江別市議会 令和7年第2回定例会 2025年6月18日
(1)特定健診・がん検診の受診率向上について/(2)防災行政無線の整備について
2025年6月18日、江別市議会の一般質問で、奥野妙子議員が「特定健診・がん検診の受診率向上について」「防災行政無線の整備について」について質問し、市長 後藤好人、健康福祉部長 白石陽一郎、総務部調整監 野口貴行が答弁しました。
- 質問者
- 奥野妙子 議員
- 答弁者
- 市長 後藤好人、健康福祉部長 白石陽一郎、総務部調整監 野口貴行
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
会議録の目次ではこの議員の件名が 2 件あります。1回の登壇で続けて質問しており、議事録の中に件名ごとの区切りが無いため、1件の中に並べています。件名は会議録の目次の表記です。
質問 奥野妙子
ただいま議長より発言の許可を頂きましたので、通告に従いまして、順次、質問させていただきます。初めに、特定健診・がん検診の受診率向上に向けた取組について、SIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)という手法の活用も視野に入れた施策の検討を含め、お伺いを致します。以下、手法であるソーシャル・インパクト・ボンドについては、SIBと略させていただきます。市民の健康寿命を延ばすために、そして、将来的な医療費の抑制という観点からも、健診の受診率を上げることは非常に重要です。当会派としても、予算や決算審査で毎回健診の受診率向上については質疑をしており、江別市でも、これまで個別勧奨や広報による啓発など、様々な対策を行ってきたことは重々承知しているところです。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、受診率は一時的に落ち込み、最近ではやや回復傾向にあるものの、いまだ目標には達しておらず、残念ながら全体としては低迷している状況が続いております。こうした状況を受け、今後の改善策として、民間のノウハウや資金を活用できるSIBの導入が検討に値するのではないかと考えております。SIBは、行政が成果に応じて報酬を支払うという特徴を持ち、財政的リスクを最小限に抑えながら、より効果的な政策の実行を可能にする仕組みであります。当市の健診の受診率向上においても、既存施策の延長線上ではなかなか打開が困難な状況にある今こそ、SIBの活用を含む新しいアプローチを積極的に検討すべき時期に来ているのではないでしょうか。以下、具体的な質問を通じて、市の現状認識と今後の対応についてお伺いします。1点目に、当市における特定健診の各種がん検診の受診率の現状と課題についてお伺いいたします。令和元年度以前は受診率が緩やかに上昇していたものの、コロナ禍により一時的に低下し、その後の回復も道半ばといった状況と認識しております。えべつ市民健康づくりプラン21(第2次)の目標達成状況と最終評価からも、C評価やD評価が続いており、北海道全体と同様に、当市においても受診率は依然として低迷していると受け止めております。こうした状況の中で、市におかれましても、これまで広報啓発や個別勧奨、訪問活動など、様々な施策に取り組んでこられたことは承知しております。例えば、江別けんしんだよりにつきましては、毎年、より見やすく分かりやすい内容となるよう工夫されていると感じております。そこで、お伺いしますが、受診率向上に向けたこれらの施策について、市としては、それぞれどのような効果があったと評価されているのか、また、現時点での課題をどのように捉えておられるのか、再確認の意味も加えましてお考えをお聞かせください。次に、SIBという手法に対する市の認識についてお伺いいたします。SIBは、民間の事業者が事業を実施し、その成果に応じて自治体が成果報酬を支払うという、いわゆる成果連動型の仕組みです。この仕組みにより、行政としては、財政的リスクを軽減しながら、より柔軟かつ効果的な施策の展開が可能となる点が特徴です。実際に、SIBを活用した自治体の先進事例も増えてきております。例えば、広島県では、県と複数の市町が連携し、大腸がん検診の受診率向上を目的としたSIB事業を実施しています。その結果、検診受診者数及び精密検査の受診率のいずれも、参加した各市において、前年度を上回る水準を記録したとの報告がなされています。