江別市議会 令和4年第4回定例会 2022年12月6日
(1)HPVワクチンの接種について/(2)がん教育について
2022年12月6日、江別市議会の一般質問で、奥野妙子議員が「HPVワクチンの接種について」「がん教育について」について質問し、市長 三好昇、教育長 黒川淳司が答弁しました。
- 質問者
- 奥野妙子 議員
- 答弁者
- 市長 三好昇、教育長 黒川淳司
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
会議録の目次ではこの議員の件名が 2 件あります。1回の登壇で続けて質問しており、議事録の中に件名ごとの区切りが無いため、1件の中に並べています。件名は会議録の目次の表記です。
質問 奥野妙子
ただいま議長より発言の許可を頂きましたので、通告に従いまして順次質問させていただきます。初めに、HPVワクチンの接種についてお伺いいたします。女性の命と健康を守るため子宮頸がん予防として、定期予防接種であるHPVワクチンの周知義務について、令和2年第2回定例会で質問いたしました。今回は、今年4月からHPVワクチン接種を個別に呼びかける積極的勧奨が約9年ぶりに再開されたことに伴い、何点か質問させていただきます。質問するに当たり、まずは、積極的勧奨が再開された経緯やHPVワクチン接種について、改めて触れていきたいと思います。子宮の入り口付近にできる子宮頸がんは、20歳から30歳代の女性が発症するがんの多くを占め、国内では年間約1万1,000人がかかり、約2,800人が亡くなっていることは、以前の質問でも述べました。女性の命と健康を守るため、この数字を何としても減らしていく必要があります。江別市のホームページでも、子宮頸がんで苦しまないために私たちができることは、HPVワクチンの接種と子宮頸がん検診の受診の2つですとも強調されており、全くそのとおりだと思います。HPVワクチン接種は、子宮頸がんの主な原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぎます。HPVは、多くの女性が一生に一度は感染するとされるウイルスです。約9割の確率で自然に排除されますが、一部の人は子宮頸部などで感染が長期化しがん化します。主に性交渉で感染するため、若い世代のHPVワクチン接種が望ましいとされています。HPVワクチンは、WHOが接種を推奨しており、100か国以上で公的な予防接種として打たれています。日本では2013年4月から公費で賄う定期接種となり、小学6年生から高校1年生までの女性を対象に、市町村が実施主体となって原則無料で受けられるようになりました。ところが、接種後に全身の痛みなど副反応と疑われる報告が相次いだため、定期接種のまま、厚生労働省は同年6月から適切な情報が提供できるまで積極的な接種勧奨を中止しました。積極的勧奨の中止により、中止前には70%程度あった接種率は、2013年から2019年には1%未満まで大幅に減少しています。2021年11月、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会で最新の知見を踏まえ、安全性について特段の懸念が認められない、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると判断されたことから、厚生労働省が正式に再開を決めました。あわせて、勧奨差し控えで接種機会を逃した女性には、希望すれば公費で接種できるキャッチアップ接種も行われます。キャッチアップ接種の対象者は、勧奨差し控えの間に対象年齢を過ぎた1997年4月2日から2006年4月1日までに生まれた現在16歳から24歳までの女性で、2025年3月までの3年間無料で接種できます。公費補助がない場合、3回の接種で4万円から5万円がかかりますので、公平な接種機会を確保する観点からキャッチアップ接種を行うものであります。厚生労働省によると、HPVワクチンは16歳頃までの接種が最も効果が高いものの、それ以上の年齢でも有効性があり、明らかな安全性の懸念は示されていないとしています。HPVワクチン接種後に生じた体の痛みなど多様な症状を巡っては、厚生労働省専門部会が2017年4月に、厚生労働科学研究の全国疫学調査の結果を踏まえ、接種歴のない人にも同様の症状がある人が一定数いると確認いたしました。