浦幌町議会 平成27年第4回定例会 2015年12月13日
町民憲章にアイヌの記述を
2015年12月13日、浦幌町議会の一般質問で、差間正樹議員が「町民憲章にアイヌの記述を」について質問し、町長 水澤、総務課長 大山、副町長 鈴木、教育長 久門が答弁しました。
- 質問者
- 差間正樹 議員
- 答弁者
- 町長 水澤、総務課長 大山、副町長 鈴木、教育長 久門
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は会議録の目次の表記です。
質問 差間正樹
それでは、通告に従い、質問いたします。町民憲章にアイヌの記述を。幕末期以降、明治時代に入ってもですが、日本が対外国の関係で国境を確定していった経過の中で、諸外国では対外的な問題と対国内、当該地、資源ほか種々の問題に関して住民と話し合いをしたり、彼らとの間で条約をも結んだりしていたようです。ところが、日本政府は、この自国内先住民の問題は特に権利の部分は全く棚上げにし、日本では全く抜け落ちております。一度の条約もアイヌとの間で結ぶこともなく、なし崩しに雪崩のように開拓民が北海道各地に入ってきました。故萱野茂エカシが私たちは土地を売った覚えも貸した覚えもないといった言葉を残しておりますが、それはこの部分についてであります。これは、決して過去の問題ではありません。当然なされるべきことがいまだになされていない。まさに現在に残されている問題であります。私は、この問題を考えるためにも、町民の中に、もうアイヌ民族はいないだとか、アイヌ民族に土地を与えたのだとか、それは過去の問題で、未来志向でいきましょうとか、そういった間違った理解が進まないよう、浦幌町民憲章にアイヌモシリのこと、アイヌ民族のことをはっきりと記述する考えはないかお尋ねします。
答弁 町長 水澤(町長は2023年3月まで)
差間議員の質問にお答えします。町民憲章へのアイヌ民族の記述についてでありますが、本町の町民憲章は町民憲章制定委員会による数回にわたる審議を重ねる一方、有識者、町民一般の意見も聞きながら、委員会の決定を得て町議会で可決され、全町民の生活信条を表現し、未来に向けた豊かな人間性を養い、培い、心をつなげるため、昭和44年に制定されたものであります。ご質問の町民憲章へのアイヌ民族の記述についてですが、先住民として独自の文化と歴史を築いてきたアイヌ民族について、先住民族の権利や尊厳、文化を次の世代、未来の子どもたちに引き継ぐために本町の最上位計画である浦幌町まちづくり計画の基本構想では、アイヌ住民福祉対策の充実として、社会的、経済的に安定した生活を送れるよう、生活相談の充実と生活環境の向上のための諸制度の活用推進、浦幌アイヌ協会の組織活動、固有の生活文化、伝統の保存、継承を支援するとともに、アイヌ民族に対する誤った理解を排するため、関係機関、団体と連携しながらアイヌの人たちが築いてきた歴史、文化の理解の促進に務めることとしてこれからも進めてまいります。町民憲章が全ての町民の心のよりどころであることから、アイヌ民族に限定した記述にすることは考えておりませんので、ご理解願います。以上、差間議員への答弁といたします。
質問 差間正樹
質問いたします。まず、浦幌町民憲章、これは今お答えにありましたように昭和44年6月5日公布になっております。制定の趣旨でございます。開基70年を記念して、私たちの町にも心のよりどころとなる町民憲章をと書いております。これ私の認識の間違いでなければ、この憲章は現在もこの文章も生きているのでしょうか。
答弁 総務課長 大山(総務課長は2017年3月まで)
ただいま質問ありました関係についてお答えさせていただきます。町民憲章に係ります制定の趣旨ということで、今言われました開基70周年を記念してという部分については、ご指摘のとおり今現在もこういう形で載ってございます。
質問 差間正樹
質問は、なるべく通告に従い、やることにしておりますけれども、もし外れたら失礼ですが、この趣旨の内容ですが、私たちは町の100周年記念のときに、その当時は北海道アイヌ協会浦幌支部ということで町に申し出をしております。開基という言葉は使ってほしくないということで、私たちはこの広い北海道、ちょっとしつこくなりますけれども、アイヌモシリ、これは人間の静かな大地、この中で私たちはずっとこの土地を守ってきた。認識の違いはあると思います。個人的な土地の所有の意識がなかったとか、いろんなことはありますけれども、その中でいまだにこういった文章がそのまま使われているのでしょうか。このことについてご質問いたします。どう考えているか。
答弁 総務課長 大山(総務課長は2017年3月まで)
今質問がありましたけれども、開基100年のときですか、そういうご指摘を受けたということも聞いてございます。その中で、その後町におきましては平成11年に開町記念日という形で条例を制定させていただきました。それにつきましては、100年の町を機にして記念日を明文化するということで、開基ではなくあくまで開町という形で条例を制定させてもらって、現在については基本的に開町記念日という形を使わせていただいております。以上です。
質問 差間正樹
条例でありましたら、必ずこういう部分については修正というのがされると思うのですけれども、これは修正しないでこうきたのだけれども、この考え方はないというのか、それともいずれこの部分について修正するということなのか、質問いたします。
