士別市議会 令和6年第3回定例会 2024年9月10日
ICT教育の推進について
2024年9月10日、士別市議会の一般質問で、喜多武彦議員が「ICT教育の推進について」質問し、市長 渡辺英次、生涯学習部長 三上正洋が答弁しました。
- 質問者
- 喜多武彦 議員
- 答弁者
- 市長 渡辺英次、生涯学習部長 三上正洋
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は市のサイトの一般質問の一覧の表記です。
質問 10番 喜多武彦
令和6年第3回定例会に当たり、通告に従い一般質問をいたします。テーマはICT教育の推進についてであります。令和3年1月に中央教育審議会は、令和の日本型学校教育の構築を目指して、全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと協働的な学びの実現、必要な改革をちゅうちょなく進めることで従来の日本型学校教育を発展させ、令和の日本型学校教育を実現を答申いたしました。総論の中では、急激に変化する時代の中で育むべき資質、能力のくだりに、一人一人の児童が、生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在と尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会のつくり手となることができるようにすることが必要とされる中、全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学び、協働的な学びの実現を求めているものであります。そのために必要な手段の一つとしてGIGAスクール構想の実現があると認識をしているところです。GIGAスクール構想は、1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、子供たちを誰一人取り残すことなく資質、能力が育成できる教育ICT環境を実現させることにあります。コロナ禍もあった中では、国も整備を急速に進めたことから、令和3年には本市においても1人1台端末が配置をされました。第2回定例会後の7月には、文教厚生常任委員会の所管事務調査において士別南小学校のICT教育の様子を視察いたしました。先生方が、端末を活用した教育活動の充実に努力をされ、子供たちも慣れた様子で学習を進めていました。また、学校側からは、環境整備における教育委員会の推進に対し感謝の言葉もありました。しかしながら、学習を効果的に進めるためのICT環境については課題が多いとのことでした。そこで、所管事務調査の視察を踏まえて質問をいたします。これまでの各学校におけるICT教育についてどのような場面で端末が活用され、児童・生徒にどのような成果が上がっているのかをお知らせください。ICT教育の充実のためには先生方のスキルアップが必要と考えます。特にベテランの先生方は困っているとの声を聞きました。教育委員会としてどのような研修等のサポート体制を整えているのか、またはその必要性についての考えをお聞かせください。第2回定例会での補正予算で、校内ネットワークアセスメント業務委託料330万円が計上されましたが、この事業の進捗状況をお知らせください。また、学校のWi-Fi環境の現状と課題についても併せてお知らせください。令和3年に導入された端末は今年度で4年目になりますが、学習に支障が出ている故障などの状況はどうなのか、また、その対策はどうされているのかをお知らせください。文部科学省によると、令和9年までに端末を更新するとしているが、本市の予定についてもお知らせをください。人工知能を使って児童・生徒の習熟度を分析し、それに応じた出題や問題の反復を行うデジタルドリル、いわゆるAIドリルの導入をする自治体が増えております。近隣の名寄市では、今年度、AIドリルの導入のために、869万1,000円の予算が措置されています。所管事務調査視察では、旭川市や富良野市でも活用されていると聞きました。上川管内の市では、本市だけが導入されていない状況であります。AIドリルの全道、上川管内の導入状況についてお知らせください。AIが判断をして一人一人の子供の苦手な問題が出題されることなどから、授業の効率性の向上や家庭学習の充実が図られるAIドリルの導入について、市教委の考えをお知らせください。昨年度の全国学力・学習状況調査では、小学校で国語、算数とも全国平均を5ポイント程度上回るというすばらしい結果が出ており、さらに学力水準を高めることが必要と考えます。