新十津川町議会 令和6年第1回定例会 2024年3月11日
本町の公共建築物の耐震性、安全性について
2024年3月11日、新十津川町議会の一般質問で、鈴井康裕議員が「本町の公共建築物の耐震性、安全性について」質問し、町長 谷口秀樹が答弁しました。
- 質問者
- 鈴井康裕 議員
- 答弁者
- 町長 谷口秀樹
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は、議員が最初の質問で述べた言葉から取ったものです。
質問 8番 鈴井康裕
議長の指示がございましたので、町長に一般質問をさせていただきます。質問は、本町の公共建築物の耐震性、安全性についてであります。私の質問が地震に関するものなので、今年、能登半島地震で亡くなられた241名並びに今日が3月11日、東日本大震災の起こった日でもありますので、亡くなられた約2万名のご冥福をお祈りしてから始めさせていただきます。平成7年1月の阪神淡路大震災では、地震による直接的な死者の約9割が住宅や建築物の倒壊等に起因するものでありました。また、今年元旦に起きた能登半島地震でも、死者数の割合は同じ傾向であります。平成18年1月には、建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針が国から示されております。本町においても、平成23年に新十津川町耐震改修促進計画を策定し、5年間で建築物の耐震化を進めるところでありましたが、その間に東日本大震災が発生し、その後、耐震改修促進法が改正され、本町の変更計画は平成32年度、つまり令和2年度までとされました。平成23年度の耐震化率は住宅77.9パーセント、特定公共建築物87.5パーセント、特定民間建築物50パーセントでありましたが、努力の甲斐あり、令和4年2月の発表の住宅の耐震化率は85.3パーセントとかなり上昇しております。また、令和3年の第3回定例議会において、小玉議員がその後の計画策定について住宅の耐震診断の無料化について質問されておりますが、そのときは無料化は行わないという答弁をいただいております。一方本町は、公共建築物である小学校、中学校、各行政区会館については、いち早く耐震化を進め、避難所としての行政区会館の建替えなど積極的な政策が進められ、多数利用公共建築物の耐震化率は既に100パーセントを達成しております。しかし、これに該当しない、いわゆる耐震義務付け対象建築物を外れた公共建築物は、そのまま放置されたものもあります。その一つとして、今年1月12日に開校したドローンスクールの建物は、昭和60年に新竜水道企業団の庁舎として建設されたものであります。鉄筋コンクリート造り3階建て、事業費8,300万円、築40年ほどの建造物は、現在の耐震基準を満たしているのか疑問であります。また、令和3年3月完成、令和4年8月に鉄骨架台が落下した熱供給センターは、大規模な修復工事を行い、約2か月半後再稼働となりましたが、その後改めて構造計算をし直したのか、耐震診断をしたのか不安が残るものであります。以上の事柄について、町長の見解を伺いたいと思います。
答弁 町長 谷口秀樹
それでは、8番議員のご質問にお答えをしたいと思います。まず始めに、建築物の耐震性についてのご説明をさせていただきます。一般的な建築物の耐震性を正確に判定するためには、耐震診断を行う必要がありますが、これには図面作成や耐力度調査などが必要となる場合があり、多額の費用を要するため、町では耐震診断に係る費用を助成しておりますが、なかなか行われていないのが現状でございます。そのため一般的に建築物の耐震性の判定については、建築基準法が改正された昭和56年6月1日前の旧耐震設計基準で建設された建築物か、それ以降の新耐震設計基準で建設された建築物かで判定され、新耐震設計基準で建設された建築物が、いわゆる耐震性のある建築物として扱われるところでございます。昭和56年改正の建築基準法は、昭和53年6月に発生しました宮城県沖地震での家屋倒壊被害が甚大であったことをふまえ、その3年後に改正されたもので、改正前の旧耐震設計基準とは、建築物に損傷が生じない中小地震を想定した耐震能力を備え、震度5強程度の揺れでも倒壊しない基準とされており、一方、新耐震設計基準については、震度6強から震度7の揺れで部分的な損傷は生じますけれども、すぐには倒壊せず、居住者などが安全に避難できる時間を確保するための設計基準とされております。さて、ご質問のドローンスクールで使用する旧新竜水道企業団庁舎につきましては、建設から40年近く経過しており、昭和60年に建設されたことから、新耐震設計基準の耐震性のある建物と判断しております。