網走市議会 令和4年第2回定例会 2022年6月22日
インボイス制度について
2022年6月22日、網走市議会の一般質問で、松浦敏司議員が「インボイス制度について」質問し、観光商工部長 伊倉直樹、農林水産部長 川合正人が答弁しました。
- 質問者
- 松浦敏司 議員
- 答弁者
- 観光商工部長 伊倉直樹、農林水産部長 川合正人
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 松浦敏司
次に移ります。インボイス制度についてです。2023年10月からインボイス制度がスタートします。既に受付は始まっていると聞いています。今年になってからインボイス制度の対象範囲が明らかになる中で、関係する団体などで不安の声が上がっております。消費税の納税方式とインボイス制度について、まず伺っていきたいと思いますが、インボイス制度そのものはどういうものかといえば、取引内容や消費税率・消費税額などを記載した請求書・領収書を発行し保存しておく制度であります。別名「適格請求書等保存方式」とも呼ばれております。税務署から割り振られた登録番号の記載が必要となります。インボイス制度が導入されると、免税事業者(年間売上が1,000万円以下)は、一つに免税事業者のまま事業を続ける、二つに、インボイス登録をして課税事業者になるのいずれかの選択が迫られるというふうに言われています。市は、このインボイス制度によって市内の事業者にどのような影響が出るというふうに考えているのか、認識について伺います。
答弁 観光商工部長 伊倉直樹(観光商工部長は2024年12月まで)
インボイス制度導入による市内事業者への影響についてですが、インボイス制度導入後、6年間の経過措置はありますが、これまで免税事業者だった方は免税事業者を続けるか、インボイス登録をして課税事業者になるか選択しなければならないため、免税事業者が最も影響を受けるものと思われます。課税事業者の場合、免税事業者の取引は仕入税額控除ができないため、利益率や資金繰りに影響が出ることが懸念されると考えます。そのため、免税事業者が引き続き免税事業者のままでいる場合、課税事業者から取引を敬遠されるおそれがあり、売上げが減少する可能性が考えられます。また、免税事業者が課税事業者になる場合、経理事務などの業務負荷やコストが増えることも想定されるところであります。
質問 松浦敏司
私、多分2年ぐらい前だと思うのですけれども、質問でこのインボイスの問題を取り上げたことがありますが、その時点の頃はまだこれほどまで広範囲に広がる、対象となる業者が広がるというふうな認識はあまりありませんでしたけれども、やはり今年になっていよいよ具体的になってくると、様々なところにその影響が出るということがわかってまいりました。この制度というのは、消費税法でいう年間1,000万円以下の免税事業者、フリーランスもそうですけれども、そういった人たちに対して課税を課すというような制度だというふうに認識する必要があると思います。そこで、次に、シルバー人材センターへの影響について伺いたいと思いますが、網走市のシルバー人材センターの会員数というのは、令和3年度末で285人と聞いております。以前は300人を超えていたこともあったけれども、近年は雇用の延長や定年延長で減少しているとも聞いております。シルバー人材センターの会員が登録し働く目的について、当初の状況と現在では目的が大きく変化しているのではないかというふうに私は思うのですが、その点見解を伺います。
答弁 観光商工部長 伊倉直樹(観光商工部長は2024年12月まで)
シルバー人材センターの変化についてですが、まず会員数の状況ですけれども、令和2年度までは300人以上を維持しておりましたが、令和3年度末は285人でした。入会と退会の状況ですが、退会される方は体調不良や高齢によるもののほか、家庭の事情、ほかへの就職など様々ですが、毎年ほぼ同程度の人数が退会されていると伺っております。入会につきましては、様々な要因はあると思いますが、減少をしており、基本的には60歳になられる方の自然減と民間企業の定年延長による雇用の延長や人口減による人手不足に伴う雇用機会の増加により、他の職場で働く人が増えていることなどが要因と考えております。シルバー人材センターは設立以来、高年齢者の希望に応じ臨時的で短期的な業務や軽微な業務に関して、就業の機会を確保し、希望する高年齢者層に対して提供することによって、その就業を援助し、高年齢者の生きがいの充実、社会参加の推進を図ることによって、高年齢者の能力を生かした活力ある地域社会づくりに寄与することを目的としており、この目的は現在も変わることなく全国共通のものとなっており、近年になって入会される方の目的が大きく変わってきている認識はない状況でございます。