管内3市では、個別最適な学びや協働的な学びの実現のためにICT環境の充実を進めており、本市だけが立ち後れていくのではないかと懸念をするところです。ソフト面は、現場の先生方の努力ですが、ハード面は自治体の責任、自治体のつくる環境の弱さによって本市の子供たちが不利な状況になってしまうのはあまりにも忍びないと感じる次第です。それぞれ導入のコスト、ランニングコストなどハードルは高いと感じておりますが、ICT環境の充実について、教育長の見解をお聞かせください。全道に誇る現在の学力の高さ、令和6年度の調査結果が出ていると思います。公表ができるならばお知らせください。今だからこそICT環境を含めた学校の教育環境の充実を図る必要があるのではないでしょうか。本市はスポーツ行政や社会教育行政について市内外から高い評価をいただいていることは議場において幾度かお話をさせていただいています。学校教育を含めた教育水準の高さを維持し、教育のまちとして広く発信することによって、子育て世代に注目され、人口減少の鈍化が進むかもしれません。これには大きな予算が必要なのは承知しております。しかし、士別の未来を支える人材育成に多くの予算を配分していくことが持続可能な自治体運営につながっていくのではないかと考えます。第2次まちづくり総合計画の策定に向けた作業が始まっています。2050年の士別市のために、ぜひとも教育の充実を強く打ち出すことを期待するところです。今後の予算配分を含めた教育の充実に関する市長の見解を伺い、質問を終わります。 (降壇)
答弁 市長 渡辺英次
喜多議員の御質問にお答えします。最初に私から学校教育におけるICT環境の整備に関し、予算確保を含めた考え方について答弁申し上げ、ICT端末の活用状況やAIドリルの導入の考え方等については教育委員会から答弁申し上げます。GIGAスクール構想の推進は、日本の教育の未来にとって重要なステップであり、ICT教育の取組に対する地域間格差を是正するためにも意義深いものと言われています。しかし、その実現には、一部では国からの補助金等があるものの、依然として地方財政の負担が大きいことが全国的な課題となっています。特に端末の周辺機器やインターネット通信料、ソフトウエアのライセンス料など運用上必要不可欠なものであっても国庫補助の対象外となっているものについては恒久的な財政措置を講じるよう、北海道市長会やGIGAスクール構想で子供の教育環境を考える首長の会などを通じて国に対し要望を行っているところです。市としても引き続き、士別市総合教育会議の開催などを通じて、教育委員会と連携しながら、学習環境の充実に向け対応していきたいと考えています。以上申し上げ、答弁といたします。 (降壇)
答弁 生涯学習部長 三上正洋(生涯学習部長は2025年3月まで)
私から学習用ICT端末の活用状況やAIドリルの導入の考え方などについて答弁申し上げます。初めに、各学校における端末の活用状況等についてお答えいたします。1つ目に、端末の活用場面と成果についてです。日常的な活用場面としては、児童・生徒一人一人の教育的ニーズや学習状況に応じた個別学習に取り組む際や、クラウドを活用して一人一人の考えを即座に共有する際などのほか、端末についているカメラ機能を活用して動作や演奏などの確認を行う際など、現在では様々な場面で活用しております。端末の導入により、ICTの強みを生かした効果的、効率的な学習活動を展開しているところです。また、教員についても、作成した教材やワークシートの共有、採点や学習状況の把握など、効率的な働き方にもつながっています。2つ目に、研修等の支援体制についてです。GIGAスクール構想がスタートして以降、教育委員会では様々な研修会を開催し、教員のICT活用スキルの向上を図ってまいりました。近年では、授業研究、公開授業などで取り上げられる機会が増えたことに加え、北海道教育委員会が運営するICT活用ポータルサイトや学校向けの広報紙などで容易に情報を入手できるようになった中で、校内研修などを通じて教員のスキルアップが図られているところです。3つ目に、ネットワーク環境についてです。令和5年度に全小・中学校への光回線の整備が完了しましたが、一斉にネットワークを利用した場合、想定以上に通信速度が遅くなるなどの現状が明らかになってきたところです。本年第2回定例会で、ネットワークアセスメント業務委託料の補正を行い、現在は入札手続を行っているところであり、この業務結果を基に今後のネットワーク関係の改善に向けた取組を進めていく考えです。4つ目に、端末の故障状況や故障時の対応、更新予定についてです。