次に、熱供給センターにつきましては、建物の地震に対する安全性は、建物全体に係る機器類を含めた積載荷重や地震力などの外力を考慮して、建設当時の設計段階で構造計算を行っているため、修復工事を行うに当たり、改めて建物全体の構造計算を行うことはしておりません。なお、補修箇所の壁とアンカーに係る構造計算につきましては、補修段階で耐力計算を行い、それに基づいた設計により適正に施工していることから、耐震性に問題はないというふうに判断をしております。以上、8番議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
質問 8番 鈴井康裕
ただいま町長から答弁をいただきました。まず、ドローンスクール、旧商工会館の件でありますけれども、あの建物は60年に新竜水道企業団、そして、商工会館又は地域おこし協力隊のアジト、社会福祉協議会と様々な使われ方をしてきたわけですが、果たして、耐震性の面ではどうなのかというのは、次々と管理者が変わっておりますので、責任の所在がちょっと明確でないというところがございます。1階が車庫となっており、北側の方には壁がありません。しかも鉄筋コンクリート3階建てですと。建築基準法は先ほど町長が申されましたように、昭和56年、つまり1981年に大改正が行われ、新耐基準として制定されますが、要は、一度だけ震度7程度の地震に耐えられるという基準で考えられております。このときは、まだコンピュータというものがあまり普及していなくて、構造計算も手計算で、経験に基づいて安全性を見るというのが一般的でした。しかしながら、平成7年の阪神大震災の後、あまりにも倒壊建物が多かった。特に1階だけが柱だけ、あるいは壁が少ないという、下を駐車場、物置などにした建物の倒壊が多数見られました。そのことを踏まえて、平成12年に建築基準法が改正されたわけであります。いわゆる横揺れに対する壁の重要性、耐力壁の設置、配置バランスを考慮せよとあります。カタカナのいわゆるコの字の壁の配置は、ねじれに弱く、地震時に崩壊の可能性が高いとされております。このときは、平成12年ですね、もうプログラムも普及して、パソコンもかなり導入されております。法律の改正に基づき、構造物の安全性に対する再計算が行われ、体力の足りないものなどは補強工事が行われております。現に私の話でございますが、昭和58年に最初の就職面接で訪れた砂川の民間会社は、当時1階が全面車庫で、2面が吹き抜けというような構造でびっくりした思い出がありますが、現在はしっかりと別の面に耐力壁が設置され、耐震化に配慮したのが見てとれます。壁を多くバランスよく配置することによって、現行の耐震基準より最大1.5倍の耐久性が保たれるとあります。要は、建築基準法は大きく分けて、1950年からの旧耐震、1981年からの新耐震、2000年からの現行基準と大きく三つに分けられるということです。建築基準法は、地震との戦いでもあります。先ほど申された宮城沖地震、新潟地震、熊本地震など、小さな地震も含めて、細かな改正が行われております。2000年イコール平成12年のときの管理者はおそらく商工会だったのかなと思いますが、その後役場がきちんと管理をしていたのか、そして今、町の目玉政策であるドローンスクールの拠点をあの建物にしていいのかという、3年余りの間、大地震が来ないという保証はどこにもありません。そこで、構造計算の必要性を強く思うものであります。それともう一つ、熱供給センターであります。チップ供給の際に29トンもの荷重がかかるということで、鉄骨架台が落下して2か月半止まった経緯がございます。その架台をアンカーボルトで固定、補修したわけですが、地震の際、横方向の力にどのような影響があるのか検討したのでしょうか。そして、補修した支柱も当初30度だったのが45度になっています。通路が確保しにくいというような状況で、角度を変えると20パーセント抵抗力が落ちます。そして何より、この壁だけを頑丈にすると躯体全体とのバランスが取れていないと。シリンダーが動いてるときに横揺れがきて、ボイラー全体が、本体が倒壊し、チップに燃え移り火事になるというようなことは、なかなかないかもしれませんが、多分このようなことにならないように、地震時の初期微動を感じ取ったら即時に止まる仕組みになっていると想像しますが、確認をさせてください。また、時系列を追って見ますと、実施設計業務は令和元年9月10日から令和2年1月30日のわずか4か月半であり、建設工事は、その令和2年5月20日から令和3年3月3日までであります。