質問 松浦敏司
大きく変わってはいないということでありますが、私のあくまでも印象ですけれども、このシルバー人材センターができた当初はまだ定年が60でありましたし、自由になった身で趣味や特技を生かして、ボランティア精神で少しでもお役に立てたい、健康のためにもというような言い方で一定の余裕というのを感じられるような環境ではなかったかなというふうに思っています。現在は、年金は毎年のように下がってきているという状況やガソリンをはじめとする生活必需品の値上がりというのも続いて、生活には以前からすると余裕、ゆとりがなくなってきている、こういう環境の変化があるのだというふうに思っています。その意味では、少しでも収入を増やしたいというふうに思っている会員さんもいるのではないかと推察するところです。次に質問移りますが、現在、市の関連施設でのシルバー人材センターからの請負業務は、どれぐらいの業種で何名働いているのか。また、会員で最高収入の方でどれぐらいあるのか、平均的な収入はどれぐらいなのか伺います。
答弁 観光商工部長 伊倉直樹(観光商工部長は2024年12月まで)
市の関連施設の雇用等の状況についてですが、シルバー人材センターの会員が行っている業務は請負となっており、会員それぞれが事業主として業務を請け負っているため、雇用関係になく、そのため会員の業務終了は終業と呼び、受け取る対価は賃金ではなく配分金となっております。シルバーの就労には会員ができる限り等しく社会参加できるよう制限が設けられているため、一つの職に対して複数人でローテーション体制を取るなどの方法で請け負っているため、一つの職場に3人といった場合も3人が同時に就業しているのではなく、1日の中で午前、午後とか、週2日ずつの交代とか、1週間ごとの交代というような体制になっております。市からは、施設の清掃や管理、草刈りなど、36業務を発注しており、就業しているシルバーの会員の実人員は92人と聞いております。また、シルバーの会員全体の平均収入につきましては、令和3年度は約36万9,000円で、最高収入はおおよそ100万円から120万円程度と伺っております。
質問 松浦敏司
わかりました。インボイス制度は、今答弁にあったように、平均的収入でいえばおよそ37万円程度とあっても消費税を納める義務が生じると。市の関連施設で36種、92人というようなことでありますが、実にシルバー人材センターの会員の3分の1が市の関連施設で働いているということになるのだろうと思います。そういう意味では、非常に重要な役割を果たしているのだなというふうに思いますが、そこに課税することとなると、結果として労働意欲が薄くなるのではないかというようなことや、シルバーの会員もやめる人も出るのではないかというふうに私は心配しているのですが、その点での見解を伺います。
答弁 観光商工部長 伊倉直樹(観光商工部長は2024年12月まで)
シルバー人材センターの会員は、インボイス制度開始によって消費税の納税対象者となるわけではなく、現状でも対象者でありますが、年間の取扱額が少ないため、免税となっており、制度開始後もこの点に変更はなく、1,000万円以下の課税売上高の場合は、これまでと同様に免税事業者になると認識をしております。現実的には、会員が課税事業者を選択する可能性は極めて低いものと考えており、就業において大きな変化はないものと考えております。
質問 松浦敏司
これまでと変わらないというような答弁だと思いますが。次に移ります。インボイス制度導入が来年の10月からいよいよ始まるということでありまして、消費税の対応は現在の取扱いとどのように変わっていくのか、この点について伺います。
答弁 観光商工部長 伊倉直樹(観光商工部長は2024年12月まで)
インボイス制度導入によるシルバー人材センターの消費税の対応ということでございますが、現在会員が就業に際して受け取っている配分金には消費税が内税として含まれている状況でございます。消費税制度においては、小規模事業者への配慮として、年間課税売上高が1,000万円以下の事業者は消費税の納税義務が免除されており、会員は免税の個人事業主になっております。現状、センターは発注者から受け取った料金に含まれる預かり消費税から会員への配分金に含まれる消費税を控除して、消費税を算出しており、これが同額であるため、税が発生しません。インボイス制度導入後は、会員が適格請求書の発行事業者にならないことが多いと想定され、その結果、これまでのように仕入れに係る消費税を控除できなくなるため、センターの納める消費税が発生するものと思われます。また、センターは、公益社団法人であるため、収支相償の原則から剰余金の発生、黒字や将来資金の積立てなどが認められず、毎年収支均衡または赤字という状態のため、インボイス制度導入によって発生する消費税の負担をすることは困難なことから、全国シルバー人材センター事業協会では、現行制度を維持するような特例制度について、国や都道府県議会等に要望している状況と伺っております。