2年度に整備した端末1,282台のうち、本年6月時点での故障台数、使用することができない台数は28台、使用は可能ではあるものの破損や接触不良等の不具合が生じているものを含めると約110台、7%程度の破損状況という形になっております。故障等により端末が使用できなくなった場合は、教育委員会に常駐している予備端末を配付して、児童・生徒が端末を使用できない期間を生じさせないようにしているところですが、故障等の割合が10%を超えると学校をまたぐ端末配置変更が増え、予備の端末が手元に届くまで使用できなくなる可能性が高まり、割合が15%に達すると1人1台の環境を維持することが困難になると試算しております。今年度で耐用年数を経過することを踏まえると、今後は故障や不具合がますます増えていくと予想しており、また、全国的に更新時期が重なっていることにより、納品スケジュールの遅れも懸念していることから、1人1台の環境を維持できるよう更新時期を適切に見極め、対応してまいります。次に、学力向上の取組とAIドリル導入、ICT環境の充実についてです。令和6年度全国学力・学習状況調査の結果につきましては、小学国語の全国平均正答率が67.7%のところ、本市は75%、小学算数の全国平均正答率が63.4%のところ、本市は74%、中学国語の全国平均正答率が58.1%のところ、本市は55%、中学数学の全国平均正答率が52.5%のところ、本市は47%という結果でした。小学校については、国語、算数ともに全国平均を上回ったところですが、中学校については国語、数学ともに全国平均を下回ったところです。今後の学力向上に向けた取組として、習熟度別学習などの個別最適な学習の充実や工夫、授業改善の取組などのほか、休み時間や放課後、家庭における補充的な学習などの取組が必要であると考えており、そのための手段の一つとしてAIドリルの活用は効果的であると考えております。道内のAIドリル導入状況としては、本年6月に行われた調査結果によると、35市のうち、導入済みが25市、未導入が10市という結果でした。また、上川管内では23市町村のうち、導入済みが10市町、未導入が13市町村という状況にあります。導入による効果として期待できることは、議員お話しのとおり、学習の効率化ができることに加え、問題作成業務の負担軽減によって児童・生徒一人一人に目を向ける時間を確保できることや、電子化による印刷コストの削減などが挙げられます。一方、アカウント利用料は、サービス内容等によりますが、本市の規模であれば毎年数百万円程度の予算が必要な見込みであり、小学校低学年から中学生までの発達段階における家庭学習も含めた教育的効果を見極める中で導入の検討を進めてまいります。令和の日本型教育を推進するためにもICT環境の整備が不可欠ではありますが、端末や通信機器の更新、ランニングコストなどに係る財政負担も考慮しながら整備充実を行っていく必要があると考えることから、将来にわたって持続可能な予算編成となるよう、学校教育関連予算を精査し、市長部局とも協議しながらAIドリルの導入をはじめICT環境の充実を図ってまいります。以上申し上げ、答弁といたします。 (降壇)
再質問 10番 喜多武彦
幾つか再質問したいと思います。質問の中でICT教育の充実のために先生方のスキルアップが必要と考えているというくだりの中で、研修等のサポート体制を整えているかということを聞きました。加えて言わせていただくと、ICT支援員、GIGAスクールサポーターについてなんですけれども、国の方針では、教育のICT化に向けた環境整備5か年計画の中で目標として4校に1人の配置となっています。この達成の状況なんですけれども、全国では約70%、全道でいくと25%という中では、非常に格差が大きい。士別の状況でいくと、ここはゼロですよね、恐らく人材を見つけていくのも難しいとは思うんですけれども、配置がない中では、恐らく答弁の中であったんですけれども、教育委員会の担当職員が、あるいは委託をしているヘルプデスクを使いながらの支援を受けているとなっているんですけれども、人材の発掘という部分でいくと、例えば他市町村においては、高校生を活用しながらその支援に充てていくと。そして高校生が卒業した後においては、行政に就職を、あるいは地元に残っていただくという、そういう人材の活用をしているところもあるので、この国からの支援も受けられることを考えていくと、どんどん進めていくべきではないかと思います。間違いなく人材が不足しているのは十分理解はしているんですけれども、方策としてはやるべきだと思いますし、何か考えがあればということをお伺いしたいと思います。それから、令和6年度の調査結果をお聞きしました。小学生においてはやはり昨年同様ポイントが上がっていることは、結果として現場にいる教員としては非常にうれしいと思うんです、効果を上げているということは。