みんなの議会

新十津川町議会 平成29年第2回定例会 2017年6月7日

人口減少の中での農業と農村部の住まいのあり方について

2017年6月7日、新十津川町議会の一般質問で、青田良一議員が「人口減少の中での農業と農村部の住まいのあり方について」質問し、町長 熊田義信が答弁しました。

質問者
青田良一 議員
答弁者
町長 熊田義信

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

件名は、議員が最初の質問で述べた言葉から取ったものです。

質問 8番 青田良一

一般質問をさせていただきたいと思います。熊田町長が就任時に、なせば成るなさねばならぬ何事も云々ということで、お話なさいました。一つの人生の目標といいますか、町長になってからも、そういった言葉を大事に町政を進めていこうというお気持ちの現れであったんだろうと思います。最近は、あんまり具体的な言葉でなくて、もう少しこう短い言葉でいろんなものが含まれている言葉がたくさん出てきてます。私が感動した一つの中に、試される大地というのがありました。もうちょっと古くなりましたけども、これ北海道か開発局か分かりませんけども、北海道が非常に傾きつつあるといいますか、すべてのことにだめになってきた時期に、そういうポスターを作って、役場にも貼ってありましたし農協にもありました、銀行にもありました、駅にもありました。試される大地。ただそれだけです。北海道のほの字も書いてありませんでしたけども、そういうことがありました。最近では、ひとりの商人、無数の使命という言葉があります。これは世界を股にかけて活躍する伊藤忠商事のキャッチフレーズといいますか、そういう中身です。ここにも伊藤忠商事という言葉も書いていないですね。この言葉の中から世界で働く人達の基本姿勢みたいなものを感じられます。同じように、実は新十津川にもあるんですね。しんとつかわで心呼吸。という言葉があります。私、これ大好きなんですね。いろんなことを想像させるんです。新十津川がどういう場所かというふうなことを、非常に空想が湧いてくるんです。清涼感がある、広々としている、あるいは広大な広がりを感じる。そういうようなことは、この言葉から感じられるんですね。私は、これを作った職員はすばらしいなと思うんです。何々をする新十津川ではなくて、しんとつかわで心呼吸。と、こういう言葉の中でいろんなことを想像させるということは、すごいことだと思うんです。今、これから質問することは、そういうことなんです。そのすばらしい新十津川の背景になっているのは、実はやっぱり農業ではないかなということなんですね。その農村がどういうふうになってるかということについて、私なりに考えられることを文書化して、町長に投げかけました。ちょっと体調が悪いんで読み上げます。本町の将来人口予想というのが示されました。これご存じのように少子高齢化という枠の中で、まず間違いなく減るということでございます。しかしながら、施策としてこれを何とか現状維持にしよういうことで、現在、このまちで家を建てたらいくらとか、そういう施策を打って、実はこの歯止めをかけようということで実施をしています。一定の数値を示していると。これについては評価をしたいなと思います。しかし、財政的な見地から、これをいつまでも続けていくということはちょっと考えられないかなというふうなことを思っている次第でございます。したがって、将来人口を今言ったように見通しますと、やはり減っていくと。減っていく中で高齢者はしっかりと増えていくというふうなまちの形態が残っていくんだろうというふうに思います。そういうふうに考えた中で、新十津川は実は行政面積が非常に広いんですよね。これは良い面でもあるけども、こういう人口減少社会等を考えたときには、また欠点だというふうな形でも見る必要があるのかなと、私は思うんです。