網走市議会 令和元年第4回定例会 2019年12月18日
アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律について
2019年12月18日、網走市議会の一般質問で、栗田政男議員が「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律について」質問し、健康福祉部長 桶屋盛樹が答弁しました。
- 質問者
- 栗田政男 議員
- 答弁者
- 健康福祉部長 桶屋盛樹
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 栗田政男
それでは、次の質問に入ります。次は、すごく長いのですが、アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律についてであります。本当にこういう名前なのですね。これを略してアイヌ施策推進法というふうになっています。実は今年の4月にこの法律が制定をされました。それまでもいろいろあったのですが、皆さんも御存じのように、アイヌという言い方が悪いということでウタリという名前に変えたり、古い方は知っていらっしゃると思いますが、昔の法律では旧土人保護法という、僕はすごくこれは違和感の感じる法律の呼び方なのですが、これは現存としてそういう法律があったので言わせていただきますが、旧土人保護法という法律がございました。そういう中で、いろいろな国連憲章の中で少数民族、その発端はこの前亡くなられた中曽根さん、総理の時代に単一民族国家という発言をしてしまったことによって、日本は違うよと、アイヌの人たちもいたのだよという声が上がって、国連の決議につながったという経過があります。国連決議の中で、やはり何が言われたかといいますと、なぜ日本人は、日本という国はアイヌの人たちをそういう形できちんとフォローしてこなかったのだということがいろいろな形で、皆さんも御存じのように、研究のためにアイヌの墓を掘り起こして大学のほうに持っていったとか、勝手に持っていったとか、それを今返還の時期でどうのこうのという報道もされてると思います。そういう中でこういう法律ができまして、国のほうでも予算措置をしております。よく報道で皆さんが、白老のウポポイという施設がもうすぐ完成するということを聞いてると思います。いろいろな形でこれは国の事業として、50億円程度かかったらしいのですが、白老の地に民族共生空間アイヌの文化施設をつくったということであります。そういうことで、まずはこのアイヌ施策推進法について、原課としてどのように認識をしているかをまずはお尋ねをしたいと思います。
答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)
アイヌ施策推進法の成立に伴う当市の取組といったことでございますけれども、これまでアイヌ関連の政策体系につきましては、アイヌ文化の振興と普及啓発及びアイヌの人々の生活向上を主体とした内容でありましたが、議員お話のとおり、本年5月アイヌ施策推進法が施行されまして、従来の政策に地域振興、産業振興、観光振興などを加えた新たな支援を継続的に実施する交付金制度が創設されたところでございます。既に取組を進めている自治体が見受けられますが、今後アイヌ協会と意見交換を行い、要望などを把握していきたいというふうに考えてございます。
質問 栗田政男
長いのでアイヌ新法という言い方をさせていただきますが、このアイヌ新法ができたおかげでいろいろな予算づけをされております。もちろんウポポイの施設も北海道にできるわけですから、非常に大切な施設ではありますが、そのほかに各自治体の権限で利用できる、活用できるいろいろな施策、予算がついております。今年度に関しては10億円、これも報道によるところなのですが、そのうちの6億5,000万円くらいはいろいろな申し込みにより活用される予定になってるということであります。札幌市においては雪まつりの文化発信、登別においてはウポポイと登別温泉を結ぶバス運行など、日高管内の平取町などはレーザー彫刻刀導入、多分アイヌ民芸を作るのだと思いますが、公営塾の運営、ほとんどいろいろな事業に活用ができるというふうに捉えてます。本州では三重県松坂市が武四郎まつりの舞踏を披露ということで、これは308万円の予算を計上しております。一つは、要はアイヌ施策でなぜ予算がつくかといいますと、やはりアイヌの人たちがいまだやはりいろいろな差別だとか、いろいろなことで苦労しているという現実があるのですね。その中で、北海道の開拓の歴史はすなわちアイヌを、アイヌの皆さんを虐げた歴史でもあるわけです。これは歴史でしっかり確認されていることですから、公に言って問題はないのですが、その中でもともと文字も持たない、貨幣も持たない人たちは、強制的に和人によっていろいろな契約書にサインをさせられて、もちろん字も書けないのになぜサインしたのかということになるのでしょうけれども、そういう環境の中で追いやられてきた現況があります。森では木をとって、森の動物をとりながら生活をして、川ではいろいろな魚をとりながら、一部農業経営の耕作もしていらっしゃったと。そういう中で文字文化がなかったがゆえに、変な意味ではないですが、和人の皆さんにいろいろと虐げられてきた、そういう現実があります。そういうことがあったからこそ、国連憲章の中でもアイヌの人たちをしっかり守ってくださいという決議がなされた、それが国会の中でもしっかりと決議をされてます。この予算、そういった意味から、官房長官直轄の事業というふうになっております。道経由も必要ないですし、いろいろな意味からすると直轄の事業です。それだけ重要性があるということという認識を持ってほしいと思うのですが、そういう中で、当市にもアイヌ協会は現存していますので、そういう中で市として様々な今まで支援をしてきたと思うのですが、それについて概要で結構ですから教えていただきたいと思います。
