新十津川町議会 平成30年第4回定例会 2018年12月12日
道立新十津川農業高校について
2018年12月12日、新十津川町議会の一般質問で、鈴井康裕議員が「道立新十津川農業高校について」質問し、教育長 久保田純史が答弁しました。
- 質問者
- 鈴井康裕 議員
- 答弁者
- 教育長 久保田純史
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は、議員が最初の質問で述べた言葉から取ったものです。
質問 3番 鈴井康裕
議長のお許しをいただきましたので、私は、教育長に一般質問をさせていただきます。表題にあるとおり、道立新十津川農業高校について、お伺いしたいと思います。新十津川農業高校は、本年創立70周年を迎え、記念式典が10月27日に行われました。昭和23年に本町の農業振興と後継者育成を図るために、滝川女子高等学校新十津川分校として設置されたものであります。しかしながら、ここ7年の卒業生の中に、すぐ就農した者はいませんし、新十津川中学校からの進学者も昨年は2名と寂しい限りであります。昨年の新十津川中学校の卒業生の中には、遠距離通学費助成制度を利用して、岩見沢農業高校に進学した子もいると聞いております。本町の農業高校の設立当時の理念から遠く離れた現状を、私は深く憂えるものであります。去る11月10日に行われました新十津川小学校の開校10周年、その記念誌の中に将来の夢として、農業をやりたいと、そういうふうに書いた子が全学年で9名おりました。この子達の夢を実現させるため、新十津川農業高校はどうあるべきなのでしょうか。道立高校なので、やれないことがあるというのなら、町立に移管して、本町の農業振興の即戦力となるような人材を育てるようにはできないのか。教育長の見解を伺いたいと思います。
答弁 教育長 久保田純史
それでは、3番議員さんのご質問にお答えします。3番議員さんがおっしゃったとおり、新十津川農業高校は、昭和23年に北海道滝川女子高等学校新十津川分校として開校し、昭和27年には独立して新十津川高等学校となりました。昭和44年、定時制から全日制に移行し、昭和48年4月1日に、町民を始め、町の長年の念願が叶い道立高校となり、学校名が現在の北海道新十津川農業高等学校となって今日に至ってございます。開校以来、卒業生は延べ2,689人を数え、本町はもちろんのこと、中北空知で農業経営者として多くの方がご活躍されております。また、全日制になってからは、多い年で71人の卒業生を送り出しましたが、農家の減少や少子化の影響を受け、平成11年には16人にまで落ち込むこととなりました。その後、高校の配置計画に伴ってやや回復し、昨年度の卒業生は37人となっております。ご指摘のとおり、近年は卒業後すぐに就農した生徒がいない状況で、その要因としては、農業を受け継ぐ生徒がわずかなこともございますが、より高い知識をもって就農するため、毎年のように、更に進学している状況にあります。農家戸数の推移を申し上げますと、新十津川農業高校が全日制になった翌年の昭和45年、農家戸数は1,350戸ありましたが、平成29年には330戸となり、15歳以上の農家世帯人口も7,103人から1,223人にまで減少しています。当時から比べ、戸数で4分の1以下、世帯人口では5分の1以下となってございます。開校10周年記念誌の中に、将来の夢として農業をやりたいと書いた児童が全学年で9名いたことは実に喜ばしいことですが、町内の需要数だけでは、この地域に適した農業に特化した高校を町立で行うことには、経営的にも困難があると言えます。そのようなことから、将来、農業をやりたいという生徒を広域的に集めるためにも、道立での高校を維持していくべきと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。また、お話にありましたように岩見沢農業高校は、北海道の中でも中心的な農業高校として7つの学科を有し、充実した環境を整えているため、本町から通学している生徒も存在します。希望の学科を目指すことは当然ですし、それぞれが自分に適した環境の中で充実した3年間を過ごしていただくことが何より大切であると考え、通学費についても支援しているところでございます。