そういうような全体像を見ながら農村部にちょっと目を落とした中で、少しお話をさせていただきたいと思います。農村部の方は、後継者が確実に確保されているという農家が、私の見た限りではそう多くはないというふうに思います。そしてかつ、現在いわゆる世帯主といいますか、経営の母体を担っている方々の高齢化が進んでいるというのが現状ではないかなというふうに思います。面積が一定なわけですから、耕作者がそういう形でいなくなってくれば、その農地はどっかに収れんされていって、いわゆる一人の農家が大きな面積を持つというふうな形で考えていけば、農地は減らないで現状のまま、この農村が保たれていくということになるんだろうというふうに思います。その中で、特にその沢地帯と言われている部分で、四号の沢とか七号の沢、士寸とか、昔で言う盤の沢ですかね、いろいろありました。私は農業の事があまり詳しく分りませんけれども、そういう沢地帯と言われる所は、風があまりあたらないので良い米がとれるというふうな話を聞いております。しかし、そこに住んでいる人達の現状はどうなってるかということを見てみますと、実は、櫛の歯が抜けたように一人、二人といなくなっているのが現状なんですよね。そうすると、あまり平坦部に比べると、失礼かもしれないけど、それほど利便性は良いというふうな形になっていないということが言えるのではないかなと思います。そういう沢地帯の中で残った戸数が減ってくると、その一つのコミュニティーがそこで無くなってくるというふうな懸念が予想できますよね。そうすると、以前議会でも問題になっていたように、町内会活動がどうとかこうとかって言ったって、1戸か2戸しかなくなってきたら、そんなこと言ってるどころじゃいんですね、実際にそういう形になってしまうということですね。それでは、そういうふうなことをどうやって解決したらいいのかということを、やっぱり考えていかなきゃならないんでないかなと思います。その中でヒントになるのは、若い人達でも農家の後継者という方々が、実際には農地の近くに住まないで、こういう街の中に家を借りて、農地に通っているという例がゼロではないはずなんですね。一つの農業をやっていくパターンとして、そういう形もありうるということの事例があります。さらに昔の話になって恐縮ですけれども、吉野に上吉野団地ということで、あそこは私達の先輩の方々が知恵を絞って、冬は里に下りてきて、夏場山で農業をしてもらうということで、集団で移住したという経過があります。移住という言葉がちょっといいのかどうか分かりませんけども、そういうふうにして、一つの農業のあり方を変えつつ農業を守り、農地を守ろうという試みをやった経過があります。これも一つに、一つにというか新十津川が多分、日本の中で初めてだったんではないかなという、私は記憶してます。そういうようないろいろなことを考えますときに、やはりもう新十津川はそういう農業のあり方、農家のあり方等を、やはり新しい考え方に基づいてということの発想を持つ必要があるんでないかなというふうに、私は思うんですね。これは、先ほど申し上げましたように、なせば成るとの話と同じことですよ。なかなか現実では難しいですけども、いろんな手ずるを使いながら、やはり一定の集団生活が営めるような形態にして、農地には必要な時に通うという、農業の知らないやつが何を言うかと言われるかもしれないけど、そういう形態をこれからやっぱり考えていかなかったらだめだと思うんですよね。それを個人ではできない訳であって、やっぱり行政がそういった部分の膨大な計画をつくって、住民の方々と対応をしながら実現をさせていくということが大事なんだろうと思います。基本的な質問の趣旨はそういうことでございます。町長の答えを聞きながら、次の質問を考えたいと思いますので、よろしくお願いします。