また、江別市においても、令和元年に生活福祉常任委員会による先進地行政調査の一環として、東京都八王子市のSIBを活用した大腸がん検診受診勧奨事業を視察しました。さらに本年1月には、私どもの会派でも、北海道内で初めてSIBを導入した中札内村の取組である運動教室委託事業、フィットジャーニーを視察してまいりました。このフィットジャーニーは、運動に対して関心の薄い村民の方々を対象に、無理のない形で運動習慣を身につけてもらうことを目的としたものです。令和6年度には、まず、アンケート調査やインタビュー調査を通じて運動を妨げている要因を明らかにし、ナッジ理論に基づいた分析を行った上で、4種類のプログラムを構成し、現在、実際に取組が進められているとのことでした。こうした全国の先進事例について述べましたが、SIBの仕組みやその利点、さらには導入に当たっての課題などについて、市としてどのように認識されているのか、お考えをお聞かせください。3点目に、SIBの導入に向けた具体的な検討とその可能性についてお伺いいたします。例えば、特定健診や各種がん検診の受診率向上を目的にSIBを活用する場合、どのような事業領域や対象住民層が想定され、どのような成果指標が設定可能なのか、検討の余地があると考えます。具体的には、これまで受診歴のない国保加入世帯を対象にした重点的な個別介入や若年層・働き盛り世代を対象にした行動変容を促すプログラム、高リスク群に対するオンラインによる保健指導の導入などが挙げられます。これらはいずれも既存の施策と重複することなく、より高い成果が期待される分野ではないかと考えます。こうした領域にSIBを導入することによって、従来の取組では十分にアプローチし切れなかった層にも、より効果的に働きかけることが可能になると期待されます。また、SIBの導入に当たっては、事業の実施主体となる民間事業者や中間支援団体との連携体制の構築、さらには資金提供者となる金融機関や社会的投資家とのマッチング支援など、行政としての初期段階からの積極的な関与と環境整備が重要であると考えます。その際には、当市の強みである複数の大学との連携や生涯健康プラットフォーム推進事業といった既存施策との連動など、既に有している地域資源を生かすことで、導入の可能性をより広げることができるのではないでしょうか。このような観点から、当市としても、SIBの導入に向けた調査研究、あるいは、小規模なパイロット事業などの実施の可能性について、今後どのように検討されていくのか、市の御見解をお聞かせください。次に、件名2、防災行政無線の整備について、何点かお伺いいたします。質問前に、改めて平素より地域防災の充実強化に御尽力を賜り、心より敬意を表します。さて、北海道は、令和7年6月3日、日本海側を震源とする巨大地震及び津波に関する初の被害想定を公表しました。特に、冬期深夜に道南沿岸断層帯で発生した場合、最大で約7,500名の死者が見込まれるとの衝撃的な内容が示され、改めて石狩・道南地域における防災情報伝達体制の抜本的な見直しが強く求められております。さらに、令和7年6月6日には、国が総額20兆円に及ぶ新たな国土強靱化対策を決定し、そのうち10兆6,000億円を交通、通信、エネルギーなどのライフライン整備に充当することが発表されました。これに伴い、緊急防災・減災事業債に代わる新たな財源の創設が見込まれ、自治体による防災通信網整備に対する支援制度の拡充が大いに期待されるところです。とりわけ防災行政無線の補完手段として、IP通信を活用したスマートフォンアプリ等を導入している自治体においては、平常時の利便性のみならず、災害時における情報途絶を防ぐための基幹系統の整備が喫緊の課題と言えます。江別市においては、令和7年度予算により、IP告知システムの導入が一部小学校にて予定されていることは予算審査時に確認しましたが、これはあくまで限定的な対象であり、市全域にわたる災害時の情報伝達体制としては、まだ十分とは言えません。災害時の情報伝達は、住民の命と暮らしを守る上で極めて重要な役割を果たします。近年の自然災害の激甚化を受け、政府も、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策を推進しており、自治体においても多重的で確実な情報伝達手段の整備が急務とされています。そこで、このたびの質問では、災害時の情報伝達手段の信頼性、多重化の重要性、そして、今後の無線整備の方向性について伺いたいと思います。