江別市議会 令和2年第3回定例会 2020年9月10日
(1)高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定調査について/(2)新型コロナウイルスに感染した方への誹謗中傷対策について
2020年9月10日、江別市議会の一般質問で、稲守耕司議員が「高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定調査について」「新型コロナウイルスに感染した方への誹謗中傷対策について」について質問し、市長 三好昇、健康福祉部長 佐藤貴史が答弁しました。
- 質問者
- 稲守耕司 議員
- 答弁者
- 市長 三好昇、健康福祉部長 佐藤貴史
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
会議録の目次ではこの議員の件名が 2 件あります。1回の登壇で続けて質問しており、議事録の中に件名ごとの区切りが無いため、1件の中に並べています。件名は会議録の目次の表記です。
質問 稲守耕司
ただいま、議長より発言の許可をいただきましたので、質問させていただきます。高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定調査に対する考え方についてであります。連日、報道等で話題になっています寿都町の高レベル放射性廃棄物最終処分場選定調査への応募ですが、北海道内全体で考えなければならない問題になっていると考えており、先日の新聞報道にもありましたけれども、全道の市町村長に対して、北海道新聞からアンケートが実施され、後志管内の寿都町の文献調査への応募の検討に反対の市町村長の多くも同じように、北海道全体で議論すべきだとの内容でありました。江別市も経済産業省発表の科学的特性マップに含まれていることからも、全く関係のない話ではないと考えていますので、高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定調査に対してどのように考えているのか、質問させていただきます。先月の8月13日に、調査への応募検討の報道が出てから、現在まで周辺自治体はもとより、北海道内各地から反対や撤回を求める声がさまざまな形で出されています。先ほどのアンケートの中で、文献調査に応募する意思に関しましては、全市町村長が、ないとの回答をされており、選定調査に応募の意思がないことは確認できましたが、江別市の回答に、北海道民、市民が暮らす環境を守るためとの内容が出ており、どのように暮らす環境を守るのか、具体的なお考えをお聞きしたいと思います。次に、科学的特性マップに対する考え方についてですが、2017年に、国が処分に適した場所を地図で示す科学的特性マップを公表し、その中で、江別市は輸送面でも好ましい最適地となっております。また、好ましい特性を確認できる可能性が相対的に高いという場所がほとんどを示していますが、この科学的特性マップを市ではどのように考えているのか、お聞かせください。次に、三つ目ですけれども、核のごみ問題に対する市長の考え方についてお伺いいたします。ここまで、後志管内の寿都町の高レベル放射性廃棄物最終処分場選定調査への応募の報道を発端とした核のごみ問題について質問してきましたが、この問題を考えるときに、まず考えなければならないことは、放射性廃棄物についてだと思います。なぜ、これほど処分地が決まらず、反対の声が大きいのか、高レベル放射性廃棄物に限らず、低レベル放射性廃棄物にも人体に害のある放射性物質の問題があるからだと考えます。まず、高レベル放射性廃棄物ですが、高レベル放射性廃棄物とは、核燃料を再処理する際に出る放射線レベルの高い廃液を高温のガラスと溶かし合わせ、固体化したものになり、製造直後では、表面の温度は200度となり、その放射線量は1,500シーベルトとなります。これを30年から50年の間、青森県六ヶ所村の六ヶ所高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターに貯蔵し、冷却期間を経て、最終処分場へと運ばれます。低レベル放射性廃棄物ですが、こちらは作業に使った手袋や換気用のフィルターを交換した際のものなどになり、放射線量はさまざまになります。ここでいう1,500シーベルトという放射線量がどの程度の放射線量なのかは、なかなか想像できないと思いますが、放射線量限度が法律で定められていますので、職業として放射線を扱う人以外は、1年間に自然放射線以外に受ける放射線量限度を国は年間1ミリシーベルト以下としておりますので、1,500シーベルトはその150万倍、約20秒で100%の人間が死に至る量という形になります。それ以外にも事故の多さがあると考えています。その中でも、東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故は、自然災害を理由に話されることも多いですが、予備電源が動かない、津波の高さの想定が甘かったなど、自然災害と人災の複合災害と呼べるものだと考えます。福島県での原子力発電所事故が大きいために忘れてしまいがちですが、茨城県東海村JCO臨界事故という、日本国内で初めて、事故被曝による死亡者が出た災害などがあります。それ以外にも、原子力発電所で作業される方の被曝の問題もあります。