新十津川町議会 平成28年第2回定例会 2016年6月8日
本町の基幹産業である農業の新技術普及のための取組みについて
2016年6月8日、新十津川町議会の一般質問で、鈴井康裕議員が「本町の基幹産業である農業の新技術普及のための取組みについて」質問し、町長 熊田義信が答弁しました。
- 質問者
- 鈴井康裕 議員
- 答弁者
- 町長 熊田義信
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は、議員が最初の質問で述べた言葉から取ったものです。
質問 3番 鈴井康裕
議長のお許しをいただきましたので、町長に一般質問をさせていただきます。私は、本町の基幹産業である農業の新技術普及のための取組みについて、お伺いをしたいと思います。6月に入り本町の田植えもほぼ終わりに近づき、農作業もひと段落というところでありますが、この時期にいつも思うのが、春作業がもっと早く、楽に終わらないかなと反省するところであります。新しい機械、技術をもってしても人手がいることには変わらず、効率的な作業の進め方を日々模索している毎日です。その中で今、農業でGPS、いわゆるグローバル・ポジショニング・システムを利用して、作業能率を飛躍的に伸ばしている所も現在ございます。このシステムは、人口衛星と地上の基地局の通信情報を基に圃場の均平をとることや、また、ある基準線を決め肥料散布、耕起、代掻き、田植え作業、防除、消毒などを行うことができます。特に、RTKGPシステムにすると制度が向上し、2、3cmの誤差範囲での直線作業が可能となります。十勝、網走管内での普及は目覚ましく、すでにGPSガイダンスの出荷台数は4,000台近くにもなっているそうであります。空知管内では、50団体余りと聞いておりますけれども、すでに妹背牛、岩見沢などでGPSを活用すべく基地局が設置されており、隣の浦臼町でも検討段階に入っていると聞いております。本町の基幹作業であります農業が永続的に発展するために、その可能性が期待されるGPSなどの新技術の取組み、普及について、町はどのように考えているのか、町長の考えをお聞かせ願えればと思います。
答弁 町長 熊田義信(町長は2023年3月まで)
それでは、3番議員さんのご質問にお答えをさせていただきます。質問の趣旨にありましたとおり、近年、農家を取り巻く環境は、農家の高齢化や後継者不足が深刻化しており、IT技術を活用し、農作業の省力化や生産効率を向上させるスマート農業を目指すべく、鋭意前進をしているところでございます。北海道においても、農機具メーカーや研究者など関係者を集めた推進組織を立ち上げ、道内農業の課題解決に向けた仕組みづくりが進められているところであります。3番議員さんのご質問にもございましたように、空知管内ではすでに妹背牛町や岩見沢市において、そして、浦臼町でも前向きに今、GPS基地局を設置すべく検討し、IT技術を活用した農業技術が広まりつつあるところでございます。水稲におけるGPSを活用した農作業は、具体例としましては、耕起作業、代掻き作業、田植え作業が主なものでございます。GPSを活用することにより、今ほど質問の趣旨にありましたとおり、耕起作業、代掻き作業においては、何度も同じ場所を作業することがなく効率的な作業で進められることになります。また、通常の田植え作業においては、8条植えの田植え機の場合は、機械を操作するオペレーターと苗を補充する作業員の2名が必要でありますけれども、GPSを活用した田植え機を直進させる自動操舵にすることにより、オペレーターが不要となり人件費の削減や燃料費の節約にもつながってまいります。しかしながら、GPSを導入するには、個々の農家が新たにガイダンス端末などの機器をそれぞれトラクターや田植え機に設置する必要があります。簡易的なGPSの機器もございますが、より精度の高いGPS基地局を設置した場合の概算経費では、ガイダンス端末やGPS基地局の信号に対応するためのシステム経費などで100万円程度かかるというふうな見込みとなっております。町内の農業者の中には、独自に簡易的なGPSを導入し、実際に農作業に活用している事例も聞いております。また、昨年、ピンネ農業公社主催によるICT農業の研修会を開催し、興味のある農業者に参加をいただいており、少しずつではありますけれども、町内の農業者の導入に対する関心の高まりも感じられているところであります。このような技術の活用により、水稲では田植え作業などで一定の経費削減効果があり、また、農家の高齢化や後継者不足による大規模化への対応のためには、将来的な方向性としてGPSの導入の必要性は十分認識をしているところであります。また、昨今の情報技術の目まぐるしい進化から、GPS機器の基本性能の向上や低価格化も期待するところでありまして、現在の費用負担に伴う費用対効果を考えますと、現段階で今すぐにGPSの導入をすべきとの判断には、至らないものと考えております。今後、ピンネ農業公社やJAピンネなど関係機関と連携し、GPSの導入による事業効果を検証するとともに、農業者に対し各種研修会などへの参加を促しながら情報を共有し、町内農業者においてGPS導入の気運が高まった際には、前向きに検討してまいりたいことを申し上げまして、3番議員さんの質問に対する答弁とさせていただきます。
質問 3番 鈴井康裕