さらに同部会は同年11月、接種との因果関係に関する新しい質の高いエビデンス(科学的根拠)は報告されていないと判断し、その上で12月、接種後に生じた症状に苦しむ人に対して、寄り添った支援を引き続き行うべきだとしました。国は適切な診療を提供するため、47都道府県に84の協力医療機関を整備し、協力医療機関の医師向けの研修も年に一回程度開催されています。また、生活面の支援強化に向けて都道府県などに相談窓口も設けました。健康被害者の救済、寄り添った支援を進めていくことは必須です。国として子宮頸がんワクチンの副反応のメカニズム、治療方法の研究を進めていくよう、我が党の厚生労働部会でも強く求めていきます。このように、積極的勧奨の再開に向けては、接種後の問題に対して診療提供体制整備と、もう一つは、正しい情報提供の取組が前提にあります。HPVワクチンの安全性については、あくまでも科学的・客観的に評価されるべきものです。今回、最新のエビデンスで積極的勧奨が再開されることとなりました。積極的勧奨を再開した場合に、どれだけの女性の命を救えるかを推定した、北海道大学などの研究グループが2020年に発表した興味深い記事がありました。積極的勧奨の再開などにより、子宮頸がんによる死亡の80%を救えるというものです。研究では、英国、オーストラリアなどで子宮頸がん検診とHPVワクチンに関する政策を決定するときに利用する数理モデルを用いて、1994年から2007年生まれの女性に対する積極的勧奨中止の影響や、それ以降の出生を含む50年間、2020年から2069年までの影響を分析しています。積極的勧奨の中止によって、HPVワクチンの接種率が70%に維持された場合と比較して、1994から2007年の間に生まれた女性では、一生涯のうちに2万4,600人から2万7,300人が子宮頸がんを超過罹患し、5,000人から5,700人が超過死亡すると予測しています。また、2020年から2069年までの50年間で、合わせて5万5,800人から6万3,700人が罹患し、9,300人から1万800人が死亡すると推定しています。これに対して、これからの50年間で、ワクチン接種環境が急速に回復し、13歳から20歳までの女性の50%が接種を受けることができれば、80%以上の患者の超過罹患と、75%から80%の超過死亡を防ぐことができると推測されています。このような研究のほか、HPVワクチンの安全性に関しては、複数の研究結果を統合し、ある要因が特定の疾患と関係するかを解析するメタアナリシスという統計手法を用いて、エビデンスレベルの高い評価もされております。HPVワクチンの安全性は、10年以上にわたり、国内・海外で副反応疑いの報告を利用することで確認され続けています。ワクチンの接種は、常に副反応などのリスクと、がん軽減のベネフィット(有効性)の程度の差で判断されるものです。情報提供について、接種対象者が接種するべきか否かを検討・判断するためには、ワクチンの安全性・有効性を正しく知る機会が必要です。前回の質問での趣旨は、この正しい情報提供について市のお考えと対応をお聞きしました。日本では毎年多くの女性が子宮頸がんに罹患し、亡くなっています。情報を得られず不利益を被るのは、その地域の市民、対象者であり、情報提供がいかに大切かということです。情報を受け取って、自分たちで判断ができるところまでをどのようにサポートしていくかが、自治体の周知というところの重要な役割であり、現状の改善につながると期待するものであります。そこで、まず本市の積極的勧奨再開に伴う対応と現状についてお伺いいたします。1点目に、積極的勧奨再開に当たり、定期接種対象者及びキャッチアップ接種対象者への周知についてお伺いいたします。2点目に、今年度、直近までのHPVワクチンの接種状況についてお伺いいたします。次に、9価HPVワクチンについてお伺いいたします。HPVには多くの遺伝子型があり、ワクチンの種類によって効果が異なります。国内で承認されているHPVワクチンは、2価・4価・9価の3種類であり、現在、定期接種として受けられるHPVワクチンは2価と4価の2種類です。9種類のHPVをカバーできる9価HPVワクチンは、2020年7月から任意(自費)で接種可能になりました。