答弁 副町長 鈴木(副町長は2019年3月まで)
ただいまの議員のご質問についてお答えをさせていただきたいと思います。先ほどの町長の答弁にございましたとおり、町民憲章の制定にかかわりましては、昭和44年に制定されたという中にありましては町民憲章選定委員会によって審議が重ねられたと、その中で開基70年を記念したということの経過があると、これは当時のそういった制定の趣旨ということになっておりますので、ただ先ほども総務課長のほうから答弁ございましたとおり、開町100年の式典に当たりましては6月5日を開町記念日とした中では、開町という位置づけのもと進めていこうということでこのことについては定めてきたということでございます。あくまで町民憲章選定委員会による経過を踏まえた中でこの趣旨がなされているということで、この経過をもって現在の町民憲章ということになっておりますので、ご理解いただきたいと思います。
質問 差間正樹
言葉にこだわって大変申しわけないのですけれども、私たちの国は国連に対しても私たちの国には先住民はおりませんと、また私たちの国の政治家は私たちの国は単一民族国家ですとか、そういった認識があったことは確かでございます。ただ、昭和44年、西暦に直して考えて、そのほうが勘定しやすいものですから、1969年、そうであったとしても、これは逐一自分たちのつくっている文章なりなんなりをチェックしていくべきではないでしょうか。この言葉の問題、もう一度質問いたします。こういったことではあるけれども、現在開町という認識で進めておりますということは、この部分については今のところ訂正するつもりはないと言っているのか、もう一度確認いたします。
答弁 副町長 鈴木(副町長は2019年3月まで)
ただいまのご質問にお答えをいたしたいと思います。先ほどの中でもお話をさせていただきましたけれども、町民憲章選定委員会がその審議を重ねてきたという中にあって、選定委員会の尊重という部分もございます。そして、町民憲章におきましても趣旨説明をした中で議会の議決も得たという経過がございます。そういった中では、町民憲章選定委員会の尊重と町議会の議決の尊重と、こういった面での経過がございますので、昭和44年に制定された中での趣旨としてはそれがなされているということでの町民憲章と捉えておりますので、よろしくご理解いただきたいと思います。
質問 差間正樹
制定委員会によって審議重ねたといっても、町議会で議決を得たといっても、浦幌町議会自体がアイヌ民族を先住民族と認めるように国に意見書も出しております。そういった中で、歴史的にも、時間の経過から考えても、今は隔世の感というのですか、私たちの国には先住民族がいるのだと、それは世界でも認めてくれております。国連の人種差別撤廃委員会でも、繰り返し繰り返し日本政府に勧告もしております。1989年、1957年、2001年、去年の2014年9月、このときも勧告をしております。これは、とりもなおさず私たちの国には先住民族がいて、なおかつ日本政府は先住民族に対して国連の先住民族の権利宣言で定められた憲章について守っていないのではないか、こういったことで、はっきり言えば権利を認めなさいということなのです。無理なことがございます。土地の権利を幾ら認めろと言っても、現在住んでいる方々に出ていってもらって、私たちが昔いたように、そういう社会にまたしなさいなんていうのは誰も考えていないと思うのですよ、私たち自身も。ただ、考え方として、先住民族がこうして日本にいるのだから、それに沿った政策で町の行政が進んでいく、これは当たり前のことだと思うのです。国連の人権規約委員会が言っていることは、決して過去のことではないのです。現在の日本のことを言っているのです。私は、言葉尻をつかまえるようですけれども、この町民憲章の制定の趣旨ぐらいはもう一度制定委員会なり、この町民憲章は私は町民のためにも考え方のためにも必要だと思いますので、この部分について変えましょうという、そういった考え方が町から発信されてもいいのではないでしょうか。どうでしょうか。
答弁 町長 水澤(町長は2023年3月まで)
差間議員の一般質問の内容については、アイヌ民族の記述ということでありましたので、それに対して答弁をさせていただきました。町民憲章は昭和44年に制定したということでありますから、今からいえば72年前に制定をした憲章であります。その当時アイヌ民族に対するそういう考え方ということ自体がないということの中でこの町民憲章を制定し、また趣旨もそのとおり出されたということはまずご理解いただけるのではないかというふうに思います。ただ、100年のときに開基から開町に変えたというのは町の考え方でありまして、これは当然今後開町という文字を使っていこう、文言を使っていこうということであります。そういう面で、この趣旨が開基ということになっていますので、これを開町に変えるということは町の考え方に沿うものであるというふうに思っています。ただ、どういう方法でやっていくのか、選定委員会、そして議会を経た町民憲章でありますので、これについてどういうふうにやっていくのかについては今後検討させていただきたいというふうに思いますし、考え方自体は町としては開町でいくということは定めておりますので、今差間議員からの質問は当然だろうというふうに思います。ただ、どのようにやるかということの方法については今お答えできませんので、今後検討させていただきたいというふうに思います。
