みんなの議会

新十津川町議会 平成29年第1回定例会 2017年3月14日

米の直接支払交付金打ち切り後の本町の農業施策について

2017年3月14日、新十津川町議会の一般質問で、鈴井康裕議員が「米の直接支払交付金打ち切り後の本町の農業施策について」質問し、町長 熊田義信が答弁しました。

質問者
鈴井康裕 議員
答弁者
町長 熊田義信

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

件名は、議員が最初の質問で述べた言葉から取ったものです。

質問 3番 鈴井康裕

おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、平成29年、一番最初の一般質問をさせていただきます。まず町長に、米の直接支払交付金打ち切り後の本町の農業施策について、お伺いしたいと思います。かつて平成22年、民主党政権時に施行されました農業者戸別所得補償制度は、主食用の米の作付に対し10アール当たり1万5千円の直接支払いがなされていました。それが、自民党政権時に経営所得安定対策と名目を変え、直近では10アール当たり7,500円の補償となっています。この制度は、本年、平成29年までで、来年、平成30年産からは廃止の予定となっています。これを本町全体で見てみますと2億6,000万円の資産の減少ということになります。この数字は、来年の平成29年一般会計予算の対前年増額分2億5,000万とほぼ同額であります。また、本町の農家340戸ありますが、農家1戸当たりだと平均80万円ほどの減収ということになります。この上ない大きな損失であると思います。本町は、先の主食用米の生産数量目標でも、空知管内全体で2.58パーセント減少する中、逆にプラス5パーセントと一番大きく作付面積を増やしている自治体でもあります。つまり、この制度の廃止の影響を一番大きくかぶるまちと言っても過言でありません。水稲農業を基幹産業とする新十津川町の町長として、制度の廃止を受け、どう本町の農業の振興を図っていくのか、考えを伺いたいと思います。

答弁 町長 熊田義信(町長は2023年3月まで)