質問 松浦敏司
そうですね。そのように私も聞いています。今答弁にあったように、シルバー人材センターそのものは公益社団法人ということでありますから、利益を上げるための組織ではないということであります。かといって、会員さんから消費税をもらうかといえば、それもまたできない。言わば、八方塞がりの状態になっていると、現時点では。担当の厚生労働大臣もこのシルバー人材センターだけを特例にするわけにはいかないような答弁も議会の中ではしているようであります。しかし、いずれにしても、このインボイス制度を延期あるいは中止を求めている団体が多くいます。例えば、日本商工会議所、全国中小企業中央会、日本税理士会連合会、全国青色申告連合会など、たくさんの団体がこれに反対、あるいは中止を求めているということでありますから、あらゆる方法を使って現状維持をするための行動というのが求められているというふうに思います。世論を高めるということが必要だと思います。次に、免税事業者であっても、取引先の関係で全ての事業者がインボイスの対応を迫られることになります。例えば、居酒屋さん、これが免税業者でも、接待で来た場合、お客さんが番号のついた領収書をくださいと求められたときにどうするかといえば、それに応えるにはインボイスに登録をしなければならない点があります。さらには、文房具店、小さな文房具店であってもお客さんからインボイスを求められたら、それは出さざるを得ないことになるというようなことがあります。結局のところ、免税事業者であってもインボイス登録をせざるを得ないことに追い込まれてしまうと。税法上は消費税を納めなくてもいいというふうになっているのに、消費税を納めなければならないという、非常に矛盾した形になってしまいます。市として、国に対して中止もしくは凍結を求めるべきだというふうに思いますが見解を伺います。
答弁 観光商工部長 伊倉直樹(観光商工部長は2024年12月まで)
インボイス制度導入の目的は、取引に係る正確な消費税額と消費税率を把握するための制度と認識をしているところでございます。しかしながら、シルバー人材センターのように、事業運営に支障を来すケースも考えられることから、実情に即した特例的な措置などの対応が必要と考えます。インボイス制度の導入に当たっては、北海道市長会をはじめ全国の各支部から全国市長会へ、シルバー人材センターへの新たな税負担が生じることがないよう、適切な対応を求める要請が出されており、個別具体的には課題があることは受け止めさせていただきます。市といたしましては、引き続き、国の動向に注視し、情報収集に努めてまいります。
質問 松浦敏司
まさしくシルバー人材センターは連合会としても国に特例を設けるように要請しているということで、先ほども言いましたけれども、なかなか厚労大臣は渋っているというようなこともあるようですが、ただ聞くところによると、一部の業界では特例として認めているというふうにも聞きます。であれば、なぜシルバー人材センターのような公益社団法人、こういったところにこそ優先して特例を設けるべきだというふうに思うのですが、それはなっていないということは非常に私は残念に思います。そういう意味では、先ほども言いましたけれども、世論を大きくしてこの特例をさせるというような取組が必要だというふうに思っております。次に移ります。次に、第一次産業の影響についてであります。第一次産業は近年の燃油高騰で大きな打撃を受けている中で、農業は今年6月からの肥料の価格が約倍近い値上げが行われる状況です。インボイス制度は、農業、漁業者など第一次産業へも影響があると聞いています。市として、第一次産業へはどのようなところに影響が出ると考えているのか認識について伺います。
答弁 農林水産部長 川合正人(農林水産部長は2023年12月まで)