それぞれは、感染を予防するHPVの種類が異なります。2価ワクチンは子宮頸がんの原因の約60%から70%を占めるHPV16型・18型に対して、4価ワクチンはHPV16型・18型に加えて尖圭コンジローマという性感染症の原因にもなるHPV6型・11型の4つの型に対して感染を予防します。9価ワクチンはHPV6型・11型・16型・18型に加えて、HPV31型・33型・45型・52型・58型に対しても感染を予防し、このうち52型・58型は日本人の子宮頸がんに多いと言われています。そのため、4価ワクチンのHVPカバー率は65.4%であるのに対し、9価ワクチンでは88.2%と大幅に上昇することが推測されています。高い感染予防効果があるとされる9価HPVワクチンについて、厚生労働省は2023年4月以降の早い時期から定期接種とする方針であることが報道されております。定期接種として新しいワクチンも使えるようになることは対象者にとっては、選択肢が増え接種を検討するための大変重要な情報だと思います。先ほど述べました、2020年に北海道大学などの研究グループが発表している内容を引用しますと、直ちに積極的勧奨が再開され、かつ9価ワクチンの承認により、12歳から20歳までの女性の接種率を2020年に50%から70%に回復できた場合、子宮頸がんの超過的死亡数の80%の命を救うことができ、積極的勧奨の再開が期待されると述べています。日本では、女子のみを対象に2価・4価ワクチン接種を行っていますが、欧米の先進国では、男女を対象に9価ワクチンの接種が実施されています。HPVは子宮頸がんだけではなく、肛門がん、中咽頭がんといった男性にも起こるがんの発症原因にもなることから、日本では2020年12月から4価ワクチンの男性への接種が承認されました。任意ワクチンとして現状、男性の接種は自費となります。男女やパートナー間の感染症でもあり、将来的には日本でも欧米のように男性も含めて9価のHPVワクチン接種を実施していくことも考えられます。以上を述べまして、3点目に、9価HPVワクチンの効果や安全性について市の認識をお伺いいたします。4点目に、9価HPVワクチンの定期接種化に伴う市の対応と対象者への周知方法についてお伺いいたします。2件目に、がん教育についてお伺いいたします。年間100万人ががんと診断され、国民の2人に1人が一生のうちに罹患するがんは、まさに国民病であります。前回、アピアランスケアについての質問でも触れましたが、がんは依然として国民の生命と健康にとって脅威である一方で、医療の進歩、早期発見・予防の重要性が認識されることなどにより、5年生存率は今や60%を超え、がんイコール不治の病ではなく、がんと長く共存する時代となりました。こうした時代とともにがんとの向き合い方も変化する中で、子供たちにがんの正しい知識を身につけてもらおうと、全国の学校現場でがん教育が広がっています。健康教育の一環として新学習指導要領に盛り込まれ、中学校では2022年度から、高校では2023度から全面実施されています。本格化するがん教育については、平成30年第4回定例会で齊藤議員が質問しております。当時の質問の要点と市の答弁を振り返り、改めて江別市のがん教育の取組についてお伺いいたします。1点目に、当市のがん教育の推進状況についてお伺いいたします。がん教育の推進については、2016年12月に成立した改正がん対策基本法において、学校や社会でのがん教育の推進が明記されました。これを踏まえ、政府が2018年3月に閣議決定した2017年度から2022年度までの第3期がん対策推進基本計画で地域の実情に応じて、外部講師の活用体制を整備し、がん教育の充実に努めると明記され、新学習指導要領にも盛り込まれました。がん教育はがん予防・がん医療の充実・がんとの共生、これらを支える基盤の整備の重要事項の一つとして位置づけられています。文部科学省の報告書では、学校におけるがん教育の基本的な考え方について、がん教育は、がんについて正しく理解する、また健康と命の大切さについて主体的に考えることができるようにすることを目標としており、大変重要な取組であります。そこで当市のがん教育の実施状況についてですが、平成30年の齊藤議員の質問に対して、当時の答弁では、平成29年度に小学校1校と中学校1校が北海道教育委員会のがん教育推進校に指定され、医師とがん経験者による出前授業を実施したとのことです。