1点目に、災害時における現行の情報伝達手段の到達率と課題についてお伺いいたします。現時点で当市が採用している情報伝達手段、SNS、LINE、地デジ広報、防災情報提供サービスなどの到達率について、特に高齢者や障がいのある方々など情報弱者への対応も含め、どのように評価されているか、御所見を伺います。また、今回整備予定のIP告知システムによる放送が実際に住民にどの程度音声として届くのか、体感に基づいた評価と今後の課題についてもお聞かせください。次に、通信障害時における情報伝達体制と多重化の必要性についてお伺いいたします。大規模災害による停電や通信インフラの断絶に備え、江別市ではどのような通信手段の確保体制を構築しているのか、例えば、市職員や災害対策本部、避難所などの間でどのように情報をやり取りし、市民に伝えていくのか、現在の体制についてお伺いします。加えて、民間網に依存しない自営通信網の整備、広域に届きやすく通信障害にも強い無線通信手段の活用など、情報伝達手段の多重化について、市の御見解をお伺いいたします。3点目に、260メガヘルツ帯デジタル防災行政無線の導入に関する市の認識と将来的な方向性についてお伺いいたします。災害時における情報の伝達は、単に市民に向けて一方的に情報を告知するだけでは完結しません。現場では、行政職員や避難所担当者、消防団などの関係者同士が的確かつ双方向に情報をやり取りすることが初動対応の要となります。その際に極めて重要なのが、いわゆる移動系無線の存在であります。この移動系無線とは、通信機器を携行している関係者同士が個別かつ双方向に通話できる無線通信であり、避難所職員が災害対策本部に状況報告を行う、消防団員が被害状況を現場から逐次伝達する、職員間で避難指示の連絡や物資の配送手配を行うなど、特に、職員、消防団、避難所担当者間のような現場活動の連絡において有効とされています。こうした情報のやり取りが迅速かつ正確に行われることで、避難の判断や支援活動の円滑化につながり、ひいては市民の生命と安全を守る体制の構築に直結するものと考えます。この点で注目されるのが、260メガヘルツ帯デジタル防災行政無線の移動系利用であります。260メガヘルツ帯デジタル移動系無線は、電波法審査基準により市町村長のみに免許されている防災行政無線です。この無線については、総務省もガイドラインで活用を推奨しており、北海道内でも中頓別町や音更町、足寄町など導入を進めている自治体がございます。この無線は、電波の回り込み特性に優れ、地形の影響を受けにくいため、都市部だけでなく、郊外や農村地域においても安定した通信が可能で、災害時に自営回線として確実な連絡手段となります。さらに、IP網に依存しないため、停電やインターネット回線が不通となるような状況下でも、独立した通信手段として機能します。IP通信は平時に有効ですが、災害時には限界があるため、自営無線による多重化が不可欠であります。実際、中頓別町では、平成30年の北海道胆振東部地震の際に携帯電話やインターネットが不通となり、通信手段のほとんどを失いました。中継局の非常用電源が尽きた結果、僅か1日から2日でほぼ全ての通信が機能しなくなり、町役場と町民の間、さらには職員間の連絡さえ困難となりました。この教訓を受けて、中頓別町では、唯一使えた通信手段である簡易業務無線の限界を痛感し、自営の通信手段として260メガヘルツ帯デジタル無線の整備を急いだと町の担当者も語っております。このような実例に学ぶならば、江別市においても、平成30年の北海道胆振東部地震で経験したような大規模停電、通信障害に備え、職員同士が確実に連携できる移動系通信インフラの構築は喫緊の課題と認識しております。市民への一方向の情報伝達手段としての屋外スピーカーやSNS等の整備も大切ですが、災害現場での連絡、指示、報告といった実務的な情報伝達手段の確保もまた極めて重要です。260メガヘルツ帯デジタル防災行政無線は、その両面で活用が可能であり、特に移動系無線としての導入は、災害対応の即応性、実効性を飛躍的に高めるものと確信しております。これらの点を踏まえ、市として、260メガヘルツ帯デジタル防災行政無線の導入についてどのように認識されているか、また、今後の整備に向けた方向性についてお聞かせください。以上で、1回目の質問を終了いたします。
答弁 市長 後藤好人