実際には設計が間に合っていなくて、工事と並行して図面を作成した状況が、委員会報告からも見てとれます。問題の鉄骨架台の図面が出てきたのが、令和2年の8月24日、10月21日に初めて応力として、押し方向29トン、引抜き方向20トンと、チップ搬送装置機械メーカーより提示されております。ですから、実施設計工期1月30日ですから、その後に新たな荷重が付け加えられたということであります。しかも、連続ばりの強度計算も現場施工のミスも重なり、令和4年の8月に落下してしまったということでございます。2か月半もの修復工事の果て、架台を支える壁はより強固なものになりました。このような一部だけ頑丈な壁をつくってしまいますと、今まで横揺れなどに全体でバランスを取っていたものが、そうでなくなる。いわゆる、上下の接合点に過大な負荷がかかり、最悪の場合は破壊されてしまう恐れがあると思います。そのような検証をしないでよいのか、地震時の体力は保たれているのか、今度は再度、別の業者に耐震診断を含む構造計算をしていただいてはどうかと考えます。本町では、平成7年5月23日19時01分、マグニチュード5.7、震源深さ13キロ、震源地は、推定によると新十津川北部となっております。当時の観測体制、地震計の故障、不備などもありまして、正確な震源地、最大震度はわかっておりません。ちなみに、新十津川防災計画の資料では、マグニチュード5.6とありますが、その後の北大の調査資料では5.7とありますので、その数値を参照させていただいております。そのとき家屋の一部損壊は46棟、墓石倒壊128基とありまして、実際私もその時、田植えが終わって洗車をしていたとこでございます。電柱が大きく揺れる様子は実際に体感しております。しかしながら、この時の地震は沼田砂川断層帯、いわゆる樺戸断層群と関連はなく、大きな災害には至らなかったということです。もし、活断層絡みの地震ならば、昨年発行された揺れやすさマップ、これにございますように揺れやすさマップで、いわゆる地震防災ハザードマップにもありますように、国道275号線近辺では、最大震度6強、死傷者170名、建物の約半数が全半壊するとの甚大な被害が想定されます。新十津川は石狩川の度重なる氾濫によって豊かな穀倉地帯になったわけですが、そのため粘性度が多く、揺れも大きくなります。北海道北部は地震が少なく、あまり危機感がないような生活をしていますが、最近の傾向を見てみますと、どこで直下型地震が発生するかわかりません。また、長く地震学者の間では、地震30年周期説というものを唱える方が多数いました。これは、江戸時代から関東大震災までの220年の間に8回の大地震が起こったということによります。220割る、要するに間7で31年ということなんですが、未だに南海トラフ地震の際にも、今後30年間の間に地震が起きる確率はということで、よく30年という数字が現れております。新十津川を震源とした平成7年の地震から来年で30年ちょうどでございます。このことも頭の隅に置いていただいておきたいと、そう思うところであります。また、その平成30年の約30年前は、昭和40年代でございますけれども、その時には十勝沖地震で震度5.4、5.6というのがありました。母村十津川村長から様子を伺うお見舞いの電話をいただいたと、十津川100年史には出ております。このようなことも踏まえて、再度、構造計算、耐震計算をしてはどうかというふうに提案しますが、町長の考えをお聞かせ願いたいと思います。以上です。
答弁 町長 谷口秀樹
それでは、8番議員の再質問にお答えをしたいというふうに思います。いろいろ旧新竜水道企業団の庁舎、後は熱供給センター、そのほか地震に関する歴史についていろいろとお話をいただきましてありがとうございました。まずもって、熱供給センターの時系列のお話があったと思いますけれども、これについては、既に委員会で報告済みということですので、答弁は控えさせていただきたいと思います。平成12年に改正された建築基準法の構造規定に関する主な改正内容につきましてですけれども、限界耐力計算法の導入というものと木造建築物について接合部の規定強化や耐力壁のバランスの検討など、先ほど議員の説明の中にも言葉として出ておりました部分の改正がされたということでございます。で、旧新竜水道企業団の庁舎につきましては、建物の規模から判断しますと、限界耐力計算が必要ではない建物というふうに分類されること、そして、構造が、現在鉄筋コンクリート造であり木造ではないため、大きな仕様規定の改正はなく、耐震性に影響するものではないので、特段問題はないというふうに考えております。