平成30年度には、小学校2校が北海道のがん教育出前講座の実施校に選定され、がん診療連携拠点病院の医師による講義が実施される予定であるとのことでした。また、市独自の取組としては、健康福祉部と連携して保健師等の派遣を受け、毎年度5校程度の小学校において喫煙予防教室を行っているほか、平成30年度からは、全ての中学校において生活習慣病予防教室を実施し、がんの内容についても学習しているとありました。文部科学省の平成29年度におけるがん教育実施状況調査での本市の状況については、全ての小・中学校でがん教育が実施されており、全国平均の56.8%に比べ、がん教育が進んでいる状況との答弁もありました。市独自の取組として、健康福祉部と連携して保健師等の御協力も頂きながら、推進されていることは評価いたします。その上で、授業の中身ですが、多くのことを子供たちに伝えるため、がん教育のみには特化できないのではと感じるところもあります。各小・中学校における年間の授業時間や授業内容など、当市のがん教育の推進状況についてお伺いいたします。次に、がん教育の在り方について、何点かお伺いいたします。先ほど述べましたが、第3期がん対策推進基本計画では、がん教育の充実に努めるとして、外部講師の活用体制を整備することが明記されました。授業の充実に向けて国は、医師など、がん医療に携わる人や経験者らを外部講師として活用することを進めております。がん教育の中で教材を配布し、がんの基本的な知識を身につけることは大切ですが、教員では伝えきれない専門的なこともあります。日常的に命と向き合ってきた医師やがん経験者などの外部講師が講演することで、患者の実体験などを学べ、病気の知識だけではなく命や健康について理解を深めることができます。外部講師を活用した実践例などでは、がん患者を支える緩和ケアチームで努める専従看護師の授業があり、患者や家族の苦しみに寄り添う心のケアを紹介し、周囲の人ががんを正しく理解することは、がんと闘う人たちの大きな支えになる。皆さんも、今日から誰かの支えになれると呼びかけるなどの講演を行っています。生徒は、多くの患者と向き合ってきた専門家が放つ、一つ一つの言葉に引きつけられ、熱心に聞き入っていたとのことです。授業後、女子生徒の一人は、話が分かりやすくて心に響いた。自分や家族の身に起こるかもしれないがんのことを、もっと知ろうと思うと話していたとの記事を見ました。がん教育を受けた子供は健康管理について考えるようになる上、家庭で話題にすることで、親世代のがん検診受診率が上がるとも言われています。当市でも平成29年度、平成30年度に医師とがん経験者による出前授業を実施したとのことですが、当時の答弁でも、がん教育実施状況調査における本市の外部講師を活用している学校は、小学校が4校、中学校が1校で、全体に占める割合が19.2%となっており、全国の12.6%よりも高くなってはいるものの、より一層の外部講師の活用を進めていくことが課題であると認識しているとのことでした。文部科学省が9月に発表した2021年度の調査結果によると、がん教育を実施する際に外部講師を活用した学校は、全国で小学校が7.6%、中学校が10.6%、高校が7.1%で、全体では8.4%にとどまっている結果でした。活用しなかった理由は、教師が指導したためが59.1%で最も多く、指導時間が確保できなかったが29.3%、適当な講師がいないが11.8%でした。さらなる活用に向けては、外部講師による授業のよさを広く周知するとともに、講師や指導時間を確保するための学校側への支援が必要となります。東京女子医科大学元がんセンター長の林教授の講演の中でも、外部講師の活用について、学校側が指導計画をつくり、事前に打ち合わせておくのが理想だと強調され、年間指導計画への位置づけや、教員と外部講師らがチームで授業を行うなど、地域が一体となった取組の必要性を訴えております。以上を述べまして、2点目に、当市で外部講師を活用したがん教育の実施による児童生徒の意識の変化について、お伺いいたします。3点目に、学校側の年間指導計画に位置づけが必要との指摘もありますが、当市の現状をお伺いいたします。4点目に、がん教育実施状況調査を活用しなかった理由の中に、適当な講師がいないとの回答がありましたが、北海道教育委員会では、がん教育外部講師リストを公表しております。市としても、このリストの有効活用が必要であると考えますが、現状をお伺いいたします。5点目に、外部講師の方々は医療関係者がほとんどであり、コロナ禍においてはオンラインを活用した授業が進んでおります。オンラインを活用できれば、市内のみならず遠隔地の外部講師を自由に選択できるメリットもあります。オンラインを活用したがん教育の授業を積極的に取り入れるべきと考えますが、市の御見解をお伺いいたします。以上で、1回目の質問を終了いたします。