奥野議員の一般質問にお答え申し上げます。私からは、防災行政無線の整備について御答弁を申し上げます。初めに、災害時における現行の情報伝達手段の到達率と課題についてでありますが、市では、情報伝達手段の多重化、多様化を進めてきており、登録者にメール、電話、ファクスを送信する防災情報提供サービスやモバイル端末に情報を発信する各種SNSや防災アプリケーション、また、データ放送を活用した地デジ広報、さらに、テレビ、ラジオへの避難指示等の発信が可能なLアラート、災害情報共有システムなど、様々な媒体を活用し、情報発信に努めております。令和6年版情報通信白書によりますと、令和5年時点でのインターネットなどに接続するための情報通信機器の世帯保有率は、スマートフォンで90.6%、モバイル端末全体では97.4%に及んでおり、防災情報提供サービスによるメールやSNS、防災アプリケーションなどによるモバイル端末向けの情報発信は、一斉に情報伝達をすることが可能な有効な手段であると考えております。また、情報通信機器を活用し必要な情報を得ることが難しい、いわゆる情報弱者への対応として、地デジ広報やLアラートのほか、防災情報提供サービスの電話、ファクスが有効かつ必要な情報伝達手段であると考えており、さらに、1人での避難行動が難しい方を支援する方々にも登録を促すことで、避難行動に直結する情報が伝達される取組を行っております。そのほか、伝達手段の多重化の一環として、特に緊急性の高い浸水想定区域にある5つの小学校において、IP告知システムと既存の放送設備を接続することで、災害対策本部が発信した情報を小学校の屋外スピーカーで周囲に伝達することができる設備の導入に向け、調整を進めております。この屋外スピーカーによる方式は、屋外で作業している方や登下校中の子供たちなど、スマートフォンや携帯電話を所持していない方に対し、避難指示等の緊急情報を迅速に、一斉かつ広範囲に伝達するプッシュ型の有効な手段であると考えております。一方で、屋内では、大雨や台風時などに音声が聞き取りづらいことなども懸念され、導入後においても効果を検証の上、必要な対応を図ってまいりたいと考えております。次に、通信障害時における情報伝達体制と多重化の必要性についてでありますが、大規模災害による停電や通信回線が途絶した際に、通信手段をいかにして確保するかは大きな課題であると認識しております。現在の市の連絡体制については、職員間や災害対策本部と避難所などとの情報伝達手段として、IP無線機や携帯電話の配備により通信手段を確保しており、平時から取扱訓練等を実施する中で、体制の構築を図っております。また、通信障害時等への対応として、電源回復のための移動電源車の手配や途絶した通信回線の早期復旧を図る必要があることから、有事に備え、通信事業者やインフラ事業者とは平時から情報交換を行うなど、連携体制の強化に努めているところであります。さらに、市民に対する情報伝達に関しては、総務省消防庁の災害情報伝達手段の整備等に関する手引きで、既存の災害情報伝達手段が使用できなくなった場合の対応として、サイレンの鳴動や広報車の活用などのほか、避難所に情報掲示板を設置するなどの対応が求められており、市では、これまでも取り組んできたところであります。いずれに致しましても、有事に備えた通信手段の多重化、多様化に努めることは、市の防災計画にも位置づけているとおり、その重要性は認識しており、停電や通信回線の途絶などを想定した際に、どういった手法が効果的か、他市の事例や国の施策などを踏まえ研究してまいりたいと考えております。私からの答弁は以上でありますが、このほかの御質問につきましては、健康福祉部長ほかをもってお答え申し上げます。
答弁 健康福祉部長 白石陽一郎
私からは、特定健診・がん検診の受診率向上について御答弁を申し上げます。まず、受診率の現状と課題についてでありますが、特定健診・がん検診の受診率は、コロナ禍の影響により、令和2年度に、特定健診は24.2%、胃がん、肺がんなどの5つのがん検診平均受診率は11.2%に低下しました。令和5年度、特定健診は28.2%、がん検診平均受診率は13.0%であり、令和6年度については、令和7年5月末速報値では、特定健診28.7%、がん検診平均受診率13.7%と、微増ながら改善が見られております。市では、コロナ禍以降、受診率向上に向けた取組として、集団けんしんの受診枠拡大や女性限定のレディース検診の充実、広報活動の強化、若い世代への周知などに取り組んでまいりました。広報活動の強化では、江別けんしんだよりのレイアウト変更によって、より分かりやすくする工夫に加え、ホームページやSNSを活用し、健診に関する情報を積極的に発信しております。