津別町議会 令和3年第5回定例会 2021年6月17日
農業基盤整備事業について
2021年6月17日、津別町議会の一般質問で、佐藤久哉議員が「農業基盤整備事業について」質問し、町長 佐藤多一、産業振興課長 迫田久、教育長 宮管玲が答弁しました。
- 質問者
- 佐藤久哉 議員
- 答弁者
- 町長 佐藤多一、産業振興課長 迫田久、教育長 宮管玲
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 7番 佐藤久哉
〔登壇〕 議長のお許しをいただきましたので、さきの通告どおり一般質問を行います。最初に、農業基盤整備事業についてお尋ねいたします。平成 22 年ころより、津別町の農業基盤整備のため国に対して町と農業関係者が行ってきた要請活動が実り、平成 27 年より「国営農地再編整備事業」がスタートして本年で7年目を迎えます。本計画での現時点での工事完了面積をお尋ねしたいと思います。また、進捗状況は当初計画に比しどうなっているのかお聞きしたいと思います。2点目であります。実際の工事に入る際には、工事業者と農業者の間で調整しなければいけない問題が発生していると思いますが、町はどのような形で関わって対応しているのか、お聞かせいただきたいと思います。次に、全体工事費が当初に比べ 12.3%増と当初予算を大きく上回っていますが、なぜなのかお聞きしたいと思います。4点目、本計画では農地造成や区画整理事業として暗渠排水、客土、換地、土地の均平化などを行い生産効率の向上や大雨等の災害に強い農業用地の形成が見込まれると考えています。工事完了後の農業者の声を聞き及んでいれば、お聞かせ願いたいと思います。5点目、本年度より、国営農地再編整備事業に該当しなかった農業者を対象に道営土地改良事業がスタートしていますが、本事業の概要についてお聞きしたいと思います。以上、よろしくお願いいたします。
答弁 町長 佐藤多一
それでは、農業基盤整備事業についてお答えを申し上げたいと思います。はじめに、国営農地再編整備事業の完了面積と当初計画に対する進捗状況についてでありますけれども、平成 27 年度より工事に着手し、令和2年度末現在で、計画受益面積 2,432.7 ヘクタールに対しまして、工事実施済み面積は 1,615.3 ヘクタールであ― 30 ―り、66.4%が完了したところであります。次に、工事関係者と農業者間の調整に対する町の関わりについてですが、平成 26 年度に事業推進のため産業振興課内に国営農地再編整備事業推進担当者を配置し、また平成 31 年度からは、道営事業を含む農業基盤整備事業を対象とした「土地改良推進室」を農業団体を含めて設置し、事業受益者と事業実施者との調整を行っているところです。今後とも事業が順調に推進されるよう、工事の発注元である網走開発建設部北見農業事務所とも綿密な連携を取りながら進めてまいりたいと思います。次に、全体工事費の増高理由についてですが、平成 27 年度時点の事業費は 130 億円でしたが、令和2年度では、人件費等工事単価の増により 146 億円となり、さらに令和3年度においては 148 億 7,000 万円となり、当初計画比 14.4%の増となりました。完了年である令和6年度までには、さらなる事業費単価の増と事業要望の精査によりまして、最大で 159 億 3,000 万円、当初計画比 22.5%の増となる見込みとの報告を北見農業事務所より受けておりまして、今後、事業主体と事業費削減の協議を行うこととなります。次に、工事を完了した箇所の農業者の声についてですが、一部の農業者から表土の移動により地力の低下が見られ、堆肥等の投入による改善が必要との声も聞いているところですが、圃場の大区画化や暗渠整備による圃場の改善により作業効率が向上するとともに、客土や徐礫により土壌が改良され生産性が向上したとの声を多く聞いています。また、こうした大区画や傾斜改良によりまして大型機械の導入や自動操舵などのスマート農業の取り組みも拡大し、担い手対策や生産コストの低減が図られているところです。次に、国営農地再編整備事業の実施地区にならなかった農業者に対して行う道営土地改良事業の概要についてですが、令和3年度から令和7年度を事業実施期間として行うもので、受益戸数 11 戸、受益面積 220.2 ヘクタール、事業費 98 億円となっています。主な工種は区画整理であり、この工種内で暗渠整備、勾配修正、客土等を実施することとしておりまして、令和3年度は調査測量を行い、令和4年度より工事に着手する予定となっておりますので、よろしくお願いいたします。