答弁 市長 三好昇(市長は2023年3月まで)
奥野議員の一般質問にお答え申し上げます。HPVワクチンの接種に関しまして、まず、定期接種対象者及びキャッチアップ接種対象者への周知についてでありますが、市では国の通知に基づきまして、積極的な接種勧奨を差し控えてきたところでございますけれども、国ではワクチンの安全性や有効性、リスクに関する情報提供の方法について審議し、令和3年11月、最新の知見を踏まえ、HPVワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことや、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回るとの見解を示し、本年4月から積極的な勧奨を再開することとしたところでございます。これを受けまして、市では本年5月に定期接種対象者である中学1年生から高校1年生相当の方に対しまして、個別通知をしたほか、6月には、勧奨を差し控えたことによりまして接種機会を逃した方にも、キャッチアップ接種の個別通知を行ったところでございます。その際には、国が作成したリーフレットなどを活用し、子宮頸がんの現状や罹患する仕組み、ワクチンの効果やリスクについてお知らせしたほか、市の広報やホームページ等でも周知をしてきたところでございます。次に、HPVワクチンの接種状況についてでございますが、議員御指摘のとおり、国の積極的勧奨の差し控えによりまして、市内においても接種者数は大幅に減少し、令和元年度は11人、令和2年度は47人となりましたけれども、改めて公費によって接種できることを個別に通知した令和3年度は161人、積極的勧奨再開後の令和4年度上半期の定期接種対象者では106人、キャッチアップ接種対象者では169人となっており、年々、増加傾向にあると認識しております。次に、9価HPVワクチンの認識についてでございますが、子宮頸がんの発症に関連するHPVには多くの遺伝子型がありまして、より多くの遺伝子型に対応できるワクチンの接種が効果的であると言われております。国内で承認されているHPVワクチンは、2価・4価・9価の3種類でありますが、そのうち、現在定期接種として使用できるワクチンは、2価・4価の2種類となっております。御質問の、9価HPVワクチンにつきましては、国の審議会において、2価・4価ワクチンよりも多くの9種類の遺伝子型を標的とし、子宮頸がん等の罹患率や死亡率の減少が期待されること、また、その安全性については、4価HPVワクチンと同程度であるとされたことから、本年11月18日に、令和5年度からの定期接種化について了承されたところでございます。市と致しましては、今後、9価HPVワクチンに関する審議会の結論に基づく国の通知を踏まえまして、対応してまいりたいと考えております。次に、9価HPVワクチンの定期接種化に伴う市の対応と対象者への周知方法についてでありますが、市では、国の通知に基づきまして、令和5年度に定期接種対象者となる方に加え、令和4年度の定期接種対象者とキャッチアップ接種対象者のうち、接種を終えていない方に対しても、個別にお知らせする必要があるものと考えております。なお、周知に当たりましては、国のリーフレットなどを活用しながら、対象者や保護者が新たに追加された、9価HPVワクチンの情報を得られるよう、市の広報やホームページ等で、正確な情報を周知してまいりたいと考えております。私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、教育長からお答え申し上げます。
答弁 教育長 黒川淳司
