下川町議会 平成27年第4回定例会 2015年12月16日
TPP大筋合意に伴う下川農業への影響と今後の対策などについて
2015年12月16日、下川町議会の一般質問で、宮澤清士議員が「TPP大筋合意に伴う下川農業への影響と今後の対策などについて」質問し、町長 谷一之、農務課長 市田尚之が答弁しました。
- 質問者
- 宮澤清士 議員
- 答弁者
- 町長 谷一之、農務課長 市田尚之
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 2番 宮澤清士
それでは通告のとおり、TPP大筋合意に伴う下川農業への影響と今後の対策などについてということで質問させていただきます。TPP交渉は10月5日、大筋合意となり、日本、アメリカなど参加12か国の間で95%の品目が撤廃されるのをはじめ、かなりの規模で貿易や投資が自由化され、さまざまなルールや仕組みが統一されます。政府は「重要品目の関税撤廃の例外を確保できた」として、再生産を可能とする対策を講じるとしていますが、TPPの発効は参加12か国の議会承認後であり、その影響ははかり知れなく、下川の農業にもこの影響がいつどのような形で及んでくるのか想定はできませんが、農業者が将来とも安心して営農に従事できる生産体制などの拡充が必要と思い、次の件について質問いたします。下川町TPP対策協議会…これは仮称でありますけれども、これなどの設置について、町長の所見を伺いたいと思います。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
宮澤議員の「TPP大筋合意に伴う下川農業への影響と今後の対策などについて」の御質問にお答えをしたいと思います。TPPにつきましては、10 月 5 日に協定交渉参加 12 か国による閣僚会合において、大筋合意されたものでございます。詳細につきましては、TPPの発効は、参加 12 か国の議会承認後であり、下川の農業にどれだけの影響が出るか、はかりかねる部分がありますが、報道によりますと、農産物においては、米・麦・てん菜、畜産では生乳・牛肉・鶏卵への影響が懸念されるところであります。国では、去る 11 月 25 日にTPP総合対策本部が「総合的なTPP関連政策大綱」を策定し、この中で、農林水産物の重要品目については引き続き再生産可能となるよう、さらに、農林水産業全体として、成長産業としての力強い万全の施策を講ずる必要があるとされており、TPPに対応するため、攻めの農林水産業への転換、守りでは経営安定・安定供給のための方策を示し、成長産業化に取り組む生産者がその力を最大限発揮し、夢と希望を持てる農政新時代を創造することとしております。本町といたしましても、農業者が将来にわたって安心して営農できる生産体制を整えるべく、北海道TPP協定対策本部などからの情報等を収集しながら、有効な制度を活用していきたいと考えております。なお、対策協議会…仮称ではございますが…の設置につきましては、国、道の方針を見据え、今後、生産者や農協など関係機関と連携を図りながら判断してまいりたいと考えております。以上申し上げまして、答弁といたしますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
質問 2番 宮澤清士
今、答弁があったところでありますけども、確かに影響がどのように及んでくるか、まだまだ先の話でありますけども…いや近い将来、大筋合意になればかなり打撃を受けるものと思っております。その中で、下川の今の農業者の現状をみるとですね、担い手の高齢化によりまして、かなり農業者数も減っており、今後どのようなことになるか懸念されるところであります。また、今後とも若い世代が夢を持って農業の経営を続けてもらうためには、様々な方策が必要と思います。農水省はですね、15 年度の農林水産の補正予算案としまして、総額 3,871 億円を提示しております。それの最大の柱となるTPP関連対策には 2,985 億円、畜産クラスター事業には 569 億円、産地パワーアップ事業には 483 億円を計上して、両事業とも複数年度にわたって使える基金方式とするということで、今日の農業新聞に出ていた内容であります。そのようなことからも、下川町の今の現状をみますと、いろんな人の話を聞きますと、畜産部門ではやはりコントラ組織を拡充させてですね、搾乳に取り組めれるように、コントラクター事業を拡充してほしいというような話もあります。また、耕種農家においても、非常に担い手が高齢化しており、畑の耕起作業ですとか、それらのことをコントラ事業を拡充してもらって対応できないかという話も出ております。また、播種からコンバイン刈り取り等については、それぞれ生産組織で取り組んでおりますけども、その前段の耕起作業とかそのようなことがない。それから、畜産でいけば牧草の管理作業とか、そういうことも含めてコントラ事業ができれば非常にいいのになというような話を聞いております。そんなことで、これも 3,800 億円の予算を計上されてもですね、全国でこれの奪い合いが始まると思います。下川町としても関係省庁と良好な関係を築いてですね、こういう予算を積極的に獲得して、今後の下川町の新しい農政の発展に寄与してほしいと思います。それについて町長の考えを聞かせてほしいと思います。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