おはようございます。それでは、鈴井議員からの米の直接支払交付金打ち切り後の本町の農業施策についての質問に、お答えを申し上げたいというふうに思います。まず、ご承知のとおり、本町は水稲が基幹産業のまちであります。平成28年産米は、水稲3,570ヘクタールの作付を行い、収量は2万500トンとなり、北海道有数の米どころとして高品位米を安定的に生産をしております。これは、農業者の普段の努力のたまものであると、改めて敬意を表する次第であります。今日、全国的に米の需要量が減少している状況であり、主食用米の作付希望が減少している中であっても、本町は、高品質の主食用米の拡大に積極的に取り組んでおります。ただ今3番議員さんのご質問内容にありましたとおり、昨年度の配分面積と比較すると165.3ヘクタールの配分面積が増加し、増加面積としては空知総合振興局管内で1番であります。この背景には、国は米価の安定等のために交付金の手厚い飼料用米の作付を推進し、南空知などの地域において主食用の米から飼料用の米や畑作物、大豆、菜種への転換が著しく進んでいることがあります。しかし、本町は農業者の皆さんが食味、品質に自信を持って生産している主食用米の作付を今後も推進していく方針であり、この考えはピンネ農協も同様であります。ピンネ農協の第6次地域農業振興計画の中におきましても、北海道一の米どころピンネを目指してとして、売れる米づくり、さらには、選ばれる米づくりを一層推進していくということにしているところであります。さて現在、主食用米を作付すると米の直接支払交付金が交付されております。ただ今3番議員からも質問の内容にありましたけども、ちょっと繰り返しになりますが、経過等について説明をさせていただきたいというふうに思います。民主党政権下で創設された農業者戸別所得補償制度において、10アール当たり1万5千円が平成23年度、24年度の2年間交付されております。自民党政権下になった平成25年度からは名称を経営所得安定対策と変え、また、高い関税により守られている米に交付金を交付することは、他産業や他作物生産者に納得していただけないなどを理由として、平成26年度にこの交付金について廃止の方針が決定をしたところであります。ただし、経過措置として平成29年度までは10アール当たり7,500円が交付されることとなり、平成28年度はピンネ農協管内では3億8,000万、本町分として2億6千万分が交付されてございます。北海道産米はホクレンの販売戦略か功を奏し、全国的に不足している状況にあり、他県がうらやむ状況となってございます。高品位米につきましては、農協が小売業者などと交渉し一定の評価が得られれば産地指定が取引されるようになりますが、産地指定を受けるということは、消費者の厳しい目で、安全かつ良食味米であるという評価を受けることでもあります。ピンネ農協では、全農コープ奈良支店に産地指定で米を卸しており、取引価格も若干上乗せされ、農家にも還元されていると伺っております。また、ゆめぴりかは、現在首都圏で複数店舗を持つ京王ストアに産地指定により納入し、高評価をいただき、価格も高く取引されるため、ピンネ農協は今後も積極的に小売業者に働きかけたい意向を持っております。このような取引により、販売価格が上がることが米の直接支払交付金の廃止による影響の緩和につながるものと期待するものであり、試算でありますが、1俵当たり800円から900円価格が上がることで、直接支払交付金7,500円の廃止分をカバーできるという計算になっております。しかしながら、この分は儲けにつながる、所得向上につながるわけでありますから、直接支払交付金相当分については何とか対応していきたいというふうに考えてございます。昨年11月、国は農業者の所得向上を図るために、構造的な問題を解決するとともに自由な経営展開ができる環境をつくるため、農業競争力強化プログラムを策定をいたしました。農業所得に影響がある生産資材価格の引き下げと流通の構造改革のほか、セーフティーネットとしての収入保険制度が導入されるなど農業収入全体に着目をするもので、安心して農業生産体制が構築できるという内容になってございます。先日、この強化プログラムに対する意見聴取のため、農政事務所が本町を訪問していただきました。国が交付金を廃止するという方針は変わらないということでありましたので、私は、米の施策に使われている財源は、米の施策について予算が使われるべきと強く要望をいたしたところであります。ピンネ農協においても、JAグループ全体として、その財源については、米に関する新たな施策や担い手育成に振り替えるように要望していることを聞き及んでおり、今後、具体的な案をまとめ、米に関する施策に予算が配分されるよう要請をするとのことであります。また、新十津川町農民協議会及びその上部団体においても同様に要請活動を行っているところであります。いずれにいたしましても、国の米政策は本町の農業にとって持続可能なものでなくてはなりませんし、農家が安心して安定的に主食用の米の生産を行い、付加価値を高め販売することにより生産者に還元されることが重要であると考えております。これからもピンネ農業協同組合や関係団体と足並みを揃え、さまざまな機会を通じて、米に関する予算の確保を要請するとともに国の制度を上手に活用しながら、農業所得の向上が図れるよう努めてまいりたいと考えております。少し説明等も含んだ関係から長くなりましたけれども、3番議員さんのご質問に対する答弁とさせていただきます。

質問 3番 鈴井康裕

国の施策に関わる丁寧な答弁を含めまして、いろいろありがとうございます。収入保険制度も新たに創設されるわけですし、その辺の補償は大丈夫かというふうに政府の方が申しておりますが、本町の農業を維持していこうという場合にですね、先に示されました町長の平成29年度執行方針には、農業の持続的発展を中心に経済の活性化に努めると書かれております。そして、農業が元気にならなければ、町の商工業の元気につながらない。そういうふうにも申しております。実際の数字で申しますと、平成28年度収支として、ピンネ農協の組勘実績は前年よりトータル2億円のマイナスということを聞いております。しかし、納める税金については前年とほぼ同じくらい。農家経済少しずつダメージを受けております。そんな中、私の方面でも働き盛りの大規模農家が経営難で水田を手放せざるを得なくそんな状況になってしまいました。農業委員並びにピンネ公社がその農地の引き受け手を斡旋し、3戸の農家で引き継ぐことになったと聞いております。しかしながら、後継者のいない引き受け手は約2,000万の売買契約を、また、他の農家でも4、5千万の返済をできるのか、非常に不安を感じております。このような農家を支援するためにも、資金面での優遇措置、人材確保、あとは、これからの農協施設の更新に伴う多額な農家負担を町が支援する、そういう方法などがあると思うんですが、町長はどういうお考えかお聞かせ願いたいと思います。