インボイス制度の一次産業への影響についてでありますが、まず農業では、農業者とJAとの間の取引につきましては、無条件委託方式、共同計算方式の2つの要件を満たす委託販売の場合、いわゆる農協特例によりまして、農業者の適格請求書発行義務を免除し、JAが発行する適格請求書により買手が仕入税額控除を行うこととなっていることから、新たな負担は生じないということとなっております。また、漁業につきましても、同様に卸売市場特例によりまして、漁業者の適格請求書の発行が免除となっております。このため、網走市の一次産業の農業、漁業については、今のところ大きな影響はないと考えております。
質問 松浦敏司
なるほど。取りあえずわかりました。民法上は任意組合への影響として、農業では任意組合、機械利用組合、転作組合、生産組合などの名義で事業者等へ直接販売を行っている場合や任意組合で農作業の受託を行っている場合がありますが、この場合、法人格のない任意組合が適格請求書発行事業者として登録できるか否かがポイントになるというふうに言われておりまして、任意組合が適格請求書を発行するためには、構成員全員が適格請求書発行事業者で、かつ業務執行組合員などの代表者が税務署に届出をしなければならないと、このようになっております。そうなると、農業者はインボイス制度の対象となるのではないかと。これまで消費税の納税義務がなかったところに新たな納税の義務が生じるのではないかというふうに思うのですが、この利用組合が課税対象となることへの認識と対応について伺います。
答弁 農林水産部長 川合正人(農林水産部長は2023年12月まで)
利用組合の取扱いについての認識と対応についてでありますが、当市の農業者は農業機械経費の負担軽減や労働力負担軽減、また肥料などの共同購入のための利用組合などに加入しておりますが、利用組合を経由した経理を行う上で農業者が機械利用料など仕入控除をするためには、利用組合自体がインボイス発行事業者となる必要がありまして、これには利用組合員全員のインボイス登録が必要となります。これまでも利用組合では、消費税につきましては適正な経理を行っておりまして、また、当市の農業者のほとんどは課税事業者であることから大きな影響はないものというふうに考えております。しかしながら、制度内容の理解と導入後の取扱いについて、混乱が生じるおそれもあることから、農協、農民同盟は関係団体と協力をしまして、今月中に説明会を開催して制度の周知と理解を図ることとしております。
質問 松浦敏司
今、答弁の中でほとんどの農家がという答弁だったというふうに思うのですが、網走の各機械利用組合などにおいては、免税事業者はいない、全員が課税事業者になっていると、こういうふうに認識していいのでしょうか。ほとんどという言葉があったものですから、その辺確認したいと思います。
答弁 農林水産部長 川合正人(農林水産部長は2023年12月まで)
利用組合のほとんどがということで、全員が課税事業者かということでありますが、網走の機械利用組合の利用者で課税事業者でない方は数名いるというふうにも聞いております。その対象の方につきましては、現在農協中央会、農民同盟で課税事業者と免税事業者のメリット、デメリットについて、先ほど申し上げた説明会とは別に農業者と個別に協議をするというふうに聞いております。いずれにしましても、農業者、利用組合の双方に不利益が生じないように取り進めていくものというふうに考えております。
質問 松浦敏司
不利益を講じないようにといっても、免税者の場合は明らかに消費税の対象となれば不利益を講じると。あともう一つ私は心配するのは、網走市も新規就農者を募集したりして、そして支援もしているということでありますが、新規就農者が来て仕事を始めて、そして機械利用組合に入ったとなると、まずその方は免税ではなくなりますよね。免税であるけれども、利用組合に入ることによって対象とされると、課税の対象とされるというふうになるのではないかと。その場合、そういうことも考えられるのですけれども、その場合どんなふうに対応になるのでしょうか。
答弁 農林水産部長 川合正人(農林水産部長は2023年12月まで)
新規就農者がどういうことになるのかということでありますが、まず免税事業者1,000万円以下から非課税や課税事業者への変更にしていくことがまずは必要になると思います。そこで、1,000万円以下であるということであれば、その中で運用の中で利用組合の中には、そこにはまずは所属しないで別のところから利用組合の機械を利用するような対応も取っていきたいということも聞いておりますので、そういうところもいろいろな運用を考えながらやっていくというふうに聞いております。
質問 松浦敏司
日本の農業を守るためにもぜひ不利益にならないような形にしていってほしいと思います。