質問 差間正樹
今の町長の言葉で本当に安心はしました。本当に検討してほしいと思います。私たちの歴史に関して、また町民憲章に関して子どもたちの教育の副読本の中にも書かれているのです。郷土読本「うらほろ」の一番最初のページにも、やはりこの憲章のことが書かれております。このことは、浦幌町の子どもたちがこの憲章に沿って、そして浦幌町で元気で働き、楽しい人生を築きましょう。私たちのアイヌの考え方も、神に祈って、私たちを守ってくださいと、私たちはあなたの助けをもって一生懸命働いていきます、このようにうたっております。先祖を敬うお祈りのときも必ずこの言葉は入れます。労働が私たちの社会をつくっていく、そのことをこの憲章はうたっている。これは、本当に立派な憲章だと思います。教育に関しては、私学習指導要領のこととか、この場でもお聞きしまして、児童生徒の心身の発達の段階や特性を考慮して適切な教育課程を編成し、目標を達成するよう教育を行うということでこの場でも返事をいただいております。町民憲章に関してですが、ぜひ教育の面からもアイヌの記述を私たちの郷土読本「うらほろ」の中にある町民憲章の中に記述してほしい、このように思っております。この点に関して、ちょっとしつこいのですけれども、教育委員会としてどう考えているかお聞きしたいと思います。
答弁 教育長 久門(教育長は2020年3月まで)
ただいまのご質問にお答えいたします。今アイヌの歴史や文化を正しく子どもたちに教えていくと、伝えていくということは大変大事なことであるというふうに考えておりまして、私たちは各学校で授業を行う上では必ず学習指導要領に基づいた教科書、教科書選定で選定された教科書並びに私どもがつくっております町作成の副読本、これに加えて補助教材、これは推進機構が発行したものなどがございます。そうした中で、子どもたちに適切にアイヌの歴史、文化を伝えていくということをただいま進めているところであります。憲章のお話が出ましたが、先ほど町長のほうから答弁がありましたように、それに尽きるわけでありますけれども、総合的に考えまして、今道教委のほうからも歴史や文化をしっかり伝えていくということでいろいろなプログラムが出されております。前回の議会でもそのことは申し上げたかと思います。そのプログラムに沿って子どもたちに指導を進めていきたいと、そのように考えております。
質問 差間正樹
ただいま町の方針として教育の考え方として考えをお聞きいたしました。そもそも私たちの歴史は、どうも奪ったり、奪われたりするという観点から私は考えてしまうのですけれども、郷土読本「うらほろ」の中で晩成社のことが近代の明治からの歴史の中で出ております。私たちは、晩成社のことでも随分いろんな郷土史を調べている人からもお聞きするのですけれども、晩成社とアイヌの人たちのかかわりも決して私が考えているような奪った、奪われたではなくて、食べ物をやりとりしたり、日用雑貨、アイヌにはないものを与えるというのですか、そういった関係で極めて良好な関係であったようです。晩成社のメンバーの中にはアイヌメノコと結婚して、郷土にいる自分の弟に宛てた手紙の中で、玉が磨かれて自分の宝石になった、このように自分の妻のことを手紙に書いているようです。この方たちはみんな結局は北海道を離れてしまうのですけれども、歴史の中で私たちと和人と称される人たちの関係は、決して私が考えていたような奪い、奪われるだけではなくて、互いに助け合って、この環境、この気候条件に住むように、暮らしていけるように協力し合ったようなことも随分書かれております。ただ、私たちの周りを見ると、私たちの浦幌がまるで開拓によってつくられてきたと、そういった表現がまだまだあふれております。私がアイヌのことを繰り返し述べますと、いや、それは過去のことでしょうとか、そういった話をされる方もおります。私たちと浦幌は、私たちも浦幌の中で、浦幌も私たちと相対しながら新しい未来をつくっていく、そういった考えにぜひ立ってほしいと思います。私はいろいろな面でアイヌのことを発信しているのですけれども、きょうは望外な回答をいただきました。ただ、世間に流布しているアイヌは過去のことでしょうとか、こういったことがぜひこれから住民の口から出ないように、もう一度、ちょっとしつこいのですけれども、町民憲章の中で何とか記述してほしい、こういったことを要望するのですけれども、この点についてもう一度、しつこいですけれども、返答いただきたいと思います。
答弁 町長 水澤(町長は2023年3月まで)
差間議員のアイヌ民族に対する一般的な考え方については、常に差間議員から述べられているとおりだというふうに思います。また、答弁については、その質問に沿って答弁をさせていただいたということでありまして、アイヌ民族のいろんな今までの歴史、文化等々については、ぜひ町民の理解を深めるように進めてまいりたいと先ほど答弁させていただいたとおりであります。町民憲章への記述というものは、これもまた先ほど述べておりましたけれども、町民憲章自体は町民全体に対する心の支えになるものでありまして、当然町民全体ということでありますからアイヌ民族も入るということでありまして、そこに特別な記述をするということではなくて、町民全体をうたったものだということを、町民憲章そのものを理解していただきたいというふうに思っているところであります。
質問 差間正樹
終わります。