今ほど町長の方から必要性は認識していると。GPS導入には前向きに検討していただけるとの発言をいただきました。現実には、先ほど言われたように田植え機などでは2名必要だったのが、自動操舵にして人件費が削減できるということが考えられますけれども、実際に使い物になる田植え機だと水をかぶる心配がございますので、その防水機能も備えたGPS自動操舵などを兼ね備えますと、約300万円ほどかかるというのが、私の調べによるところでございます。そうなりますと、例え、うちの組合で田植えは12日間かかりました。1人1日1万円だとしても12万円。元を取るには25年かかるということになってしまいます。今、人材不足でエクセルという岩見沢の派遣会社から人材を時給1,750円で雇っていますが、2時間残業をつけても、1日1万8,000円、12日間で22万円、元を取るのに13年半かかるような状態にございます。やはり、この費用対効果でかなり導入をためらっている農家が多いということでございます。まして、妹背牛で3年前に基地局を4,000万円かけて作ったにもかかわらず、だんだん利用者が減ってきているというのは、GPSの使い方の非常に煩雑さ、難しい設定があると。もともとはアメリカで作られた200馬力、300馬力を想定したトラクターに付ける機器でありますが、日本では100馬力やっとやっとかなというところでございます。そのために誤差が大きく、だんだん遠くへ行くほど曲がっていく、こんな物使い物にならないとお蔵入りしているGPSの機器もだいぶあるようでございます。まだまだ発展途上にあるこの機器の使い方について、これからもいろんな講習会並びにいろんな情報を収集してやっていただければ幸いかなと思います。もう一つGPSで問題になるのは、我々の地域、水稲作付地帯ですと、本当に忙しのが4月、5月、あっても一か月半かなという時に、耕起、代掻き、田植えに使えるかなということでございます。十勝管内、網走管内で、ずっと春から秋までGPSを使って操業できるということの環境とはかなり違った状況にございます。その中で結局、この地域でGPSを使おうとすると基地局がないものですから、直接人口衛星と通信をしながらやって、そのパケット通信料が1か月30万円もかかってしまうと。これはやはりインフラの整備がなされていないと。新十津川では、光通信網が中央地区のある限られた地区にしか通っていないと。要するに、大和、花月地区では、そのために直接スマートフォンなどの通信機器を利用して、直接にやり取りをしなければならないというのがございます。3か月を過ぎれば通信料、3万円のパケ放題という制度があるそうでございますが、やはりほかの分野とタイアップした、そのようなGPSの活用も必要なのかなと思います。幸い、冬には除雪にも応用できるということを話に聞いております。現在、冬の除雪2人でやっているところを、GPSの自動操舵を使えば1人になるかなという、1人助手がいなくなるのではないか。4か月間ぐらいそういうのが使えるんではないかという可能性も秘めております。また、排雪作業の時には、補助がいらなくなるような可能性があります。元の夏の地形、縁石の形とか歩道のある、なしを記憶させておいて、段差などを三次元で記憶して、そのようなところを避けて排雪していくとか、3月の山間部の雪割作業の時などは、元の地形を記憶しているので、そのとおりに雪割ができる。また、先ほど話に出ていました地域公共交通などの福祉バスの運行状況、そういうような状況、待ち時間を少なくするだとか、いろいろな活用が考えられるかと思います。農業だけに限らず、このようなGPSの活用方法も今後、活用していく、検討していくということを町長の方のお考えをお聞かせ願えればというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
答弁 町長 熊田義信(町長は2023年3月まで)
お答えをさせていただきたいというふうに思います。先ほども申し上げましたとおり、今後、スマート農業、いわゆるGPSの導入については、十分導入すべきだということを理解をしております。そういった意味では、このGPSの導入に関連して必要な無線情報関連機器なりの、そういったものの整備については、十分、行政としても対応していかなければならないというふうに考えておりますし、特に水田の多い新十津川においては、このGPSがより活用できるほ場の面積としては、今の規模の面積ではなく、さらに規模拡大をして2町だとか、3町だとか、そういう規模の方が、よりGPSを活用した効率的な作業もでき得るということも、いろんな情報の中で聞いているところであります。そういった中では、今度、水田の圃場整備が必要になった時には、農業者のそれぞれの理解と負担をいただきながら、町としてもそういう状況の支援をしていきながら、しっかり、共に農業の町を支えて発展をさせていかなければならないというふうに考えております。今、関連で除雪の機械の話もありました。これも雑誌等で私も拝見させていただきました。本当にこういうことが現実になるのは、もう間近いんだなということが考え知れます。ただ、現実問題として、やっぱり安全性を確認したり、いろんなことをするためには、当面は1人ででき得る作業であっても、2人がいて、その確認をして、このことが事故のない、安全だということが確認できないと1人のことにはなっていかないというふうに思いますし、今の無人の車もそうだというふうに思いますけれども、ヨーロッパやなんかでもいろんな無人の車の操作がありますけれども、安全性の問題では、やはりいろんな実証実験なり、確認をしていかないと、便利なことがかえって事故を起こす、確認できないことになりますから、除雪等のことについても、十分状況を鑑みて対応させていただきたいというふうに思っているところであります。スマート農業という言葉のスマートということは、賢いという意味のようであります。これから将来が農業者とGPSを使った賢い農業として、しっかり農業者と共に、この新十津川が発展するためには、この先進技術は必要であるということを申し上げ、お答えとさせていただきたいというふうに思います。以上です。
質問 3番 鈴井康裕
町長から今ほど、この先の方向性についてお答えをいただき、非常に心強く思っております。私の顔の色が黒くなったのも、連日の外作業のせいであります。この6月の定例会にあたり、ちょっとお見苦しい姿で一般質問を行うことに大変恐縮しております。もし、GPSなどの最新技術をもって春作業が快適にこなせたなら、来年度から、また6月定例会の望む姿も変わるだろうと予測できますけれども、農業者への体に負担の少ない、先ほど町長の言われましたスマート農業が、本町の産業発展に寄与するものと確信するところであります。ぜひ、こういう取組みを本町でも継続してやっていただきたい。そう願うところでありますので、私の一般質問をこれで終わりにしたいと思います。町長の答弁は求めません。ありがとうございました。