新得町議会 令和4年第2回定例会 2022年6月21日
自伐型林業による移住・定住策導入について
2022年6月21日、新得町議会の一般質問で、菊地康雄議員が「自伐型林業による移住・定住策導入について」質問し、町長 浜田正利、産業課長 桂田聡が答弁しました。
- 質問者
- 菊地康雄 議員
- 答弁者
- 町長 浜田正利、産業課長 桂田聡
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は会議録の目次の表記です。
質問 菊地康雄
それでは、私から2点について、質問というか、提言の形でお話しをさせていただきたいと思います。まず、1点目ですけれども、自伐型林業による移住・定住策の導入についてということでございます。1.自伐型林業による移住・定住策導入について町の人口減少が著しい中、町民との会話の中でいつも必ずといっていいほど要望されるのは、町の人口の減少幅をなんとか少なくしたいということであります。何かいいアイデアはないのかと必ず聞かれます。そのたびに、自分の能力のなさというのでしょうか、視野の狭さというのでしょうか、いつも気にしながらいろんな情報を探っているところであります。そこで今回は、新得町の特徴である町の面積の9割近くが山林であるということをもっと生かしていろいろな形でピーアールをし、移住・定住を促すことができないかということでございます。町内に山林を持ち、本業の傍ら森林組合と連携しながら自らも管理しているある町民の方がいらっしゃるのですけれども、同じ志の仲間を増やせば昔ながらの山林経営が楽しめる、なんとかそういう道はないだろうかという声も顔を合わせるたびに聞くところでございます。これは、自分で管理するのは自伐型というのですけれども、自伐型の林業を町おこしに利用する可能性を考えてみたいと思い、今回の質問ということになりました。新得に移住・定住を促すときに最も重要なのは、やはり新得に来て一定の水準の収入があるかどうかということだと思います。次に生活環境、特に自然の中で生活したいという夢を町民としてかなえてあげることができるかどうかということに尽きるのではないかというふうに思います。皆さま見ていると思うんですけれども、町のホームページで移住・定住を促す情報提供をどのようにされているかということはすぐ調べることができるんですけれども、主に新規就農と地域おこし協力隊の募集ということでございます。新規就農の場合はさまざまな支援もありますし、既存の農家の人たちのいろいろな後押しというのもありますし、それから、レディースファームスクールという全道に先駆けて取り組んでいる新得町の特徴のある研修機関もありますので割に目に付きやすいのですけれども、この地域おこし協力隊は、全国どこでも同じ条件で行っていることでありまして、その中で、新得町にぜひ行ってみたいなと思わせる情報提供ができているかどうかということでございます。自伐型林業ということですけれども、現行林業の課題である採算性と環境保持を両立する持続的林業経営が可能といわれている、新しいというよりは、昔、普通に行われていた林業のスタイルでございます。自伐型林業は林業だけにこだわることなく、中山間地域の特性を生かし農業との兼業、地域異業種を組み入れた6次化など森林の多目的活用が期待でき、それにより若年層からリタイア組、障がい者就労など幅広い層の人々が就業できるチャンスがあるというふうにいわれております。自伐型林業は長伐期択伐施業、つまり全体の2割以下の間伐を繰り返すことにより残った木を成長させ、10年後の次期間伐時までに成長させる手法で、残存する森林の価値を高めていく方法でございます。また、いつも人が山に出入りするので獣害対策、小規模管理で災害防止、CO2削減効果など、さまざまな効果があるというふうにいわれております。ただ、経営には約3戸分、12町歩から15町歩ほどの山林が必要といわれておりますし、伐採や搬出に関する専門知識が必要でございます。急に思い立ってすぐできるというものでもございません。今、森林組合には、地域おこし協力隊員が1名技術習得を兼ねて研修を積んでおりますけれども、今、特に力を入れているのが、子どもたちに対する木育教育というふうに聞いております。しかし、将来は独立も視野にあるというふうに伺いました。地域おこし協力隊員は3年後が課題でございます。その3年間で専門知識を習得してもらいます。経営に必要な山林については、本人が所有していなければ町有林等を貸与できないかどうかということでございます。国産材に、今、注目が集まっている中、時宜を得た取り組みだと思いますが、森林組合の協力を得ながら、そして、自然の中で暮らしながら自活できる移住・定住策により、ぜひ、新得に住んでみたくなるホームページの充実を提案したいと思います。
答弁 町長 浜田正利(町長は2025年6月まで)
菊地議員のご質問にお答えいたします。自伐型林業とは、森林の所有者が施業を林業事業者に委託するのではなく、自ら育て伐採する林業のことで、近年、担い手不足などを理由に、間伐などの森林管理が十分に実施されていない地域で、移住者などによる自営的な小規模林業が導入され、移住・定住対策の成功例として紹介されております。売買価格の高い樹種のある地域では、伐採材1本で数十万円から百万円単位の売買が可能な場合もあり、自伐型林業専業で高収入を得ている実例もありますが、大部分が農業などと兼業をしながら生活を営んでいるとお聞きしております。次に、本町の森林管理の現状でありますが、町有林の管理につきましては、町内の林業事業者と契約をして計画的に施業を行っており、私有林に関しても、所有者の意向により、林業事業者やご自身で管理をされているところであり、町有林、私有林ともに、計画的な施業、管理が行われている現状にあります。本町の林業担い手確保の取り組みとしては、事業所自らの従業員確保や、地域おこし協力隊の事業者への派遣、その後の就労のほか、道立北の森づくり専門学院卒業生の町内林業事業者への就労につなげていくことを基本に進めているところであり、今後もホームページやSNSの充実を図り、担い手確保に向けた情報の発信に努めてまいります。自伐型林業の実践地域と本町を比較すると、森林の樹種や、林業事業者数、流通経路など、林業を取り巻く環境に違いがあり、森林の管理状況や経済性も考慮すると、自伐型林業が本町になじむかといった面も考えなければならないというふうに思っております。いずれにしましても、道内での事例も参考にしながら、人口減対策を切り口とした山林管理の1つの林業形態として勉強してみたいと思っております。以上であります。[浜田正利町長 降壇]
