みんなの議会

江別市議会 平成26年第1回定例会 2014年3月10日

(1)業務継続計画(BCP)について/(2)障がい者等の安全対策について/(3)高齢者の救急情報について

2014年3月10日、江別市議会の一般質問で、裏君子議員が「業務継続計画(BCP)について」「障がい者等の安全対策について」「高齢者の救急情報について」について質問し、市長 三好昇、健康福祉部長 山田宗親、消防長 田中修一が答弁しました。

質問者
裏君子 議員
答弁者
市長 三好昇、健康福祉部長 山田宗親、消防長 田中修一

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

会議録の目次ではこの議員の件名が 3 件あります。1回の登壇で続けて質問しており、議事録の中に件名ごとの区切りが無いため、1件の中に並べています。件名は会議録の目次の表記です。

質問 裏君子

ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従い順次質問いたします。市政執行方針では、新しい総合計画、えべつ未来づくりビジョンの基本理念の一つに、安心して暮らせるまちを掲げています。そして、子供から高齢者まであらゆる人が健康的に安心して暮らせるように、生活する上でのさまざまな不安を解消して、安全・安心を確保することが必要とあります。そのことを踏まえて、初めに業務継続計画(BCP)の策定について伺います。本年1月17日、阪神・淡路大震災の発生から19年を迎えました。その惨禍は、さまざまな教訓を残しました。その一つに、大規模な災害や事故に備えて策定する業務継続計画(BCP)の重要性があります。BCP、ビジネス・コンティニュイティー・プランとは、もとは経営コンサルタントの用語で、仕事を短時間で回復させる準備のことを言うそうですが、自治体や企業が自然災害、大火災の緊急事態に遭遇した場合、損害を最小限にとどめ、事業の継続・早期復旧を可能とするため、平常時に行うべき活動や、緊急時の事業継続のための方法、手段等を取り決めておく計画をいいます。自治体は、大災害が発生した場合、的確な応急対策を迅速に進めつつ、優先すべき行政機能を確保しなければなりません。そのための対応システムや必要な準備・方針などをあらかじめ決めておく計画が求められています。東日本大震災の発生後、民間企業での策定は加速していますが、日本政策投資銀行の調べによりますと、自治体はまだ約7割が未策定とのことです。緊急時にどれだけの職員が確保でき、業務を担当できるのか。神戸市では、多くの職員が阪神・淡路大震災の被害に遭い、発災当日は41%の職員しか出勤できませんでした。住民の生命・生活や財産、そして都市機能の維持に重大な影響を及ぼす問題は何なのか。災害発生後は、時間の経過に伴い優先業務は刻々と変わりますが、それが把握できているのか。計画づくりを進めると、さまざまな課題や取り組みの不備が浮き彫りになってまいります。そこで質問の1点目ですが、当市においても、昨年新たな地域防災計画が見直され、策定されました。その中の地震災害対策編の第2章第13節に、災害応急対策を中心とした業務の継続を確保するため、業務継続計画の策定に努めるとあります。行政として、市の業務に係るBCPを早急に作成するべきと考えますが、現状と今後の予定についてお伺いいたします。次に、市内事業者へのBCP策定支援の取り組みについて伺います。東日本大震災の災害によって被害を受けた企業の中には、緊急事態に備えてBCPを策定していたことで早期復旧を果たした事例があります。BCPに関しては中小企業庁が策定指針を公表しており、引き続き策定の促進に取り組んでいます。2011年6月、帝国データバンクが意識調査を行ったところ、東日本大震災の前までにBCPを策定していた大企業は21.5%、一方、中小企業は6.5%と3倍以上の差がありました。未策定の理由は、ノウハウがない(策定方法がわからない)が最多で、自社には不要という回答は、大企業は23.9%であるのに対し、中小企業は35.3%と10ポイント以上の開きがありました。東日本大震災で、多くの企業が事業停止もしくは事業の縮小を余儀なくされました。そのことが、被災していない企業にも大きく影響を及ぼしており、一旦災害等が発生すると、その影響は広範囲に及ぶものと考えられます。つまり、災害で直接影響がなくても事業が中断する可能性を想定しておく必要があるということです。一度大きな被害を受けた企業は、事業再開もしくは再建を検討するには、ゼロから立て直しを始めなければならず、そのコストははかり知れません。さらに、企業活動が停止することで、生活の基盤である仕事を失い、地域にも大きな打撃を与えます。そのような意味でも、今後、企業の防災、事業継続への取り組みをどのように考えるかが重要なテーマになってくると言えます。BCPは、中小企業庁が公表している策定指針を参考に、それぞれの地域に見合った内容を策定しなければ、その有効性が失われます。災害の想定は地域ごとによって異なります。また、企業の業種・業態により、策定する内容も異なってきます。したがって、行政が地元の事業所のために、BCP策定を支援する必要があると考えます。さらに、さきに紹介した帝国データバンクの調査で、ノウハウがない(策定方法がわからない)という理由でBCPが未策定という結果から見ても、地方行政として、策定支援の実施が急務と考えます。また、BCPの策定は、災害のためだけではなく、取引先や市場からの評価が向上するなど、企業にとってさまざまなメリットがあります。そして、地域経済を守り、地域の雇用を守ることにもつながります。以上のことから、市内事業所のBCP導入促進の迅速な取り組みが必要と考えます。2点目の質問として、市内事業所のBCP作成の現状と本市における作成支援の取り組みについてお伺いいたします。次に、障がい者等の安全対策について伺います。障がいや難病を抱えた人が必要な支援をカードにあらかじめ記入しておき、緊急時や災害時などの困った際に提示して周囲に支援を求めるヘルプカードを作成、配布する動きが全国の自治体に広がりつつあります。