ単価を減額の上、交付すること。そして、新市場開拓用米、例えば輸出用米のようなものでありますが、この新市場開拓用米の複数年契約加算を新設することなどが示されたところでございます。そこで、本市といたしましては、今回の内容のうち、特に、今後5年間に一度も水張りが行われない農地が交付対象水田から外されることについては、生産者における収入減少はもちろんのこと、農地の資産価値の低下、そして水田面積の減少に伴う土地改良区賦課金など、他の生産者への負担の増加など、本市農業に多大な影響を及ぼすことが懸念されますことから、それぞれ地域の実情に即した慎重な対応が望まれるものと考えているところであります。そこで2点目、今後の市の対応についてでございますが、現在、北海道農政部において、今回の見直しに対してオール北海道で対応するため、関係機関による連絡会議を既に設置、開催しておりまして、さらにこの連絡会議の下に四つのワーキンググループを設置し、水稲や畑作物の生産への影響、農地の流動化への影響、そして基盤整備や土地改良施設への影響などについて、課題の共有、対応策等の検討を行うとされているところであります。このため、市といたしましては、今後、関係機関、団体と十分連携を取りつつ、北海道全体の情報の収集に努めるとともに、現場の課題を踏まえ、北海道の連絡会議に対して必要な対応を要望するなど、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。次に、3点目、5年以内に水張りができなかった場合の交付金額への影響及び中山間地域等直接支払交付金と多面的機能支払交付金の取扱いについてのお尋ねと、4点目の交付対象外となった後に耕作者が代わった場合の取扱いについての質問がございましたが、これらは関連がありますので、一括してお答えさせていただきたいと思います。5年以内に一度も水張りが行われない水田について、国においては、畑作物生産が定着している農地として、令和9年度以降は交付対象水田としない方針とすることが示されたところであります。その後、耕作者側が仮に代わってしまった場合にあっても、現段階においては土地に着目した取扱いでありますので、それについては変わらないものと認識いたしております。しかしながら、水稲とのブロックローテーションが困難な具体的な現場の課題がある場合には、その検証を行うことも同時に言われておりますので、今後、情報収集に努め、これらを踏まえた対応をしっかり検討していきたいと考えております。次に、中山間地域等直接支払交付金の取扱いについては、現段階の情報では、制度上、田の定義を湛水するための畦畔及びかんがい機能を有する土地と定義されておりますことから、水田活用の直接支払交付金の対象となるか否かについては、中山間地域等直接支払交付金の制度においては影響がないものと考えられております。しかし、多面的機能支払交付金の制度の取扱いに関しては、現段階では考え方が示されていないため、分からない状況でございます。次に、5点目の作業の効率化、省力化に向けた圃場整備事業の考え方について、お尋ねがありました。農地の大区画化等の圃場整備の推進は、農家戸数が年々減少し、一戸当たりの規模拡大が進む中にあっても、労働力不足はだんだん進むといったことで、作業の効率化、省力化のほかに、優良農地を将来にわたって適切に維持、保全していく必要性、さらに食料自給率の向上、農業の多面的機能の発揮などに大いに貢献しているものであります。市内においては、これまでも道営事業などを中心に、圃場整備事業は数多く実施されてきておりますので、市といたしましては、今後においても関係機関・団体としっかり連携しながら、圃場整備の着実な推進が図られるように努めてまいりますとともに、北海道の次世代農業促進生産基盤整備特別対策事業、いわゆるパワーアップ事業の活用による農家負担軽減などにも引き続き努めてまいりたいと考えております。次に、6点目の農業共済制度及び収入保険制度の内容と、加入状況についてお尋ねがありました。農業共済制度につきましては、自然災害時の水稲、小麦、大豆、ソバなどの収穫量の減少等の損失を補填する制度でございまして、他方、収入保険制度につきましては、農業者ごとの保険期間における収入が、それぞれそれまでの基準収入額の9割を下回った場合に、その下回った額の9割を上限に収入補填を行う制度であります。市内の農業共済制度の加入状況、加入件数につきましては、NOSAI道央北空知支所に確認いたしましたところ、主な作物別で申し上げますと、米については作付戸数の78%に相当する310戸、同じく小麦については76%に相当する137戸、大豆にいては64%に相当する75戸、そしてソバについては58%に相当する133戸となっております。一方、収入保険制度につきましては、市内生産者の19%に相当する95戸が加入していると伺っているところでございます。