これらの取組の結果、受診率は上昇傾向にあり、今後さらなる成果が期待できると考えておりますが、特定健診の対象者には、定期通院を理由に健診を受診していない方が多く見受けられ、健診の重要性について十分な理解が得られていないという課題があると考えております。次に、SIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)に対する認識についてでありますが、国では、ソーシャル・インパクト・ボンドは、民間資金を活用して社会課題解決型の事業を実施し、その成果に応じて地方公共団体が対価を支払う仕組みとされています。通常の委託事業では、自治体から示された仕様などに基づき民間事業者が実施し、委託料を支払う形ですが、ソーシャル・インパクト・ボンドでは、サービス提供事業者や中間支援組織などが連携して自らのアイデアにより取組を実施し、成果達成状況に連動して支払いが行われることから、自治体は財源を有効に活用できる点が特徴であります。自治体におけるソーシャル・インパクト・ボンド導入の意義としては、より高い成果の創出が期待できること、社会的課題を解決する手法の把握、検証ができること、成果志向の普及が期待されることなどが挙げられております。一方で、ソーシャル・インパクト・ボンド導入に当たっての課題と致しましては、適切な成果指標の設定や事業者の選定に加え、導入成果の維持、民間事業者による継続的な外部資金調達、事業を発展させていくための長期的な計画策定と関係機関との連携強化などが挙げられております。市と致しましては、ソーシャル・インパクト・ボンドは、従来の手法では解決が難しい政策課題について、民間のアイデアを活用して解決する一つの手法である一方で、導入後の事業継続性において課題があるものと認識しております。次に、ソーシャル・インパクト・ボンドの導入に向けた具体的な検討と可能性についてでありますが、先ほども御答弁を申し上げましたとおり、ソーシャル・インパクト・ボンドは、成果達成状況に連動して委託料の支払いが行われることから、財源を有効に活用できる一方で、適切な成果指標の設定や事業者の選定、成果の維持、外部資金調達、長期的な計画策定など、特に事業実施後の継続性に課題があると認識しております。市と致しましては、引き続き現行の取組の実施と評価を行うとともに、御提案の先進事例の調査研究も続けながら、より効果的な方法を検討してまいります。以上であります。
答弁 総務部調整監 野口貴行
私から、防災行政無線の整備についての御質問のうち、260メガヘルツ帯デジタル防災行政無線の導入に関する認識と将来的な方向性について御答弁を申し上げます。260メガヘルツ帯デジタル防災行政無線は、国が推奨する防災行政無線等の仕組みの一つであり、無線の基地局等を経由させることで、携帯型無線機や車両積載型無線機との通信が可能な自営通信網を形成する移動系無線であり、インターネット等とは異なる手法の通信手段となっております。また、屋外スピーカーや戸別受信機などの受信設備の整備を行うことで、同報系としても活用が可能であることから、有効な通信手段の一つであると承知しております。市の今年度における情報伝達の多様化の取組と致しましては、先ほど市長からお答えいたしました市内小学校におけるIP告知システムを活用した防災行政無線の整備のほか、指定避難所18施設に災害時に利用可能な特設公衆電話を整備することで、通信手段の確保に取り組むこととしております。市と致しましては、まずはこれらの取組の効果を検証するとともに、有効な通信手段の確保について研究してまいりたいと考えております。以上であります。
再質問 奥野妙子
それでは、2回目の質問と要望をさせていただきます。まず、SIBの活用についてですが、今回は、健診受診率の向上をテーマに取り上げさせていただきましたが、SIBは、健康分野に限らず、例えば就労支援ですとか学習支援といったほかの社会課題の分野にも幅広く活用されている実績がございます。行政と民間が連携し、それぞれの強みを生かしながら、住民の課題解決に向けて取り組むには非常に適した仕組みであると考えます。とりわけSIBの特徴は、民間事業者の創意工夫を最大限に引き出し、行政が単独では実現しづらい柔軟で多様な手法を導入できる点にあります。