質問 7番 佐藤久哉
〔登壇〕 ただいまお答えいただきまして、事業の完了ぐあいでありますけれども、現在、約 1,600 ヘクタール、66.4%ということで、当初の計画よりも少し進捗状況が早いのかなというふうに思っております。今年度、予定されている 360 ヘクタールが加われば、ほぼ 80%が完了するということで、工事の進捗状況が順調だということは確認いたしました。この工事をする際に、今ご答弁いただいた説明の流れからしても、農業者、農業受益者、そして役場、それから網走開発建設部、それから、いわゆるゼネコン等の工事業者という流れで工事がつながっていると思うのですけれども、農家の方は直接話をするのは、いわゆる土地改良推進室の方々と話をして事業を進めていくことが多いと思うのですけれども、私も少し聞き取りをいたしましたところ、当初、事業計画を組んだとおりにはいかないところもあると、それは説明を受けて工事内容を変更したり縮小したり、あと暗渠を入れたけれどもうまくいかなくて翌年もう1回入れ直したとか、そういう話も聞いております。ただ、こうしたことを改良推進室がしっかりと農業者に事前説明をしていたということで、農業者の方もそれについては十分理解して納得していただいているということも私は聞き及んでおります。ですから簡単に言いますと、ここのところの連携はうまく取れているのかなと思いますが、ただ、先ほどの答弁の中の予算のこともあるのですけれども、予算がちょっと異常なところまで工事単価の値上げとかで膨らんでおりまして、この影響かなとは思うのですが、農家の中には事業計画を出して事業を進める前に、農家の方の中には事業の縮小を勧められたという話も聞こえてきました。これはやはり開建のほうが膨れ上がる予算を抑えるために、農家に対して少し事業を縮小してくれないかという働きかけをしているのではないかというふうに私は懸念しているのですけれども、こうしたことがなかったのかどうか、また、事実そういうことがあって、こういうふうに対応をしているということがあればお聞かせいただきたいと思います。
答弁 産業振興課長 迫田久(産業振興課長は2024年3月まで)
それでは、私のほうから今のご質問の内容をお答えしたいと思います。先ほど町長から答弁があったとおり、事業費の推計でいきますと最大で 22%の増という形になるという報告は受けているところでございます。それに対して、農家のほ― 32 ―うに事業の縮小というよりも、本当に事業が必要なのかというのは毎回、毎回聞き取るということになっております。なので、今、聞き取っているものに対して、事業の縮小というところの意味での働きかけというのは今はないというふうには思っておりますが、先ほど町長からの答弁があったとおり、事業が今のままでいけば 22%以上膨らむというのは、やはり網走開発建設部としても開発局としても避けたいというのは本音だと思っておりますので、今後それらに向けて受益者並びに工事関係者と協議をしていかないといけないということが事実であります。以上です。
質問 7番 佐藤久哉
〔登壇〕 もちろん開建のほうも財布があってのことですから、当然、事業については精査して不必要な部分は切っていくという考えが出てくるのは当たり前だと思いますけれども、基本的に農業者のためにやる事業ですから、できるだけ農業者の希望に沿った形でできるように町も一緒になって後押しをして開建との交渉に臨んでいただきたいというふうに思いますので、そこのところをよろしくお願いいたします。次に、予算の 22%最終的に増になるということになれば、当初、予定していた工事の単価、例えば平成 28 年ぐらいに工事した方と、それから令和6年に工事をする方では同じ面積、同じ事業をやっても当然価格が違ってくるということになると思うのですけども、この部分に対して不公平感が出ないような措置はなされているのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
答弁 産業振興課長 迫田久(産業振興課長は2024年3月まで)