ヘルプカードは、本人が持ち歩くことで、いざというときに必要な支援や配慮を周囲の人にお願いするためのカードです。その意義は、本人の安全・安心、家族や支援の方の安全・安心、そして情報やコミュニケーションのツールとして、また、障がいに対する理解を普及するというものです。例えば、災害の場面での発生のときや避難時、緊急の場面でのパニックや発作・病気のとき。日常の場面では、手助けを必要とするときなど周囲からのスムーズな支援が可能となり、日常的な不安を取り除く効果があるものです。特に、聴覚障がいや内部障がい、知的障がいなど、一見、障がい者とはわからない方が周囲に支援を求める際に有効で、実際、役に立った事例が報告されています。東京都では、平成24年10月末、標準様式を定めたガイドラインを区市町村向けに策定し、この様式に基づいてヘルプカードを作成する自治体には、平成26年度まで年間250万円を限度とするカード作成のための補助金を交付しています。一部の自治体では、これまでもそれぞれに独自のカードを作成していましたが、一般的に認知度が低く、広く都内全域で使えるようにと、今回、統一した様式を設けました。これは、自閉症の子供がいる母親から相談を受けた議員がヘルプカードの普及を提案し、標準様式の策定を強力に推進してきたことが結実したものです。以前、NHKの番組でも、東京都の取り組みの中で、災害時、知的障がいのある人が助けを求められず、集団の中で孤立する危険があることについて紹介されていました。内容は、東京都葛飾区にある知的障がい者のための事業所のことでしたが、そこではおよそ50人が就労を目指した訓練を行っており、その利用者のうちほとんどの方は電車やバスで通っています。管理者の方は、東日本大震災を通して、障がい者自身が支援を求めることの難しさを痛感したとのことでした。震災が起こったとき、この施設にいた障がいのある女性がすぐに帰宅しようとしました。でも電車が止まり、かわりに乗ったバスも渋滞に巻き込まれてしまい、それでも助けてくださいと周りの人に言うことはできず、気づいた乗客の人が、かわりに携帯電話で状況や場所を事業者の人に伝えて、自転車で迎えに来てもらったそうです。何もできないまま6時間、家に帰り着いたときは深夜になり、一歩間違えれば帰ることもできず、何らかの事故につながった可能性もあったとのことでした。そして、知的障がいのある人は周りからはわかりにくく、発見が遅れて助けてもらえないということが多いのではないかと訴えていました。一方、既にヘルプカードを使い始めたという菓子工場で働いている方は、知的障がいがあり、急な状況の変化に対応することが苦手で、そのお母さんも、一人でいるときに災害にあったらパニックになってしまうのではないかと不安だったとのことでした。ヘルプカードには、名前や連絡先のほか、配慮してほしいことの記入欄があり、ゆっくり話をしてほしい、目から入る情報がとても早いですなどと記入され、いざというときに自分から提示できるように、お母さんとカードを提示する練習を行っているとのことでした。以上のように、障がい者の安全の取り組みとして、障がい者の理解を深め、つながりのある地域を目指すためにも、障がいや難病を抱えた人が持ち歩くヘルプカードを当市でも作成し配布してはいかがでしょうか。お伺いいたします。最後に、高齢者の救急情報についてお聞きします。前回も高齢者を見守っていく仕組みづくりについて質問させていただきましたが、高齢化に伴い、認知症の方も増えていく状況にあり、高齢者施策は今後の大きな社会的課題となっています。平成23年9月に、三重県鈴鹿市で救急情報ネックレス事業というのが導入されました。これは円滑な救急活動に寄与するべく、高齢者が安心と安全を図るため、災害時要援護者台帳に登録されているひとり暮らしの希望者に対し、救急情報がわかるネックレスを配布し、ふだんから身につけて安心していただくというものです。このネックレスは身につけやすさを考慮し、肌ざわりがよく、入浴時にも外さずにつけておけるシリコン製を素材としています。ネックレスには番号が印字されており、その人の個人情報やかかりつけ医、最新の医療情報、また緊急連絡先等が登録され、消防本部だけが情報管理する仕組みになっており、迅速で円滑な救急医療につながる命のネックレスと呼ばれているそうです。導入の背景には、東日本大震災の発生がありました。収容避難所では多くの被災者が医療支援を待っており、全国の医師がボランティアで診察に訪れましたが、医療チームが高齢者を診察しても、日ごろの服用薬がわからずに処方に手間取るといったケースが目立ちました。その上、別の医療チームからの情報の引き継ぎがうまくできないなど、現場での問題も明らかになりました。さらに、せっかく助かった命であるにもかかわらず、被災者の医療情報がわからずに手当てが遅れてしまうこともありました。このような実態が明らかになる中で、ひとり暮らし高齢者の救急時の対応や安心で安全な救急体制の確立を調査研究され、救急情報ネックレスの結論に至ったとのことでした。鈴鹿市の事例として、配布者の1人が喫茶店で倒れた際に、着用していたネックレスの登録番号からかかりつけ医の医療情報を照会し、円滑な救急搬送に結びつけることができたということがあり、外出時の救急対応という観点から、外部から容易に判別できるネックレスは有効であると考えます。また、外出先において対象者の意識がなく倒れていたり、話ができない状態の場合でも、この制度が広く周知されていれば、ネックレスを着用していることから、通報時点で登録者であることがわかり、登録情報を有効に生かすことができると思われます。当市では、これまでも相馬議員が救急袋の導入を質問、推進してきた経緯がございますが、さらに救急情報ネックレスは外出先において医療情報が把握できるということが大きなポイントであり、今後は認知症で徘回癖のある方への装着などでも期待でき大変有効と考えます。そこでお伺いいたしますが、1点目として、鈴鹿市で始まったネックレス式でのこの見守りシステムのように、救急情報ネックレスを導入することについて、もしくはそれにかわるような新たな対策への取り組みについて、2点目として、屋外での救急発生時に高齢者の医療情報把握に係る現状と課題についてお聞かせください。以上で1回目の質問を終わります。