答弁 町長 熊田義信(町長は2023年3月まで)

再質問にお答えをさせていただきたいというふうに思います。3番議員の質問にありましたとおり、新十津川は基幹産業農業であります。このことを私は、執行方針の中でも将来ともに農業が基幹産業であり、農業の基幹産業が発展することによって今ほどの質問にありましたとおり、商工業、建設業、そして、町民に潤いがつながっていくというふうに確信をしていることから、農業の基幹産業を守るための行政の役割をしっかり対応していきたいというふうに考えてございます。まず、質問の内容にありました農協の組勘の方でありますけども、2億円のマイナスということで大きなマイナスのことでありますけれども、前年度が逆に言うと大きなプラスという年ということもあってですね、28年度については平年並みにというふうな考え方で私は受けとめておりますけども、多少の増減はあるかもしれませんけれども、そういうふうな見方をさせていただいております。ただ、しっかり農業所得が上がる、そういうことが一番望ましいというふうに考えているところであります。そして、今ほどの質問の内容にありました、農地を手放さざるを得なくなった、そういうことについて、高齢下の状況だとか、それぞれの個々のケースだとかいろいろありますから、そのコメントについては非常にそのケースがどのケースを指しているか、私は掌握してない部分もありますけれども、しっかり、優良農地が農業委員さんだとかピンネ公社だとか、そういった関係の方々の斡旋の協力によって、農地が新しい農業者によって農業経営ができるということは、やっぱり新十津川の大切な農地が将来ともに健全な農業者の手の中で経営ができるということは、まず、そのことはありがたいことだというふうに考えております。これが逆に本州府県になっていくと、荒廃地だとか、そういう形になる危惧がされるわけでありますけども、新十津川の場合は、農業委員さん、今のピンネ公社、さらには関係機関の連携によって、今まで農業基盤で相当額資金整備をした大切な農地が次の担い手に経営移譲されるということは、まずは良いのではないかなというふうに考えております。それから、農協の施設整備についてどう考えるのかという、将来に向けた考え方の質問であると伺いました。これも、具体的なものということで指しておられませんから、回答については非常にちょっと総論的な回答になってまいりますけども、今までも農協に対する農業施設、例えば、うちのライスボックスについての施設整備が過去20年ほど前にあったかと思いますけども、そのときについては、農協が事業主体で整備をし、町がその施設整備の応分の費用を助成をしたという経緯がございます。基幹産業のそういう集出荷施設の大きな整備ということを考えていくと、今後もそういったことが将来、考えられることもあるというふうに伺っておりますから、そういった形の中では大きな農業施設の整備についても、基幹産業の農業守るため、農業者の負担を軽減するためということについては必要な助成をしていきたいというふうに考えていることを申し上げ、3番議員さんの再質問の回答とさせていただきます。