例えば、中札内村のフィットジャーニーでは、参加者に、おわったらカンパイコースといった楽しみの要素を取り入れるなど、民間ならではの発想が生かされており、こうしたユニークな取組が住民の行動変容を後押ししています。SIBは、成果が出た場合にのみ報酬を支払う成果報酬型の仕組みであり、高い成果が期待できるとともに、行政コストの効率化にもつながります。また、自治体・民間事業者・市民の三者にとってメリットのある三方よしの構造を持つ、現代の行政に適した手法だと考えます。もちろん、現時点で直ちに導入が可能とは申し上げません。しかしながら、現行施策が成果に限界を見せつつある中で、これまでとは異なる新しい視点と手法を積極的に模索する姿勢が今後ますます重要になると考えます。ぜひとも当市においても、市民の健康を守り、持続可能な医療体制を築くという観点から、SIBの活用について前向きに調査研究を進めていただくよう、強く要望いたします。次に、件名2、防災無線の整備についてのうち、3項目めの260メガヘルツ帯デジタル防災行政無線の導入に関する市の認識と将来的な方向性について再質問させていただきます。市内小学校へのIP告知システムの整備や避難所への特設公衆電話の配置など、災害時の通信手段確保に向けた取組については評価いたします。その一方で、私が申し上げております260メガヘルツ帯デジタル防災行政無線は、IP網や携帯通信網に依存しない独立した自営通信手段としての特性を持つ移動系無線であり、災害時の通信手段の多重化、冗長化を図る上で、極めて重要なインフラであると考えております。また、冒頭に申し上げましたが、政府は、6月6日、総額20兆円に及ぶ国土強靱化対策を決定し、うち10兆6,000億円をライフライン整備に充当する方針を示しました。これにより、緊急防災・減災事業債に代わる新たな防災インフラ整備財源の創設が見込まれ、今後の制度拡充にも期待が高まっております。こうした状況を踏まえれば、現時点で市内一斉の整備が難しいとしても、まずは避難所や災害対策拠点など優先度の高い地域から段階的に整備していく、現実的かつ実効性のあるアプローチが必要ではないかと考えます。そこで、改めてお伺いいたします。市として、今後、国の財源措置や制度動向を注視しながら、260メガヘルツ帯デジタル防災行政無線の具体的な導入可能性について、情報収集や試算、調査などを中長期的視点から段階的に進め、前向きな検討が必要と考えますが、改めて御見解をお伺いいたします。以上で、2回目の質問と要望を終わります。
答弁 総務部調整監 野口貴行
私から、防災行政無線の整備に関しまして、260メガヘルツ帯デジタル防災行政無線の導入に関する認識と将来的な方向性についての再質問に御答弁を申し上げます。先ほど御答弁を申し上げましたとおり、市では、今年度、市内小学校におけるIP告知システムを活用した防災行政無線の整備や指定避難所18施設に災害時に利用可能な特設公衆電話の整備を予定しており、まずはこれらの通信手段の取組の効果を検証することが必要と考えております。議員が御提案の260メガヘルツ帯デジタル防災行政無線といった方法のほか、衛星アンテナの活用など新たな通信手段も出てきておりますことから、国の財政支援の状況などを注視しながら、有効な通信手段の確保について研究してまいりたいと考えております。以上であります。
再質問 奥野妙子
それでは、最後は要望とさせていただきます。市として、今年度取組予定である施策の検証は重要であり、今後も段階的な検討が進められることに期待いたします。一方で、令和6年能登半島地震では、光回線の断絶や長期停電により、震度6強以上の地域で広範な通信障害が発生し、1週間後でも約3割の基地局が復旧できなかったという深刻な事例が報告されています。こうした現実を前に、自治体として自営型通信手段の確保は喫緊の課題であると考えます。特に、260メガヘルツ帯デジタル防災行政無線は、独立性、可搬性、災害時の即応性に優れた移動系無線であり、これに加えて、衛星通信やドローン型中継などの新技術と組み合わせることで、通信手段の多重化と強靱化が図られます。こうした多重化、統合、可搬性の強化は、今後の災害対応に不可欠であり、260メガヘルツ帯デジタル防災行政無線、衛星通信、ドローンの活用は、その中心的な役割を果たすと考えます。今後の通信インフラの整備、更新に当たっては、こうした手段を優先的に検討していただくよう要望いたします。以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。