続きまして、熱供給センターの建物の地震に対する安全性なんですけれども、当初の設計段階で建物全体にかかる荷重及び外力を考慮して構造計算を行っているため、耐震性に問題はないと考えておりますが、震度3から4の地震が発生したときは、感震器、揺れに反応する感震器によりボイラーが自動で止まり、それに連動してチップ搬送装置も停止するなどの安全装置を備えております。次に、鉄骨架台の落下に伴う補修による壁の耐力についてでございますけれども、当該箇所の壁厚は、構造計算上では35センチで設計しております。それに伴い、施工誤差も含めましてプラス10センチのコンクリートを厚くして打設しておりまして、合計で45センチの壁厚となり、アンカー長に対しまして十分な厚さを有する堅固な構造となっていることからも、補修による耐力、壁の耐力への影響はないものというふうに判断しております。また、水平耐力の検討につきまして質問がございましたけれども、今回の補修工事が、建物の大きさや形が変わるような増改築、そういったものに当たらないことから、これら検討を必要としない建物ということで申し上げておきます。以上申し上げまして、8番議員の再質問に対する答弁とさせていただきます。
質問 8番 鈴井康裕
丁寧なご答弁ありがとうございます。先ほども申しましたように、本町は小学校、中学校の耐震化をいち早く行ってきたものであります。ドローンスクールも学校であります。しかも、一等無人航空操縦士の国家資格の取れる学校、費用も初心者ですと2週間で100万円かかるとKDDIのホームページにあります。その上、国の補助で重いものも運べ、長時間飛行が可能なハイブリッドドローンが導入されると聞いています。万が一、地震でガレキの下になるようなことがないように願うものであります。災害が発生したとき、ドローンはいち早く交通のせん断された被災箇所を偵察し、必要な物資を運ぶということもできます。3月5日には、改善センターから吉野の活性化センターまでのデモフライトを私達も見学させていただき、その効用のほどを見させていただきました。そして、今年の能登半島地震では、最大積載量25キロのドローンで、牛舎に12リットルの水を40回運び、90頭の牛を救ったという記事が日本農業新聞にも掲載されております。また、医薬品や食料の搬送も行ったと多数のメディアが伝えております。ドローンスクールの耐震保障を強く望まぬわけにはまいりません。ここに、平成30年2月に出した新十津川町地域防災計画がございます。この最終ページに、鉄筋コンクリート建造物の状況ということで、先ほど申しました昭和56年以前は耐震性が低く、57年以降は耐震性が高いということが傾向としてあると。しかし、必ずしも建築年代に判断されることなく、既存建物の耐震性は、耐震診断により把握することが重要であると、こういうふうに書かれております。ですから、耐震診断というのもコンピュータがだいぶ発達してきてますので、いわゆる我々で言う構造屋というんですか、仮にモデルをつくると、鉄筋コンクリート3階建ての柱これですよというモデルを使って、その地震時の応力を測るというのは、そんなに時間もかからないし、手間もかからないと私は聞いております。そのことぐらいはできないかと、そういうふうに思うところでありますが、町長の見解はどうでしょうか。
答弁 町長 谷口秀樹
それでは、8番議員の再々質問についてのお答えをさせていただきます。本町の小学校、中学校については、耐震改修促進法による位置づけで、これは多数の者が利用する特定既存耐震不適格建築物ということになりまして、施設規模から要緊急安全施設大規模建築物に分類され、法律上、耐震診断を実施することを義務付けられている建物となります。建築基準法の用途分類におきましても、学校に分類される特殊建築物扱いとなることから耐震診断を行った上で、中学校は平成22年、小学校は平成23年に耐震改修工事を行ったところです。一方、ドローンスクールで使用する旧新竜水道企業団庁舎については、建築基準法の分類では、学校に該当しない建物でありまして、また先ほどの答弁のとおり、昭和60年に建設された新耐震設計基準の建物であり、耐震改修促進法での多数の者が利用する特定既存耐震不適格建築物にも該当しないことから、この施設の耐震診断を実施する必要がなく、耐震性を有する建物と判断をしております。ただ、申し述べておきたいのは、建物自体は、壊れる、壊れないという判断でいきますと、壊れる可能性はあります。ただ、人の命が危ぶまれるような状況にはないということを申し上げまして、8番議員の再々質問に対する答弁とさせていただきたいと思います。