私のほうからお答えしたいと思います。まず、今本地区といたしましては令和6年度完了年として事業を推進しております。その中で事業開発等、実施当初から、今、佐藤議員がご指摘のとおりの対策といたしまして不公平感が出てくるというふうな議論はしてきております。その中で事業実施年度の翌年には、実は推進協議会がございまして、そちらのほうで一定の負担金を積んで、令和6年度の完了に向けて準備をしているところでございます。そういった中で、令和6年度の完了に向けて、その積んでいるお金も含めまして単価の精査等々も― 33 ―含めまして協議会の中で不公平感の出ないような形で最終的には整理をしたいというふうに協議会の中では検討をしているところでございます。以上です。
質問 7番 佐藤久哉
〔登壇〕 これはお金の問題なので、やはり農家の方々も微妙な不公平感があると気持ちよくないものですから、ぜひそこのところをよく説明されて、ないようにしていただいて、とにかく工事が終わった時に皆さんに喜んでいただけるようにしていただきたいと思います。4番目の質問で工事が完了した方たちの意見というか声をお聞きしたいということでいただいた答弁が、表土の移動等によって土地の力が落ちて堆肥の投入等をしなければならないと、私のほうも聞いているところでは、担当のほうからは3年、5年ぐらいは土地が落ち着かないということも聞いていたのですけども、実際、事業者の方にしてみると 10 年は覚悟をしていると、もちろんすぐ使える所もあるけれども、やはり何回か客土をして土地を熟成させるというか、それでも 10 年かかっても、やはり今回やったことは非常によかったというふうに思っているという声をいただいて、私どもも予算を可決して、この事業を進めてきたかいがあったなというふうに思いました。ただ、確かに圃場は改善されるのですけれども、まだまだ課題が幾つかあるということで、それはやった土地が熟成するまでの間、どういう作物をつくっていくかという工夫も農家の方としていかなければいけないような部分もあって、まだまだ、ただ土地改良しただけではなくて、いろんな土地がきちっと出来上がるまでに少し努力だとか工夫だとか、そうしたことが必要だなということを私も改めて今回聞き取りをして知らされました。そんな中で、今回の国営農地再編事業につきましては、次世代農業促進型ということで、農業改良により5Gを活用したり、そうすることによるスマート農業の第1歩となるものだというふうに私も考えております。今後、担い手の不足で非常に農業において作業の効率化が大きな課題でありまして、農業後継者をどんどん呼び戻すにしても、やはり作業の効率化だとか担い手不足を解消する大型機械化といったところは避けて通れない課題であります。そのためには、やはり極上の農地を確保するということだと思います。今回は、そういった面では、その第1歩ではない― 34 ―かなというふうに考えておりますので、この後、道営の農地改良も始まりますけれども、今後、土地改良が行われて次世代農業の担い手となる農業後継者への後押しとなるように、さらなる活用施策を進めていただきたいなというふうに私も考えますので、町長の考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
答弁 町長 佐藤多一
国営農地再編整備事業につきましては、町のほうも推進室をつくったりしておりますけれども、農業者の方たちも推進協議会をつくられて、それと一緒になって進めているところです。予算の獲得なんかでも、私を含めまして農協、それから推進協議会、会長さんはご親戚の方ですけれども一緒に中央行動もやっているところです。予算の確保については、例えばこういうようなものを地元で作成して、アピールをするのにどういうふうなことをしていけばいいだろうかといろいろ考えた中で、たまたま当時、JAの広報誌の表紙に結婚したて、あるいは子どもが生まれたばかりの若い農業者の写真がほぼ2年近くにわたってずっと掲載されていました。そこに私は目を付けまして、それを縮小版として、こういうように全部乗せてもらいました。これを編集してもらって、1番後ろのほうに馴れ初めからみんな書いてあるので、それは個人情報もあるのですけれども広報で公表されているからいいだろうなと思って、裏には馴れ初めも含めてこういうものをつくって農林水産省とか財務省に行ったのですけれども、大変評判になりました。