私から、がん教育について御答弁申し上げます。まず、がん教育の推進状況についてでありますが、平成29年に改訂された学習指導要領において、がん教育は、小学5・6年生の体育の中で16時間程度行う保健分野において、がんについて触れるほか、中学2年生では、年間16時間行う保健の中で、がんについて取り扱うことが記載されております。こうしたことから、市内の小・中学校では、北海道と連携し、平成29年度から令和元年度まで、医師などによる出前講座を実施しております。さらには、市独自の取組と致しましては、健康福祉部の保健師と連携し、小学校では、喫煙予防教室の中で、喫煙を長く続けると、がんなどの病気にかかりやすくなることを指導し、中学校全校において、生活習慣病予防教室の中で、適切な生活習慣を身につけることが、がんの予防のためには大切であることを指導しております。なお、平成30年度からは、学校に配置した3名の看護師が、教員と連携しながら、児童の保健指導の支援にも当たっているところであります。次に、児童生徒の意識の変化についてでありますが、外部講師を活用したがん教育につきましては、先ほども御答弁申し上げましたとおり、小学校では喫煙予防教室の中で、中学校では生活習慣病予防教室において、養護教諭とも連携しながら、保健師が外部講師として指導しております。これらの指導を通じた児童生徒の意識の変化についてでありますが、昨年度の指導実施前と実施後のアンケート結果を比較しますと、喫煙予防教室では、たばこを吸いたくないと思う児童の割合は、88%から95%に向上しております。生活習慣病予防教室においては、バランスのよい食事にいつも気をつけようと思う生徒の割合は、28%から82%に、塩分を取り過ぎないようにいつも気をつけようと思う生徒は、28%から83%に、大人になってもたばこを吸いたくないと思う生徒も、85%から93%に向上しております。こうしたことから、教育委員会と致しましては、外部講師を活用した授業は、児童生徒の意識の向上に有効な取組であると考えております。次に、年間指導計画における位置づけについてでありますが、平成29年に改訂された学習指導要領では、小学5・6年生の、喫煙、飲酒、薬物乱用と健康の項目で、病気の予防について指導するよう定められており、喫煙はがんなどの病気にかかりやすくなることに触れるよう記載されております。また、中学2年生の保健の生活習慣病などの予防の項目で、健康な生活と疾病の予防について指導するよう定められており、がん予防には、適切な生活習慣を身につけることが大切であると記載されております。このように、がん予防に係る指導につきましては、小学校、中学校それぞれ、体育や保健の年間指導計画の中に含まれているところでございます。次に、がん教育外部講師リストの活用についてでありますが、平成28年に国が示した外部講師を活用したがん教育のガイドラインでは、外部講師リストの作成は都道府県教育委員会の役割とされており、現在、北海道教育委員会のリストでは、北海道がんセンターをはじめ、約40の医療機関などが掲載されております。また、このガイドラインでは、がんに関する科学的根拠に基づいた理解を狙いとする場合は、医療従事者が、健康や命の大切さを狙いとする場合は、がん経験者などによる授業が考えられるとしておりますが、留意点として、児童生徒の家族にがん患者がいたり、がんで家族を亡くした児童生徒がいる場合などは、配慮が必要とされております。市内小・中学校においては、令和2年度以降、新型コロナウイルス感染症の影響や、保健師による指導が行われていたこともあり、リストを活用した外部講師による指導は行われていないところであります。教育委員会と致しましては、外部講師の派遣について、これまでも学校へ情報提供してきたところでありますが、今後の活用につきましては、校長会と相談してまいりたいと考えております。次に、オンラインを活用した授業についてでありますが、令和3年度からのGIGAスクール構想の推進により、市内小・中学校では、一人一台端末と高速ネットワークが整備されており、現在、オンラインによる授業が可能となっております。オンラインを活用したがん教育の授業につきましては、遠隔地の専門家の授業を受けやすいことや、新型コロナウイルス感染症防止などのメリットがあり、対面授業には、講師と児童生徒とのコミュニケーションが取りやすいというメリットがございます。こうしたことを踏まえ、オンライン授業については、学校が授業内容などを総合的に勘案し、その実施について判断するものと考えております。いずれに致しましても、教育委員会と致しましては、オンライン授業も活用しながら、がん教育が実践できるよう、引き続き学校を支援してまいります。以上であります。