仰るとおり、今、農業者の方々の高齢化も進んでおりますし、また離農も進んでいるところでございまして、ここ 5 年みても約 25 件から 30 件ぐらいは減少しているんではないかと思っております。そういう意味では、新規就農で入ってくる方々の受入態勢、あるいはまた現在生産いただいている方々の所得向上、さらには機械化等もいろいろと考えていく必要があると思いますけども、現状で、今計画しております上名寄の集住化の計画、あるいは畜産クラスターの計画等についても、前向きな進め方を今進めているところでございまして、27 年度の補正予算 3,800 億円ぐらいと今聞きましたけども、こういう中で関係する予算がございましたら、情報を得て、積極的に取り組んでまいりたいなと思っているところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
質問 2番 宮澤清士
それからですね、今、下川には初冬まき生産組合、蕎麦生産組合があるわけなんですけども、それぞれ今使っている乾燥調製施設はですね、昭和 63 年~平成元年ぐらいにかけて整備したものであり、かなり老朽化しております。その施設あたりもですね、かなり改修していかなければコンタミの問題…蕎麦と麦のコンタミの問題といろいろ問題があると思います。そういうものを…生産者の人の悩みをですね解消させるためにも、やはり農協など関係機関と協議してですね、今後早いうちにその対策を考える必要があると思いますけれども、そのへんについて町長どのように考えを持っておりますでしょうか。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
蕎麦生産組合が今進めてございますけれども、今のその施設については 30 年近く経っているということで…美深の施設も私、立ち会ってまいりましたけれども、この必要性を今下川町でも感じているところでございます。現在、総合計画の中でも計画をしてございまして、財源もしっかりと見出すことができれば、整備が可能になってくるんではないかと思っておりますので、努力してまいりたいと思います。以上でございます。
質問 2番 宮澤清士
施設の関係については、前向きに検討しているということで理解をいたしました。それとですね、「おうる」の問題ですね、「おうる」に従前、営農指導員がいましたけれども、その営農指導員が空席になって何年か経っているわけなんですけれども、それと、普及センターが今度農協単位で動くと…指導に出掛けるということで、今まで名寄普及センターがあるんですけども、農協単位ということになれば下川は北はるか農協…美深、中川ですか…三農協合併しているわけなんですけれども、名寄普及センターは下川の方へは出向いてこなくなり、今度は美深にある普及センターの方が下川に向かってくるということなんですけども、この「おうる」にですね、そういう指導員を今後とも置くという考えはあるのかどうなのか聞きたいと思います。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
私、そのへんの詳細が分かりませんので…農務課長よろしいですか。
答弁 農務課長 市田尚之(農務課長は2019年6月まで)
お答えいたします。宮澤議員の仰るとおり、近年、営農指導員が不在になっております。ただ、町といたしましては、営農指導員に対しましては今後必要というふうに理解はしておりますが、なかなかそういった該当者というのが今いない状況でございます。農務課といたしましてもそういった農業に長けている、そういった人材を探してはいるんですが、なかなか見つかってないという状況で、今は空席となっている次第でございます。
質問 2番 宮澤清士
探すということなんですけども、やはりですね、普及センターもそのようなかたちになって非常に動きが今までのように…距離も長くなるということで、簡単に下川の方に出向いてくるということも距離的な関係もあります。車ですからそんな時間は掛からないと思うんですけれども、そういう技術者をですね、町で養成してですね、そういう機関から…悪い話で言えば引き抜くということになるのかな…引き抜いてきてでも「おうる」に駐在させるというような、そのような考えは持っておられるでしょうか。
答弁 農務課長 市田尚之(農務課長は2019年6月まで)
私どもも普及センターの職員と接する機会がございますので、会うたびにですね、そういった良い人材はいないかというような相談はしております。しかし、現役での普及センター職員は正直言って難しいということもありまして、退職をされた普及センターの職員というような話になってくるかと思いますが、そういった方も豊富にいるわけではなく、今そういう方がいればお願いしたいというふうに、普及センター…それから振興局を通じて話的なお願いはしているところでございます。
質問 2番 宮澤清士
分かりました。それからですね、せっかく「おうる」という立派な施設があります。今、非常に新聞、テレビ等で話題になっております農業女子、そういうものに取り組んで今後の下川町の配偶者対策等、そういうことに向けて考えていくようなことはあるかどうかお聞きしたいと思います。
答弁 農務課長 市田尚之(農務課長は2019年6月まで)