津別の農業者というのはイケメン、イケジョが多いねということで官僚の方たちからも言われまして、そしてこういう人たちが担い手としてしっかりいるということは国としても 75%を補助しますので、75%を補助してそれに見合ったものが出てこないとやっぱり国としても困る話です。75%国が補助して、道も補助をして、そして最終的には地元負担というのは7%になっていますから、そのうちまた4%は町が負担するということですから、一つの工事に農業者の負担というのは3%ということですから、こんな高率の補助というのはまずあり得ないというふうに思います。そういった中で、なぜそういうことが国も含めて進められていくかというと、やはり安定した農業をしっかり自給率も高めていくということにあると思っています。2019 年ですから2年前の数字を見てみますと、農産物の輸出が1番多いのは、当然アメリカですけれども、日本は 44 番目なんです。何と2番― 35 ―目というのは中国かどこかかなというふうに思っていたのですけれども、オランダなんです。オランダの数字を見ますと、約 10 兆円の輸出をして、日本は 5,000 億円ぐらいですから 20 倍ぐらいの輸出をオランダが進めているということ。オランダの国というのは九州と同じぐらいの面積ですから、それでいけば日本はもっともっと農産物の輸出大国になっても何らおかしいことはないんじゃないかなと思います。輸入に関しては、日本は上から5番目ですので、やはり今、本州を含めて離農も進んでいますけれども、北海道にあってはきっちりした農業基盤を整備して、これから農業者の所得もどんどん上がっていきますので、今既に役場とか、おそらく銀行だとか農協の職員の給料よりも農家の方の給料のほうがずっと高いんだというふうに思いますので、そういう最先端の技術がまだまだ進んでいきますので、日本の農産物の生産に大いに貢献していただきたいなと思っていますし、それに対して町のほうもできることはしっかり応援していこうというふうに考えております。
質問 7番 佐藤久哉
〔登壇〕 今、オランダの話もありましたけれども、私も大して詳しい知識を持ち合わせていないのですけれども、やはりオランダは化学の力を利用して水耕栽培ですとかハウス栽培、そうした園芸作物を中心に非常に飛躍的な発展を遂げて農業大国になりつつあるということを私も新聞やネットの記事で拝見したことがあります。すなわち、そこはそうした思いというか政策的な意図がなければ私がああいうふうに立派にならなかったと思うのです。私が議員になりたての時、1度農業関係の質問を初めてするときに、農協の参事さんにお会いしました。そして農業のことを教えていただきたいというふうに聞いた時に、今、日本という国は農家を守る施策から農地を守る施策に切り替えつつあるというふうに伺いました。現実にそれからずっと時が流れまして、確かにそういった農地を守るという施策が非常に国はそういう度合いを強めているのではないかなと思っております。私は国がそういう施策をとっているのであれば、それを活用しながら小さな自治体というのは、そこに働く農家の人たちを守っていく施策を考えていくべきだなというふうに思っております。ですから国が農地を守ってくれるなら、その農地で働く農業者を地方自治体が守っていければいいんだと、そうすることによって政策と― 36 ―しての整合性もとれてくるというふうに考えております。今、津別町は農家の若い後継者が 10 年間で 40 人から 50 人帰ってきていると思います。非常に順調な状況だと思います。さらに彼らが帰ってきて壁にぶつからないように、よい農地を提供することができるような、お父さん、お母さんたちがそういうものを子どもたちに残してあげられるような、そういうことの手助けができるようなところが、今の国営農地、それから道営の土地改良だというふうに思っております。今後、この土地改良を進めていった後に、こうした後継者が帰ってきやすい環境をつくってあげることを町としてどのように考えていくかということが一つの課題だと思います。当然、それは町の中でいろんな農家関係の声を聞きながら施策としてまとめていくことになると思いますが、ぜひそこに期待したいと思いますので、よろしくお願いいたします。そこで私、もう一つ最後の道営農地のところでお聞きしたいのですけれども、国営農地と道営の土地改良が終わると、ほぼ津別町の農家の希望する農地が改良になるのか、これで全て農家の方がもう満足ですという形の土地改良政策が行われたというふうに町は判断しているのかどうか、そこのところをお聞かせいただきたいと思います。