しかし、核物質の利用で決定的に忌避されることは、広島県、長崎県への原爆投下が最たることだと言えます。原爆投下により、核物質の恐ろしさを知りながらも、制御可能として平和利用のため原子力発電所がつくられましたが、その思いも、福島県での原子力発電所事故により、改めて対応を考えなければならない状況になっています。原子力発電所建設の当初からですが、過疎地や貧しい地域が建設の適地として選定されてきましたけれども、現在の核のごみ問題も同じように、財政の苦しい地方などにしわ寄せが向かいやすい状況にあります。2007年に、初めて文献調査を申し込んだ、江別市にもゆかりのある高知県に東洋町という町がありますが、ここでも、現在の寿都町と同じように、反対運動が起こり、最後は反対派が新しい町長になり、文献調査を撤回した経緯があります。しかし、町を二分するほどの騒動になり、現在でもしこりが残ったままだということです。先日の北海道新聞に、当時の高知県知事であった橋本氏のインタビューがありました。北海道民はこの問題とどう向き合えばいいのかという質問に対して、橋本元知事は、国は人口密度が低く、核のごみを排出する青森県六ヶ所村にも近い北海道が処分地として合理的と考えているのでしょう。何より、北海道内には幌延町と泊村がある。なので、核のごみの問題は、北海道として今後も背負い続けざるを得ない問題と言えます。北海道の皆さんには、いつ自分のまちに降って湧いてもおかしくない問題として、この問題に関心を持ってほしいと思いますとの言葉がありました。また、その町の当事者の話として、今もわだかまりが残っているのは、反対派と推進派がきちんと話し合う場を設けなかったことも原因だなどの話がありました。核のごみ問題は、さまざまな困難を乗り越える必要があると改めて感じています。しかし、今の話にもあるように、きちんと話し合う場を設けることが必要だとも感じていますが、今回の寿都町の文献調査の応募に際しては、拙速に進んでいきそうな状況の中にありましたけれども、北海道における特定放射性廃棄物に関する条例が一定のブレーキの役割を果たし、話し合いの場を設ける状況に向かわせたと感じているところでもあります。科学的特性マップでも、適地の中に含まれている現状を考えれば、何も起こっていない今の段階から議論ができる環境をつくっておくことが必要だと考えますが、核のごみ問題に対する市長の考え方についてお聞かせください。次に、新型コロナウイルスに感染した方への誹謗中傷対策についてです。まず、新型コロナウイルス感染症に対する正しい知識を促す取り組みの現状についてお伺いします。前定例会の一般質問の際にお聞きしたときの状況からは、感染予防の徹底は当然ですが、市内では小康状態にあり、第3波への対策を行いながら推移を見守っている状況だと思いますけれども、今後、冬を迎えるに当たり、新型コロナウイルス感染症はもとより、インフルエンザなどへの警戒が必要になってくると考えます。そこで、前定例会の一般質問で質問しました感染した方への誹謗中傷の対策についてですが、新型コロナウイルス感染症に関する基本的な知識について、年齢や施設の利用形態などに応じたわかりやすいパンフレットやポスターを新たに作成、配布するなど、新型コロナウイルス感染症について、正しい理解をしていただける取り組みを進めていきたいと考えているとのことでしたけれども、現在、どのような対策をとられているのか、お聞きします。次に、2項目め、新型コロナウイルス感染症における差別対策についてですが、現在も、北海道ではありませんけれども、クラスターが発生した学校に対する中傷や差別が起こるなど、感染された方への対策が十分に機能しているとは言えない状況が起こっています。不安からくる中傷や差別に対しては、継続的な対策や対応が欠かせないと考えていますが、先日、滝川市では、北海道内で初めて差別を防止する目的で差別防止宣言を宣言し、差別の対策を行ったと報道されていました。全国でも、宣言を行う自治体がふえていますが、ほかの自治体に追随する形でも、差別の対策は広く多く行うことで効果があると考えますけれども、江別市としては、今後の差別対策についてどのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。以上で、1回目の質問を終わります。
答弁 市長 三好昇(市長は2023年3月まで)
稲守議員の一般質問にお答え申し上げます。高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定調査に関しまして、まず、高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定調査に対する考え方についてでございますが、国は、平成27年5月、特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針を改定し、高レベル放射性廃棄物の最終処分は、将来世代に負担を先送りしないよう、国が全面に立って取り組むとの方針を示すとともに、国民や地域の理解を得るため、全国各地で説明会や対話活動を行うこととしたところでございます。