答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)
アイヌ協会網走支部との関わりといったことでございます。網走市として、今実施している事業でございますけれども、アイヌ生活支援相談事業として、アイヌ協会に相談事業を委託しているということが1点、また、アイヌ協会の運営補助金を支出しているというような部分もございます。また、アイヌ住宅改良資金貸付事業なども実施しているところでございます。
質問 栗田政男
自治体単独でこういうふうにいろいろフォローしているというのは、本当に珍しいケースだと思います。通常は国の支援があったり、北海道アイヌ協会というのがございますので、そこを介しての支援だったりというのが一般的なのですが、市単独に当市においては、きちんとした支援をしてるというのは非常に評価される部分であると思います。また、住宅資金だとか教育資金、今活用されているかどうかは別ですが、もありましたし、それを利用して学校に行ったアイヌの人たちも結構いらっしゃる現実があります。住宅資金、そういう資金を使って住宅を建てたという方もいらっしゃいます。では、なぜそういうことをしなくてはいけなかったのかということを原点に返ったときに、やはり私は、負の連鎖ではないですが、非常に恵まれない経済状況というのがアイヌの人たちにはあったと思います。これは、やはりいろいろな面で貧しい中からはい上がったと。はい上がって何かできればいいのですが、そこまでなかなか行かれない人たちが今までのアイヌ人の皆さんの生活ではなかったかと。だからこそ、国としてもいろいろなそういう制度をつくりながらフォローアップをしていったという現状がございます。ここで私が言いたいのは、こういう国がせっかくいろいろなメニューを出してきました。幅も広げました。これは自治体がきっちりと計画書を提出して、当然議会の承認も必要な事業になるとは思いますが、できるならばこういう事業を活用して国の支援、この非常に有利な補助内容になっていますので、事業を起こしてあげて、アイヌ政策の一部としてしっかりと活用してはどうかなということなのですね。これはやっぱりその地域にアイヌ協会がなければできない事業ですし、そういう人たちが自立できて未来永劫組織をきっちり守っていくために、やはりお金も必要だと思うのです。そういう中でいろいろな活用方法がないのかなということを提案したいと思うのですが、原課としてその方向性はあるのかないのか聞かせていただきたいと思います。
答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)
アイヌ関連事業の推進といったことでございますけれども、アイヌ施策推進交付金制度のスキームといたしましては、政府が策定した施策の総合的かつ効果的な推進を図るための基本方針に基づきまして、市町村がアイヌ施策推進地域計画を作成し、内閣総理大臣の認定を受けた当該計画に位置づけた事業に対する交付金制度となるため、今後アイヌ協会としっかり連携を図りながら要望もお聞きし、事業の方向性といったものを見出していきたいというふうに考えてございます。
質問 栗田政男
協会としてどう考えている、非常に大切な話です。いろいろ私も参加させていただいて勉強させていただいてますし、北海道アイヌ協会のほうにも何度も足を運んでいます。そういう中で感じるのは、やはり考えてないわけではないですし、こういう事業、国からの事業がこういう形で来たときに、単独の協会としてもやはり未来につなげるため、正直言って今の網走アイヌ協会のスタッフというのは高齢化なのです。では、これを子供たちの世代にどうつないでいくかというためには、協会自体がやっぱり自立していかなくてはいけない、そういう考えを持ってらっしゃいます。ただ、私たちは無学なゆえに、そのやり方がわからない。もし可能であれば、いろいろなものを活用して市にも協力をしていただいて、協会自体が未来永劫きちんと守っていける、誇りを持ってその伝統文化継承をしていけるような方向性を持っていきたいのだということを望んでいらっしゃいます。もちろんこれから先いろいろな研究、調査をしながら、市のほうにも要望しなくてはいけないことが多々あろうかと思います。ぜひともその辺、そのときにおいては前向きに検討していただきたいですし、来年度の予算では20億円を予定されています。北海道が主体となるアイヌ人が、本州のほうにもいらっしゃるのですが、ほぼ90%以上は北海道が主体になろうかと思います。北海道の中でも特に日高地域のほうにはずっと集積をしてますし、この北網圏も実はあんまり目立たないのですがしっかりとしたアイヌ協会がある。それぞれアイヌの人たちが活動をされてます。小さいですけれども、二、三人の協会もあれば、認知されない協会もありながらも団体として動いているというのが現状があります。これからの時代ですから、昔のように生活館を建てたり、それを市が活用したりというのはなかなかその維持管理も今後出てくる話ですし、その縛りもいろいろ出てくるでしょうから難しいことなのかもしれませんが、ぜひとも有効活用して、それが市にとってもいいことであり、アイヌ協会にとってもいいことであるということであれば、僕はぜひとも活用していただきたい。決定しているのは8割の補助であります。最終的には9割の補助になります。それも決定しております。1割の皆さんの負担によっていろいろな事業の可能性が開けるということなので、ぜひとも前向きに検討していただいて、できるならば、その協会が世代交代をしてもしっかり運営できるような経済状況になれるような状況をつくっていければなというふうに、私も全力で取り組んでますので、協力をお願いして、今回の質問を終わらせていただきます。