答弁 産業振興課長 迫田久(産業振興課長は2024年3月まで)
私のほうからお答えいたします。今回、エリア的には津別町全体をとらえたときに、国営農地、そして本年度から始まる道営土地改良事業、エリア的には全て網羅することになります。しかし国営農地再編整備事業の中で事業実施要件に合わなかった、例えば過去の事業歴の中で、道営で暗渠をしてから経過年数が満たなかったものであったりとか、連坦性といって、ある程度大規模化がされなければ事業ができないといったような要件の中から、実は国営農地の中で漏れている畑があります。区域としては全面積カバーしたのですけども、圃場があります。それらにつきましては、今、津別で道営事業を展開して令和3年から行いますが、その後にまた別な地区という形で展開をしながら土地改良については進めてまいりたいと思っております。現在、JAとともに、そういった土地がどのぐらいあるのかというものは取りまとめている最中でございます。以上です。― 37 ―
質問 7番 佐藤久哉
〔登壇〕 今お聞きしまして、農地に関してはもう一度再見直しをかけて、両方の事業が終わった時点でまた新たに国営をかぶせるというお話もありましたし、ぜひそうした方向で津別町の本当に有効な農地活動を目指していただきたいと思います。最後に繰り返しになりますが、先ほども申し上げましたとおり、そうした農地整備ができた後、やはり良質な環境の中に農業後継者が帰ってきやすいような施策を新たに推進していただきたいと思います。やはり農業を持続させることは町の2大基幹産業の一つであります。大きな命題でありますから、ぜひそこのところを頑張っていただきたいと思いますが、町長のほうで何かあればお願いいたします。
答弁 町長 佐藤多一
今、大きな本当に基盤となる農地の改良ということでありますけれども、そのほかにも細々したことがいろいろありまして、年に1度ですけれども、今、農業議員さんというのは議長しかいなくなってしまいましたけれども、農業の議員さんと含めまして、それから農業委員会、そして農協と年に1度十分な時間をとって意見交換をやっています。その中でさまざまな提案とか要請がされるわけでありますけれども、これからもずっと続くと思いますので、一つ一つ要望に応えられるものはお互いに負担をどうしていこうかだとかも含めて進めていますので、今後ともそういう機会を十分活用しながら進めていきたいと考えております。
質問 7番 佐藤久哉
〔登壇〕 私も実は議員になりたてのころ農業関係の質問をしたきり最近はほとんどすることがなかったんですけれども、今町長がお話しのように農業関係の議員さんもいなくなってしまったので、久々につたない質問ですけれどもチャレンジしてみました。町長の今お話しがあったように、やはり長いスパンでものを考えていかなければいけないのですけれども、その基本となる農業用地の整備がなされるということは第1歩ですので、この後また頑張ってお互いに意見を出し合いながら、農業のために町を発展させていきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。― 38 ―次の質問に移りたいと思います。ICT教育につきましてお聞きしたいと思います。国が進めてきたGIGAスクール構想が新型コロナウイルス感染症対策により加速化され、高速大容量の通信ネットワークと1人1台のタブレット端末は整備が本年3月でほぼ完了いたしました。今後ICT教育が本格的に進んでいくことになると思いますが、進捗状況も含め次の点について伺いたいと思います。1点目、現在配備されたタブレット端末を使った授業がどのように行われているか。2点目、今後、新型コロナウイルス感染症の拡大により、学校閉鎖となった際リモートワークによる授業は可能なのか。また、実施にあたり通信環境のない家庭に対してどのように対処していくのか。以上、お聞かせいただきたいと思います。
答弁 教育長 宮管玲(教育長は2022年3月まで)
