大樹町議会 令和5年第4回定例会 2023年12月7日
日高山脈襟裳国定公園の国立公園化について
2023年12月7日、大樹町議会の一般質問で、菅敏範議員が「日高山脈襟裳国定公園の国立公園化について」質問し、町長 黒川、住民課長 水津が答弁しました。
- 質問者
- 菅敏範 議員
- 答弁者
- 町長 黒川、住民課長 水津
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 菅敏範
先に通告してありました日高山脈襟裳国定公園の国立公園化について、町長に考え方を伺いたいと思います。日高山脈襟裳国定公園の国立公園化は、十勝・日高管内の関係市町村による要望から十数年が経過した、この取組を経て、来年、令和6年度内に実現する状況だとなっています。管内の関係市町村は、国立公園化で知名度が一層高まり、新たな観光客が十勝を訪れることを期待し、既存の観光資源の整備と有効活用などで、観光客の誘致に結びつける検討を始めていると聞いているので、大樹町としてもどんな視点で国立公園化に対応していく考えなのか、下記について町長に伺います。1点目は、大樹町の国立公園対象地は、保護又は利用のどちらに軸足を置くと考えているのか。2点目に、新たな観光客誘致に既存の観光資源をどのように関連付けていく考えなのか。3点目は、登山者等に対応する環境整備や改善をどのように考えているのか。4点目は、名称や日高山脈の魅力発信で、関係市町村との連携はどこまで進んでいるのか。5点目は、観光協会・商工会等の関係機関との協議はどのように進めていく考えなのか。よろしくお願いします。
答弁 町長 黒川
菅議員ご質問の「日高山脈襟裳国定公園の国立公園化について」お答えをいたします。日高山脈襟裳国定公園の国立公園化につきましては、現在、環境省において公園計画書等のパプリックコメントが実施されており、来年夏頃の指定に向けて手続が進められているところです。1点目の「大樹町の国立公園対象地は、保護又は利用のどちらに軸足を置く考えか」につきましては、日高山脈は地殻変動を受けて形成された非火山性連峰を基盤に、原生的で手つかずの自然環境が広がり、シマフクロウやクマタカなどの生態系の上位種や希少種の生育地にもなっていることから、適正な保護が必要だと思っております。一方で、自然について知識を深めたり、自然体験の場として利用促進を図っていくことも必要だと考えております。2点目の「新たな観光客誘致に既存の観光資源をどのように関連付けていくのか」につきまして、国立公園に指定されるタイミングで観光地として注目度が高まると思われますので、新たな観光客誘致に向け、本町の特色である宇宙を基軸に、自然やアウトドアなどを活かした体験型・滞在型の観光商品造成に取り組んでいきたいと考えております。3点目の「登山者等に対応する環境整備や改善をどのように考えているか」につきましては、現在、本町側から利用できる登山道はない状況で、登山者を受け入れる環境にはなっておりません。国立公園化に伴い登山者の増加が予想されますので、適切な情報発信や安全対策などが必要だと考えております。4点目の「名称や日高山脈の魅力発信で、関係市町村との連携はどこまで進んでいるか」につきましては、名称につきましては、観光客などに国立公園の位置を認知しやすくするためにも「十勝」の名前を加えるよう十勝圏活性化推進期成会から国に要望しております。また、日高山脈の十勝側6市町村で構成する十勝・日高山脈観光連携協議会において、国立公園化に向けたパンフレットや動画の作成、遊覧フライトツアーの実施など、十勝から日高山脈の魅力を発信する取組を進めております。5点目の「観光協会・商工会等の関係機関との協議はどのように進めていくか」についてでありますが、国立公園とタイアップした商品開発や情報発信など観光客の満足度を高めることができる取組について、観光協会や商工会と協議する場を設けていきたいと考えております。
質問 菅敏範
この国立公園化につきましては、当初、2021年度末に全国で35番目の指定となる予定だったはずだったですが、諸般の事情で2年以上遅れている状況にあります。この間、関係市町村で多くの議論がありましたし、今も進んでいると承知をしています。大樹町の中では、内部、外部の議論が少なかった気がしますが、特に十勝の管内においても、大樹町は非常にこの公園を利用するというポジションからいうと、非常に厳しい条件下に置かれていると私は思っています。ですから、個人的には国立公園の意図する保護と、利用で言うと、日高山脈全体、そして特に大樹の管内については、保護を優先しなければいけないような条件が全体的に多いのではないかと承知をしています。町長から適正な保護が必要だということでありますから、そこは今後、できれば適正な保護というのはどの辺を指すのか。それから利用のほうで言うと、自然に対する知識を深めるというのは、対象は町民向けなのか、他町村も含めてなのか。それから自然体験の場として利用促進を図っていくということになりますと、具体的な策として第6期の総合計画の素案の中では、体験型メニュー、滞在型の観光ということが一つの目玉になっています。そういう意味からいうと、適正な保護と、これから利用に向けての議論がまだ進んでいないとすれば、その議論のポイントになる部分があればお聞かせいただきたいと思います。