高レベル放射性廃棄物は、将来にわたって生活環境に影響を与えないよう、地下深くの安定した岩盤に埋設して処分することとしており、最終処分地選定に当たっては、調査の最初の手続として、火山や断層活動などの地層の著しい変動がないことなどについて、机上において調査する、いわゆる文献調査を、市町村からの応募や、国からの申し入れを受諾した市町村を対象に行うこととしております。一方、北海道においては、平成12年に、北海道における特定放射性廃棄物に関する条例を制定し、本道の豊かですぐれた自然環境を守り、その環境を将来に引き継いでいくため、特定放射性廃棄物の持ち込みは受け入れがたいことを宣言しており、当市としても、この条例を尊重する必要があるものと考えております。また、当市は、平成29年に健康都市宣言を行い、市民一人一人の健康寿命を延ばし、安心して住み続けられるまちを目指すこととしており、そうした点からも、放射性廃棄物については、相入れないものであると考えております。いずれにいたしましても、高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定に当たっては、国の責任において、方向性を定めていくべきものと考えております。次に、科学的特性マップに対する考え方についてでございますが、国は、平成29年、最終処分地の選定に際して、地層処分の仕組みや日本の地質環境等について、国民の関心や理解の向上を図ることを目的として、科学的特性マップを作成し、公表したところでございます。科学的特性マップには、地層処分を行う上で考慮すべき火山活動や断層活動などについて、既存のデータや基準に基づき、全国を、好ましくない特性がある地域、好ましい特性が確認できる地域などの区分に色分けし、地層処分を行う際に、どのような科学的特性を考慮する必要があるのかが示されております。このマップにおいて、当市は、好ましくない特性がある地域、好ましい特性が確認できる地域、輸送面でも好ましい地域と市内の複数のエリアで異なった区分が示されておりますが、国においては、処分地の可否について、確定的に示すものではないとされております。市といたしましては、当マップの考え方については、国が科学的な情報を客観的に明示したものであると認識しております。次に、核のごみ問題に対する私の考え方についてでございますが、高レベル放射性廃棄物の処分に関しては、これまで、国において国民や地域の理解を得るため、全国各地でさまざまな説明会や対話活動を行っているものの、その安全性などについて確認されておらず、処分に係る国民的な合意がなされているとは言いがたい状況であると認識しております。また、北海道においては、北海道における特定放射性廃棄物に関する条例において、特定放射性廃棄物の持ち込みは受け入れがたいことを宣言しており、私としても、尊重する必要があるものと考えております。御質問の放射性廃棄物の処分場に関し、論議ができる環境をつくることについては、国の責任のもとで行っていくべきものと考えております。いずれにいたしましても、私は、まちづくりを行う上で、市民の健康を最優先すべきと考えており、高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定に当たっては、国の責任において、方向性を定めていくべきものと考えております。私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、健康福祉部長からお答え申し上げます。
答弁 健康福祉部長 佐藤貴史(健康福祉部長は2021年3月まで)
私から、新型コロナウイルスに感染した方への誹謗中傷対策についての御質問に御答弁申し上げます。初めに、新型コロナウイルス感染症に対する正しい理解を促す取り組みの現状についてでありますが、感染した方やその家族などに対する誹謗中傷は、未知のウイルスに対する不安が一因とも考えられ、その不安解消のためには、正しい情報を提供し、正しく行動していただくことが重要と認識しております。そのため、さきの令和2年第2回定例会の一般質問において、感染を理由に不利益を感じることがないよう、新型コロナウイルス感染症に関する基本的な知識についてのパンフレットやポスターを作成、配布するなど、より理解を深めていただける取り組みを進めていくと御答弁申し上げたところであります。御質問の取り組みの現状といたしましては、市ではこれまで、市民の皆様に正しく行動していただくため、感染予防について、市のホームページや自治会回覧、江別医師会と連携したポスターによる周知などを行っております。また、6月の小学校再開に当たりまして、低学年向けに、マスクの着用やソーシャルディスタンス、手洗いの重要性を伝えるリーフレットを作成し、配布したほか、学校においては、児童や保護者に対し、授業やお便りなどを通して、感染症を正しく理解することの大切さをお知らせしております。さらに、7月に開催された令和2年第3回臨時会において御承認いただいた補正予算では、新型コロナウイルス感染症を正しく理解することを目的に、市内小・中学生を対象としたノート形式のオリジナル啓発冊子を作成しており、この冊子は小学校低学年、高学年、中学生ごとに内容を構成したもので、10月をめどに教育委員会を通して配布する予定でございます。加えて、新型コロナウイルス感染症に関しては、報道やインターネットなどにおいて、さまざまな情報があふれておりますことから、市民の皆様に感染症を正しく理解していただくため、10月中旬に、感染症対策の専門家をお招きし、専門的見地からの講演会を予定しており、現在、開催に向けて準備を進めているところでございます。