新十津川農業高校は1学科1学級ではありますが、水稲を中心とした栽培や経営の基礎技術を学ぶ農業コース、栽培とともに調理の技術、介護技術などを学ぶ生活コースに分けて生徒の育成に努めております。また、全国で唯一農業生活科を設置する学校でもあります。また、近年は地域と連携し、食用ほおずきの栽培や、パンやジャムなどを制作するなど、特色ある学習に取り組んでいます。本町の農業振興の即戦力となる人材の育成については、一定程度の水準をもって取り組んでおりますし、北海道としても農業学科を有する学校については特別の配慮をもって存続する指針を示していることから、70年の伝統を有する学校として、これからも、学校、教育振興会、PTAなどと連携し、適切な支援を継続して、魅力ある学校づくりを応援して参りたいと考えているところでございます。以上、3番議員さんの質問に対する答弁とさせていただきます。
質問 3番 鈴井康裕
ただ今、教育長の丁寧なご答弁、誠にありがとうございました。ご承知のとおり、我が町新十津川の基幹産業は農業であります。将来の農業後継者を育てうる環境づくりは、将来のまちづくりにつながるものであります。新十津川農業高校は、小学校の食育活動にも深く係わっております。小学1年生から6年生まで、それぞれ学年ごとにテーマをもうけ、高校生が小学生の先生役として作物の栽培、食物の重要性を伝えているところです。しかしながら、近年は中学生との交流が少なくなってきている。そう感じざるをえません。せっかく小学生の間は、大きく言えば技術伝承ということができているのに、中学生になると寸断されてしまうと。それが昨年の進学者2名という数字に現れたのではないかと、そういう分析もあるのではないかと私は思うものであります。やはり、小学、中学、高校と教育を継続することによって、農業後継者の育成が図られる。それが引いては町の発展につながる、そう信ずるものであります。また、高校の所管を北海道から新十津川町に代えることによって、我がが町の方針がダイレクトに伝わる。農業高校の発展につながるものと私は思います。一つの良い例が三笠にあります。去る11月17日に北海道新聞で三笠レストラン大繁盛ということで、皆さんもご承知の通りと思いますが、少子化などで悩んだ三笠高校は2012年に道立から市立に移管しました。食の専門家を養成する道内唯一の食物調理単科高校として生き残りを図ったわけです。調理部、製菓部など、部活動の一環としてレストランを運営し、調理や接客の研修を積んでおります。その結果、今年7月からの開業以来、毎週土日は満員御礼が続いている、そう報道されているとおりでございます。新十津川農業高校も町の管理下に置き、その方針を明確に伝え、少子化に影響されない、地元からさらに愛される環境にしてはどうかと思いますが、教育長はどうお考えになるかお聞かせください。
答弁 教育長 久保田純史
3番議員さんの再質問にお答えいたします。まず1点目のご指摘の小学校と高校の連携は行われているが、中学と高校の連携が小学校程ではないというご質問に対しましては、3番議員さんのご指摘のとおり、中学校と高校の連携につきましては、今現在、特に行っていない状況でございます。そのようなことから、今後におきましては、授業時数等のこともございますが、総合学習、いろんな面で、中学校、高校、連携しながら、更に特色ある農業高校の存在なり、農業を認識してもらう取り組みを進めていきたいというふうに思っております。それから、町立にすべきでないかということにつきましては、先ほどの答弁もさせていただきましたけども、町立という考えは持っておりません。道立高校でも、町の道立になった歴史、町が教育に力を入れてこの町ができた歴史等々踏まえて、今後も道立高校でも町立と同じような特色ある農業高校が経営できると思っておりますので、その辺については考えてございません。以上申し上げ、3番議員さんの再質問に答弁させていただきます。
質問 3番 鈴井康裕