答弁 町長 黒川
日高山脈の大樹町エリアにつきましては、ペテガリ、ポンヤオロマップ等々があるのですが、大変厳しい自然状況であるということで、一般客が利用できる場所が極めて少ないと新聞報道でも言われておりまして、正直なところ私も日高山脈登ったのはアポイ岳だけでありまして、ほかの山には登ったことないのですが、特にポンヤオロマップあるいはペテガリを登るという方は、なかなか相当な上級者でないと向かえないのかなと思っているところであります。そういったところで、国立公園化でどんどん人を入れようということにはなかなかならないのかと思います。適正な保護という部分では、今、生態系のこともございますが、開発に十分注意しながら保護を優先しながら考えていくべきかと思っております。ただ、利用というか、せっかく国立公園になっているわけですから、山の頂までに行かないまでも、例えば私どもの町にはカムイコタンキャンプ場があったり、歴舟川が日高山脈から流れている、大変自慢の川があるわけでありますので、こういったものを利用しながら、あるいは日高山脈の麓などを利用しながら、いわゆるロングトレールとかフットパスとかいう体験型のもの、あるいはアドベンチャートラベルというのが今年、アドベンチャートラベルサミットが北海道で開催されましたけれども、こういったお客様のニーズというのが結構ある。観光地にいて、風光明媚を眺めるというだけではなくて、そこの生活やら習慣やらを体験するアドベンチャートラベルというのが今注目されていて、そういったものにこの大樹町は日高山脈を含めて海もありますし、いろいろなそういうアドベンチャートラベル的なものが向いているのではないかということで、今、地域おこし協力隊の方もネイチャーガイドを目指してやっておりますが、そういったことでの活用というのが期待できるのではないかと思っております。また、先ほど申しましたが、関係6市町村で協議会を設けておりまして、その中でいろいろイベント等も、パンフレットを作ったり、イベントも行っております。チャーター飛行機で上空から眺めるなんてこともやっておりますので、こういったものが商品化されるということもあろうかと思いますので、観光は小さなエリアで考えるのではなく、面で広く大きく考えないとならないと思っておりますので、そういった部分でもこの6市町村での取組に参加しながら取り組んでいきたい。アドベンチャートラベル的なものを商品開発等々、そういった体制を整えるようなことを取り組んでいきたいと思っているところでございます。
質問 菅敏範
私も町長が言われた考え方にほぼ同じ考えであります。その条件から見て、日高山脈は登山を主体でいうと国立公園に該当する日高山脈の大樹の管内は、登山をすることも一つの利用でありますが、この景観を離れた場所から優れた景観を望むことは可能でありますし、その源流から流れ出る日本一の清流歴舟川を舞台にして、例えば上流から太平洋までのカヌーだとか、それから言われましたカムイコタンを含む、一定程度上流でのキャンプ、上流部における渓流釣りとか、そういうものを今後観光客誘致のメニューとかには考えられているのでしょうか。伺います。
答弁 町長 黒川
今、当町に日本旅行株式会社から職員の方が1名来ていただいておりますのと、それから先ほど言いました地域おこし協力隊の中でネイチャーガイド的なことを目指している方がおります。そういった方々のお力も借りながら、優れた自然環境があるわけですし、優れた景観があるわけですので、そういったものを活かしながら、このアドベンチャートラベル的なものを発展させていきたいと思っているところであります。宇宙との組合せという部分では、例えば子ども達が小さなロケットを作って、実際にロケットを航空公園、スペースポートで飛ばすということの体験もしながら、その背景には日高山脈が見えるわけでありまして、そういったところの日高山脈も国立公園ですばらしいのですというような紹介もしながら、この地を好きになってもらうということも大事かなと思います。景観という面で言えば、富士山が見えるマンションは高く売れたりしますよね。そういった部分で、この日高山脈を眺められる風景がよくてこの大樹町に越してこられた方もおりますので、そういったところは強くPRしていきながら、移住定住にもつなげていきたいと思っております。