近年ではそういった農業女子という言葉が多く聞かれるところでございます。最近ではテレビのドラマでもそういった女性農業者の活躍が話題となっていることは承知しているところでございます。ただ当町としては、今現在のところ女性農業者に対する特別な支援というのは考えてはございませんが、従来のとおり女性の農業後継者、それから新規就農者を含む担い手対策というのにつきましては、今後も行っていきたいというふうには考えております。あと、そういった後継者的な農業従事者の女性を呼び込むということは、特には考えてはございませんが、これからの農業を考えていく上では、確かに農業女子とか新規参入というのはある意味キーワードとして出てくるかとは思いますが、こういったことにつきましても、農業ですとか農村に関わる方々の協力がなければできないかと思いますので、そういった方々と連携してそういった対応も必要だというふうには思っております。
質問 2番 宮澤清士
是非積極的にそういう若い人たち…若い農業後継者も下川にたくさんおります。そういう人たちの意見を十分取り入れて、今後の下川の農政に反映させていただきたいと思います。下川町もですね、非常に早くから施設栽培に取り組みまして、今回のTPPの関係でも、下川が現在作っているトマト、アスパラ…そういう蔬菜類は関税の関係が 3%程度です…今。それが撤廃になっても当面大した影響は出ないようなことをいろいろな資料には書いてありますけれども、もしそれが撤廃になれば影響が出てくることは確実だと思います。それから、今、メキシコ等で採れたアスパラがこっちへ入ってきても、全然穂開きもしない、鮮度も痛んでいないというような話も聞きますけれど、どうしてそれが…こっちへきて穂開きもしないのかと、そういうことも考えてみる必要もあると思います。そういうことからみても、今、下川町が早くから施設栽培で取り組んでいるアスパラ、それからトマト、そういうものの良さをですね、今後とも下川の農政としてもどんどん…日本国内にそういう良さを、下川産農産物の良さを発信してほしいと思います。下川で生産されるものにはそういう防腐剤とか成長ホルモンとか、それは一切使ってないから、置いとけば穂開きもするし、棚傷みもすると思いますけれども、そういう良さをですね、今後とも全国に向けて発信していってほしいと思います。それから、それが仮に 3%撤廃になれば、近い将来影響は出てくると思います。それから酪農にしても、乳製品にも 9 年~10 年掛けていずれ 16 年後には関税を撤廃するというようなことも言われておりますけれども、そうなる前にですね、そうなって問題が発生しないためにも下川町の農業を是非足腰の強いものに導いていってほしいなと思います。それからですね、これも新聞で見た記事なんですけども、今年の 11 月の 2 週号ということで出ておりました。これはニュージーランド…酪農王国ですけども、ここの酪農を経営しているということでフィッシュ・デビッドさんという夫妻なんですけども、この人が 78ha ぐらいのところで 500 頭ぐらいの牛を飼って農場を経営しております。その人がTPPになぞらえて、TPPは環太平洋連携協定ではなく、考える…これは横文字でThinking、それから計画を立てる…Planning、値段を決める…Pricingだったかな、この頭文字を取ってこれをTPPといってるわけなんですけども、そこでこの人のいうのには飼料や経営体制について、よく考えて、計画を立て、なるべく低いコストで実行すると、それが成功に繋がる私のTPPと。それは環太平洋連携協定よりも有用だと、自信を持ってこういうふうに語っております。これこそですね、今の下川の町政運営にも必要な言葉ではないかなと思います。やはり少ない財源で、よく考えてですね、そして最小で最大の効果を発揮できるように、これからの町政運営に臨んでほしいと思います。この言葉を町長の頭の中に入れておいてほしいなと思いまして言ったところです。この記事を後で渡しますので持っていてください。そういうことで、今後の町政に向けて是非…町長は日本一幸せなまちをつくると言っております。その言葉に嘘はないと思いますけれども、どうか今後ともですね、心ある町政を運営していってほしいなと思います。そういうことで、私の質問を終わらせていただきます。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
様々な御提言もいただきましたので、しっかりと受け止めて、これからの執行に反映させていきたいと思っております。いずれにいたしましても、農業生産者の方々が大変高齢になっているということは事実でございますし、また、一方で若い方々が生産意欲を非常にお持ちになっているということもあります。さらに行政としては、このTPP問題に絡めて、どういう国際の動きになるかまだ分かりませんけれども、いずれにしても生産者の方々が意欲を持って農業に従事できる、そういう支援をしっかり行ってまいりたいと考えております。当初予算でも、この時点では私はまだ議員でございましたけれども、下川町としては当初予算、農業振興に 3 億円という予算を付けて、そして様々な施策を執行している事実がございますので、それを維持できるように、そして更にそれに付加できるように努力をしてまいりたいと思いますので、御理解をいただければと思います。以上でございます。