それでは、一つ目のタブレット端末の授業での活用状況についてお答えいたします。小中学校とも、昨年度発注したタブレット端末の納入が3月末までに順次終了しております。小学校では、教科書添付のQRコードから資料を読みだすこと、インターネットを用いてさまざまな情報を収集・整備・分析すること、動画サイトで画像検索をし視聴すること、自他の発表や演技を録画し、それを視聴しながら直しあうこと、アプリを使った計算等の反復練習に活用しております。中学校におきましては、全生徒が1度にログインし画像の送受信ができることを確認し、登校時の体温や健康状態を個々が入力し、自動集計するシステムの試行や、教科学習での利用など、教職員の研修と並行してタブレット端末の使用を試行中です。小中学校とも、教頭やICT担当教諭が核となり、タブレット端末を学習ツールとして日常的に利用し、授業改善につなげることを目標に実践を進めております。二つ目のご質問の、リモート学習についてでありますが、実施にあたってのハードルは高いものの、現状のシステムがあれば不可能ではないとの認識でおります。現在、津別中学校において、リモート学習など校外でのタブレット端末活用の可能性と課題改善を目的に、希望する家庭の協力を得て 10 日間という期間限定でタブレッ― 39 ―ト端末の持ち帰りをしてもらうといった試験的運用を始めております。生徒や保護者には、学習のための端末貸し出しであり、家庭以外での使用禁止、学習や学校とのやり取り以外の利用禁止、個人アカウントによるSNSの利用禁止など、一定の常識的な禁止事項を指導し、順守することの信頼関係を前提として取り組み始めました。この試験的運用の結果を受けて、生徒には学習のための端末と利用を制限しての持ち出しとするのか、フィルタリングの対策をとる必要はあるのか、さらには授業でも家庭学習にも活用できるクラウド型学習ドリルの導入を検討してまいります。条件整備を終えてから持ち帰りにより端末の利用を開始するべきところではありますが、それでは運用は先送りになります。せっかくの1人1台端末の整理が完了していますので、できることから、まずは使ってみることで課題を明らかにし、解決していく予定でおります。議員がご指摘のとおり、通信環境のない家庭に対してどのように対処するかも教育環境の格差是正としての課題であります。モバイルルーターを貸与する方法がありますし、学習プリントなどの課題を学校でダウンロードしオフラインで使用する方法も考えられます。他市町村の情報や試験的運用を通して、さまざまな方法を検討してまいります。以上です。
質問 7番 佐藤久哉
〔登壇〕 ただいま1回目の答弁をいただきましたけれども、まず、タブレットは現在どのように使われているかということですけれども、私この質問をする前に文部科学省のホームページにちょっと入りましてICTの活用の教育― 40 ―についての指針だとか方針だとかを見たのですけれども、ものすごい量の文章がありまして、教育委員会の方や学校の先生がこれを読んで、この中から理解して子どもたちに本当に教えていくんだと思うと大変だなと思うような量がありまして、まさに暗中模索の中でICTの教育を進めなければいけないんだなというふうに感じました。あまりにもメニューが多くて、何を選んだらいいのかということで、今回お聞きしたところ、何点か答弁いただきました。これについては、当然、活用メニューの中に載っているものの中から学校で話し合ってこういうことをやろうというふうに選択をしたのか、それとも指導要領の中で、これをやりなさいと決められたものをやっているのか、そこのところをまず端的で結構ですのでお聞かせいただきたいと思います。
答弁 教育長 宮管玲(教育長は2022年3月まで)
1回目で答弁させていただいた内容につきましては、この4月から細かに校長、教頭と担当の教諭と打ち合わせを重ねてきて、その中で学校としてどんな取り組みができるのかと、できることをやっていこうということで始めたものであります。したがいまして、この取り組みは津別の単独といいますか、津別小学校、中学校、教育委員会で相談して進めている内容というふうに受け止めていただいて結構だと思います。
質問 7番 佐藤久哉