答弁 町長 熊田義信(町長は2023年3月まで)

それでは8番議員さんの質問にお答えをさせていただきます。まず最初に、人口減少の問題から触れられておりますた。人口減少は、残念ながら一定の成果はありますけれども、人口は減少しているという状態は否めない事実であります。ただ、今の制度については、今、短期的にやるということでございますので、年度を区切ってその制度設計をしているということで、ご理解をしていただきたいというふうに思いますし、これがずっと続いていくと、ご指摘のとおり財政的なことからできないということは、もう当然のことであります。そのことをまずもって申し上げたいというふうに思います。今、8番議員さんの農村部の新たなあり方についてのご質問は、まちのありようにもかかる大きな課題であると考えております。そのようなことから、農業の現状などを説明しながら、私の考え方を申し上げますので、少し答弁が長くなることをまずもってご承知おき願いたいと思います。はじめに農家戸数の推移について説明をさせていただきます。本町では昭和24年の2,063戸をピークに減少しはじめ、昭和58年には989戸と1,000戸を割りました。その後、平成に入りましても減少を続け、平成元年に約892戸あった農家戸数が、平成20年には430戸となりその半分となり、現在、平成27年の数値ですが343戸という実態でございます。農家戸数の減少、すなわち離農戸数は、近年3か年での状況でありますが、平成25年度25戸、平成26年度16戸、平成27年度14戸と減少が緩やかになってきております。その背景には新規学卒就農者やUターン就農者等の農業後継者がおり、平成26年度9人、平成27年度7人、平成28年度6人が農業を継がれているという状況となってございます。次に、本町の農地のことに触れたいと思います。農業委員さんが中心となり、関係機関や団体の格別なご努力により、現在耕作放棄地もなく、しっかりと農地が守られております。しかしながら、平成30年度からの米の直接支払交付金の廃止、生産調整の終了など国の農業政策の転換、また担い手対策など、今後の農業、農村を取り巻く環境は楽観できるものではないということにつきましては、8番議員さんと同様の認識でございます。そして、ご指摘の沢地帯は、一般的に食味の良い米がとれると言われておりましたが、近年は農業者の普段の努力とともに基盤整備事業や土壌改良、また、JAピンネや農業改良普及所等の指導により栽培方法が確立され、平地においても良食味米が収穫されております。農業が効率的な農業経営を目指す今日では、ほ場の地理的要件や基盤整備がされているか否かなど、営農条件の優劣に重きが置かれた中で農業者は規模拡大の検討をしてございます。現在の本町の主たる作物である水稲は、ピンネ農協の地域農業振興計画においても、北海道一の米どころピンネを目指して、農地の効率的利用と集積により農地を保全し、主食用米の産地として農業基盤を確立することとしてございます。水稲の生産においては、ある程度の大規模化により経営力を高めていかざるを得ないというのが実態でありますので、現状においては離農が全てマイナスに働いているということではないと考えております。町といたしましては、今後もピンネ農業公社、JA、農業委員会との連携を図る中で、農地利用集積円滑化事業や農地中間管理事業等の制度を充分に活用しながら、集積を図り農地を守っていく考えであります。また、ピンネ農業公社で行っている農地利用実態調査、また、早い段階から潜在的な農地、担い手の問題を見える化し対応していく、人、農地プラン等により、潜在的な農地、担い手の問題をできるだけ早い時期に把握してまいりたいと考えておりますし、農業経営の法人化や農作業コントラクターなども農地を維持していくための一つの方策でありますので、そのような取組みについても前向きに検討を進めてまいりたいと考えております。今、8番議員さんの質問の中で、若い農業者が通いをしているという話がありました。しかしその通いの実態には、農地の周りには親がいると、いわゆる親が守っているということを認識をしていただければというふうに思っております。ですから通いが成り立っているということが前提にあるんではないかなというように思ってございます。ご質問にありました夏山冬里方式でありますが、本町では昭和35年、新十津川ダムの完成により、ダムから奥の留久地区が孤立するという形になり、通学、医療、購買などの日常生活に支障をきたすということから、当時、8番議員さんの言ったとおり全国で初めてとなる上吉野地区集落再編モデル事業として指定を受け、昭和44年及び45年に上吉野地区に集落を移転し団地を形成いたしました。当時は、行政も幾度と地域に出向き、長い時間をかけ地域の理解を得ながら、最終的に集落の移転という結論に達したと考えておりまして、地域に住まれていた方々にとっても大変厳しい決断であったと推察をするところでございます。まさに、当時、将来を見据えた英断であり、先人の知恵と創意工夫の結晶であると私も認識をしております。夏山冬里方式の取組みや、除雪等の行政コストの削減にもつながる良い面も数多くございますが、農業経営のことを考えていくと、私は農業者の皆さんが農地の近くに住居を構え、用水管理を適正にし、作物の成長を確認しながら、有害鳥獣被害を受けないよう気を配り、おいしく安全な農作物を作り、魅力ある営農をしていくことが基本であると考えております。そして先祖が開墾、整備をした大切な農地を守っていくと同時に、地域に大変な愛着を持って住まわれていると推察をしているところであります。本町で過去に行われた夏山冬里方式は、ダムの建設が大きな要因でありましたので、現在とは時代背景や農業の経営など条件が異なっておりますが、はやり先駆的な事例として十分にそのことは今後もいろんなことで考えなければならないというふうに思ってございますし、その後、北美沢の団地についても違った条件の中で集落移転をしたという実績もございます。さらには、集落移転においても、現状の農業形態を維持するにしても、双方に様々なメリットとデメリットがございますので、地域や農業者にとって有効で効率的な施策となるのか、その必要性については十分な時間をかけての検討が必要でありますし、まちの形態が変革する大きな施策であるというふうに考えております。まずは町民の方々の意向がどうなのかということをしっかり把握をした上で、関係機関の意向も伺いながら慎重に対処すべきものと考えております。斬新で新しい発想は必要であります。私もいろんなことを考えながら、しっかり町政を守っていきたいというふうに考えておりますが、この新しい発想が逆に進みすぎて相手の理解が得られない場合、逆に同じような時期にあった永年転作と同じように、その地域から人がいなくなって農地も守れなくなるという懸念も無いとは言えない訳でありますから、地域に住んでいる方々の理解なり、そういう地域の方々がどうしたいのかということをしっかり聞いた上で、先ほどの繰り返しになりますけども、関係機関とも意向を伺いながら進めてまいりたいというふうに考えておりますので、現段階で行政が指導し、夏山冬里方式、あるいはこれに類した構想を性急に策定するという段階ではないと考えていることを申し上げ、8番議員さんの答弁とさせていただきます。

