浦幌町議会 平成23年第2回定例会 2011年6月17日
アイヌ政策について
2011年6月17日、浦幌町議会の一般質問で、差間正樹議員が「アイヌ政策について」質問し、町長 水澤が答弁しました。
- 質問者
- 差間正樹 議員
- 答弁者
- 町長 水澤
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 差間正樹
まず初めに、アイヌ政策について質問いたします。アイヌ政策について、3点ほど質問させていただきます。まず第1点、私たちアイヌは、北海道の先住民としてのアイヌ民族と自負しておりますが、このことは認めているのでしょうか。第2点、日頃よりアイヌ協会浦幌支部に対するご協力に感謝しておりますが、今後の私たちアイヌに対する政策はどのように考えているのでしょうか。もう1点、私たちは過去、そして現在、いろいろな差別を受けて、そのことで親子、係塁に差別が及ぶのを恐れて、自分がアイヌであることを隠して生活しているものが大勢おります。地元で生活するのをあきらめ、都会に逃げるようにして出ていくものも大勢おります。私はそんな中で、仲間と相談したり、法務局に相談に行ったり、いろいろな努力をしてきたつもりですが、この差別をなくすということで、このような状況の原因は私たちにある訳ではなく、差別をする社会そのものにあるのではないか、そう思い至ったわけであります。私たちはもちろん、いろいろ発信をしながらこれからも生活していくことになりますが、このような社会を是正するために、言葉を変えて言いますと、民族差別をなくすために、どのような方策があるのでしょうか。この3点について町長にお伺いいたします。
答弁 町長 水澤(町長は2023年3月まで)
差間議員のご質問にお答えします。アイヌ政策についてでありますが、平成 19 年9月に先住民族の権利に関する国際連合宣言が国際連合総会で採択され、国際連合における先住民族に関する議論が一定の結論を見ました。さらに、平成 20 年6月には衆議院及び参議院において、アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議が全会一致で採択されました。政府は、同決議を受け、政府としてもアイヌの人々が日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住し、独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族であるとの認識のもとに、これまでのアイヌ政策をさらに推進し、総合的な施策の確立に取り組む考えを示しました。1点目の北海道の先住民たるアイヌ民族を認めているかについてでありますが、町としても衆議院・参議院で決議されたとおり、アイヌ民族が先住民であると認識しているところであります。2点目のアイヌに対する政策についてでありますが、北海道アイヌ協会浦幌支部の組織活動の支援や社会的、経済的に安定した生活が送れるよう生活相談員を配置し、相談体制の充実を図るとともに、就学支援、通学援助、住宅資金貸付事業などを今後も引き続き実施してまいります。また、伝統文化を広く町民が理解するためのアイヌ伝統文化講座等の開設に取り組み、伝統文化の保存継承の支援を実施してまいります。3点目のアイヌを差別する社会の是正についてでありますが、アイヌ民族が築いてきた歴史・文化について、小中学校の教育課程や伝統文化保存継承事業等を通じて、アイヌ民族やアイヌ文化が尊重される地域づくりを進めてまいります。以上、差間議員の答弁といたします。
質問 差間正樹
私も非常に聞きにくいことを聞いている立場上、今の町長の答弁には本当に敬服し、感謝申し上げます。ここで一つ、私たちに対する認識の、時間的な差についてご質問いたします。今、町長の説明にもありましたように、私たちの歴史は 1988 年、昭和 63 年当時、北海道ウタリ協会はアイヌ民族に関する法律を国に求めました。政府は、ウタリ対策のあり方に関する有識者懇談会で議論を進め、1997 年、平成9年、アイヌ文化振興法が成立いたしました。この中身は、私たちの要求とはほど遠く、極めて文化に限定されていて、経済的な基盤は何一つ認めようとしない法律が出来上がったのであります。このことに関しまして、当時の理事長、新しく出てきた理事長、ずいぶん私たちの前で議論をいたしました。私たちアイヌ民族の中でもずいぶん議論がありましたが、国の政策として決定された以上、従うのはやむを得ませんでした。