答弁 市長 三好昇(市長は2023年3月まで)

裏議員の一般質問にお答え申し上げます。私からは、業務継続計画(BCP)につきまして、お答え申し上げます。まず、市の業務に係る業務継続計画(BCP)策定の現状と今後の予定についてでありますが、全国的に東日本大震災を契機にその重要性が再認識され、市といたしましても、地域防災計画の見直しを行う中で、BCP策定に関する取り組みの必要性を新たに明示したところであります。災害発生後においては、災害対応及び優先度の高い業務を実施することが求められており、BCPはその具体的な措置について計画として定める必要があるものと認識しております。市では、これまで地震や水害などの大災害を想定した防災訓練や、自治会等と連携した避難所運営訓練、市職員の災害対応図上訓練など、初動対応を中心に各種訓練を実施してきたところであります。今後は、市の通常業務の再開・継続についての対策を講じるため、地域防災計画に定められたBCPを策定する段階に来ているものと考えております。こうした考えのもと、先進自治体の取り組みを調査するとともに、BCPの策定に向け庁内各部局との協議を進めてまいりたいと考えております。次に、市内事業所のBCP作成の現状と市としての作成支援の取り組みについてでありますが、現在、市内の各事業所におきましては、一部の企業を除きBCPが策定されていない状況であります。東日本大震災では、経営者と連絡がとれない状況や、従業員が5割しか出社できずに事業の停止や倒産に追い込まれた例など、事業再開の時期などに大きな影響を与えたことが明らかとなっております。このようなことから、江別市におきましても、市内の事業者が災害の影響をより小さくし、早期に事業の再開を進めるための手だてとして、BCPの策定を促進していくことが重要であると考えております。今後におきましては、中小企業庁が作成している中小企業BCP策定運用指針の紹介並びに関連する研修会や講習会等の情報提供を行うほか、江別商工会議所や江別工業団地協同組合等の市内経済団体と連携したセミナー開催など、BCPの策定につきまして、市内の各事業者に働きかけをしてまいりたいと考えております。私からの答弁は以上ですが、このほかの質問につきましては、健康福祉部長ほかをもってお答え申し上げます。