〔登壇〕 やはり全部はできないなと、私も文科省のホームページを見て思いました。やはり、その地域に合った特色のある教育、その中でも最低限のものが必要かと思います。一つは情報を得る能力、情報を得るための技術、それから二つ目が問題解決にあたり、その情報を活用していく能力、三つ目がその情報に対するモラルだとかセキュリティに関する力というか常識をわきまえるというか、そういったことがコンピューター活用能力のコンピューターリテラシーの中で最低限補わなければいけないことであり、あとは学校にある程度、自由裁量に任せてくれなければ、私はこの事業を具体的に進めていくのは難しいというふうに感じました。今、教育長のお話の中で、学校で議論をして納得してやっているということなので、私は 1番肝心なのは、先生方が何をやりたいのかと、それに従って教育をやっているのか、それとも文科省からこういうメニューをやりなさいと言われてやっているのとでは全― 41 ―然違うと思うのです。今お話を聞いて、自分たちで考えてこうしたことをやっているということで、非常に安堵いたしました。ぜひ、やれることから、そして自分たちは子どもたちにどういうことをしてやりたいのか、そういったことを見極めて、ぜひ進めていただきたいと思います。余裕ができれば次の段階に進んでいけばいいのではないかなと思います。せっかく配備されたのだから、私の今のスタンスとしては、どんどん使えじゃなくて、むしろゆっくり取りかかっていったらいいのではないかなと、本当にできることから、子どもたちの習得状況を見て、子どもたちがそうしたものに初めて接する子もいるわけですから、これから一生そうしたものとお友達になっていかなければならないので、きっといい入り方ができるような情報機器の使い方ができればいいなというふうに考えておりますので、ぜひそこのところを考えていただきたいというふうに思います。二つ目の質問とも関連してくるのですけれども、先生方がやりたいことの中には、今言った三つ以外に公務活用という部分も入ってくると思います。公務活用をするためには、やはり個別の貸し出しをしなければならない。二つ目の質問のところに入りますけれども、現在、試しのリモート学習で何台かを貸し出しているというふうに書いてあります。この結果に私はぜひ注目したいと思っております。この結果をやはり分析して、今後、先生方のやりたいこと、学校として有効にこのツールを活用するためには、最終的には私は家庭への貸し出しは不可欠だというふうに考えております。それには本当に高いハードルがあることは教育長の答弁の中でも示されたとおりでありますが、これはどうしても乗り越えなければいけないハードルだと考えております。この結果により、家庭への貸し出しを進めていけるかどうか、また検討していただいて、ぜひその情報をお聞かせいただきたいというふうに思います。今、ご答弁いただいた中で、貸し出しをした後、今後どのようにこの後進めていく考えなのかお聞かせいただきたいと思います。
答弁 教育長 宮管玲(教育長は2022年3月まで)
自宅に持ち帰らせることも想定しての取り組みでありますが、今後、タブレットを使った学習支援ソフトのシステムが必要になってくるのではないかというふうに考えています。というのは、学校の授業の中で単元の学習に使う、― 42 ―それから振り返りの学習に使う、ドリルとして使うというような学習支援のシステムが入ることによって学校の授業で有効活用できますし、家庭に持ち帰った際に家庭でも活用ができる、そういったものも取り入れていく、子どもたちに学習の場をつくっていきたいというふうに見通しとして考えているところであります。
質問 7番 佐藤久哉
〔登壇〕 これがどんどん進んでいって、最終的にいろんな問題をクリアして、個別に貸し出しができるようになると思うのですけれども、個別に家庭へ持ち帰らせる中には、いろんなクリアしなければいけない問題があります。ちょっと事例紹介というか、関西のほうで、私立で既にタブレットの端末を持ち帰らせているところがあるそうです。そこは担任の先生とオンラインになっているのです。そうすると、持ち帰った子どもが学習して先生に質問したりするわけです。チャットとかメールで、そうすると先生が2人ぐらい鬱になったという話を聞いているのです。完全に課外授業ですから超ブラックになるわけです。そうした問題も、そういうものを止めてしまうようにすればいいのですけども、やっぱり熱心な先生はやってしまったりするところもある、そうした事例も聞いております。実際に使い始めると、いろんな問題が出てくると思うのですけれども、それ以外にも答弁の中にもありましたけれども、学校でタブレットを使う分には、通信の段階でフィルターをかけることができて、好ましくないサイトへのアクセスは制限できるのですけども、家に持ち帰れば通常のWi-Fiを使うわけですからフィルタリングができなくて好ましくないサイト、それからもちろんゲームサイトに行って長時間遊びに使うこともできますし、友達同士とLINEでチャットをして、ずっと夜中まで遊んでしまう、要するに子どもたちには絶好の遊び道具を与えることにもなります。