質問 8番 青田良一

なかなか突飛な考えに賛同はしていただけませんでしたけれども、町長の言葉の中に効率的な農業だとか、農地を守るとか、時間をかけてとか、様々な前向きに検討しなければならないというのは、どっかの隅っこにあるような発言は聞き取れました。急に言って急にやれと言っても、いろんな諸条件があるからできないと思いますけども、やっぱり現状を見ると、ああいう所に1人ぽつん、1人、2人というふうに本当に残されていきますと、最終的にはやっぱり出るような決断をせざるを得ないような、こう何て言いますかね、流れが身近に迫ってくるんだろうというふうに想像できるんですね。ですから、この人達が自分の生まれた所で農業ができるという、今ふうな形がどうなのかということを、やっぱり考えてあげるのが行政にとっても必要な大事なことであろうと思うんですよね。去る者は追わずではなくて、去らないような工夫を何とかして、その一つの方法が今言った方法で、農地と農住と分離したようなことでこれからの農業はやっていける。今言ったように、法人化なんかしたら、何も農地の近くにいなくてもいいような仕組みをたぶん作るんだろうと思うんですよね。そこまで考えていくんだったらというふうなことを、私は言っているわけであって、ぜひ、すぐにやれなんて言いませんけども、やはりこれだけ優秀な役場の職員がおられるわけですから、そこのところにスポットを当てながら自分たち計画を作って、ないものを作り上げて、本当にボトムアップで国、道にお願いをして、金を引き出せるようなそういう働きかけを、ぜひ、やっていただきたいなということでございます。答え聞いても同じなんであれなんですけども、要は私が最終的に言いたいのは、この新十津川をスモールタウンだとか、コンパクトシティだとかという言葉がありますけども、何とかして小さくまとめて行政効率を良いまちにしていくという、時間をかけてこれに取り組んでいただきたいんですよ。そうしなかったら、やがてもう2025年になりますけども、2025年には、いわゆる団塊の世代が75歳、後期高齢者になるという、いっぱいいるんですよ、うちのまちに。そういうふうになってきて、年寄りにばっかりになってきた時にも、それはやっぱりコンパクトシティが実現してれば、やっぱりいろんな意味でコミュニティが生まれたり、より効率的に役所が使えたりというメリットはたくさん出てくるはずなんですね。もうすぐ8年ぐらいしたらそうなるんですね。その辺のところに念頭に置きながら、今回の一般質問は、この沢地帯にある農村地帯を何とか守っていくための方策という形で質問させていただきましたけども、私の根底はそういう大きなスケールメリットで、このまちを見ながらで、冒頭申し上げましたように、熊田町長がいわゆる人生の訓としている、なせば成るなさねばならる何事もと、その辺のことを念頭に置きながら職員をフルに動かして、やっぱり早い時期から積み上げていって、そういうまちの実現ができるかどうかということを投げかけていただきたいなということをお願いしたいと思います。できないということですけど、将来にわたるような話なんで、感想でもちょっとお聞かせいただければ結構だと思います。以上で、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

答弁 町長 熊田義信(町長は2023年3月まで)

8番議員さんの再質問にお答えをさせていただきます。農業のことから端を発し、スモールタウンですか、そういったことも考えた中でのご質問ということで伺ったとこであります。行政から見るとスモールタウンなり、集約されることがいろんな部分でそれはコンパクトシティになって効率的にできるということは、もう十分分っております。そのことが町民にとって本当に良いのかということになってくると思うんです。今住んでるとこは、我々、その1人の方から見ると困っているように思っているかもしれませんが、住めば都という言葉もあります。ですから、そういったことを考え合わせていかないと、そのことは行政の一方的では成り立っていかないということから、町民の方々がどのように考えられてるか。そのことを、やはり一番先に理解をしていかないと、町民が新十津川にいて、その街の方に来て、それはコミュニティの行政機能は良くなったけども、住み心地が良いのかどうかっていうのは、そこは町民の立場のことを考えられてるかどうかということが一番大事であるというふうに、私は考えているんです。行政効率の中では、本当にスモールタウンだとかコンパクトシティだとか、いろんなことはそれは想定もしますし、いろんなことはできます。ただ、そのことが町民のために一番になっているかどうかっていうことを考えて、町民のことをまず考えながらそのことを進めていきたい。当然、昭和45年当時にやったことについては、ボトムアップかトップダウンか分りませんけども、全国に先駆けて、そして国まで動かして、全国一のモデル事業として集落移転をやったということでありますから、そのことは非常に先駆的な例として本当にすごいことだというふうに思ってございます。そのことができたということは、新十津川にはその力があるということは間違いないですし、うちの職員もいろんなことから、いろんな研究、そして勉強しながらいろんな蓄積をしっかり持ってございますし、町民のことを何よりどういうことが良いのか、農業経営のためにどういうことが良いのかということを一番理解しているというふうに、私は自負をしておりますし、その上に私はいるというふうに考えておりますので、将来的には、いろんなことも、農業の機械化の効率化だとか、いろんなその問題に対応するために、しっかりと対応をしていかねばならないというふうに考えておりますことを申し上げ、答弁とさせていただきます。

出典:新十津川町議会 平成29年第2回定例会 2017年6月7日 議事録 PDF(40ページ) 間違いを知らせる