質問 3番 鈴井康裕

今、町長から農家の支援のために資金面での措置、あと、農協施設の整備についても前向きなお答えをいただいたのを非常にありがたく思っております。このような状況の中で、即効性のある施策はなかなか町独自では難しいかとも思います。3月8日の農業新聞には、集落営農法人へのアンケート結果でも、この米価では収支がぎりぎりであるというのが62パーセント、赤字が23パーセントと、稲作経営は、これから非常に厳しい状況であるということが示されております。また、平成30年産から直接支払交付金が廃止される影響は9割が経営にマイナスと言っております。そこで、この1年間で何らかの手を打たなければ、新十津川の農家経済はますます衰退していくのでないかと、そういうふうに懸念するわけであります。また、今朝の農業新聞では、主食用米で国が示す生産数量目標よりも作付面積を抑えた、いわゆる、深掘りをした県ほど米価の上昇率が高い傾向であるということが農水省の分析でわかっております。新十津川でも地域農業再生協議会が水稲生産ランキングをそれぞれ農家に通知し、作付面積の配分を行っております。この制度を徹底して新十津川米のブランド米価を引き上げていくというようなことが必要だと思っております。また、先ほどの新聞紙上でも、地域農業の担い手が発展に必要な農業政策は、生産費を補う所得補償制度の確立が一番であるという主張をこれからも踏まえて、地域農業再生協議会の会長である町長が率先して、国、道に働きかけていただきたいと、先ほどもおっしゃられましたが、そう願うところであります。以上のようなことを考えますが、できれば、再度、町長のお考えを伺いたいと思います。

答弁 町長 熊田義信(町長は2023年3月まで)

ただ今、農業新聞の事例だとか細かく質問をいただきました。今朝の農業新聞拝見させていただいておりませんけども、まず、過去の状況だとか現在の状況を鑑みて、今、3番議員さんの言われた内容は大まかには掌握をしているというふうに考えてございます。今の深掘りについての判断でありますけども、確かに今までは深掘りをしたところが非常に米の需給バランスの関係から高く売れていたということであり、北海道もそのようにずっと深掘り対策をしてまいりました。しかし、昨年の需給バランスを考えたときに、水張面積の確保が、特に空知管内ですべき水張面積ができなかったというような状況で、逆に、空知のおいしい米が本州府県に求められている。そして、価格も一定程度下がるということではなく、求められているということから、高く販売ができる見込みがあるということも鑑みて深掘りをせず、必要に目標面積の部分を作付するというような決定をし、今、新十津川もその深掘りをしない面積で配分しているところでありまして、さらに空知管内を見ますと、南空知の状況がさらに水張面積が減っているということから、新十津川だとかこの近郊の町村で空知のこの水張面積を確保し、北海道の米どころ空知を守っていく、そして、北海道を守っていく、いわゆる、米どころをしっかり食料基地としての位置づけを確たるものをしっかりしていかなければならないというふうに考えております。今ほどの質問にありましたとおり、このランキングの中では一等米の比率、さらには高品位米、さらには収量の安定性、その整粒歩合などですね、そのことが認められ新十津川は非常に米の産地として、農業者のたゆまぬ努力、農協関係機関のそういう連携によって非常に評価を確たるものにしているというふうに考えております。そのことを今後ともしっかり日本の主食である米をしっかり広く販売をできるように、農協も鋭意努力しているという形でありますから、この評価をいただいていることをさらに広めていけるように、販売戦略と売れる米、儲かる米づくりという形の中で一体的に進めていきたいというふうに考えております。また、米の直接支払交付金については、地域農業再生協議会の会長に私はなっておりますから、地域農業再生協議会の産地交付金の中に置きかえるという一つの方策もありますから、どういう方策を選択をすることが、要望していくことが一番望ましいのかということも農協とも連携をし、打ち合わせをさせていただいておりますので、そういった直接支払交付金が産地形成交付金なのか、また違った形で米に代わる国の手当としてくる方法もありますから、そういったことを勘案しながら、今まで交付金の金を米に戻してもらうということは基本的なことは変わってございません。そして、平成30年から今ほど産地形成交付金のあり方だとか、農業のあり方が大きく変わります。今ほど質問のあったとおり、29年度がその変わり目ということで、手遅れにならないようにしっかり農業の町としての首長として、農業関係機関のそれぞれの北海道一枚岩となって、そのことを鋭意いろんな形の中で、町村会なり道とも連携しながら、農業の町、水田づくりの町、そういったものを持続的にできるように、しっかりと連携しながら努力をしていくことを申し上げ、答弁とさせていただきたいというふうに思います。以上です。

出典:新十津川町議会 平成29年第1回定例会 2017年3月14日 議事録 PDF(73ページ) 間違いを知らせる