ですから、こうしたものの取り扱いを、やはり親御さんとともにそういったことを考えていかないと、機械だけをポンと与えて、さあ勉強にだけ使いましょうと言って勉強にだけ使うわけはないので、そうしたところも、この 10 日間の期間限定の貸し出しの中でモニタリングしたものの中から教訓を得て、次の段階へ進んでいただきたいと思いますが、教育長はどのように考えていらっしゃるかお聞かせください。
答弁 教育長 宮管玲(教育長は2022年3月まで)
まず冒頭にありました、持ち帰りの際に全てオンラインで学習が完結するというふうには認識しておりません。あくまでも学習のツールの一つとして考えていますから、プリントの学習があったり、本を読むだとかそういった活動も家庭での学習ですし、ツールの一つというふうに押さえております。全てタブレット端末で完結しようとすると、非常に負荷がかかるものだろうと想像できますので、その考えで進めてまいりたいと思っております。あとセキュリティの関係ですけれども、議員がおっしゃるように学校のネットワークの中ではセキュリティで保護されていますので、学校内でタブレット端末を使用する場合はフィルタリングがかかっているような状況ですけれども、緊急時などタブレットを学校外に持ち出す場合、自宅などで使用する場合はフィルタリングがかからない状況であります。ただ、フィルタリングが強過ぎると検索ができなかったり、またフィルタリングをかけたとしても機械的に完全に防ぐことは不可能でありますので、デメリットを気にして制限を必要以上にかけたり、使わせないということよりも、実は使わせることのほうがメリットは大きくて、失敗を通してみずから考える、みずから判断する力を育みながら有効なツールの使い方を学校も家庭も社会も考えて実行していくべきであるという考え方もありますので、そこのところ試験運用の中で実践家や専門家の意見もいただきながら慎重に進めていきたいと考えております。
質問 7番 佐藤久哉
〔登壇〕 大体わかりました。一つだけ最後に懸念がありまして、それをお聞きしたいと思います。今教育長がおっしゃったとおり、iPad、そうしたものが教育の全てではない、もちろんそれが使いこなせなければいけない時代が来ることは当然というか、もう見えています。ただ、だからといってこれにばかりかかりきりでいると弊害が出てくると思うのです。それは何かというと、こうしたものを利用することによって授業効率が落ちてしまう、学習効率が落ちてしまう、どうしても上手くいっているかというのをぐるっと見回って来なければいけないとか、毎回そうではないでしょうけれどもそうしたことも必要になってきますし、あとiPadを触っている間は字を書かないわ― 44 ―けです。当然、書く力が落ちていく。それから専門家の間では読む力も落ちてくると、それから考える時間が減ってしまうので考える力が落ちてくる、そうした弊害が懸念されるというふうにいわれているのですけれども、これに対して、そういう危惧があるという認識を持っていただいていれば教育施策を進めていく上では問題はないかと思いますが、もし教育長にそういったことに対する見識がおありでしたら、お答えをいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
答弁 教育長 宮管玲(教育長は2022年3月まで)
先ほどの答弁ともちょっと重複しますけれども、ICT機器だけを使って授業をするだとか、家庭学習を進めるだとか、全てICT機器に頼ってということは考えておりません。あくまでもツールの一つであって、大事なのは授業を改善していくことであって、学習指導要領で主体的、対話的で深い学び、仲間と教えあったり一緒に考えて物事を解決していく、そういった学習を進めていく中でタブレット端末を活用して授業改善を進めていくことが大事だというふうに考えております。あくまでも機械を使うことが目的ではなくて、授業の目的を達するために便利な道具としてタブレット端末、ICT機器は活用するべきものであって、教職員もそのように考えて実践を進めているところでありますので、環境整備の部分について進めてまいりたいというふうに考えております。