確かに道立から町立に移管しますと、財政的な負担は今までよりもはるかに増すというところでございます。しかしながら、先ほどから申してますように、その後のまちづくり、ひとづくりの効果の方がはるかに大きいのではないかと、私は信じるものであります。今年、我々議員会では、政務調査で後志管内の真狩村を訪れております。人口二千人あまりの村で立派に村立の農業高校を運営しておりました。また、お隣の留寿都村も同じでありました。ここは人口二千人を切る中で高校を維持しているわけであります。真狩村は札幌から80キロ、高校には寮があり、札幌出身者には週末帰省の送迎バスが運行されています。新十津川も札幌から同じ80キロ余り、魅力ある学校づくりをすれば、札幌からの生徒も募集できると、そういう同じ条件ではないでしょうか。また、魅力ある学校づくりのために様々な工夫も必要になるでしょう。就職のためにいろいろな資格取得、研修も実施しておられるところですが、近年の進学者も増えてきている現状にも対応が必要かと思います。数年前の話ですが、私の所属していた上大和第一利用組合に北海道大学から学生が数名田植えの研修に来ておりました。その中で一番動きがよく熱心な若者がいたので尋ねてみますと、帯広農業高校の出身でありました。高校時代頑張ったんだねぇと、そう言うと、AO入試、つまりアドミッションオフィス試験で入ったんだと教えてくれました。AO入試とは、学力試験を課さず、高校における成績や調査書の審査をもとに、小論文や面接で合格の判断をする入試制度ですが、この制度で大学に進学し、その後、彼は実家の農業を継いだと聞いております。今話題の下町ロケットの舞台になっている自動運転トラクターは、北大の研究が一番進んでおります。もし、我が町が今後IT農業の推進に本気で臨むなら、この制度を利用して国公立大学に進学し、本町農業をけん引する人材になってもらう、こんな目標を立てても良いのではないでしょうか。夏の甲子園で一躍有名になった秋田の金足農業高校は、毎年4,5人の国公立大学進学者がいるそうであります。まさに、文武両道を実践している高校でもあります。新十津川農業高校は、北海道に230ある高校の中で、農業高校と名乗りを上げている10校のうちの1校であります。この名に恥じぬよう校訓の不撓不屈の精神で、これからも本町農業をけん引していっていただきたいと、そう思うところでありますが、もう一度、教育長のお考えをお聞かせ願えればと思います。よろしくお願いします。
答弁 教育長 久保田純史
3番議員さんの再々質問に答弁させていただきます。今ほど、他自治体の存立の高校の事例について、ご意見をいただきましたが、新十津川農業高校につきましては、平成6年に入学者が少ない中で、新十津川中学校寄宿舎を新十津川農業高等学校寄宿舎として開設し、さらに平成7年には、寄宿舎の増改築30名定員を行い遠距離入学者の受け入れ体制を整え、教職員は、当時、札幌圏まで生徒募集に奔走されました。そのような中、町としては当時できること、農業高校の生徒確保に向けて、できる限りの支援をしたところでございます。そういうような歴史を振り返りましても、まずは今年70周年を迎え、北海道、新十津川町、関係機関ともに80年、100年に向けて、新十津川農業高校の魅力ある高校づくり、魅緑の里を、更に関係各位で道立高校として存続していこうと誓い合ったところでもございます。そのような中で、同じ答弁になるかもしれませんけども、そういう道立高校でありましても、町の思いを踏まえて、素晴しい魅力ある学校づくりを支援するなり、意見をいただいて、道立高校新十津川農業高校ならではの学校づくりに協力、支援していきたい、そのように考えているところでございます。新十津川農業高校につきましては、生徒数の減少する空知管内においても、少子化の影響により生徒数が減少する中、広大な空知に位置する都市近郊型農業及び福祉教育の発展充実を目指し、農業及びヒューマンサービスに関連する分野に従事する人材の育成を行うことで、今日の農業高校を迎えております。そのような中で、いろいろな分野で就職されてることも素晴しいことだと思っております。そのような中で、今後につきましても、道立高校として発展していることを念願していることを申し上げ、3番議員さんの再々質問の答弁に代えさせていただきます。