再質問 奥野妙子
御答弁ありがとうございました。それでは、2回目の質問と要望をさせていただきます。初めに、件名1HPVワクチンの接種についてのうち、4項目めの9価HPVワクチンの定期接種化に伴う市の対応と対象者への周知方法について、要望いたします。HPVワクチンの接種については、現状、勧奨再開により接種数は増えているものの、まだ接種を決めかねている方がかなりいらっしゃると思います。新しい9価HPVワクチンが定期接種で使用可能となること、その有効性や安全性などの情報は、接種を検討する上で重要な判断材料となります。このような情報を対象者がきちんと受け取り、本人や保護者で接種を受けるかどうかを話し合い、医師に相談し、選択していただくことが大切であると考えます。御答弁では、令和5年度に新たに定期接種対象者となる方に加え、令和4年度の接種対象者のうち、接種を終えていない方に対しても、個別にお知らせするなど丁寧な対応を検討されていることが分かりました。今後、国の通知を踏まえ9価HPVワクチンが定期接種として受けられるようになりましたら、速やかに、確実に御案内を実施していただくよう要望いたします。次に、件名2、がん教育についてのうち、4項目めのがん教育外部講師リストの活用について、再質問いたします。北海道教育委員会のリストにある講師は、ほとんどが医師か看護師であり、がん専門で携わっている方々です。また、がん患者団体などでつくる北海道がん患者連絡会がリストに載っており、協力しています。この連絡会は、授業で闘病体験を話す患者講師を養成する研修会を、2019年から毎年2回ほど開催している記事が北海道新聞に掲載されておりました。2022年10月末までの約3年間で計12回、授業に派遣されているとのことです。このように実際にがんに携わっている方の話を直接聴くためのリストを積極的に活用するべきと考えます。東京都八王子市教育委員会の事例を紹介しますと、子供たちへのがん教育推進のため、市内全小・中学校の校長を対象にした研修会で講演会を開催しています。講演会では文部科学省がん教育の在り方に関する検討会元委員の方が、自身の3度にわたるがん体験に加え、長男が小児がん(急性骨髄性白血病)で亡くなったことを踏まえて話をしています。講師として子供たちのがん教育に携わってきたことを紹介し、がんと命について学ぶことで生きることを学び、命の大切さが育まれ、がんと共に生きる人への理解を深めることができると強調、小・中学校におけるがん教育の重要性を訴え、実施を強く求めています。御答弁からは、教育委員会として、外部講師の派遣については、これまで学校へ情報提供はしてきたとのことですが、がん教育外部講師リストについては、今まで活用されていなかったと理解しております。今後の制度の活用については、校長会でも相談していただき、活用に向けて前向きに検討していく必要があると考えますが、改めて市のお考えをお伺いいたします。以上で、2回目の質問と要望を終わります。
答弁 教育長 黒川淳司
がん教育についての再質問にお答え申し上げます。がん教育外部講師リストの活用についてでありますが、先ほど御答弁申し上げましたとおり、現在、学校でのがん教育は、小学5・6年生の体育と、中学2年生の保健授業で行っております。また、保健師が外部講師となり、小学校では喫煙予防教室を、中学校では公益財団法人北海道対がん協会と連携して、生活習慣病予防教室を実施しております。これらの取組に加え、リストの外部講師を活用した授業を行うことは、限られた授業時数の中での工夫が求められるという課題はありますが、生徒が、医師などからがんの専門的な話が聞けるほか、がん患者であった方の経験に基づく話が聞けるといった効果も期待できます。いずれに致しましても、教育委員会と致しましては、リストにある外部講師を活用した授業は、有効な取組の一つであると考えますことから、今後、活用について校長会と相談してまいります。以上であります。