中学校においては、やはりその環境が変わっていくとまた違うのかなというのはあるんですけれども。1つ聞きたいのは、国語、算数は出ていましたけれども、英語の結果はどうなんでしょうか。昨年も全国平均45.6%に対して士別市は43%ということで、中学生においては3教科ともに全国平均を下回っているんですけれども、令和6年度の英語のポイント、調査結果についても正答率をお知らせいただきたいと思います。それから、AIドリルの活用によってということで、現場が非常に効率的な働きをできるのではないかなと私自身は考えております。副産物として、例えば丸つけの作業は、宿題を出しました、戻ってきました、丸つけの作業で非常に多くの時間を費やしているのは現場を見るとよく感じているところであります。その丸つけ作業が非常になくなることを考えるだけでも働き方改革にはつながるのではないかなと、副産物としてはあるのではないかなと思っています。また、士別中学校においては、校務・採点ソフトを自費、学校の配当予算の中で入れながら使っていることによって働き方改革が進んでいると聞いております。働き方改革を進める部分においてのAIドリルの導入、あるいはソフトの導入を早急に検討する必要があると思いますけれども、以上について答弁をいただきたいと思います。
答弁 生涯学習部長 三上正洋(生涯学習部長は2025年3月まで)
再質問にお答えいたします。ただいまの再質問の中で、まず1つ目については、ICT支援員、またGIGAスクールサポーター、こちらの確保をしてはといった御質問であったかと思います。現在士別市においては、今議員おっしゃるとおり、今配置はできていない状況であります。このICT支援員、主な業務としては事業計画の作成ですとかICT機器の準備、操作、実務的な活用支援等々があり、また、GIGAスクールサポーターの主な業務としましては、ICT環境の設計、工事、事業者などの対応、そして初期導入時における技術的な支援等々が様々な角度でございます。この部分については、課題としまして教職員のICT活用スキルの向上という部分と、また効率化が進む反面、ICT関連の業務量が増えるという形があります。実際に学校の中で業務分担とした中で、ICT担当の教員が今、各学校に必ず1人以上がいるような形になっております。先ほど議員が申し上げられました、本当に士別市においてはヘルプデスクを活用した中でやらせていただいてきたということでありますが、今現在、各学校に配置している、業務分担で配置している教員の中で今できているといったことから、この部分については引き続き検討を要するといった部分は考えていきたいというところです。実際にそういった人材というところも配置できるかというところでいけば、議員がおっしゃられたとおり、なかなかそういった人材も少ないということもお聞きしているところです。そういった人材の発掘も含めて検討してまいりたいと思っております。また、次に英語の部分の結果ということであります。英語については、3年に一度実施ということでございますので、次回8年度に実施する予定となっております。そういったことから今回6年度の数字を申し上げましたが、今現在の英語の部分についてはやっていないということで、ないということを御了承いただきたいと思います。また、AIドリルの活用の考えはということでの再質問であります。AIドリルの有用性を認めているのであれば導入はしていくべきという御質問だったと思っています。AIドリルについては、児童・生徒一人一人の学力に応じた問題を提供できることや、教員のよりよい働き方などの面で導入メリットがあると考えておりますが、先ほども申し上げましたとおり、アカウント料が高額ということであります。サービスにもよりますが、毎年200万円から300万円必要となる見込みになっているところです。また、AIドリルの種類によっては、対象学年を限定できない、いわゆる小学校低学年の1年生から中学3年生まで同じAIドリルを導入しなければいけないといったパッケージのものもあるといった中で、学校のニーズも含めた中で費用対効果を見極める必要があると考えています。また、家庭学習の活用についても、家庭への端末持ち帰りによる重さへの配慮も必要と考えております。現在一部の学校でAIドリルを試験導入、無料のパッケージ、お試しパッケージというのがありますが、その試験導入をする中で学習効果等を今確認をしているところであります。現時点で導入する、しないの判断をすることは難しいことですが、引き続き学校とも協議をして、対応を検討していきたいと思います。以上です。