質問 菅敏範
2点目の新たに指定される国立公園の魅力、否でも応でも他町村のPRも含めて、先ほど町長が言われましたパンフレット、中にも大樹町の魅力はという箇所があれば、何かが入ります。そうなると、全国的にやはり知名度が上がりまして、観光客が訪れる可能性は高まるのではないかと思われます。それとマッチングした滞在型・体験型メニューとして、例えば、今大樹が求めている宇宙のロケットの打ち上げだとか基地、そしてそれに今持っている観光資源と国立公園とのタイアップをした2泊3日とか、それから3泊4日は長いですから、そういうような1泊2日とか、そういうメニューの中にそれを組み入れていく、そういうことは実際には考えているという理解でよろしいのですね。
答弁 町長 黒川
考えております。既に昨年も修学旅行で学校の子ども達が、札幌でしたか、からおいでになりまして、実際にロケットを打ち上げるということも日本旅行を通じて実際に行っております。これを是非商品化してということで、実は以前に、数年前に、コロナ前にある程度の形までいったのですけれども、コロナで一旦途絶えまして、今それを復活させているということでございます。これからはさらに宇宙のメニューに加えて国立公園の日高山脈の麓だということを強くPRしながら商品開発をしていきたいと思っております。
質問 菅敏範
3点目の登山者等に対する環境整備や改善について伺いたいと思います。登山者対策の関係なのですが、回答の中では、本町側から利用できる登山道はない状態で、登山者を受け入れる環境にはなっておりませんということなのですが、実は、以前は登山道は、ペテガリ岳登山道はありました。それから、大樹町管内の登山として名前が知れているのはペテガリ岳、神威岳、ソエマツ岳だと私は承知をしているのですが、実際には全国の山岳誌とかいろいろな情報誌によりますと、上級者に一番好まれる山としては北海道の日高山脈の大樹町管内というのは、これは位置付けなのです。そこは、人が足を踏み入れたことがない箇所が多く、誰も走破をしていないコースが残っているから、それを我々は挑戦するというのが多いです。ですから、町長が言われました登山道が僕もあるかないかというのは、特別大きな課題ではないと思います。ただ、残念なことに、あったものが全く使えない状況だとか、それから道路が例えば登山口のそばまで行けないという状態もありますので、やはり国立公園化されると、いろいろな山岳雑誌や何かでPRされたりします。その辺については、町として誤った情報は行かない、適切な、適正な情報という中では、その辺に対する対応、関係市町村との連携で何か考えているようなものを持っていますか。
答弁 町長 黒川
令和3年に帯広自然保護官事務所とやり取りをしている記録がございます。大樹町からポンヤオロマップ、中ノ岳からペテガリに至る縦走路について、歩道が位置付けられているのですが、現在、夏道はなく、利用者もほとんどいないと思われますということで、ハイマツが覆って、もう通れない状況になっていますということで、ただそれに対して利用が少ないので、今後直す計画はありません、環境省的にはないですというお答えが来ております。町がやるという意思も示しておりませんので、そのままになっていると思うのです。ですから、過去にはあったが、今使える状況にはないという状況かと思います。これについて、言われえるように、ここにも上級者が僅かに訪れている状況だということで、かえって道のないところを行くほうが好きだという方も上級者にはおられると思いますので、そういう方々が走破しているのかと思います。そういったところなものですから、私どもでどう対処していいのかというのは今後の課題かとは思っているのですが、いろいろニーズがあったり、危険であったりする場合には、危険がないことはないと思うのですが、特に非常に危険な場合は何か注意喚起をするとか、あるいは環境省でこうやって把握しておりますので、ここから情報が発信されて誤った情報というのは行かないのかなとは思ってはいるのですが、その辺は確認しながら注意を払って、誰でも登れますみたいなパンフレットがあれば訂正していただくようなことは必要かと思っております。
質問 菅敏範
登山客が増えると、今、報道等で一番心配されているのはごみの問題とトイレの問題があります。ここは今、町長が言われました一部の人だけということでありますけれども、国立公園化になると、その辺の制約の関係で今後環境省とそこは何か対策を、対応について詰めていく考え方はお持ちでしょうか。
答弁 町長 黒川
状況を見てということになるのかなと思うのですけれども、やはり思ったよりも、今まで、以前よりも人の入りが多くなって、ごみも見受けられるという状況であれば、何らかの対策を考えなければならないかと思っております。ただ、今の状況でほとんどめったに人が来ない、上級者の方はある程度心得を持っているかと思いますので、環境的に汚れることがないようであれば見守っていこうかという気はしておりますが、状況を見てということになろうかと思います。