質問 菊地康雄
本州の林業形態と相当違う、ほとんどがカラマツという北海道の現状もあって、たいへん自伐型を導入するのは難しいのかなというふうに思いました。町有林を民間に貸し出して、その管理を任せられるかどうかという質問について、もう一歩進めて、町の立場もお聞きしたいと思いますけれども、今まで木材の価格が外材に押されてあまり高くない、魅力がない、結局、民有林が放置される、私有林が放置される現状がございました。もし、町有林の貸し付けが難しいとすると、この放置された、管理されていない民有林、なんとか興味のある人に開放することができないかどうか、その仲介を町がとれないかどうかという思いもあるんですけれども、この民有林で全く管理されていない不在地主の森林経営意向調査が行われたというふうに聞いております。ぜひ、その調査結果を知りたいなというふうに思います。また、その管理されていない私有林がどのくらいの面積があるのか、その面積にもよるかもしれませんけれども、ぜひ、町がそれを仲介することによって、移住希望者が1人でも多く出てきてくれれば、本来の目的達成ということになるんですけれども、この辺の取り組みについて、町で一歩前進することができるのかどうなのか、お聞きしたいなと思います。
答弁 産業課長 桂田聡
私のほうからお答えさせていただきます。森林計画森林経営管理意向調査の結果につきましてでございますが、令和3年度に意向調査を行っておりまして、15年以上にわたり間伐がされていない私有林の人工林、約330ヘクタールの所有者212件を対象に今後の森林管理の意向を確認して、町の森林管理計画への加入を促進するなどの取り組みを行うとともに、森林の適切な管理方法を検討していくために実施しております。結果といたしまして、52件、97ヘクタール分、面積割合でいいますと29パーセントの所有者から回答があり、住所不定や返信がなかったものの合計は160件、約230ヘクタール、パーセントにしまして71パーセントでございました。今後の課題でありますが、住所不定で戻ってきたものについては、把握方法も含めまして、今後、検討しながら対応していくこととしております。次に、管理されていない私有林を移住希望者への売買にというご質問でございますが、移住希望者が私有林の購入を検討され、町に相談があった場合は、通常の売買と同様に、町から西十勝森林組合に状況を確認し、対応をさせていただきたいというふうに思っております。以上でございます。
質問 菊地康雄
この森林経営管理意向調査、前年、行われたわけですけれども、住所が分かって返ってきて、何らかの所有意識を持って管理までつなげられるのが29パーセント、約3分の1、残りが今後、管理を続けていくのかどうなのか、全く意向調査をすることも難しい、戻ってきたものもあるということなので、この辺がどのように今後町が間に立って、管理できる人にうまく継続していけるのかということに知恵を出してもらうことになるのかなというふうにも思います。本州と比べて、北海道では条件が厳しくて自伐型の森林経営は難しいということでございますので、確か森林関係で地域おこし協力隊の枠は4名でしたよね。今、1名が埋まっていて、あと3名、まだ募集がかかっている状態だとすれば、ぜひ、そこにうまく手を挙げていただけるようなフォローをしていっていただけないのかなというふうに思います。技術取得など、要になる地域おこし協力隊の林業分野における募集枠、現時点で満たされるように、例えば3年後、木材加工業などでは人材不足が深刻な状況にあるとも聞きますので、就職あっせんを含め、地域おこし協力隊員が任期中にしっかりその技術の習得をし、そして、いったん組合あるいは木材業者に就職し、将来設計が立てられる道筋をしっかり提案することで、この移住・定住策の魅力というのでしょうか、森林を使った自然の中で過ごしたいという要望を満たす移住・定住策につながると思うんですけれども、その辺、ホームページの充実、あるいは地域おこし協力隊の募集の仕方等も含めて、今後の町の対応について最後にお聞きしたいと思います。
答弁 町長 浜田正利(町長は2025年6月まで)
お答えいたします。まず、山に関しての町としての基本的な姿勢、1つは未立木地は基本的に必ず木を植えるように努力をしていく、それから、未立木地も含めてですけれども、不在地主で山の管理が結果として滞っている方については、森林組合とのやり取りでは基本的に森林組合が土地を取得するか、場合によっては町が取得するということで、この間、横の連携を取って進めてきています。これが1つ。その次に、選択肢の1つとして、人口減、その切り口で私もやはり山というのは面白いという認識はしています。それが議員の提案のあるいわゆる自伐型につながるかどうか、そこまで私、判断できませんけれども、いずれにしても、これからの生活環境も含めていろんな国際情勢を考えると、あらためて山の存在感というのは私、あるなというふうに思っていますので、そういったところを切り口にしながら、地域の活性化につながるように行政としても努力をしていきたいというふうに思っています。その上で、個別具体的にいろんな話がありましたので、それらについても、きちんと整理させていただきたいなというふうに思っています。以上であります。
質問 菊地康雄
ありがとうございます。前向きな検討ということで捉えたいと思います。