市といたしましては、今後におきましても、あらゆる機会を捉えて、感染症について正しい理解の周知に努めてまいりたいと考えております。次に、新型コロナウイルス感染症における差別対策についてありますが、差別対策の取り組みといたしまして、全国的には、感染者差別禁止を盛り込んだ新型コロナウイルス感染症に関する条例を制定する自治体があり、また、差別防止を目的としたものでは、北海道内では滝川市が令和2年8月24日付で、滝川市新型コロナウイルス差別防止宣言を行っております。国におきましては、9月1日に開催された新型コロナウイルス感染症対策分科会のワーキンググループにおいて、感染者などへの差別や中傷に関する対策が議論されております。また、北海道では、9月2日に開催された新型コロナウイルス感染症対策を検証する有識者会議におきまして、各委員から発言があり、人権被害に関する相談窓口を設置するなど、差別対策を積極的に進めることが求められております。市といたしましては、こうした国や北海道の動向を注視するとともに、先ほど御答弁申し上げましたとおり、不安解消のためには、市民の皆様に正しく情報を提供し、正しく行動していただくことが重要と認識しておりますことから、講演会や啓発資材の提供を初めとした、より理解を深めていただける取り組みを進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
再質問 稲守耕司
続きまして、要望と2回目の質問をさせていただきます。まず、高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定調査について、項目1の高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定調査に対する考え方について、2回目の質問をさせていただきます。原子力発電所政策は国策であり、その対応に限界があることは理解していますが、核のごみが大きく取り上げられている中で、江別市の将来を考えて今できる対策には、1回目の答弁にありましたけれども、北海道における特定放射性廃棄物に関する条例の宣言を尊重し、江別市としては、健康都市宣言をもって今後の対応策としていくという認識でよろしいでしょうか。続きまして、要望になりますけれども、核のごみ問題に対する市長の考え方についてですが、要望させていただきたいと思います。核のごみ問題に対する市長の考え方についてでありますけれども、安全性について確認されておらず、処分に係る国民的な合意ができていない状況にあることや、北海道においては、北海道における特定放射性廃棄物に関する条例において、特定放射性廃棄物の持ち込みは受け入れがたいことを宣言しており、市長としても、尊重する必要があるものと認識しているとの答弁をいただき、ありがとうございます。しかし、答弁の中には、国の責任においての方向性とあり、万が一にも核物質による事故が起こった際の対応は熾烈をきわめ、そのときに実際に対応するのは、自治体自身であることを考えると、国の役割を見きわめることは必要ですが、それとは別に自治体としての対応を明確に考えておくことも必要だと考えますので、これは要望とさせていただきます。続きまして、新型コロナウイルス感染症に関しまして、こちらも要望となりますけれども、新型コロナウイルス感染症における差別対策についてですが、他市の事例にありましたように、差別を防止する宣言を出している自治体がふえています。先ほどの答弁の中では、国においては、感染者などの差別や中傷に関する対策が議論され、北海道では、有識者会議において人権被害に関する相談窓口を設置するなど、差別対策を積極的に進めることが求められているとのことでした。差別とは、する側もされる側も、当事者になったときに初めて理解するということも少なくありませんので、1回目の質問と同じではありますが、差別の対策は広く多く行うことで効果があると考えますので、江別市として啓発活動の後押しとして宣言を出すことも一つの対策になると考えますので、ぜひ宣言を出すことを考えていただきたいと要望させていただきます。以上で、2回目の質問と要望を終わります。
答弁 市長 三好昇(市長は2023年3月まで)
稲守議員の再質問にお答え申し上げます。高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定についてでございますが、先ほどもお答え申し上げて、同じ答弁になって恐縮でございますけれども、北海道におきまして、平成12年に制定された北海道における特定放射性廃棄物に関する条例、これは持ち込ませがたいということでございまして、この考え方を尊重する必要があると思っております。また、先ほどもお答え申し上げましたけれども、当市は、平成29年に健康都市宣言を行い、市民一人一人の健康寿命を延ばし、安心して住み続けられるまちを目指していくとしております。このことからも、放射性廃棄物については相入れないと思っております。いずれにいたしましても、高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定に当たりましては、国の責任のもとに、方向性を定めていく必要があるものと考えております。以上でございます。