質問 菅敏範
分かりました。それでは、4点目の名称の関係について伺います。十勝の期成会が強く求めていた日高山脈襟裳国定公園に「十勝」を入れるというのが、ある程度以前からほぼ環境省に了解を得たニュースもあったのですが、もう半年ちょっとぐらいで国立公園化がスタートするという状況にあるのですが、十勝という名称が入ることは内々に確定しているのか、本決まりなのか、その辺の状況についてはいかがですか。
答弁 町長 黒川
先日の報道で、来年の夏にも国立公園指定という記事が出ておりましたが、そこでも名称は伏せられております。私どもが聞いているのは、環境省においてはまだ名称に関しては決めていないと伺っておりますので、確定しているとか、そのようには聞いておりません。未定と聞いております。
質問 菅敏範
それでは、先ほどの回答にもありました十勝の関係6市町村でパンフレットや動画を作成中ということでありましたけれども、その中でもそこはまだ未確定の状況にあるという理解をしたいと。町長に伺いますが、このパンフレットの中に一定程度の大樹町の持ち分というか、スペースがあったりしてそこはどういうPR的なものが含まれているのか、分かる範囲でお答えいただきたいと思います。
答弁 住民課長 水津(住民課長は2024年3月まで)
ページ数的には、十勝全体の地図等々がありまして、中身的にも各町のPRとして、見えるでしょうか、3コマ、ここに3コマPRが載っております。そのほか、VR体験と言って、スマホでQRコードを読み込んだら、日高山脈が画像で見えるという部分では確認してございます。以上です。
質問 菅敏範
最後に5点目の地元の観光協会や、それから商工会との協議についてお伺いします。現時点では、詰めた議論がされていないという認識をしていますが、これから残された期間でもって、地域の活性化、新たな観光客の誘致に向けて、観光協会や商工会とどのような詰めた議論をしていくかについて伺いたいと思いますが、例えば宿泊施設だとか、それから滞在型・体験型メニューを進めるとなれば、ガイドの養成とか、そういうことも考えていく、議論の中で進めていく考えをお持ちでしょうか。
答弁 町長 黒川
商工会、観光協会とは、この日高山脈の国立公園化についてということでの議論というのは、あまりまだされてないかと思います。6市町村で連携して行っている事業等々もありますので、それらも組み合わせて、今、試行段階というところもありますので、これが段々事業化してくれば、観光協会のメニューの中にも取り入れられることもあるのかなと思っております。ガイドの養成につきましては、町独自で、本人が独自で勉強しながらやっているという状況で、町としてはその応援をしているということでございます。国立公園化だけでなくて、トカプチ400というサイクリングロード、十勝をぐるっと回る、この指定もされております。これは既にされているのが、そこにも大樹町入っておりますので、そういったところの取組もありますし、国立公園化のこともあります。思いつきなのですが、中札内あたりでもう既にやっておりますが、町内で日高山脈の写真をすごく愛して撮ってやられる方もおられますので、そういった方の日高山脈の写真展みたいなのもやって、道の駅などで展示をして機運を盛り上げるということなどだったらできるかと思っておりまして、そういったことも観光協会とも協議していきたいと思います。
質問 菅敏範
現状ではこれから残された期間の議論を詰めていきたいということで理解をするのですが、最後に必要によっては環境省の担当者などを講師に招いた、保護はどうなのか、利用がどうなのか、それからどういう制限があるのかなどについての勉強会を開催することも考えていくということはできませんか。
答弁 町長 黒川
講師を招いての勉強会、私も日高山脈のことを長く大樹に住んでいる割にはあまりよく知りませんので、是非それは、開催してみたいと思います。これから調整してみたいと思います。そういったことで啓発を、機運を高めていく、あるいは日高山脈にもっと詳しくなるということは非常に大事だと思いますので、是非考えてみたいと思います。
質問 菅敏範
ありがとうございました。冒頭も申し上げましたが、国立公園化になる大樹町の管内の自然というのは、非常に原生的な自然が多いということで、保護が重視をされるのではないかと個人的には思っています。そのことを強くというか重く受け止めて、地域の要望に応えながら、利用もしていくという、その方向で、是非今後残された期間、議論を深めていただきたいということをお願いして終わりたいと思います。ありがとうございました。