答弁 健康福祉部長 山田宗親(健康福祉部長は2014年3月まで)

私からは、障がい者等の安全対策についてほかについてご答弁申し上げます。初めに、障がい者等の安全対策についてでありますが、耳や言葉が不自由な方が日常生活の中で必要な支援を伝える手段としては、NTTグループが作成しているお願い手帳、お願いカードがあるほか、障がいを示す各種マークがあります。議員ご質問のヘルプカードは、障がいのある方などが災害時や日常生活の中で困ったときに支援を求める手段として、東京都が平成24年10月に示した標準様式に倣い、都内のいくつかの自治体で作成しているものです。カードには、氏名、緊急連絡先のほか、障がい・病名、血液型、かかりつけ医などが記載され、聴覚障がい者や内部障がい者など、一見障がい者とはわからない方が周囲に支援を求める際に有効とされております。一方、このヘルプカードは、援助を必要とすることを周囲に知らせることで、意図せず、個人情報を第三者に伝えてしまう可能性があり、導入している東京都の市や区では、掲載情報を最小限にしていることで、十分な支援を受けられない、本人の意識がない場合にカードの有無の確認が難しい、カード紛失時に個人情報流出等のリスクがあるなど、多くの課題があると承知しております。いずれにいたしましても、市民の安全・安心を確保することは重要であることから、こうした状況を踏まえ、当市に最もふさわしい手法について検討してまいりたいと考えております。次に、高齢者の救急情報についてのうち、救急情報ネックレスの導入についてご答弁申し上げます。救急情報ネックレスは、三重県鈴鹿市において、東日本大震災での実態をもとに、津波等の大規模な災害への備えとして導入に至ったと聞いているところであります。救急情報ネックレスは、身につけやすさや、登録番号で管理する仕組みにより、個人情報保護などにも有効でありますが、個別の救急対応に活用するためには、常に最新のデータを一元管理する必要があり、システム導入やその管理にかかるコスト的なことなど、課題があると聞いております。なお、市においては、まずは、要援護者の把握と管理システムが重要であると考え、平成26年度には、そのためのシステムを導入することとしたところであります。いずれにいたしましても、市といたしましては、要援護者の把握とシステムを活用した高齢者を含む救急対応の充実に引き続き努めてまいります。私からは以上であります。

答弁 消防長 田中修一(消防長は2016年3月まで)

私から、高齢者の救急情報についてのうち、高齢者の医療情報把握に係る現状と課題についてご答弁申し上げます。救急現場では、傷病者の意識、呼吸、脈拍などを確認し、血圧や体温の測定を行うなど全身状態を観察し、その結果に基づき適切な応急処置を施して、症状に応じた最善の医療機関へ搬送を行っているところであります。自宅に救急袋などの安心カードがある場合は、さらにその医療情報を参考として活用しているところであります。そこで、議員よりご質問のありました屋外での救急発生時の高齢者の医療情報把握につきましては、先ほどご説明したとおり、救急隊員の観察結果に基づき、常に最新の全身状態を把握する必要があることから、医療情報の収集に努め、的確に対応しなければならないところであります。今後におきましては、救急現場における活動が円滑に行えるよう、より最新の医療情報把握の仕方や仕組みなどについて検討してまいりたいと考えております。私からは以上であります。

出典:江別市議会 平成26年第1回定例会 2014年3月10日 議事録 PDF(1ページ) 間違いを知らせる