その後 2007 年、平成 19 年、先住民の権利に関する国際連合宣言がまとめられました。同年 12 月、私たちの住むこの浦幌町議会においても、アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会の設置を後押しする意見書を政府、衆議院、参議院、両院に提出することを全会一致で決めていただきました。2008 年、平成 20 年6月6日には、衆議院、参議院、両院でアイヌ民族を先住民族とすることを求める決議がなされました。政府のそれに対する返答は、これは少し時間が遅れますが、時代はそのように移っていったはずです。ところが、私たちの住むこの浦幌町においては、十勝の中でも帯広に次ぐアイヌの人口を有している地区であります。白糠、釧路には及びませんが、それでも私たちの仲間はたくさんこの地域に住んでおります。その浦幌町で、110 年式典において、町長が私たちのことをアイヌ族とおっしゃいました。私は最初、ミスプリントだと思いました。ところが、祝典が始まって、町長のあいさつが進行しまして、その段になりますと少しどまづきましたが、町長もはっきりと私たちのことをアイヌ族とおっしゃいました。私はその場を退席いたしまして、後ほど総務課において、これはどういうことですかとお伺いいたしましたところ、行政としてそういう言葉を使っていると言われました。やはり、私たちはこの浦幌町に住んでおりながら、社会がいろいろ進んでおりながら、その行政と、世界全体とのギャップを常に感じながら生活してまいりました。そこで、いま一つお伺いいたします。もう決して、先住民族たるアイヌ民族という呼称については何の疑いも持たないで使っていただくことを、今、もう一度、確認いたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
答弁 町長 水澤(町長は2023年3月まで)
式典の際、呼び方に不遜があったということであれば、大変、心からお詫びを申し上げたいと思います。今、差間議員が言われたとおり、国会の決議、そして衆参両議院の決議がありました。政府としても当初、先住民族かどうかは答えることができないという声明を発しておりましたけれども、そのうち、国連決議、また衆参議院の決議を受けて先住民族であるということを、明確に認識しているということを申し上げております。私どもとしましても、アイヌの皆さんが先住民族であると認識のもとに、今後とも町政を進めてまいりたいというふうに思っておりますし、そのことについては、政府とまた考え方を一致するものであるというふうに思っています。
質問 差間正樹
ただいまの答弁、大変ありがとうございます。本当に思いますと、私たちの親、その親たちがなめた辛酸と比べれば、今の時代は私たちに向かって風が吹いていると理解しております。現にこの浦幌町においては、まだ我々は発信しておりませんが、国、北海道を中心にして私たちが住んでいることによっていろいろな補助政策、助成政策がどんどん生まれてきております。私たちのこの十勝においても、上士幌町を中心に新たな設備をつくるよう、これは大きな土木工事を伴い、大きな金額を伴って行われる事業が、今、推進されようとしております。そこで考えますと、私たちの住む浦幌町は、十勝川の南部に位置しております。これは音別町から、およそ大樹町までかけて湖沼地帯、いろいろな自然形態をもっております。この自然形態を利用して、私たちとともに浦幌町が歩んでくれるならば、大きな公共事業を伴って、大きな計画が動き出すことも可能であります。私たち自身が、そのことについて発信していかなければならない責任がありますが、これからは私たちも浦幌町の皆さんとともに手を携えて、私たちの文化が過去あったのだ、これからもこうしてアイヌとともに浦幌町が発展していくのだということが理解されるのであれば、いろいろな計画を私たちのほうから申し出る用意がございます。この点についてもう一度、浦幌町長にお尋ねいたします。私たちは、何とか浦幌町と一緒にやっていきたいという思いがありますが、浦幌町については、この点はどうでありましょうか。ひとつ、よろしくお願いいたします。
答弁 町長 水澤(町長は2023年3月まで)
ただいまの質問に対しましては、町としては具体的なものは持ち合わせていないと言いますか、今、初めてお聞きしているわけでありますから、その内容についてわからない中で、断定的に答えることはできないというふうに思います。